藤岡陽子のレビュー一覧
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美しい夕日に彩られた浜辺に座ったジイ。隣には何かを指差す少年。思わず波の音が聞こえてくる感じがする素敵な装画です。
この本は三話のオムニバスでした。三人のジイ(おじいさん)の大切な人へのメッセージが書かれていました。
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【海神 わだつみ】
いじめで不登校になった優生は、母親と妹と共に、瀬戸内海の塩飽諸島に住む曾祖父の清じいを訪ねます。大歓迎され、父親の子どもの頃の話などをしてもらいます。実は病で体力の限界だった清じい。その清じいの気持ちは、しっかりと優生に届いていました。30ページの短編の中に、思いがぎゅっと込められていました。
【夕凪 ゆうなぎ】
診療所を閉院すると言った開業医の月島先生が、残り二週間となった日に突然いなくなってしまいます。看護師の志木さんは瀬戸内海の島にいることを突き止め、捜しに行きます。そこで月島先生の過去の話を聞き、これからの決意を受け止めます。志木さんが月島先生から言われた言葉が、志木さんのこれからの生き方の指針になっていくはずだと思いました。
【波光 はこう】
大晦日に石の博物館館長のじいちゃんを訪ねた孫の高校生の澪二。彼は陸上部で期待されながらも、足の怪我で大学の推薦まで取り消すことに。彼はじいちゃんの昔話を聞くうちに、自分のいたらなさに気づいていきます。そして、じいちゃんの強さと大きさを感じます。じいちゃんが、澪二のことを大切に思っているからこその言葉が、とてもよかったです。
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三話の小説の後に、藤岡陽子さん直筆の瀬戸内島MAPがあります。これを見ると三話が一気につながりました。きむらゆういちさんの解説で、この本のよさがより伝わってきました。
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Posted by ブクログ
日赤から戦地へ派遣された従軍看護婦の物語。
看護婦目線で戦争について少し知ることができたように思います。
終戦間近のフィリピン。
様々な地域で負傷兵の救護活動(包帯の洗濯、隔離病棟での世話、死んだ兵士の遺品整理、防空壕へ患者の移送、食料探しなど)している姿に心が痛くなりました。
生きている時代が違うだけで、なぜここまで苦しまないといけないんだ、何のために戦っているのか、国のために?ふざけんな…静かな怒りみたいな感情が溢れてきました。亡くなった兵士や看護婦さん達、その家族に想像を絶する悲しみや辛さを負わせてまで国が得たかったものは何なんだろうか。。 -
Posted by ブクログ
海と様々なお爺さんを軸として、次の世代への紡ぎをテーマにした3編の短編集。
どの短編も良かったですが、個人的には海神がシンプルながらもグッときて好きです。
以下、読んでて、気に入った言葉。
◾︎海神
p27強くなりたいと願った時に、人はもう強うなってるもんじゃ。
◾︎夕凪
p66年を取ることに対する先生の考え。
心に関していえば二つほどいいところもあります。
ひとつは、これから先どのように生きようかと言う悩みが少なくなるということ。これは単に選択肢が少なくなるからだと思いますがね。もう一つは大切なものが年々減ってくることによって、大切にするものへの比重が増すということ。
◾︎波光
「なにしにきたんだ」ではなく、「よく来たな」と。それだけのことで涙が出そうになった。