藤岡陽子のレビュー一覧
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ネタバレ面白い…というよりは「とても良い小説」だった。勿論面白いのだが、どんでん返しも伏線回収も謎解きもないのである。
看護師の母と受験を控えた高校生の母子家庭、その親子と密接にかかわる地域医療の医者、その3人を中心に終末医療(緩和ケア)と大学受験と親子の関りと不器用すぎる恋愛について時系列の章立てで淡々と物語が進んでいく。
緩和ケアも大きなテーマなので、登場人物が死ぬシーンは多いと思うが、それでも争いごとや天変地異のような大きな悲劇はなく、隣近所によくありそうな個人的な日常の悲喜劇が綴られていく。それだけなのに、本当にいい小説なのである。
3人とも善人で努力家であり、仕事や勉強や生活をしっかりやる人であることが肝心なんだなと思う。正直者が損をする世の中であることは良くないことだし反対だが、正直者はその生き方だけで、きっと幸せを呼びよせるんだろうなぁ、とそんな事を考えた。
前作があるらしい「満天のゴール」、順序はテレコになったが、是非読んでみようと思う。 -
Posted by ブクログ
P189 信也が憲吾に言った言葉
「一番なのか?」
「お前が一番苦しいのか、って訊いてんの」
信也に言われたら「はい私は一番苦しいです」って答えられないよ
水樹が大人になった信也をみて思うこと
P249 子供の頃は何も映さない、空っぽに見えたその目に、折れることなく生きてきた自信が満ちている。小さな子供が、長い時間をかけて強い大人になったのだと、
今までの人生振り返ってみると辛い経験沢山あったなー
そのおかげで、私もちょっとやそっとのことではめげない大人になったな
森嶋家の三兄弟の仲が良く互いを大切に思う絆の強さが良かった。優しい兄達に守られながら成長した末っ子の悠人との再会、そして悠人の今、良かった。
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Posted by ブクログ
現在の社会におけるこれだけの重いテーマを、しかも現実感満載で描いているのに、今回も藤岡さんには何度も泣かされてしまいました。大変な思いをしながらそれぞれの立場でそれぞれが考えを信じて最善を尽くす介護業界で働く人たち。私も仕事柄そのご苦労を目にしていますが、国の仕組みがお粗末すぎて彼らの犠牲がなければ成り立たない状況と分かっています。彼らが背負わされている理不尽な負担が、利権に群がる寄生虫のような政治家や経済団体に吸い取られるのではなく、介護を必要としている高齢者のためになっていることを祈っています。でも、本に登場した区議会議員よりも意識の低い女が総理大臣の国では無理でしょうね。
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Posted by ブクログ
老人養護施設の話。訴えられた経験を持つ福見の気持ちは医療従事者としてよくわかる。でもそのトラウマが原因でスタッフを追い詰めてしまうのが、なんか痛々しい。とはいえすごく前向きに終わったのが素晴らしい。よく着地させたものだと思う。
特別養護老人ホームで、介護士だった福見節子は他の利用者に呼ばれてしまったために数十分目を離してしまった。その隙に脳出血で倒れられてしまい、訴えられた。
第1話 お笑いを目指してきた星矢は、今は星あかりという介護施設で介護をしている。恋人の未奈美の部屋に行くと、相方の太尊がいた。彼はまだYouTubeなどでお笑いを続けている。恋人に別れようと言われる。何をやっても報われない。
第2話 2人の子持ちの好美は出勤するだけで一苦労。好美は介護施設の看護師だ。夫は家事も育児もしないくせに外に飲みに行っている。子供が育ったら離婚すると決めていた。
第3話 星矢は浜本さんの鼻カニューレを切ったと思われている。今日は全体会議におっさん議員が来て、日本の介護業界の現状について話していった。恋人の未奈美には仮病とか居留守を使われる。医師の葉山に連れられて最先端の特養を見に行く。面白かった。まだ諦めていないんだなと思った。
第4話 葉山彩子は介護施設の常勤医である。今の介護施設が旧態然としていると思っている。今の施設の延命至上主義には疑問を抱いている。そうこうしているうちに浜本さんの鼻カニューレを切った人物が浮かび上がる。
第5話 福見は同じ劇団に所属していた箕輪の助演女優賞お祝いパーティーに出席した。福見は自分が施設長としてよくやってきたと思っている。延命至上主義で何が悪い。仕事をするのは生きていくためだ。それ以外の理由はもう思い出せない。
第6話 星矢はあと1週間でかこの施設を去る。公園で弁当を食べていたら、医師の葉山が声をかけてきた。カニューレを切った犯人を聞いたことを伝える。利用者の桐谷さんのところに振込め詐欺がかかる。息子は着信拒否にしてあったのを忘れたようだ。警察を呼び対処する。