藤岡陽子のレビュー一覧

  • きのうのオレンジ

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    胃がんになった遼賀と双子と思われている兄弟の恭平、同級生看護師の矢田などの登場人物。病気の進行や治療、延命、兄弟愛、家族愛と多くの考えるテーマが絡み合う物語。目立たなくても他人を思いやり、地道に生きる尊さが描かれている。

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    2026年03月06日
  • 森にあかりが灯るとき

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    初読の作家さん。テンポがよく、文章もお上手で、介護の世界にもかなり精通されているのかなと思い、調べたら、元記者で現看護師兼作家とのこと。多彩すぎる。生半可な気持ちではつとまらない介護士だが、それでもやはり働いている当事者にしか味わえない介護士のやりがいがある。介護施設の中での日常を美化しすぎず、かといって、嫌なところばかりに焦点を合わせるわけでもなく、一日また一日と時が流れていく描写がとても面白かった。素敵な作家さんと巡りあえた。おすすめ!

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    2026年03月04日
  • 満天のゴール

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    人生の途中で行き詰まってしまった時の絶望や悲嘆を、それぞれの年代や立場でどう感じたのかを書き表していて、感情移入してしまう程深みのあるストーリーだった。

    若い時に味わった絶望や悲嘆をどうしていいか分からない中でも、日々の生活は進んでいく。それが重みとなって起き上がり小法師のように倒れては起き上がるを繰り返す青年期から壮年期の世代。

    それを在宅医療で関わる老年世代の生き様から何かを感じ取り、自分の生を振り返り、生きる意味を考え直すことに繋がっていく。物語を通してそんな良さを感じた。

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    2026年02月28日
  • 満天のゴール

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    夫に捨てられ息子と丹後半島の実家に戻った奈緒は看護師をすることになった。高齢女性の秘密を知ってしまい、、、

    めちゃくちゃ良かった。21年ぶりにある人たちが会うシーンを読んでいたら目頭が熱くなってしまったよ、地下鉄の中で。死生観をいい意味で変えてくれもした。

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    2026年02月26日
  • 海とジイ

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    瀬戸内の島に住むおじいさんは、訪ね来る若者たちに生きるうえで大切なことをどう伝えるのか。
    …と要約して書くとなんか陳腐だ…
    どうやって藤岡陽子さんはこのテーマをこれほどまでに惹き込まれる小説にできるのだろう。

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    2026年02月23日
  • 晴れたらいいね

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    「幸せって、世の中が平和じゃないっていうことを知ってるから感じることだと思うんすよね。」
    この本を読み終えた時ふと思い出したこの言葉は、バイト先の2つ下の高校生が放った言葉だ。

    飲食店でバイトをしているのだが、様々なお客さんが来る。そして、月に2、3回ほど、「お腹に赤ちゃんがいます」のキーホルダーをカバンに着けている様々な女性が来店する。私がそのキーホルダーを見て、「世の中こういう幸せな話題で溢れて欲しいよねー」と言った時、彼が先程の言葉を放った。

    彼は高校生ながらにして、英検準一級を持っている。そして英検の課題で世の中の事柄について意見を述べるものがあるそうで、時事ニュースや世界の政治などに日々目を向けているから感じたことらしい。

    この物語のような状況が世界のどこかでおきている今、私たちが当たり前に毎日を送ることができていることに感謝をしなければならないという謎の使命感まで感じるほどだった。そしてその感謝をしようと思うためには、世の中の出来事を自分事化して捉え、考えていくべきなのだろう。「誰かが生きたかった今なんだから命を大事にしないとダメだよ!」という励ましの言葉は大嫌いなのだが、それが事実であるということも覚えておかないといけないのかもしれない。

    いつが世界中の人達の心が晴れますように。

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    2026年02月08日
  • 森にあかりが灯るとき

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    売れないお笑い芸人から介護士になった星矢。特別養護老人ホーム「森あかり」で働きはじめ、介護の仕事の現実に直面していく。

    綺麗事だけでは済まされない、介護の現実が物語に反映されています。そのため、楽しいだけの話ではありません。現実の重さにしんどくなるような描写もあります。しかし、そこに微かにでも希望を見出せるような光を灯してくれているのが、藤岡陽子さんらしい作品だなと思いました。

    看護師として働いていると、特養ほどではありませんが、介護の仕事も担います。その身体的な負担感はよくわかりますし、命を預かるという重大な責任に押しつぶされそうになる時もあります。星矢が、新人の頃の自分と重なって見え、それも合わせて感慨深い小説でした。

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    2026年02月01日
  • 手のひらの音符

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    生い立ち 環境 親 先生 友だち お金 理解者 教育 職業 
    たくさんのものが その人をつくる。
    今の自分は 自分だけの力ではなくつくられてきたんだなぁと。
    描写が素晴らしく言葉が的確で 重くて熱く 愛に溢れた小説。

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    2026年01月24日
  • 手のひらの音符

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    仕事さがしの話かと最初に思ってたがそういう感じの本ではなかった、けど、おもしろかったし感動した
    リレーのバトンつなぎや、手紙などがよかった

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    2026年01月22日
  • 手のひらの音符

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    やるせなさやもどかしさや辛さや居心地の悪さや…そんなものを感じながら読み進むうちに、じわじわと未来へ続く善いものが感じられ、温かい気持ちになりました。一気に読み切りました。読んでよかった。

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    2026年01月18日
  • きのうのオレンジ

