あらすじ
『逃亡刑事』の高頭冴子シリーズ第二弾! “県警のアマゾネス”の異名を持つ千葉県警の高頭冴子は、留学生の不審な失踪が相次いでいるという噂を耳にする。その数日後、中国国籍で新疆ウイグル自治区出身の留学生カーリの死体が発見された。捜査に乗り出した冴子は、事件に中国公安部が絡んでいることを掴むも、カーリの雇い主のカーディルも殺害される。冴子に保護を求めていたカーリの同僚のレイハンも連れ去られてしまい、その容疑者は逃亡。レイハンを救い、事件の真相を暴くため、冴子と部下の郡山は中国への捜査を強行するが、そこで二人が目にしたのはウイグル民族が置かれた恐るべき状況だった――
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これは、ミステリーとはとても思えない。
バイオレンス、ハードボイルド、クライムサスペンスを、ごちゃまぜにしたストーリーで、読んでてとてもつらかった!
著者が現実に命を狙われないか心配になった。
「VIVANT」のドラマを思い出した。
高頭冴子シリーズ第2段とは知らず、
読みだしたら、怖さ見たさに昨晩一気に読み終え、
気づいたら深夜の1時半。
その後、眠れずにあっという間に朝が来た。
何だか気持ち悪い夢を見た気がする。
「逃亡刑事」読みたいが、またハードだったらどうしよう。
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高頭冴子のシリーズ2作目にして危険度マックスの作品。タイトルの「越境」を最初は県警の管轄を越えるという意味だと思っていたが、まさかの海外への越境。
本作では中国に迫害されているウイグル民族の問題を取り上げているが、自分が如何にその迫害(というよりも民族浄化)の実態を知らないかという事実を思い知らされた。アマゾネスと呼ばれ男勝りでクールな高頭冴子だが、実は情に厚く、ウイグル人活動家の女性を救い出すべく中国へ出張する。そこで捉えられ言語に絶する拷問を受けるのだが、読んでいて流石に今回は助からないんじゃないかと思ってしまう(主役が助からないなんて話は絶対にないんだけど)。最終的には高頭冴子は救助され悪を成敗するが、とにかく悪役が本当に胸糞が悪いくらい悪役で、これだけ善玉と悪玉が明確に描かれていると主人公に肩入れしやすくもなる。
それにしても改めて中山七里は「カエル男」などでも描いているように残額な描写が得意だな...。
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シリーズ第2弾
しかし、相手が中国で、ウイグル問題。
こんなん描いたら、中山七里さん、中国旅行なんか行ったら、拉致られそう。
日本はスパイ天国って言われてるけど、当然、中国の公安もおるんやろな。日本にいて、ウイグル問題をSNSで発信しても…
一人は、殺されれ、一人は、誘拐&拉致され、そのまま、中国へ!
その人を救いに、部下の郡山と2人で日本を飛び出す高頭…
ここからは、激しいバトルが!って思ってたけど…
痛い〜!
激しく痛い〜!
恥ずかしめられるは、痛めつけられるは…こら、心折れるで、普通。
こんなん闘ってるというより、耐えるだけやん!
それもキツい…
如何に隙をついて、人質取り戻して、脱出するかのワンチャン狙い…
いやいや、如何にアマゾネスと言われる高頭さんでも、可哀想過ぎる〜
もう、心も身体もボロボロやん!
