藤岡陽子のレビュー一覧

  • いつまでも白い羽根

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    これが藤岡陽子さんのデビュー作なのか。
    主人公瑠美のハニキヌキセナイ生き方に、青春の真っ直ぐさと苦味を感じた。苦味は他でもない自分自身の苦い記憶。自分の考えが正しいと信じて権力に媚びないこと、それが自分らしさだと思っていた時期があったから。
    瑠美の親友千夏は、包容力満点の看護師にピッタリの女性だった。屈折した正義感あふれる美女遠野も魅力的だった。二人のお子さんがいる佐伯も。
    思わぬ展開で幕を閉じたこの物語。なのに読後感が無念や喪失感、哀しみに沈まないのはなぜだろう。
    4人の選んだ道、レールがみんな重ならなくても、それぞれが自分の意志で選んでいったからなのかもしれない。
    看護師さんを目指すこの話

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    2024年12月04日
  • わたしの名店

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    様々な方がお気に入りのお店を、そのお店のエピソードと共に紹介してくれる1冊

    朝井リョウさんはギャグ漫画のような語彙力高すぎの表現力でガリガリ君が1本刺さってるサワーを出す早稲田大学生の定番丸八を

    孤独のグルメの作者である久住さんは佐賀の絶品餃子を南吉を

    人それぞれの名店をこれでもかとくらい惜しみなく紹介してくれる、読むための食べログ

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    2024年11月28日
  • おしょりん

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    本当に真っ直ぐに良い。真っ当に良い。
    なんで藤岡さんがこのテーマを選ばれたのかとても気になる。
    一生懸命仕事しよって気持ちになります。

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    2024年11月19日
  • 手のひらの音符

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    藤岡陽子さんの作品はじわじわと読み手の心を揺さぶっていく力があると思う。何気ない登場人物のことばだったり置かれている状況に共感を覚えて所々懐かしさを感じる。

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    2024年11月17日
  • 空にピース

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    久々に本で泣いた〜。

    東京郊外の公立小学校に新しく赴任したひかり。
    担当する六年二組の生徒たちは社会の根深い諸問題の犠牲になっているような子たちが多い。
    自分が小学生だった頃を思い返しても、かなりいたよなこういう子たちと思って、子どもの行動には全部理由があるっていうのがすごく刺さった。

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    2024年11月17日
  • トライアウト

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    主人公の可南子と、深澤の、愚直に頑張る姿に背中を押される気持ち。真っ直ぐに努力していてすごい。

    私は自分が100%頑張ってることを認めるのが怖い。本当は100%かもしれないけど、結果が伴わなかった時にどうしようもなく落ち込んじゃうのが嫌だから80%だと思い込むようにしてるのかも、と思う。
    でも結果なんて出る方が奇跡みたいなものだし、頑張ってることそれ自体がすごいことだからさ、自分を認めてあげたいなと思った。

    終わりのために頑張る、頑張るのは終わりがあるから、ってセリフも沁みたな。

    読んでいて背筋が伸びたり、
    もっと前向きに頑張りたいと思えるようになる、
    とても良作でした。

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    2024年11月14日
  • 満天のゴール

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    人と人が関わり続ける限り、相手を想う気持ちが生まれる。
    人は強い生き物。
    人生どんな苦しいことがあっても、人は死ぬ。
    その苦しみを乗り越えて、ゴオル迎えられるならば幸せ。
    乗り越えられる出来事しか起きないんだと想う。今私の前に起きている出来事も、乗り越えてみようと思えた!

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    2024年11月13日
  • 手のひらの音符

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    泣きそうになった〜。感動ポイントを簡潔に書こうとするとチープになってしまいそうだからあえて書かないけど本当に良かった。

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    2024年10月27日
  • おしょりん

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    初めてのことに挑戦するのはなかなか踏み切れないものだが、この人たちはとても勇気のある人たちだ。こんな人たちがいたから今の日本があるんだと実感させられた。

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    2024年09月25日
  • 海とジイ

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    命のメッセージ。生きてきた時間の長さの分だけ、時間を重ねた学びがある。だから伝えることができる想いを言葉にすることができるんだろうな…。何度読み返しても毎回気づくことごあり、登場する3人の老人からのメッセージを確かに受け取ることがでる。

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    2024年09月25日
  • 満天のゴール

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    不倫離婚、高齢化社会、限界集落、過疎医療問題、ヤングケアラー、児童虐待、そして人間の生と死。ハードな内容を扱いながらも、さほど陰鬱にならないのは作者の視線が温かく優しいからだろう。小学生の息子の真っ直ぐで前向きな気持ちにも救われる。タイトル『満点のゴール』の意味が物語の途中でわかる。幸せな考え方だし幸せな言葉だ。終盤は怒涛の展開になるがラストシーンが穏やかで良かった。静かに心に染み入り自然に涙が流れるような物語だった。

