藤岡陽子のレビュー一覧
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最初は重くて気が滅入る…と思っていたが徐々に好転。心に残るセリフもあった。
自分の人生のダイジェストを辿った時に、必ずその場にいる人間が家族。確かにそうだと思ったしそうでありたい。そう思うと少し優しい気持ちになれる気がする。
以下は沁みた部分の引用。
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「家族になった人間とは、いろんな局面を共有できる凄さがあるぞ。人生においてこれ以上嬉しいことないっていう局面 とか、これ以上ないっていう悲しい局面とか。自分の人生のダイジェストを辿った時に、必ずその場にいる人間ってのは貴重だぞ」
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複数のフォローしている方のレビューに惹かれてチョイス。
三人三様のジイの生き様。
■海神
最期の命の炎を燃やすジイと、その思いを受け止めるひ孫。
男と男の約束を果たそうとするひ孫の姿が健気。
短い話でベタな作りだが、そこはかとなく佳い話。
■夕凪
人生に区切りをつけようとする老医師と、彼に長く仕えてきた看護師さん。
短い話の中に二人それぞれの人生がギュッと詰まって読み応えあり。
言葉の端々に人生への諦観を感じさせる医師であったが、港での最後の姿に男としての矜持を見る。
70代後半と48歳では恋愛話にはならないのだが、それでもなんだかメロドラマみたいな切なさが溢れる。3つの中ではこのお話が一 -
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日本赤十字社から戦地に派遣された従軍看護婦も、戦争末期のフィリピンの惨状も知らなかった私だったが、本書を読むに当たって、あまり影響がないと思われたのは(勿論、これを読んで興味を持つことはあると思うが)、本書で教えてくれる大切なことは、また別のところにあったからだと感じられたからである。
平成生まれの看護師、「高橋紗穂」が夜勤中に見舞われた地震によって意識が遠退き、気が付いたら、1944年のマニラの地で倒れており、彼女の意識は紗穂のままであったが、その身体は、つい先程まで看護していた「雪野サエ」のものであり、当初紗穂は、何故こんなことになってしまったのかと悲嘆し、早く元の世界に還りたいこと -
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ネタバレ表紙の満天の夜空が綺麗だったから
思わず手に取った1冊でした。
“満天のゴール”というタイトルと表紙から
私は綺麗な夜空が印象的な
そんなお話しだろうなぁと想像していた。
だけど実際は
僻地医療や終末期がテーマのお話しで
ゴール=死までの日々の中で
頑張った日に星のシールを貰って
星が集まると満天になっていく。
それも眩しいくらいに輝く。
終末期医療に向き合うって
本当に難しいし毎日が大変で苦しい。
でもその人らしくゴールを迎えられたら
とても素敵なことだと思う。
看護師として
その人らしく過ごせる看護を
提供していけるように
これからも頑張らなくちゃなぁ。 -
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読み始めてしばらくして、これNHKドラマで観たことある!と思いましたが、そのまま続行。ドラマが良かった記憶で、活字で読むとまた良さが増しました。ストーリーは覚えていたけどまた深みが増すというか。胸に響きました。
医療過疎地である田舎に、離婚で戻ってきたシングルマザーの奈緒、息子の涼介、そこで出会う医者の三上先生、早川さんというおばあさん。それぞれの過去の繋がりが明かされて、救われていく展開に胸がいっぱいになりました。
満天の星と、星のシールがリンクして。満天ゴールという考え方が素敵だと思った。死ぬことはゴールであるということ。素敵な自分らしいゴールを迎えられるように生きよう。死に対する考え