藤岡陽子のレビュー一覧
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介護施設での話。自分も介護業界に携わっているので、すんなりと内容が頭に入ってきた。
知らない知識も得られて良かった↓↓↓。
下顎呼吸が始まると、酸素が少なくなり、二酸化炭素濃度が上がる。そうすると、脳内麻薬のエンドルフィンが分泌され、苦痛が和らぐ。下顎呼吸が始まると、見ている人は苦しそうだと思い、心配する。しかし、この状態の時に、酸素を吸引させると、エンドルフィンの分泌が無くなり、苦痛を味わうことになるため、酸素吸入は行わないほうがいい。
介護施設では入所者の介護にあたる身体的な大変さと、排泄介護の匂いや入所者からの心無い言葉などによる精神的苦痛がある。また、入所者の家族から訴えられたり、 -
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教育現場のリアルな実態に衝撃を受けた。
新米教師の奮闘ぶりを描いたハートフルな物語だと思ったが、知らなかった、知ろうとしてこなかった教育現場の実態を、まざまざと思い知らされた。
4月に水柄小学校に着任したばかりの主人公「ひかり」の受け持つ6年2組には、大きな問題を抱えた生徒が大勢いる。どんな時も生徒一人一人に寄り添い、生徒の目線で動くひかり。
そんな彼女は同僚から時に疎まれ、上司からは厳しく叱責を受け、保護者からの理解も得られない。
それでも強い信念を持ち、心が折れそうになりながらも、自らを叱咤し、辿り着いた先にみえた光とは・・・
物語全体を包むミステリー要素も効果的で、どんどんのめり込 -
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Posted by ブクログ
看護学校の学生の青春物語かと思ったが、もっと過酷な看護の世界や、真っ直ぐに生きていくには時に残酷で理不尽な社会が描かれており、読み終えてやりきれない気持ちになる。
唯一明るい気持ちになるのは、ヒロイン瑠美の看護学校の親友である千夏が登場した時である。
千夏の明るくて大らかで優しい人柄が物語に光を差し込んでくれる。
登場人物たちの決して交わらない一方通行の恋心も、繊細で切なく描かれている。
何よりも尊いのは、彼女たちのまっすぐな心が不当に曲げられることを許すことができないこと、間違っていないのに間違ったと修正できない生き方。
社会の中で大人たちは心がすり減って行くが、何色にも染められていない若物 -
Posted by ブクログ
介護問題を真正面から描ききった作品。人生とは、生とは、死とは?主人公の星矢と共に読み手にも深く考えさせられる。お笑いコンビの相方である大尊、過去に縛られて生きる施設長の福見、ALSの父を介護し看取った葉山、それぞれ事情を抱えた入居者達、などが星矢の人生観を変えていく。
人生は上書きだ。
辛いことがあっても翌日良いことがあれば、「良い人生だ」と思える。
人の最期も、そうなんじゃないか?
失敗もある、
納得のいかないこともある、
不条理、妬み、回り道、
いろいろあっても、
いいじゃないか。
上書きなんだから。
最後に笑えれば。
星矢は様々な経験を通じて
自分らしく
自分の足で
自分の道をのっし -
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ネタバレ人は挑むことで自分を変えることができる。
じわっと目が熱くなった。突然サッカーを辞めて中学受験をしたいと言い出した俊介に父も母も戸惑う。最難関を目指すと言い出した俊介の夢とは——。
きょうだい児は我慢したり聞き分けがよかったりするとはいうが、俊介の背負うものは大きかった。でも頑張れるならいいのかもしれない。俊介によかったのは、母も一緒に挑んでくれたこと。夫を説得し、義母に逆らい、新たな夢を見つけた。そして塾の加地先生がよかった。信念を持って挑み続けている人。勉強しなくていい人なんていないのだ。後悔をそのままにしない加地先生。
中学受験の経験者としては、加地先生が美乃里にした頼みごとが心に -
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ネタバレ木崎瑠美
大学受験に失敗し、看護学校に進学する。看護師になりたいという願望は特にない。卒業式では卒業生を代表で答辞を読んだ。
平野亜矢
二年の夏まで一緒にアーチェリー部に所属していた。
山田千夏
瑠美と同じ看護学校の同級生。瑠美と同じ班。父は自衛官。父と三歳下の妹と三人で暮らしている。看護記録の訂正を先生に言われたが拒否し、看護学校を退学する。
佐伯典子
瑠美と同じ看護学校の同級生。瑠美と同じ班。三十代半ば。離婚して看護学校を退学し、旧姓の須賀典子で出直す。
遠野藤香
瑠美と同じ看護学校の同級生。瑠美と同じ班。人を圧するほどの美貌。ひとつ違いの妹が十二歳の時に手術ミスで死んだ。病院側を