【感想・ネタバレ】きのうのオレンジのレビュー

あらすじ

笹本遼賀、33歳。都内のレストランで働きながら、人並みに、真面目に生きてきた。だが、胃の不調で受けた検査は予想外の結果――突然のがんだった。どうして自分が? 絶望に襲われた時、弟の恭平から荷物が届く。それは遼賀が15歳の頃、故郷の山で遭難した時に履いていたオレンジ色の登山靴で……。「おれはまだ生きたい」、過酷な現実を突きつけられても懸命に前を向く遼賀と、彼を支える家族を通して誠実に“生”と向き合った感動長編!――「弱音を吐かない人は、いつだってたったひとりで闘っている」

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

すごく心に響く一冊だった。
33歳という若さで突然のがん宣告を受けた遼賀。
人生が180°変わってしまった彼のこれまでと宣告後の生き方、家族の存在に感情が揺さぶられっぱなし。闘病は壮絶なのに温かな空気は優しく伝播していく。

藤岡陽子さんは初めましてだったけど、とても読みやすくて温かみのある文章を紡ぐ方だなぁと感じました。他の作品も読みたい!

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2025年11月29日

Posted by ブクログ

若くしてがんを告知されるところから話が始まる。病気との闘い、同僚や家族や同級生との関わりの中で自分の人生について見つめ直すことになる。悲しい話だけど、読んだ後には温かい気持ちになる一冊。

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2025年10月04日

Posted by ブクログ

読みながら、涙が止まらなくて困りました。
命について、生と死について、生き方について、深く深く心に沁みてゆき、自然と出てきた、そんな涙でした。

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2025年09月20日

Posted by ブクログ

主人公の遼賀は芯が強くて心根が優しい。その遼賀の優しさをよく理解する人たちに最後は支えられる。
当たり前に家族であるのではなく、家族になる決意を持ってつながっているから、より感謝や絆が深いのかもしれない。
母の燈子の章はとても切ない。
自分が一番大変なとき、誰に電話するだろうと考えてしまいました。
藤岡さんの作品なんか好きです、また読みたい。

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2025年09月20日

Posted by ブクログ

人生これからって時に胃癌になって
生きる為に治療に望んで頑張って
でも願い叶わず身体の限界がきてしまって
残された時間を自分らしく生きる。

そんな遼賀と
それを支える家族や幼馴染みが描かれている。

フィクションだから
誇張されてる部分もありそうと思ってたけど
全然そんなことなくて
私が看護師として働いてきて
ずっと目の当たりにしてきた現実が
そのまんまこの本の中にあった。

突然の癌の告知。

告知から治療の選択まで時間が短いし
気持ちの整理もつかないままとか
現実感を感じないままとか
患者の立場にたったら過酷だと思う。

でも
治療は1日も早い方が良いって知ってるから
早く選択してもらいたくて焦るし
本人の気持ちを置いてきぼりになりそうになるのも
すごく分かる。

がん治療は終わりが中々見えないし
どんな選択が正解か悩みながら
患者も家族も選択していることを知っているから
どんな選択をされても
その選択を支持し支えるつもりでいるけど
状況によっては本当にこの選択で良いのかな
後々後悔されないかなって思う時もある。

そんな思い通りに進まない治療、
治療の終わりが見えない不安や恐怖、
治療や辞める選択をする葛藤などが
患者・家族や看護師視点で描かれいて
読みながら色々考えさせられたし
自分が行っている看護を振り返ってた。

結末は亡くなってしまうけど
悲しい・辛いだけじゃなくて
家族の繋がりや温かさ
QOLを維持することの大切さなど
もっと沢山のことが伝わってきて
読んで良かったと思える本でした。

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2025年09月15日

Posted by ブクログ

出だしからグイグイ持っていかれました。
病気は人を選ばない。真面目でも節制していても。主人公の遼賀は本当に強い。きっと自分はすぐに逃げようとして、でも逃げられないことに絶望してしまいそう。遼賀を支える母や弟や祖母や同級生やアルバイト同僚。あったかくて涙が出る。
中学生で雪山遭難した時の両親への手紙。
「ぼくの人生が短くてかわいそうですか?」
精一杯やって、やりたいこと後悔なくやって、短くてもいい、と思えるような人生を送りたい。

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2025年09月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

