藤岡陽子のレビュー一覧
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中学受験をするために塾に通う子どもの話か、それならあまりそそられないなと最初は思ったのだが、読み進めていくうちに、とんでもなく深くて広くてあったかくて心の奥深くまで浸透してくる物語だった。
藤岡陽子さんは何を題材にしてもすごいレベルで読ませてくれる。
俊介は12歳にして、親にも言えないものを心に抱えていて、自分を許せないから、生き方を変えたいから難関中学の受験をしたいと塾の講師の加地にだけ打ち明ける。
俊介が葛藤しながら成長していく姿は、もはや12歳には見えず、こんな子たちが日本を背負って立ってくれたら、まだまだ日本もまんざらではないなと思った。
三章は加地先生の視点で描かれているが、加地 -
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介護施設での話。自分も介護業界に携わっているので、すんなりと内容が頭に入ってきた。
知らない知識も得られて良かった↓↓↓。
下顎呼吸が始まると、酸素が少なくなり、二酸化炭素濃度が上がる。そうすると、脳内麻薬のエンドルフィンが分泌され、苦痛が和らぐ。下顎呼吸が始まると、見ている人は苦しそうだと思い、心配する。しかし、この状態の時に、酸素を吸引させると、エンドルフィンの分泌が無くなり、苦痛を味わうことになるため、酸素吸入は行わないほうがいい。
介護施設では入所者の介護にあたる身体的な大変さと、排泄介護の匂いや入所者からの心無い言葉などによる精神的苦痛がある。また、入所者の家族から訴えられたり、 -
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教育現場のリアルな実態に衝撃を受けた。
新米教師の奮闘ぶりを描いたハートフルな物語だと思ったが、知らなかった、知ろうとしてこなかった教育現場の実態を、まざまざと思い知らされた。
4月に水柄小学校に着任したばかりの主人公「ひかり」の受け持つ6年2組には、大きな問題を抱えた生徒が大勢いる。どんな時も生徒一人一人に寄り添い、生徒の目線で動くひかり。
そんな彼女は同僚から時に疎まれ、上司からは厳しく叱責を受け、保護者からの理解も得られない。
それでも強い信念を持ち、心が折れそうになりながらも、自らを叱咤し、辿り着いた先にみえた光とは・・・
物語全体を包むミステリー要素も効果的で、どんどんのめり込 -
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Posted by ブクログ
看護学校の学生の青春物語かと思ったが、もっと過酷な看護の世界や、真っ直ぐに生きていくには時に残酷で理不尽な社会が描かれており、読み終えてやりきれない気持ちになる。
唯一明るい気持ちになるのは、ヒロイン瑠美の看護学校の親友である千夏が登場した時である。
千夏の明るくて大らかで優しい人柄が物語に光を差し込んでくれる。
登場人物たちの決して交わらない一方通行の恋心も、繊細で切なく描かれている。
何よりも尊いのは、彼女たちのまっすぐな心が不当に曲げられることを許すことができないこと、間違っていないのに間違ったと修正できない生き方。
社会の中で大人たちは心がすり減って行くが、何色にも染められていない若物 -
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介護問題を真正面から描ききった作品。人生とは、生とは、死とは?主人公の星矢と共に読み手にも深く考えさせられる。お笑いコンビの相方である大尊、過去に縛られて生きる施設長の福見、ALSの父を介護し看取った葉山、それぞれ事情を抱えた入居者達、などが星矢の人生観を変えていく。
人生は上書きだ。
辛いことがあっても翌日良いことがあれば、「良い人生だ」と思える。
人の最期も、そうなんじゃないか?
失敗もある、
納得のいかないこともある、
不条理、妬み、回り道、
いろいろあっても、
いいじゃないか。
上書きなんだから。
最後に笑えれば。
星矢は様々な経験を通じて
自分らしく
自分の足で
自分の道をのっし