藤岡陽子のレビュー一覧

  • きのうのオレンジ

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    泣いた。何回泣いたかわからない。
    主人公の意志の強さや優しさ、弟や友人たちと織りなす物語がとても感動的。闘病という暗いテーマにも関わらず、爽やかなカラーがかかっているような、素敵な作品だった。

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    2025年05月10日
  • 海とジイ

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    ネタバレ

    瀬戸内海。初めて四国を旅したことを思い出しながら、三人のおじいさんとジイからのメッセージを受け取る人々の物語を読んだ。
    漁師のジイも、医師のジイも、石の博物館館長のジイも、しなやかで豊かだ。
    いじめから不登校に悩むひ孫も、長年一緒に働いていた看護師も、ケガをして進路に悩むランナーである孫も、ジイたちのおかげで生きる活力を得ていく。
    ジイ達が闘って身につけてきたもの。包容力と芯の強さが孫やひ孫たちの傷んだ心をあたためる。
    どの話もいいが、ことに第三話が好きだ。
    ジイを救った十歳も歳下の青年のあくなき鉱石への思い。悩める陸上少年の親友田宮の手紙。
    「人生は短いぞ、澪ニ。今日一日を限界まで生きろ」

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    2025年05月04日
  • 海とジイ

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    海も
    じいさんも
    大好きで。
    それはきっと
    懐の深さと奥行きに
    魅了されるからなんだなあと感じた。
    3つのお話は繋がっていて。
    自然を前に人は繕えない。

    なにを自分は後世に残していきたいか
    そんなことを考えながら。
    あたたかい物語でした。

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    2025年04月14日
  • 晴れたらいいね

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    ネタバレ

    戦争末期のフィリピンの惨状と従軍看護婦の仕事を初めて知りました。
    現代社会の戦争のない平和な世界に生きている。
    そのため、戦争の悲惨さを学ぶには、とても大切な1冊だったように思える。

    命が1番大事で、命より大切なものはないってことを改めて思い知らされる。
    この今の社会では、当たり前の考えが、1944年頃は、とても、ユニークな考え方だと言われていた。
    そのような現実からすると、今から100年後の世界は、どれくらい考えが変わっていくんだろうと思った。

    とても感動する1冊で、何度も泣いてしまった。この本を読み終えてしまったのが悲しい。
    ドラマを見てみたいなと思った。

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    2025年04月08日
  • 手のひらの音符

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    樹木に比べれば人の人生なんて短い。
    「いまこの瞬間にある本当の心を大切にしなければ、なんのために生きているのかわからなくなってしまう」
    本当の心を大切にして、それが叶わなくても後悔はしない。
    水樹と信也はやむを得ない事情で遠回りしたが、いつまでも自分の中の真実を大切にしていた。そして家族を護り続けた。それだけにクライマックスが嬉しい。水樹が旧友との再会で、自分のやりたいことを投げ出さなかったことも嬉しい。

    人はこれが最後の別れになると気付かずに出会いと別れを繰り返す。
    ずっとこの時間が続くという錯覚を取り払って生活しなくては。そんな思いが強まった。

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    2025年04月04日
  • 海とジイ

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    3作の短編集。
    1作目が泣けました。
    電車の中で読んでいたので、ちょっと困りました(笑)
    ジイと過ごす時間で三者三様の想い、ちゃんと次世代へ伝わっているとこが良かったです。
    人と人との繋がりって大切だなぁと感じる1冊でした。

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    2025年04月02日
  • 晴れたらいいね

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    「私は、自決なんて絶対にしません。命が尽きる最期まで、この命を守りますよ。敵が目前に迫っているのなら降伏します。捕虜になってでも生き延びて、日本に帰るんですっ。私には……私たち班員には、会いたい人が日本にいるんです。まだまだこの先やりたいことだってたくさんある。誰が始めたかわからない、誰のためなのかもわからない、こんな戦争なんかで死にたくないんです。」
    戦時中だったら決して言えない言葉。でも平成からやってきた彼女だから言えた。時代を突き抜ける力強い言葉

    先日『晴れたらいいね』のドラマを観た。
    ドラマよりもフィリピンでの従軍看護婦が観た世界が細部まで深部まで描かれている。
    『晴れたらいいね』

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    2025年04月01日
  • 満天のゴール

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    夫に裏切られ、10歳の息子涼介を連れて故郷に帰って来た奈緒。ペーパーナースだった奈緒は、暮らしのために病院に就職する。医療過疎地域の辛い現実と、そこで生きている人たちに心打たれた。何より、前向きで素直で温かい気持ちを持った息子涼介が、奈緒達を元気づける存在となっている。

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    2025年03月27日
  • わたしの名店

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    どなたの書いたお店も料理も飲み物もエピソードもとても良かった。
    目の前にお店があって実際に飲んで食べているようでした。
    それにまつわるエピソードもとても良かったなぁ。
    実際にあるお店ばかりなのでいつか行ってみたいな。
    皆さん作家なのでとてもいい文章なのですが、朝井リョウさんのエッセイ力はさすがでした。

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    2025年03月24日
  • 空にピース

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    様々な問題を抱えた子供が集結した6年2組。
    そのクラス担任になったひかり先生と生徒のお話。

    そこに元校長が亡くなったという事件も絡んできて、ミステリー要素も含まれた内容で、予測ができない展開も面白かった。

    先生が真っ直ぐで子供達の未来を常に考えてくれていて、その優しさに心温まる。
    また荒れたクラスであっても、子供達の純粋で無邪気な様子や、先生の頑張りに応えようとする様子はとても可愛らしい。