読んでいて辛い箇所もあるが、それ以上に主人公(遼賀)や周りの人の言葉に勇気をもらえる本でした。

どんな人でも、必ず人生を終える日がくる。
与えられた限りある命を、その人なりに
よりよく生きることが大切。
そして永遠に、周りの人の心の中で生き続ける。


遼賀は、秀でた能力があったわけではない。
かしここぞと言う時、周りの人を支えて生きてきた。
普段「ありがとう」と言われることは、気に留めていなかったが、「ありがとう」の意味をもう一度考え直す機会にもなった。

この本に出会えてよかったです。

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2025年09月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

『きのうのオレンジ』は、死と生に向き合う物語でありながら、不思議と重苦しい雰囲気はありませんでした。主人公や周囲の人たちの葛藤や辛さはしっかりと描かれているのに、現実世界まで差し迫ってくるような苦しさは感じませんでした。

この作品は、死や生を「鋭く突き刺すように」描くのではなく、その部分に優しく触れてくるような印象がありました。その優しさが心に沁みて、気がつけば涙があふれていました。

物語に登場する人たちは皆、思いやりを持っていて、苦しい状況を抱えながらも優しい世界を形づくっていました。その温かさが、作品全体を柔らかく包んでいて、読む私自身もどこか救われるような感覚を覚えました。

『きのうのオレンジ』は、重いテーマを描きながらも、優しさをもって生や死に寄り添ってくれる物語でした。私にとってこの本は、「生きる意味を問いながらも、優しさを見出せること」を教えてくれる一冊だったと思います

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2025年08月25日

Posted by ブクログ

登場人物の誰もが愛に溢れている

三浦綾子さんを思わせる苦難の連続のストーリーだが
愛が救ってくれる

生きるとは
家族の在り方は
など考えさせてくれる一冊

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2025年08月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

突然がんと言われた主人公が、昔の記憶や思いを大事にしながら生きていく点が良かったです。

個人的にも入院経験があり、登山経験もあるので感情移入しやすかったです。

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2025年07月28日

Posted by ブクログ

笹本遼賀は33歳、独身で

都内のレストランで働き、まじめに生きてきた。

なのに、胃の不調で受けた検査で、がんと診断される。



懸命に生きようとする遼賀と

彼を支えようとする家族のあたたかさに

前半から涙が止まらなかった。



10年前に母をがんで亡くしているので

なんとなく、思いが重なってしまって

心に響いたのかも。。。





この作家さんの本は3冊目で

友人に勧められるまで、知らない作家さんだったけれど

私好みで読みやすいので、

別の作品も、もっと読みたいって思っちゃう。

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2025年07月26日

Posted by ブクログ

こんなに号泣する作品は、そうないと思う。
でもそれは、ただ闘病ものだというだけではなくて、笹本遼賀という青年が真摯に自分の生命に向き合う姿と、彼を支える家族や周りの人達に心が震えたから。

間違いなく、自分的に今年のBEST3に入る作品。

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2025年06月29日

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33歳。突出した功績は無くとも真面目に生きてきた笹本遼賀は、胃の不調で受けた検査の結果、がんであると宣告される。

主人公・遼賀の出身地や年齢、上京してからの境遇が自分自身と近似しており、自己投影してしまった部分もあって久しぶりに泣いた作品。
情景描写が秀逸且つ、死に向かって生きる人間とそれを支える人たちの心理描写が丁寧な文章で語られていく。

読み終わって、本を閉じて表紙を眺めていると、その美しさと儚さにまた泣けてしまった。

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2025年06月28日

Posted by ブクログ

最期までどう生き抜くか。
周りからみたら、目立った功績や反対に悪いこともしていない、いわゆる平凡な人生なのかもしれない。それでも、丁寧に誠実にさまざまな物事に向き合ってきたからこそ、最期にひとが集まってくるんだろうなと思いました。
描写が丁寧で情景が浮かびやすく読みやすかったです。

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2025年06月09日

Posted by ブクログ

泣いた。何回泣いたかわからない。
主人公の意志の強さや優しさ、弟や友人たちと織りなす物語がとても感動的。闘病という暗いテーマにも関わらず、爽やかなカラーがかかっているような、素敵な作品だった。

