藤岡陽子のレビュー一覧
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助産師を描いた医療小説+お仕事小説。最近メキメキと頭角を現している藤岡陽子さんの作品で、なおかつ生命の誕生を扱ったものなので、「泣かせにくるいい話なのだろうな」と思っていたのですが、いい意味で裏切られた感があります。
主人公である若手の助産師、有田美歩。彼女の勤める産婦人科病院はなかなかにクセがある。先輩や後輩の助産師は頼りになるものの、院長は腕は不確かなのに尊大。さらに看護師長は院長の愛人で、この師長も仕事は満足にしないのに、部下にはヒステリックに当たり散らす。
描かれるテーマも主人公が壁にぶつかって、そこから成長して……、というお約束の感じではなかった気がします。美歩自身、障害をもった -
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ネタバレまず、新潮文庫100選を読んで抽選に当たった本です。ありがとうございます。前向きで暖かい、幸せな気持ちになれるこの本から新しい年を始めます。
服飾業界のデザイナーの夢を持ち続けて実現させてきた。実績もある35歳の水樹。突然会社が方向転換して業界から撤退することになった。中途採用で難関を切り抜けてきたがまだまだ愛着がある。仕事は好きだ。
落ち着かない将来の方向に、迷いに迷っていた時、京都の母校から連絡が来る。水樹の困難な夢の実現を後押ししてくれた恩師が入院している、治癒の難しい病気で、命が残り少ないかもしれない。クラスで集まってお見舞いに行こう。
30代半ばでまた将来の道に迷っている、 -
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再読。
以前よりは、かなり客観的に眺めていたとは思いますが、やはり辛い読書でした。
和恵の悪意に絡め取られ、翻弄された家族。
長い夫婦の時間があればこそ、夫の不義理に対して、恨みがあってもどこか許してしまう気持ちもあったのかもと、聡子の心根を想像する自分がいました。
家族に支えられ、自分の足で立ち上がった聡子の強さが、最後は章を受け入れたのだろうと思います。
幸せは自分しだいで増やせるものだと気づいた聡子のこれからを応援したいです。
2021/11/11
再読。
家庭を省みることなく仕事第一に生きてきた団塊世代の廉太郎。自分よりも人という我慢が習い症になっていた杏子。
この時代 -
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交通事故で父親をなくし、車いすの弟の世話をする成道。
看護師を目指し特待生で大学に進学するも、クラスに男子はたった5人。
成道はエライ。最後の青のナースシューズを手にするところは、涙なしに読めません。
看護師の話はみんないい話なんだけど、
成道の家庭環境の方が大変、ヤングケアラーって大変だなぁ。母親が、成道に家事や弟の世話を当然のようにさせる理由、祖父母を遠ざける理由が何かあるのかな・・・と思っていた読んでいたけれど、大した理由でもなく。もっと早くに助けてもらえば良かったのに。祖父母も、成道かわいそうすぎる。交通事故の被害者でも国からは何の支援もないんだろうか。成道ひとりの努力で生活が成り立 -
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服飾デザイナーの水樹が勤めるアパレルメーカーが、経営難からアパレル部門を閉めることになる。
デザイナーの物語かと思いきや、話は幼少期に遡り、現在と過去を行ったり来たりする。
水樹と信也たち兄弟の過去の話は、心がギュウっと締め付けられるような切ない気持ちになる。
藤岡さんは『青のナースシューズ』でもそうだが、弟を守る兄が強くて優しくて泣けてくる。
信也と水樹が小学6年生のとき、3年生の弟の悠人が、同級生にカメ虫を口に放り込んでいじめられ、信也が駆けつけていじめっ子を1人ずつ殴ったことがあった。
いじめっ子の親たちが家に押しかけて信也と母を責めるが、信也は怯むことなく、自分の口にカメ虫を放り込ん -
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緩やかに登場人物がつながっている物語
『不思議なことに、歳を重ねれば重ねるほど、頭に留まる記憶は少なくなってくるもんでな。』
記憶の中で強く残っている記憶が、その人の人生の中で重大なエピソードなどだろう。
私のジイはどんな記憶が残っていたのだろうか。
ジイともっと会話をすれば良かった。
ジイが生きた世界の話が聞きたい。
もう、祖父とは会話ができないけれど、父とは会話ができる。
父と話がしたくなった。
胸がギュッと締め付けられたり、温かくなったりしました。
海は色々な顔をみせてくれる。
そして、多くの人からの声を受け止めたりもしているのだろう。
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ネタバレリアルな介護現場の話だなと思う。
「もし、今の会社をクビになったら。。」という不安を払拭するために、介護福祉士実務者研修を受講したのだが、結局、自分はまだ介護業界ではないところにいる。
研修で出会った方々とは今も繋がっており、研修から3年、すでに何人かが職場を離れている現実がある。
つい最近、緩和ケア病棟や、在宅医療が舞台の本を読んだ。
その中でも言われていたのが、「最期まで自分として生きる」こと。
延命治療は、治療をして元気になるならば必要だろうが、最期を迎える線上にいるものには、苦痛ではないだろうか。
まあ、その方の家族として考えると、やはり、親はいつまでも元気でいてほしいよね。 -
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同じ中学受験を描いている「翼の翼」のレビューで、こちらの本を薦めている方がおり手に取りました。
「翼の翼」では大号泣しましたがこちらは割とさらっとした描写で、ほろり、という感じでした。
倫太郎や俊介が6年生春というおそすぎる入塾にも関わらずA組に駆け上がっていった時、その裏では4年生から頑張り続けて途中で息切れしてクラス落ちして泣いている子がいるのだろうと、ついつい考えてしまいました…。
また、この1年の母親の体力精神力金銭的な負担はものすごいものだったろうに(専業主婦から仕事受験生の母1年生の壁の何重苦… 普通に考えて勉強する時間ないでしょう)、さらっと乗り切っているように見えてなんだ