藤岡陽子のレビュー一覧

  • 手のひらの音符

    Posted by ブクログ

    人が誰かを思いやる気持ちを、それぞれの性格が表れた行動として描いているところがとても良かった。同じように相手を大切に思っていても、寄り添い方や支え方は一人ひとり違う。その違いが、説明ではなく、何気ない振る舞いや言葉、長く残る物を通して自然に伝わってくる。登場人物たちはそれぞれ異なる事情や不器用さを抱えながらも、自分なりの方法で誰かを守ろうとする。その優しさが押しつけがましくなく、一つ一つの場面に温かさを残していた。読み終えたあとにも、人を思う気持ちの形が静かに心に残る、とても良い物語だった。

    0
    2026年07月12日
  • 金の角持つ子どもたち

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    最終章は涙なしでは読めませんでした。電車の中で読んでいなくて良かった、と思ったくらい、読み進めていくうちに泣いてしまっていました。急に小学校6年生の春にサッカー辞めて中学受験をしたい、と言い出した俊介を、わたしも読みながら、最初は俊介のお父さんと同じように思っていました。どうせ飽きたらやめるんだろうなぁ、と。でも、いつになっても投げ出すことなく、寝る間も惜しんで勉強している姿にいつの間にか俊介を応援している自分がいました。なので結果は残念だったけど、努力を一回経験した子は、この先の人生でどんな局面に立たされても諦めることはないのだろうな、きっとこの先の俊介の人生は素敵に輝くのだろうな、と思いました。中学受験って受かちなた、落ちたの結果よりも、そこまでのプロセスが一番大切なんだな、と気付かせてもらえた小説でした。

    0
    2026年07月11日
  • 海とジイ

    Posted by ブクログ

    自分に残せるものは何か。
    決して物ではなく自分が生きてきた様だったり、これからを生きゆく者に託す希望だったり。
    よくある病気を抱えた人から託されるものではなく、人生を歩んできた日常の中にいる、ひとりのじいさんからだ。
    ゆったりと流れる島の時間と海の生活が共にあるおかげで、読んでる側もゆったりとできる小説。
    人生100年。そこまで行けるかはわからないけど、自分が残したいと思えるものは何なのか。
    それはその時にならないとわからないが、今を生きる上で無限ではない有限の時間を大切にしたいと思った。

    0
    2026年07月07日
  • きのうのオレンジ

    Posted by ブクログ

     限られた時間の中で紡がれる、いのちの尊さと絆を辿る物語。自分の大切な人たちを想うことの愛おしさや、生きる意味を深く問いかけてくる。

     心の繋がりの深さは一緒にいる時間の長さだけではないし、大切に感じられる瞬間は今だけとは限らないんだよなぁ。

    「一日生きることは、一日を丁寧に積み重ねることなんだよ。」人はみんな必ず死ぬときがくる。不可避だからこそしっかり生きたいと感じた。

    0
    2026年07月04日
  • 春の星を一緒に

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「満天のゴール」から7年後を丁寧に描いた続編
    読めて良かった
    そしてやっぱり元夫がクズ過ぎ&息子が良い子過ぎて涙・涙
    泣きのデトックス完了です

    0
    2026年07月04日
  • 春の星を一緒に

    Posted by ブクログ

    最近読んでた中で1番、心がスッキリした。登場人物一人一人が頑張ってて、しかも背伸びした感じでもなく、とても親近感を覚える。春の星を一緒にのタイトルも関係あった。

    0
    2026年07月03日
  • 海とジイ

    Posted by ブクログ

    瀬戸内の小さな島々を舞台に、3人の「ジイ」と若者たちの交流を描いた物語です。
    それぞれの短編が独立しながらも巧みに繋がっており、登場人物たちの人生が交差する構成は、面白さにより深みを与えている印象でした。
    特に、島の厳しい自然環境や、限られた人間関係の中で生きる人々の姿がリアルに描かれていたので、自分にはない生活を擬似体験するような気持ちで読みました。
    全体を通して、海の持つ多様な表情と人間模様が巧みに織り交ぜられ、心に残る作品でした。
    読むタイミングによって、各話の感じ方が変わるのも魅力的でした。

    0
    2026年07月03日
  • 金の角持つ子どもたち

    Posted by ブクログ

    中学受験に臨む小6生。
    それも最難関校。
    中学受験を決めたのが遅かったので追いつくのは並大抵ではない。
    それを見守る親や塾の先生、そして本人のやる気が熱い。
    結果が伴えば万々歳だが、そうとは限らない。
    最高に頑張った!そんな思いは財産になるよね。

    0
    2026年07月03日
  • むかえびと

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    変わらず、藤岡さんの「生と向き合う人」の描き方が素敵だなと思った。
    俊高さんのキャラクターが最後まで掴めなかったのが残念。。表面上だけではなく、理央が惹かれるなにかがあったんだろうなあ。