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2025年05月10日

Posted by ブクログ

この本は、「生きろ。」とは言わない。
「生きている。」ということをただ知らせてくれる。

生きていれば色々なことがある。いじめから逃げる日々、ゲームに突っ込んだ青春時代、初めて成功を手にした大学受験、親友の死、仕事、結婚‥。

そういった経験を重ね、歪な形ではあるだろうが、今日も僕は生きている。

そして今も大変だが、きっとなんとか生きていく。

それでいいじゃないか。

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2025年11月24日

Posted by ブクログ

じんわりと心が動いていくような小説だった。周りの人たちに支えられながら遼賀が闘病していく様子は自分の人生を振り返ってまた生きていく時にあたたかいエールを送ってくれるような気がした。

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2025年10月12日

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ネタバレ


やっぱり悲しくて。
所々読むのが辛かった。

遼賀は生きたかっただろうと。
誰よりも優しくて誠実だった遼賀。
周りの人もみんな優しくて、だからこそ辛くて。
そして、どんどん迫り来る病の恐ろしさも感じた。

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2025年08月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

これといった特技がなく、また自分をそっちのけに他人のことを考えてしまう遼賀に自分を重ねてしまった。遼賀ほど清らかな心は持ち合わせていないけれど…。
病気や命、生死をテーマとするストーリーは涙なしには読めない…遼賀も、遼賀を支える家族、友人、職場のアルバイトも暖かい人ばかりでそれぞれの視点で書かれていることもあって余計に。
生まれてきてよかった、なんて最期に思えたらそれ以上のことはない。自分らしさを大切に毎日を生きていけたらそう思えるようになるのかな。

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2025年08月11日

Posted by ブクログ

いい小説だった。
闘病生活というほどではないが、30代半ばで癌を患いそれからの生活模様が描かれ、家族の暖かさが伝わってくる。
しんどい描写などはないので、暖かい気持ちになりたい人におすすめ。

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2025年08月02日

Posted by ブクログ

33歳でがんになってしまった笹本遼賀のお話。
2章以降、遼賀の母、同級生の看護師、弟視点の物語で、遼賀への想いが伝わってきてずっと泣きながら読んでいた。
みんなの視点からの物語を読んでいて、遼賀の周りにあったかい人が多いのは、遼賀があったかい人だからなんだなとわかる。

病気のショックに戦いながらも、過去の体験から覚悟を決めた遼賀の姿に、
生きようと進んだ経験が、未来の自分の背中を押してくれるんだなと感じた。
頑張ろうってなった。

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2025年07月22日

Posted by ブクログ

主人公の遼賀は自分の事より相手の事を考えるような好青年なので、遼賀の周りにいる人たちも、遼賀の性格が呼び寄せるのか良い人ばかりで、闘病ものなのに暗くならず、とても温かい気持ちで読み終えることができました。

藤岡陽子さんて看護師さんなんですね〜

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2025年07月14日

Posted by ブクログ

もし、自分が癌になったとき
何を思うだろうか?
もし、家族が癌になったとき
何ができるだろうか?
そんな事を考えずにはいられない。
病気を背負ってしまった側、
病気の人を支える側の不安や苦悩がまざまざと
描かれていて心揺さぶられます。
看護師として働いてきた著者だからこそ、身近にみてきた生と死がリアルに表現されている。
読後、切ないけれど不思議とあたたかな気持ちにさせてくれる物語。 

 主人公の遼賀が重い病と向き合い最期まで
自分らしく悔いのない人生を生きた。
この物語は看護師の矢田なしでは語れない。
矢田は遼賀の元同級生でもあって、看護師と友人として遼賀を支えていきます。
偶然訪れた病院に看護師として矢田が勤務していて、親身になって寄り添ってくれたことは
遼賀にとってかなり心強い味方だったと思います。
友人であり看護師だからこそ、家族に言えない
本音や心の弱さを吐き出すことができる唯一の相手なのだと思う。
看護師という体力的にも精神的にも過酷な仕事の合間をぬってひたむきに寄り添う姿は、少しでも良くなってもらいたいという気持ちが伝わってきます。
遼賀の台詞が印象的でした。
「男は女の人の手に包まれて生きている」
男にとって女性の優しさ、あたたかさって何か特別なんだと思う。
矢田と遼賀の関係がとてもあたたかく感じた。
「もし生まれ変わったら結婚がしたいな。
結婚をして自分が育ったような家庭を持ちたい。」
出来ることなら矢田と幸せになってもらいたかった。でも病がそれを許してくれなかった。
それでも悔いのない人生を送れたのは矢田の力が大きいと思う。
だからこそ誰もが遼賀のような悔いのない人生に憧れ、オレンジ色の希望の光や優しさが読後のあたたかさを感じさせるのだろう。