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    本読んで泣いたのは久しぶりな気がする。
    やっぱりわたしは藤岡さんの書く文章が好きだなぁと思った。難しくなく、でも繊細で、切ないとかやるせない中にも希望のような温かいものがある。そう感じる。
    第一章は遼賀自身の目線、第二章は遼賀の母親・燈子、第三章が遼賀の同級生矢田泉、第四章は弟の恭平、第五章はまた遼賀目線だけど職場の高那の話がクローズアップされたり過去を探しに行くような話。そしてエピローグは…
    病と闘うとは、闘う人を支えるとは、をリアルかつ繊細に、でもやさしく温かく教えてもらった気分。
    第五章の終わりのほうを読んでいると、タイトルの「オレンジ」がすごく効いてきて、うってなる。

    癌や大病って大抵「どうしてあの人が!?」とか「なんで自分なの」と思ってしまうほど意外なタイミングで訪れる。この物語の遼賀だって、特別な何かがあったわけじゃないのに。だからこそ、後悔がないように日々生きなきゃなと思った。立派なことなんてなくていいから、時々振り返りながら、考えながら、大事に日々を重ねたいなと。

    解説に、「人は生きてきたようにしか死んでいけない。」とあって、ハッとした。

    P319 人は死んでも、誰かの心を震わせることができる。

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    2026年01月14日
  • 晴れたらいいね

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    戦争。
    たった2文字の言葉だけど、どれほどの尊い命が奪われ、その命を守るためにどれほど奮闘した従軍看護婦がいたのかと心が締め付けられる思いがしました。

    “自身の誇りを守るため行き詰まったら手榴弾で自決せよ”僅かな物資と食料の中で戦争により傷ついた兵士を処置しなければならない、彼女たちの生きる世界はどんなに残酷で生々しくて目を覆いたくなる世界だったろう。

    サエたちが望む“生きて日本へ帰る”その心は何よりも尊かった。戦争を知らない全ての世代の人たちにぜひ読んで欲しいと思いました。

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    2026年01月06日
  • きのうのオレンジ

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    今年最後にして最高の作品に出会えた。隠れた名作です。
    自分は何者でもないけど生まれてきてよかったと思って最期を迎えたいものです。

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    2025年12月30日
  • 空にピース

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    すっごく話が重くて辛いなと思いながら読みました。
    でも希望がみえる終わり方で本当に良かった。
    絶対にもう二度と読むことはないけど、とても素敵な話を読み切れてよかった!

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    2025年12月29日
  • きのうのオレンジ

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    ネタバレ

    誰かを幸せにすると、必ず幸せは自分に返ってきます。そして自分の家族にも幸せは返ってきます。

    遼賀は自然に、周りの人に幸せを与えて生きてきました。

    遼賀は癌を患って短い人生になったけれども、遼賀に関わるたくさんの人に無条件の幸せを与えてきたから、みんなの心が荒むことなく、誰かを傷つけることなく、優しさや希望を持って、最後まで共に過ごせたはずです。

    遼賀は、いつもの風景に咲く優しい花のような存在。普段は忘れちゃってるけど、本当はずっと心の中にいる。そんな人が近くにいたら、、素敵ですね。

    どんなに苦しくて辛い状況でも、人を思いやる人生を送っていれば、幸せな最期を迎えられるのだと、希望をもらいました。

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    2025年12月14日
  • 手のひらの音符

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    読んで良かったです。

    私の子どもには発達障害がありますが、子どもを悠人に重ね、信也を親である私に重ねて読んでいました。

    信也が悠人を大切に大切にして撒いてきた種(愛情)が、悠人の未来を作りました。

    私も発達障害の子どもを育てるのは心が折れそうになることがありますが、信也と悠人、水樹の関係性を心にずっとおいて、未来を信じて生きていこうと思いました。

    本当に素敵な本でした。

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    2025年12月11日
  • 海とジイ

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    涙が止まらない。
    電車で読んでたら困ったことになった。

    『生き抜く力』を与えてくれる3人のジイ。
    帯にはそう書いてある。
    ジイたちが素敵すぎて言葉にならない。
    こんなジイ、わたしの身近にもいてくれたらいいのにな。
    残念ながら、そんなジイは私の周りにはいないけど、この物語を読んで少し力をもらえました。

    この本は売れないな。手元に置いておきたい一冊。

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    2025年12月08日
  • 森にあかりが灯るとき

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    うん、介護士さんの抱える問題は、本当に山積みだと思う。

    どの人の章も、考えさせられる問題ばかりで、現代社会の象徴のような気がしました。

    ちゃんと、介護の社会が、安心して回るように、早く良くしてほしい…いや、人ごとみたいに言っちゃダメだ‼️

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    2025年12月06日
  • 森にあかりが灯るとき

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    たまらなく響いた。介護士の星矢はもちろん、施設長の福見、配置医の葉山、看護師の古瀬、利用者さんたちそれぞれの切実な現状と思いが、単に是非とか善悪とかを問うのではなくて丁寧に編まれる。介護に対して他人事だった若きころ、両親が衰えて自分なりに寄り添ったつもりでいた先ごろ、そして介護をはっきり我が事として感じ始めた今日このごろ。あれほど気丈夫だった父母が老い先を案じて気弱になったとき、ひたすら励まして気力を奮い立たせようとしたあの対応をここに省みる。この手の本にはもう少し早く出会っていたなら、といつも思うのだ。

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    2025年11月30日
  • きのうのオレンジ

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    すごく心に響く一冊だった。
    33歳という若さで突然のがん宣告を受けた遼賀。
    人生が180°変わってしまった彼のこれまでと宣告後の生き方、家族の存在に感情が揺さぶられっぱなし。闘病は壮絶なのに温かな空気は優しく伝播していく。

    藤岡陽子さんは初めましてだったけど、とても読みやすくて温かみのある文章を紡ぐ方だなぁと感じました。他の作品も読みたい!

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    2025年11月29日