でも、凄いタフやな。
何か、話の1/4は、拷問かって感じ(-。-;
弾圧受ければ、必然的に地下に潜って、レジスタンスが広がる。
そのお陰で、何とかやけど、これを高頭さんの活躍というには、辛過ぎる(´°̥̥̥̥̥̥̥̥ω°̥̥̥̥̥̥̥̥`)
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千葉県中央区栄町、午前九時四十分
レイハンは、戒律の厳しい国で生まれ育った。風俗街は決して愉快なロケーションではない。だが、清貧な滅亡よりはずっとましだ。
他人の文化を嘲笑するものは、己の帰属する民族なり文化なりが滅びる可能性など露ほども考えないに違いない(実情だと思います)
レイハンは背後にただならぬ気配を感じた。
主人公・高頭冴子は同期の県警生活安全総務課警部山野美香から「中国人留学生就労者の行方不明者が頻発している」と聞いた。行方不明者届が出されている手前、調べてみたら成田から出国した記録が見つかった。
「一応国籍は中国。だけど正確には東トルキスタン」出身が新疆ウイグル自治区だ。
警察が民事不介入を謳っている以上、実際に捜査できるのは特異行方不明者だけだ。
特異不明者とは、子どもや認知症を患っている高齢者などである。
十月十五日早朝、成人男性の死体が発見された。リンチ同然の状態で発見された死体で事件性が確認され、県警本部刑事部に出動要請がなされた。通常であれば凶悪事件として早期解決のため人員を投入するものだが、今回の事件にはそこまで熱意が感じられない。被害者は、中国公安部(中国政府)の監視対象にされているからだ。中国公安部の三人が入国しているのも確認されている。
千葉県警に自らを保護する様に求めていたレイハンが拉致され、高頭警部と部下の郡山が新疆ウイグル自治区の非開放地区に侵入し奪還に向かうことになった。この先のあらすじは、凄惨すぎて僕には書けません。(あらすじはここまで…。)ネットで検索してみれば、悲惨な現状が他国のジャーナリストや自治区から脱出したウイグル人の告白が垣間見える。中国との犯人引渡条約が結ばれていない。荒手の強行に出るという物語の筋は面白いが、全くあり得ない。
この問題を題材にしている作家は多いが、中国の野望は果てしなく、ジェノサイドは止まらない。
Posted by ブクログ
高頭シリーズの第二弾。予想の斜め上を行くハードな内容でした。
某国による他民族への排斥行為に焦点を当てた作品でしたが、社会的なテーマの重さもさることながら、人の尊厳を踏み躙り、心をへし折る描写がハード。
中山さんはこんな描写も書けてしまうんだ、と意外に思うと同時に、今なお増え続けているだろう引き出しの多さに脱帽。今後の展開が気になるシリーズになりました。
Posted by ブクログ
「逃亡刑事」に続き、県警のアマゾネス・高頭冴子シリーズ、2作目。
いや、今までから中山七里作品でエグい、グロい描写は数多くあったんだけども、今作はもう別格。あまりにキツい描写なので読む者を選ばざるを得ない。とは言え、、、私は結構リアルに近い描写じゃないかな、と思っております。さすがに先生もそれなりに取材されてのことだと思うので。ただね、、、この手の作品は難しい。「アポロンの嘲笑」を読んだ時も思ったけど、現状のリアルさを変にフィクションの中に落とし込んでしまうと、せっかくのリアルも絵空事だと誤認されてしまうのではないだろうか。フィクションでしか描けないというのもあるだろうけど、現状があまりにも悲惨で残酷なだけにね、、、。
このシリーズも更に続編はあるのかな。さすがにアマゾネスの高頭も簡単に元通り、というわけにはいかなさそう。
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中国のウイグル問題を題材にして、中国公安部と高頭警部との命がけのバトルが楽しめるミステリー。後半以降の敵地に乗り込んでの壮絶な展開は、007などのスパイ映画的ですらある。物語としての娯楽性も高いが、世界各地での人権侵害問題にも心をむけさせる一作。
Posted by ブクログ
過激な作品。
あまりの恐怖に言葉を失う。
発端は留学生の相次ぐ失踪。
被害者に共通するのは新疆ウイグル自治区出身である事。
犯人も、事件に中国公安部が絡んでいる事も序盤で明らかになるが、その後に続く展開が凄絶で思わず目を背けたくなる。
“県警のアマゾネス”こと、千葉県警・高頭冴子の正義が炸裂。
逃げた奴らを追い、舞台は日本から中国へ。
誤ったトップの下、カルト宗教に洗脳されたかの様に、罪のない人達を暴力で服従させる。
そこには人間の尊厳を根こそぎ奪う現実が存在していた。
ウイグル民族弾圧が絵空事ではない事を思い知らされる。
Posted by ブクログ
ウイグル自治区、良く聞くワードだけどこの本で心に沁みました。もっと世界を知らないとね。
最近読んでいて中山七里なんだか月村了衛なんだかわかんない本がある。取材してると、書かずにはいられない理不尽と、小説の中だけでもやり返したい思いがつのるのかな。
日本も、自由を謳うだけでなく、もっときちんと国民を守り海外に対抗するしたたかさを持って欲しいです。今回は残り少ないページからのこうきたか!というどんでん返し…なのかな。トヨタの勝ち?
