藤岡陽子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
過疎地医療・在宅医療の深刻な問題を赤裸々に描きながら、それでいて読後に希望と幸福感をもたらせてくれる著者の作風を、遺憾なく発揮された小説。
夫に裏切られた奈緒は、十歳の息子・涼介とともに逃げるように京都丹後地方の実家へと帰ってくる。
そんな折、父が事故に遭い、海生病院に入院。
そこで、担当医師の三上医師と出会い、さらに路上で倒れていた早川という老婆を助けることになる。
この4人を中心に物語が展開される。
奈緒の息子・涼介が生き生きと描かれ、大人たちの接着剤的な役割を果たしているのが好ましい。
そんな涼介が「いまだって毎日大変なのに、年を取ってもそんなに苦しいのなら嫌になるな。生きるって一生大変 -
Posted by ブクログ
ネタバレめーっちゃよかった。
久々に読書で泣いた。
男性看護師を目指す、青年の話。
人は大きな病気や怪我に直面したとき
人生に対する考え方や、自分の在り方、ものの見方って変わる気がする。
私も癌を経験して考え方も変わったと思うし
ものの見方や人の見方も変わったと思う。
そして、人生とはこういうもの
とか
自分はこう生きたい
とか
あれを信じたい
とか
あれは信じないし、時間をかけない
とか
自分だけの考え方が生まれる気がする。
看護師や医者って
自分自身も命に対して誠心誠意向き合っているし
命に本気で向き合う人達のそばにいる。
看護師さんなんてとくに
体のサポートだけじゃなくて、心の -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白い…というよりは「とても良い小説」だった。勿論面白いのだが、どんでん返しも伏線回収も謎解きもないのである。
看護師の母と受験を控えた高校生の母子家庭、その親子と密接にかかわる地域医療の医者、その3人を中心に終末医療(緩和ケア)と大学受験と親子の関りと不器用すぎる恋愛について時系列の章立てで淡々と物語が進んでいく。
緩和ケアも大きなテーマなので、登場人物が死ぬシーンは多いと思うが、それでも争いごとや天変地異のような大きな悲劇はなく、隣近所によくありそうな個人的な日常の悲喜劇が綴られていく。それだけなのに、本当にいい小説なのである。
3人とも善人で努力家であり、仕事や勉強や生活をしっかり -
Posted by ブクログ
P189 信也が憲吾に言った言葉
「一番なのか?」
「お前が一番苦しいのか、って訊いてんの」
信也に言われたら「はい私は一番苦しいです」って答えられないよ
水樹が大人になった信也をみて思うこと
P249 子供の頃は何も映さない、空っぽに見えたその目に、折れることなく生きてきた自信が満ちている。小さな子供が、長い時間をかけて強い大人になったのだと、
今までの人生振り返ってみると辛い経験沢山あったなー
そのおかげで、私もちょっとやそっとのことではめげない大人になったな
森嶋家の三兄弟の仲が良く互いを大切に思う絆の強さが良かった。優しい兄達に守られながら成長した末っ子の悠人との再会、そして悠人の