藤岡陽子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
日赤から戦地へ派遣された従軍看護婦の物語。
看護婦目線で戦争について少し知ることができたように思います。
終戦間近のフィリピン。
様々な地域で負傷兵の救護活動(包帯の洗濯、隔離病棟での世話、死んだ兵士の遺品整理、防空壕へ患者の移送、食料探しなど)している姿に心が痛くなりました。
生きている時代が違うだけで、なぜここまで苦しまないといけないんだ、何のために戦っているのか、国のために?ふざけんな…静かな怒りみたいな感情が溢れてきました。亡くなった兵士や看護婦さん達、その家族に想像を絶する悲しみや辛さを負わせてまで国が得たかったものは何なんだろうか。。 -
Posted by ブクログ
介護の現実が真に理解できる本。
辛い状況が続く中で、介護士と入居者との暖かいエピソードもあり、自分が介護士になったかのように心暖まるシーンも多々。
介護問題、文中にもあるように、厳しい現実しかないのにどうして改善されないのだろうか。
年を取らない人もいないし、死なない人もいない。なのになぜ。
これでもかというほどに
介護問題や、尊厳死について追求している良書。
星矢くんの活躍がもっと見たかった。正直で優しくて真面目で繊細な彼の仕事ぶりも心暖まる材料の一つであった。彼のような人が退職することなく職務を全うできるシステム作りを国は早急に進めて欲しい、
-
Posted by ブクログ
もし、自分が癌になったとき
何を思うだろうか?
もし、家族が癌になったとき
何ができるだろうか?
そんな事を考えずにはいられない。
病気を背負ってしまった側、
病気の人を支える側の不安や苦悩がまざまざと
描かれていて心揺さぶられます。
看護師として働いてきた著者だからこそ、身近にみてきた生と死がリアルに表現されている。
読後、切ないけれど不思議とあたたかな気持ちにさせてくれる物語。
主人公の遼賀が重い病と向き合い最期まで
自分らしく悔いのない人生を生きた。
この物語は看護師の矢田なしでは語れない。
矢田は遼賀の元同級生でもあって、看護師と友人として遼賀を支えていきます。
偶然訪れた病院に -
Posted by ブクログ
海と様々なお爺さんを軸として、次の世代への紡ぎをテーマにした3編の短編集。
どの短編も良かったですが、個人的には海神がシンプルながらもグッときて好きです。
以下、読んでて、気に入った言葉。
◾︎海神
p27強くなりたいと願った時に、人はもう強うなってるもんじゃ。
◾︎夕凪
p66年を取ることに対する先生の考え。
心に関していえば二つほどいいところもあります。
ひとつは、これから先どのように生きようかと言う悩みが少なくなるということ。これは単に選択肢が少なくなるからだと思いますがね。もう一つは大切なものが年々減ってくることによって、大切にするものへの比重が増すということ。
◾︎波光