虐待のラインナップが凄くて、グロダメな人には向きません。中学にはダメかな~。好み的には★5なんですが、幸福度の薄さでやっぱり★4。
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今までに読んだ中山七里さんの作品の中で一番好きだった「逃亡刑事」の続編がやっと出版された。しかし、「逃亡刑事」とは明らかに違うところがある。テンポが良いのは変わらないが、書かれている内容があまりにも残酷でおぞましく恐ろしかった。特に中盤以降高頭警部が囚われてからは、数頁読んでは手が止まり、時間を空けてから再び読むを繰り返し、中々頁を捲る手が進まなかった。数々の非人道的行為に、人間はここまで他に対して残酷になれるのかと驚愕した。これから読む方は、(特に女性は)ある程度覚悟をしてから読んでください。終盤に高頭警部が奪還されるシーンは、ちょっと拍子抜けする位呆気なく終わってしまったのが少し残念で、もう少し紆余曲折があっても良かったかなと思う。高頭警部や郡山さんの今後の活躍に期待しています。続編を強く希望します。
Posted by ブクログ
シリーズ第2作。
中国に弾圧されるウイグル地区という政治的な構図に、アマゾネス高頭が切り込む。
今回の敵は中国公安部。こんなに政治的問題に切り込んで大丈夫かなと心配してしまう。
国を越えても自分の信念を貫き通す姿は、さすがアマゾネス。
アマゾネスと郡山の活躍ぶりは期待どおりだったのだが、結果的に過激な拷問シーンだけが印象に残ったし、前作と似た展開が多いようにも感じてしまったのは私だけだろうか。
次作はどうなるのかは、やはり気になるところ。
Posted by ブクログ
千葉県警のアマゾネス高頭冴子シリーズ第2弾。
中国の留学生が殺害された事件捜査から、連れ去られたレイハンという活動家の妻と犯人を追って部下の郡山とともに新疆ウイグル自治区に渡った高頭冴子…。
う~ん…ひどすぎて、痛すぎてこれ以上のレビューは無理っ(;´д`)
えっ?これ、大丈夫??こんなの、小説にしても??
ハードボイルドとかアクションとか、別次元っ!読むのがとってもつらかったけど、そこは中山七里先生の作品なんで最後まで読めましたけどね…。ホント、無事に帰国できてよかった…!!
Posted by ブクログ
前作が面白かったので、第2弾も読みたいと思い読みました。前作より更にバイオレンスと言った感じでした。小説の中で描かれている中国によるウイグル族への弾圧にどの位事実に近い物が有るのか知りませんが、少しでも事実があるとすれば、中国と習近平=ナチスとヒトラーで、とても許せるものではないと思いました。
しかしここまで中国の公安を悪者に描いて大丈夫?!(他の読者の感想にも有りましたが)と言う程に、中国公安のウイグル人の殺害とレイハンと冴子への拷問は酷い物でした。
まぁ主人公が死ぬ事は無いので、想像通り最後は助かるのですが、最後がサラッと終わってしまうので、もう少し先の事も書いて欲しかったなぁ、、、
でも、とても面白く先が気になり楽しめました。第3弾も早く読みたい。
この所、中山七里の面白いシリーズを発掘中でまだまだ読みたい物が多く楽しみです。
Posted by ブクログ
タイトルと内容の乖離がエグくて驚いた。
タイトルからの予想
アメリカとメキシコの国境線で薬物殺人のあれやこれや
実際
千葉県警の女刑事がノープランで中国に飛び込んで捕まってめちゃくちゃ拷問される
Posted by ブクログ
刑事モノを越境しました、ウィグルの悲劇を描く目的
は十二分に成功したと思う、作品的には冴子が通常の
刑事モノでは考えられない凌辱を受けたあとも、法的
に追求する精神力にまいりました
Posted by ブクログ
ウイグル地区について、よく知らない
けれどこんなこと本当にあるのかな、あるんだろうなと思い自分の無知が怖くなった。
アマゾネス高頭冴子。
中山七里さんのお話はどれも、人物、背景、終わりまでのストーリー展開が面白い!
まず、キャラが豊富。
どこか欠点があったり憎めない。
貧困や障害、元罪人、などの多様な人物達。
震災や音楽、スポーツ、たくさんのテーマ。
終盤のたたみかけ、
ますます自作を読むのが楽しみです!
Posted by ブクログ
千葉県警の高頭冴子シリーズ第2弾。
海外留学生の行方不明事件に端を発して、冴子と部下の郡山が事件解決に向け動き、中国へ乗り込む。
中盤までドキドキしながら一気に読みましたが、テーマと犯人の個人的動機はともかく、中盤以降は描写がキツすぎて読むのに力がいりました。
Posted by ブクログ
拷問に次ぐ拷問、そして心をへし折る陵辱。なぜここまで描くのかと疑問は感じなかったけれど、痛めつける相手は冴子なだけに公安部も徹底せざるを得ないのか。
爆破でもしない限り囚人の脱出は不可能だろうと考えていたら、答え合わせは見事に一致。
今後、冴子の人生においてトラウマになるのは間違いないであろう。
Posted by ブクログ
ウイグル自治区出身の留学生カーリさんがリンチを受けたような死体で発見。
「県警のアマゾネス」の異名を持つ高頭冴子さまと部下の郡山さんは事件に中国公安部が絡んでいるっぽいと気づきますが、冴子さまに助けを求めていたカーリさんの職場のレイハンさんも拉致られちゃう。
レイハンさんを助けに、いざ中国へ!な、お話。
冴子さまが...あぁ...おいたわしや...