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    2024年09月14日
  • 海とジイ

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    藤野陽子さんは『満天のゴール』に続き2作目
    今回は『海とジイ』

    山でも空でもなく、海
    おじいさんじゃなく、
    おじいちゃんでもなく、ジイ
    読み進めるにつれ、このタイトルの意図する所がじわじわと心に響いて来る。

    三話の物語には、3人のジイの生き方と、そのジイの想いを受け取る人々の心情模様が描かれている。三者三様の生きざまだが、3つのお話がゆるく繋がっているのもまた趣深い。


    「海神ーわだつみ」
    不登校に悩むひ孫と漁師のジイのお話
    二人の最後の約束が胸に迫る。ジイの大きな懐に加え、息子を想う両親それぞれの心中も巧みに描かれていて、まさかの涙腺崩壊。
    おいおい、一話目からこんなで大丈夫か・・・笑

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    2024年09月06日
  • 晴れたらいいね

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    大戦末期に、フィリピンに派遣された、若き女性看護師たちの奮闘記。でも戦争なので、力を合わせても、死んでいくんです。最後まで読んで、生きてて本当に良かったと痛感させられます。

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    2024年08月30日
  • 満天のゴール

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    藤岡陽子さんは初読みの作家さんだった。
    長年看護師としても働かれているという。
    『満天のゴール』

    高評価も納得のとても素晴らしい作品だった。
    僻地医療の問題を扱った医療小説ながら、死生観に強く訴えかけてくる。

    舞台は京都丹後の過疎地域にある海生病院。
    夫の不貞で一方的に離婚を要求されている奈緒は、息子の涼介を連れ、行くあて無く実家のある丹後地方に戻る。
    一時帰省のつもりが涼介はこの地を気に入り、一方で離婚は現実的なものとなっていく。
    母の死後、父 耕平との関係に確執がある奈緒だが、ある日耕平が交通事故に遭ったと連絡があり・・・

    前半は奈緒の離婚問題が中心で、夫婦間における奈緒の甘えと弱さ

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    2024年08月27日
  • 海とジイ

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    これも最高。瀬戸内海で短編3作が絡み、湊かなえさん的な謎解きも楽しく。いや、そこは藤岡さん、ドカーンと泣かせてくれるので、飛行機で読んでて涙が溢れて、思わず中断。

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    2024年08月25日
  • 満天のゴール

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    小生初、藤岡陽子さん。生きること=死ぬことを上手に書かれており、号泣必至。現役の看護師さんとしても活躍されており、現場の実態に近いのだと思う。多くを学ばされます。

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    2024年08月24日
  • 満天のゴール

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    生きることと死ぬことを考えさせられる本。今考える死は怖くない。
    あとは母の愛情は何者にも代えられない。私も子どもたちにできる限りのことをしてあげたい。いつ無くなるかわからない生の間に、かけられるだけの愛情をかけたい。

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    2024年08月21日
  • いつまでも白い羽根

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    人にはそれぞれ人生の物語がある。だから相手のことをよく知らないといけない。とでも読みやすい本でした。

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    2024年08月10日
  • 満天のゴール

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    ほんとに、藤岡陽子さんの書く小説は、人生に大切なメッセージをそこここに含んでいる。それも、上っ面じゃなくて、肚のなかから出てきた、経験した人にしか話せないようなこと。
    主人公の情けなさに最初辟易しそうになるけれど、大丈夫。母は強いのです。
    そうそう、看護師と医師の安易なラブストーリーにならないのも、藤岡さんの小説の好きなところ。仄かに良い感じ、くらいでね。

    好きな台詞を覚えておくために一つだけここに記録。
    トクさんは涼介くんに会えて嬉しかったんだ。罠を作ってる間、きっとワクワクしてたぞ。人が人と関わり続ける限り、相手を想う気持ちがうまれるんだよ。

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    2024年08月02日
  • 海とジイ

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    3編のお話が、チェーンのように繋がる構成となっている。

    『海神⋯⋯わだつみ』
    真鍋優生は、小学3年生の時から不登校となって1年が経つ。
    ある日、父方の曽祖父が危篤だと知らせがあり、父親に代わって母、妹、そして優生の3人は、瀬戸内海に浮かぶ小島へ見舞いに向かった。
    港に出迎えてくれたのは百合子叔母さんだけでなく、傍にいよいよ危ないと伝えられていた真鍋清次ジイが立っていた。
    この物語の海は、とても荒れていた。

    『夕凪⋯⋯ゆうなぎ』
    48歳になる看護師の志木は、月島診療所に勤めて21年が経つ。
    月島先生が一人だけの小さな診療所なのだが、ある日突然に1ヶ月後に閉院すると伝えられる。
    その先生が、閉

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    2024年08月02日