藤岡陽子のレビュー一覧
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現在の社会におけるこれだけの重いテーマを、しかも現実感満載で描いているのに、今回も藤岡さんには何度も泣かされてしまいました。大変な思いをしながらそれぞれの立場でそれぞれが考えを信じて最善を尽くす介護業界で働く人たち。私も仕事柄そのご苦労を目にしていますが、国の仕組みがお粗末すぎて彼らの犠牲がなければ成り立たない状況と分かっています。彼らが背負わされている理不尽な負担が、利権に群がる寄生虫のような政治家や経済団体に吸い取られるのではなく、介護を必要としている高齢者のためになっていることを祈っています。でも、本に登場した区議会議員よりも意識の低い女が総理大臣の国では無理でしょうね。
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Posted by ブクログ
老人養護施設の話。訴えられた経験を持つ福見の気持ちは医療従事者としてよくわかる。でもそのトラウマが原因でスタッフを追い詰めてしまうのが、なんか痛々しい。とはいえすごく前向きに終わったのが素晴らしい。よく着地させたものだと思う。
特別養護老人ホームで、介護士だった福見節子は他の利用者に呼ばれてしまったために数十分目を離してしまった。その隙に脳出血で倒れられてしまい、訴えられた。
第1話 お笑いを目指してきた星矢は、今は星あかりという介護施設で介護をしている。恋人の未奈美の部屋に行くと、相方の太尊がいた。彼はまだYouTubeなどでお笑いを続けている。恋人に別れようと言われる。何をやっても報われない。
第2話 2人の子持ちの好美は出勤するだけで一苦労。好美は介護施設の看護師だ。夫は家事も育児もしないくせに外に飲みに行っている。子供が育ったら離婚すると決めていた。
第3話 星矢は浜本さんの鼻カニューレを切ったと思われている。今日は全体会議におっさん議員が来て、日本の介護業界の現状について話していった。恋人の未奈美には仮病とか居留守を使われる。医師の葉山に連れられて最先端の特養を見に行く。面白かった。まだ諦めていないんだなと思った。
第4話 葉山彩子は介護施設の常勤医である。今の介護施設が旧態然としていると思っている。今の施設の延命至上主義には疑問を抱いている。そうこうしているうちに浜本さんの鼻カニューレを切った人物が浮かび上がる。
第5話 福見は同じ劇団に所属していた箕輪の助演女優賞お祝いパーティーに出席した。福見は自分が施設長としてよくやってきたと思っている。延命至上主義で何が悪い。仕事をするのは生きていくためだ。それ以外の理由はもう思い出せない。
第6話 星矢はあと1週間でかこの施設を去る。公園で弁当を食べていたら、医師の葉山が声をかけてきた。カニューレを切った犯人を聞いたことを伝える。利用者の桐谷さんのところに振込め詐欺がかかる。息子は着信拒否にしてあったのを忘れたようだ。警察を呼び対処する。 -
Posted by ブクログ
「幸せって、世の中が平和じゃないっていうことを知ってるから感じることだと思うんすよね。」
この本を読み終えた時ふと思い出したこの言葉は、バイト先の2つ下の高校生が放った言葉だ。
飲食店でバイトをしているのだが、様々なお客さんが来る。そして、月に2、3回ほど、「お腹に赤ちゃんがいます」のキーホルダーをカバンに着けている様々な女性が来店する。私がそのキーホルダーを見て、「世の中こういう幸せな話題で溢れて欲しいよねー」と言った時、彼が先程の言葉を放った。
彼は高校生ながらにして、英検準一級を持っている。そして英検の課題で世の中の事柄について意見を述べるものがあるそうで、時事ニュースや世界の政治などに日々目を向けているから感じたことらしい。
この物語のような状況が世界のどこかでおきている今、私たちが当たり前に毎日を送ることができていることに感謝をしなければならないという謎の使命感まで感じるほどだった。そしてその感謝をしようと思うためには、世の中の出来事を自分事化して捉え、考えていくべきなのだろう。「誰かが生きたかった今なんだから命を大事にしないとダメだよ!」という励ましの言葉は大嫌いなのだが、それが事実であるということも覚えておかないといけないのかもしれない。
いつが世界中の人達の心が晴れますように。