藤岡陽子のレビュー一覧
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またやっちまいました。本作は『満天のゴール』の続編だったんですね。でも、冒頭に主人公の回想場面もあり、前編未読も全く問題なしでした。
40歳の奈緒は、離婚し丹後の実家に戻り、父・息子(高2)と暮らす看護師です。
前半は、親子の絆の再構築が題材です。息子との会話不足と進路の問題、父の突然の体調悪化など、様々な困難に見舞われる中、奈緒が心を寄せ、涼介が尊敬し慕う医師の三上(父の主治医)が重要な役どころになっています。
一転し後半は、舞台が東京の緩和ケア病棟で、題材が終末期医療に移ります。作中多々「死」が描かれますが、身体や心の辛さを和らげ、患者が自分らしく過ごせるよう緩和ケアを実践する -
Posted by ブクログ
努力する人には金の角が生えている。
主人公の俊介がサッカーの挫折から中学受験への挑戦の過程が描かれているが、困難な挑戦でありながら人一倍努力し、可能なところまで登り詰めたことや、妹のような聴覚障害の子を救いたいという夢を持ち挑戦していることにすばらしさを覚えた。
途中で諦めたくなるような場面あったが、カジ先生の言葉や存在、俊介のハートの強さにより最後まで粘り強く戦えたこと、今後の人生の糧になると思う。
母親、俊介、カジ先生、それぞれの主観から描かれており、それぞれの登場人物に感情移入してしまった。
夢を持つこと、希望を持って諦めないことの大切さ、努力するものには金の角が生えること、
自分の強み -
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お笑い芸人になる夢が破れ特別養護老人ホーム『森あかり』で働く新人介護士の星矢を主に、施設の医師葉山彩子、施設長の福見節子の立場の違う3人の視点から介護とは、生きることの意味とはと、問われている気がする。
私も周囲に要介護や認知症の家族がいるので、とても興味深いことである。
人に迷惑をかけずに生きていくとか、自分も周りも幸せだったと思える最期を迎えたいとか、誰でも思うことではないか。
老いても人間の尊厳は失わずにいたいと思ってしまう。
寝たきりになって、自分の意思を伝えくことができなくなったら、命を絶ってほしいと頼む浜本さん、胃ろう(お腹に穴を開け栄養を流し込むこと)をしたくない、静かに逝かせ -
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すごくおもしろかった。
新しい命の「むかえびと」である助産師さんたちの物語。出産の大変さ、新しい命の尊さ、ミステリー要素まで組み込まれている。
『金の角持つ子どもたち』以来の藤岡さん作品。
現役看護師さんなの知らなかった。
専門用語がたくさん出てくるけど、難しさをなるべく感じさせないようにするところが藤岡さんの力なんだと思う。
院長と院長息子はほんとうに許せないけど、イメージ的にはこういう院長っていそうだよな、、。ここまで師長共々ひどいのは不安すぎる。
ひどい話があるから、妊婦さんにはあまりおすすめできないけど、老若男女問わず読んでほしい作品。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ読み終わってから、みなさんのレビューをみて『満天のゴール』の続編と知った。
知らずにこちらから読んでも堪能できた。
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藤岡陽子さんのテーマはあまりにも身近すぎて、ママ友さんの話を聞いているような既視感をおぼえる。
主人公の川岸奈緒は、シングルマザー、連絡を絶っていた実父を頼り実家へ出戻り子育てや生活を助けてもらいつつ、看護師をして暮らす。
シングルマザー、子どもの受験、遺産相続、看取りなど、誰にでも起こりうる切実な問題をかかえながらも毎日を生きる。
奈緒は看護師だが一人の人間で、強気なところもあればときに身勝手なふるまいに思えるような態度もする。いかにも人間らしさが出ている。
そ -
Posted by ブクログ
出だしから介護の現場の大変さが描かれており、
3Kどころか、倍の6Kくらいの過酷さに
ちょっとしんどい展開になるのかな、と
重たい気分になったけど、
読むうちにこの世界に引き込まれて、
介護する側、される側、両方に感情移入し、
胸を詰まらせながらの読書となった。
フィクションとはいえ、
ここに描かれる内容はほぼ日常で起こっていること。
年老いて、自分で自分の面倒が見れなくなった時の身の振り方は、ちゃんと考えておかないと。
意思表示ができるうちに紙に書いておくぞ、と決意。
介護の未来はどうなっていくんだろう?
わたしはロボットにお世話してもらうの、いやじゃないかも。
負担の大きい部分は
この -
Posted by ブクログ
介護にあたる介護士、介護される方に光をあてた作品であり、重いテーマの中でも温かい読後感で終われたのがよい。先日、おばを亡くしたばかりで延命措置についても真剣に考えるきっかけになった。
P99…溝内がいう、人生は上書きの連続であると。昨日、嫌なことがあっても今日、いいことがあれば人生は良いものだと思える。
P108…働いている自分たちが楽しくなければ、介護される利用者も不幸だと。大切なことは介護士達の環境を改善すること。
P270…福見さんは、なんのために働いているのか。
この本は、介護に携わる方の現実を語ってくれていると同時に、続けている方たちは最後の砦としてふんばっていることがよくわかる