結局、支える側は願って、励まして、寄り添うことぐらいしか出来ないのかなと思う。
同じ癌だからといって人それぞれだから同じ薬が効くとも限らない、大丈夫とか治る保障もないのに安易に言えないし、苦しい思いをして頑張っているのに、もっと頑張れとも言えない。
ネットで検索しても悪い事しか出てこない。
寄り添うことしか出来なくて無力さを感じる。
だから矢田のような人が明るく親身に寄り添ってくれるのは本当に心強いと思う。

最期を迎える時に私は何を考えるだろう?
人生の終わりに後悔ではなく、ありがとうと感謝の言葉をいえる、そんな人間になりたい。

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2025年07月06日

Posted by ブクログ

 家族愛や人を思う気持ち、命、教育など、テーマがいくつかありましたが、どれも他人事とは思われず、「あなたはどう思う?」と問われているような感じで、読み進めました。

 次の恭平の言葉に、深く深く共感しました。私も、教育者のはしくれとして、そうしたことを強く危惧し、日々、子ども達と向き合っています。
「浅井がこのままの性根で社会に出たならもっと酷いことになりますよ。自分に非があるにもかかわらず、そのことを上司に叱責されたら、そこでもまたパワハラだと訴えるんですか。悪いのは自分だ、だから叱られて当然だ。そういう思考を身につけないまま社会に出たら、泣きをみるのは浅井自身ですよ。」
 世の中には自分の非を認めない人間が多すぎる。自分に不利なことが生じれば、すぐ他人のせいにする。「怖かった」「傷ついた」と訴えれば誰でも被害者の顔になる。

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2025年06月22日

Posted by ブクログ

 レストランの店長として働いていた笹本凌駕が突然ガン宣告を受ける。
 弟の恭平、母親、祖母、
病院で偶然再会した高校の同級生、矢田。
レストランのバイトの高那。
 様々な人たちの温かさに囲まれ、凌駕は命を燃やしつくす。
 いつも人を思いやり、人の事ばかり気遣っていた凌駕が、矢田に対して「病気になってないのに俺の気持ちが分かるなんて言ってほしくない」と言い放った時は、私も心が苦しくなった。
 たくさんの患者さんと向かい合っている看護師さんをされている藤岡さんだからこそのリアルな描写だろう。
 登山靴のオレンジ、蜜柑のオレンジ、夕陽のオレンジ、レジャーシートのオレンジ。
 命の炎のオレンジが沁みる作品でした。

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2025年06月16日

Posted by ブクログ

決して特別ではない、側から見ればありふれた普通の人生を送る人が最期を迎えるまでの間の人とのやりとりや、自分と向き合う様子に心をぎゅっと掴まれるような気持ちになった。優しさとか失う悲しさとか一言では表せられない感情が湧き上がる。

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2025年04月25日

Posted by ブクログ

私が闘病生活したら支えてくれる人ってどれだけいるのかな。
家族はいるとしても、遠くからお見舞いに来てくれる友人なんていないだろうな。

登場人物がみんないい人で。

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2025年04月17日

Posted by ブクログ

もし自分が主人公と同じ状況になった時に、こんな風にいられるだろうか。
人の強さはこういう状況に置かれて、初めて真価が発揮されるのだと感じた。
そういう意味で、この主人公は強い人だと、また、彼を支える家族、友人もとても魅力的だと思った。

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2025年04月15日

Posted by ブクログ

ネタバレ

主人公が癌発覚初期と後期で心境が変化していく感じ、登場人物の主人公に対しての優しさ
決して明るいストーリーではないのに、この温かくて愛でいっぱいの作品とても素敵でした…。

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2025年08月25日

Posted by ブクログ

主人公の遼賀は33歳。優しく誠実に生きてきた。突然受けたがんの宣告。そんな彼を支える家族、旧友、部下。支える人たちの気持ちや行動を通して、遼賀のこれまでの生き方が感じられた。オレンジ色の登山靴と夕陽。オレンジが生への活力を象徴しているように映った。

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2025年06月24日

H

購入済み

癌に掛かった主人公の話。主人公を含めて周りの人が全て好人物のみで、その結果として、ややお涙頂戴的な作品となっているように感じてしまいました。
とはいえ、安心感をもって読める作品です。感受性の高い時である若い人達に読んで欲しいと思います。

#泣ける

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2024年08月12日

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