藤岡陽子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
初読みの作家さん。
アパレル業に勤める水樹の会社が、突然服飾関係の撤退に。
水樹がアパレル界へ進むきっかけとなった高校時代の回想シーンと共に物語が展開していく。
家庭の問題で思うようにいかない時に支えてくれた遠子先生。
友人やその兄弟との温かくも切ない関係。
今や日本の製品は海外工場での格安な製品に取って代わられ、コストのかかる国産の商品が消えつつあるご時世。
でも私たちが「日本は負け」の意識を持ってしまうと、後世にもそのバトンを引き継いでしまう事になる。
遠子先生の遺した「自分の本当の気持ちを大切にすること」を、私も忘れずにいなくてはと感じた。 -
Posted by ブクログ
医療過疎地、医療格差、在宅医療、終末期医療、医療従事者不足。ヤングケアラー。
おまけに、過疎地の病院や交通のインフラ不足。まさに現実だ。
都会に住む人では想像できないことがある。
まさにバスや電車が1時間に1本あるかないかなんて当たり前。タクシーなんて拾えば1万飛んでく。運転ができなくなればまず病院にはいかない。
そして質のよい医療なんて受けることはできない。
何回も言う。この小説は現実。私の回りにありすぎて、読み進むうちに辛くなってきたと同時に読まなきゃ、いっぱいの人に読んでほしいと思った。
それでも、その地に生まれその地に生きている人は運命を受け入れながらゴールに向かう。
この物語に出てく -
Posted by ブクログ
少しずつ読み進めている藤岡陽子さん
こちらは助産師さんの物語と聞いて手に取りました
これは自分が悪いんですが、勝手にドラマのコウノトリのような作品をイメージしてしまっていましたが全然違いました。笑
とりあえず病院がひどい_(┐「ε:)_
院長は仕事ができず、急患などのときの判断も的外れ。緊急の連絡をしても全然繋がらない。
師長はお産がとれない。気分のムラが激しく、気分が悪いと部屋にこもってしまう。
他の医師や看護師はいい人ではあるが、常に助産師も医者も足りなくて、夜勤からそのまま日勤をすることに、、、など
読んでいてヒリヒリしてくる話でした、、、
自分だったら絶対 -
Posted by ブクログ
かなり重苦しかった。
理想に燃える若い女性教師が、疲労でうつろな瞳になっていく姿が目に浮かぶ。唯一心を開いていた養護教諭の前でも自ら心を閉じてしまう。
ネグレクトや昼夜逆転で不登校に陥る子、日本語をうまく話せない外国籍の子、給食費を滞納せざるを得ない子。そんな子たちに寄り添って擦り切れていく先生。
最後はかすかな光が見え、報われたように見えるけど、きっと彼女は疲弊している。そしてそれが蓄積され、ボディーブローのようにひびいていく。
理想に燃える一人の教師の存在が周りの教師に刺激を与え、活気づくことはあるだろう。
でも、今の教育現場の抱える問題はチームで対応し、他の教育機関と連携しないと解決の糸