    個人的には授業中や行事の様子で、自分の小学生の頃の思い出と重なるような描写が多く、鮮明に小学生の頃の感情を思い出すきっかけになったりして、懐かしさや切なさを感じ、グッとくるものがあった。

    少し読み進

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    2025年03月16日
  • 手のひらの音符

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    最初から最後まで、しみじみと泣けます。大人になっても、昔好きだった人を思い続ける物語。家族を愛し、他人を受け入れる大切さを説く。藤岡さんが描く、受容性のある京都もまた魅力。素晴らしい小説です。

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    2025年03月08日
  • 海とジイ

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    瀬戸内の海と3人のジイ。
    島で生きるジイたちの生きる姿を見た孫たちは、迷いから自分を見つめ直していく。

    第2話は、複雑な思いで読んだ。老いを感じ、個人の医院を閉院して、たまたま昔世話になった先輩医師を助けに島に行った。鬱々としていた思いを海で気持ちを前向きにしてもらったかのように映る。

    上手く言えないけれど、藤岡陽子さんの作品を読んでいると、いつも元気をもらえる。

    第1話から涙を流させてもらったのは初めて。
    それぐらい心に刺さった素晴らしい作品だった。

    お薦めの一冊ですね!

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    2025年03月03日
  • 晴れたらいいね

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    佐治さんが言う⇨どうしてだろう誰一人戦争を止める声を上げるものはいなかったが異常だったのだね、岩代の様な人間が大量にいたから、白飯を毎日食べる上官がいたから、赤紙一枚で簡単に命を奪った奴がいたから戦争が起きた。現在でも中国にロシアに戦争になる可能性あるのに、自民党 公明党 維新に投票する我々はもっと深く考えようよ!

    川でパニックの進藤さんにファンユーファと声を掛けてた場面がグッとくる、あと戦友会の写真で全員生きて帰れた事も どうして紗穂が送られた意味を教えてくれた。婦長と紗穂とやり方は違うけど同じ道を進んでいる雪野さんならあなたたちの命を守るという言葉は重いし命より大切なものはないと言い切れ

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    2025年03月01日
  • 海とジイ

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    海神
    トイレが原因でいじめを受けるようになった小学校四年の優生は、瀬戸内の島に暮らす曾祖父を訪ねる。死期が近いという曽祖父だったが、元気に優生と接した。そして入院した曽祖父と優生が約束を交わす。

    夕凪
    20年以上も70歳を超えた医師を支えてきた。
    その医師がクリニックを閉院すると言って、いなくなってしまった。
    看護師は医師を探しに瀬戸内の島へ渡る。
    親子ほど年が離れた二人に流れる時間。

    波光
    島で「石の博物館」を運営している祖父を訪ねた。博物館のリニューアルの手伝いをしながら、祖父の話を聞いた。
    祖父が語った若き頃の話しが、前の作品につながる。

    年齢を重ねるということを深く考えさせられた

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    2025年01月18日
  • いつまでも白い羽根

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    「リラの花咲くけもの道」も良かったけれど、
    こちらの方が心にグッときました。
    この作品がデビュー作とは驚きです。

    3年間共に学んだ友人達の最後が
    なんともやるせない結末で
    言葉になりません。

    医療関係者にも、そうでない方達にも
    お勧めの一冊です。

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    2025年01月12日
  • 空にピース

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    今年最後、素晴らしい終わり方でした。
    生徒に全力でぶつかって行く小学校教師の主人公にエールを送りながら読みました。

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    2024年12月31日
  • 空にピース

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    藤岡陽子さん、2冊目の作品です。
    晴れたらいいね を最初に読みとても感動しましたが、この作品も間違いないです。
    感動。涙。先生という職業の難しさも大変さも感じました。主人公は本当に素晴らしい先生です。
    ラストも良かったですね。
    藤岡陽子さんの作品、ほかにも読んでみようと思います。

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    2024年12月21日
  • 空にピース

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    最初の方はとても辛く、読むのをやめようかとも。
    澤木ひかり・・と同じ仕事をしていたのは、私の周りに複数います。
    なので読むのが辛いと思えるところが‥‥

    そしてきっとこの後、その仕事に就くかもしれない大学生がいるかも。
    穏やかな終わり方なので、よかったです。

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    2024年12月19日
  • 空にピース

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    ネタバレ

    藤岡陽子さんの作品は3冊目。
    教師になり5年めの澤木ひかりが、問題を抱える水柄小学校6年2組の、新しい担任になった時から約1年間の奮闘記。

    子どもは、親を選べない。
    家庭に入れば、子どもにとって親はすべてだと思う。子どもは過酷な状況でも、なんとか順応しようと試みるものだ。
    ひかりのクラスには、学校給食で命をつなぐ子どもがいる。私は(たくさん食べてたくさん眠る)は子どもの特権だと思っている。もし日本のどこかでおきていることなら悲しすぎる。

    子どもは先生も選べない。
    理不尽なことをされても、抵抗できない。
    自分のことを真剣に考えてくれる先生を、どこかで探している。

    そこに「光」がさす。ひかり

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    2024年12月09日
  • 満天のゴール

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    久しぶりに小説を読みました。
    つらいエピソードがモチーフになっているのに、なぜか透き通った気持ちで優しい心を感じながら満点のゴールまで読み進めました。

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    2024年12月07日