結構内容キツいです〜((((;゚Д゚)))))))
郡山さんがいなかったら...あぁ...
前作のようなエンタメスッキリ感はありませんでした。
次作があれば、もっと冴子さまの凛々しいお姿をお願いしたい所存でございます(⁎⁍̴̆Ɛ⁍̴̆⁎)
Posted by ブクログ
アマゾネス刑事・高頭冴子シリーズ2
ここ半年で、中国人留学生や就労者の行方不明が頻発に起こっていた最中、リンチの形跡が見受けられる男性の死体が発見された。
被害者は、中国国籍、新疆ウイグル自治区出身者であった。
容疑者は、中国公安部の3人。
高頭冴子は、郡山と2人で、ウイグル自治区まで、容疑者を追って行くが、二人を待ち受けていたのは、ウイグル民族の凄惨な現状だった。
中国共産党による、新疆ウイグルへの弾圧は、最近よく耳にするが、とても、正視できないほどの内容だった。
公明党の反対にあったとはいえ、自民党でさえ、対中非難決議を出すのに、及び腰状態であるのに、
ここまで書いた中山七里氏の身辺が心配になった。
「さよならドビュッシー」で、清廉潔白な岬洋介さんに憧れて、中山七里氏を読み続けているけど、バイオレンス指数高い作品は、ちょっと・・。
Posted by ブクログ
高頭冴子は同期で千葉県警本部生活安全総務課に所属する山野美香から、この半年で中国人留学生や就労者の行方不明届が頻発しているという話を聞く。彼らが皆、東トルキスタンのウイグル自治区出身者であることを不審に思っていた矢先、ついに同じウイグル出身者であるヤシンジャン・カーリの遺体が見つかったことで、冴子が所属する捜査一課も犯人逮捕に向けて本格的に動くことになる。そして、話を聞いたカーリの恋人であるというグゼルはなんと、「カーリを殺したのは中国政府かもしれません」と証言する。
『逃亡刑事』に続く、高頭冴子シリーズ第2弾。国を超えて、そして公安でありながら殺人を犯してまでもウイグル人迫害をすすめる恐ろしさ。冴子や日本の警察を頼ってきたウイグル人女性を拉致して犯行後に中国に飛んだことで、冴子も部下の郡山だけを連れて中国へと渡ることになるが、途中で拉致され、拷問を受けることになってしまう冴子。ここでの描写がもう、読んでいて辛すぎる。特に冴子や人質として連れ去られた人物が女性であるがゆえのやり口には生理的嫌悪がものすごく、読むのを途中でやめたくなってしまうほど。これになんとか耐えた冴子の超人ぶりはまぁ、小説だからこそで、実際にはこんなのありえないでしょう。初期の頃に精神崩壊するよ、きっと。
Posted by ブクログ
とにかくえぐい。というか悲しかった。
拷問の描写をここまで詳細に書かれてしまうと、気が遠くなってしまうし、自分の精神状態もなんだかおかしくなってくる。中国のことを悪し様に描くのもフィクションとはいえ、どんなものなのだろう。ラストにかけての解決編がすんなりといきすぎてむしろ拍子抜け。こんなに残酷でもラストまで気になってしまうのは作者の筆力なのだろうけど、なんだかとても複雑。このシリーズ今後も刊行されるのだろうか。
Posted by ブクログ
69 タイトルのまんまで越境しすぎや。ここまで書いたんだったらもっと詳細な弾圧の実態を書いたらよかったのに、終盤は酷い描写ばかりだったので、国家の犯罪がかえってぼやけた感じがするぐらい
Posted by ブクログ
女性の作者は女性の登場人物に容赦ない。
主人公の刑事が受ける拷問は男が考える限界を軽く超えている。(読まないとこれはわかりません)
さてこの小説はウィグル問題を題材にしていて、それを日本人に知らしめるためとしては成功していると思う。自分も正直ここまでとは知らなかった。
一方で中国側を完全なる悪として表現されている。致し方ないとは思うけど。
星が伸びなかったのはシナリオは比較的シンプルだったこと。ただ社会問題を題材にしているのであまりシナリオを捻りすぎると本来の目的が達成されないかもしれないのでこの程度の良いのかもしれない。
Posted by ブクログ
フィクションとはいえ、中国の周政権への批判的描写が凄まじく、大丈夫?って心配になる
最後は、フィクションだなーという内容になるけど、そこまではかなり真実に近いのではないかと、、、
もっと中国が行ってるジェノサイドに対して声を上げていかなきゃダメですね