    0
    2026年07月01日
  • 春の星を一緒に

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    奈緒が緩和ケア病棟ナースということもあり、人が亡くなるシーンがとても丁寧。最初は父耕平。最期の言葉がこの本を象徴づける。
    次は宮城さん。同い年の女性が娘を懸命に守り抜き元旦に旅立つ。
    最後は寺内さん。スカイブルーのノートに唯一描かれた似顔絵が目に浮かぶ。
    家族の愛を多面的に表現し、ハッピーエンドで締めくくる。

    0
    2026年06月28日
  • 金の角持つ子どもたち

    Posted by ブクログ

    2026/6/21

    中学受験がテーマの作品。
    中学受験に挑む息子、その母親、塾の講師の目線で語られる。

    おもしろかったなー!
    一生懸命に頑張る主人公の俊介を純粋に応援したし、私はやっぱり、母親にもとても感情移入して読んだ。
    息子の受験のためにやむを得ず始めた仕事。
    そこで彼女自身も、目標を持って頑張ろうとしている姿にグッときた。

    頑張っているのは俊介だけではなく、母・友人・塾講師、もちろん父親や妹も。
    一生懸命になれる人はとても魅力的だし、眩しい。
    がんばっていれば、きっと何かを掴むことはできる。
    思い描いたものとは違ったとしても。
    そんな力を信じさせてくれた、作品だった。

    0
    2026年06月24日
  • 満天のゴール

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    「リラの花咲くけものみち」に続き二作目
    読みやすい文体と場面描写、登場人物の機微表現がすっと入ってきてとても良かった
    元夫のクズっぷりと良い子過ぎる10歳の息子とのギャップが泣ける
    私の「おもり」は何だろうなぁ〜
    「人と人が関わり続ける限り、相手を想う気持ちが生まれる」
    本当にそうだと想う
    7年後を描いた続編も早く読みたい

    0
    2026年06月22日
  • 満天のゴール

    Posted by ブクログ

    海とジイに続いて二冊目の藤岡陽子さん。だけど、こちらの方が先に書かれてたようでして、しかも初版から9年たってました。
     間違いでなければ、以前に産経新聞に短い小説が連載されてたように思います。本当に毒気のない清々とした文章を書かれる方で、少し食傷気味になったりするのですが、読み終えたときの清涼感。心が洗われて身体細胞の隅々が消毒されたようなすがすがしさを感じます。
     誰かを救い、全力で生きた先にある死は栄光のゴールでもあり、その死から始まるまた新しいなにかがある。そう信じていれば、死は恐れるものでもなく、誰もが目指していくものなのだと教えてくれる。
     舞台が丹後半島というのもうれしかったけど、もう少しこの地の描写が欲しかったのは個人的な要望であります。

    0
    2026年06月20日
  • 森にあかりが灯るとき

    Posted by ブクログ

    藤岡陽子作品の5冊目読破。丁寧な現場取材をされたのか実体験がおありか。現実感のあるストーリーと人物描写は卓越している。
    22年前(2002年)→本編(2024年)→5年後(2029年)と時系列で展開される。限られた人数の登場人物だが、介護士、看護師、医師の立場を明確にしつつ、その背景にある生い立ちや家族友人との関係性を会話から表現する。
    自分が30歳前後だった頃、母との当時やいまの記憶、これからに想いを巡らせる。同い年の作品は同級生と雑談を続けているような心地よさで読める。

    0
    2026年06月20日
  • 春の星を一緒に

    Posted by ブクログ

    この人の本は初めて読んだんだけど、まさか前作があったとは。
    「春の星を一緒に見ませんか」ってめっちゃ素敵な言葉だなーって思った。
    幸せな終わり方でよかった……。
    買ってよかったと思える1冊。
    前作の、満天のゴールも読んでみたい。

    0
    2026年06月19日
  • 森にあかりが灯るとき

    Posted by ブクログ

    施設の実際………
    闇の部分が多くて……
    でも、本当のことだよなって思いながら読みました

    私たち職員にミスなんて許されなくて
    なんで転んだんですか?ちゃんと見ててくれないと困ります、とか
    認知症だってわかってるはずなのに
    こういうことを言ってくるけど、どうなってるんですか?とか
    歩けなくなったら困るので、動かしてくださいとか

    無理難題を言われる家族、多いんです……
    施設は何でも屋ではありません
    できること、できないことがあります
    施設にいるから必ず安全、というわけでもありません

    でも、楽しく、穏やかに、危険なく過ごして欲しいという気持ちは間違いなく持っています

    笑顔やありがとうという言葉に
    間違いなく私たち職員も救われるのです
    じゃないと、やっていけませんよ

    0
    2026年06月09日
  • メイド・イン京都

    Posted by ブクログ

    単純に京都が好きで、オススメもされたので読んでみた。手に職というか、技を持つ人に憧れる側の人間にとっては、まず羨ましいが先に立ってしまったが、こういう仕事邁進話は気持ちが良い。自分も含めて今はタイパとかコスパで、一生懸命がむしゃらにやる人が減ってるように思うから。現実はこんなに上手くいかないとは思いながら、ちゃんとモデルがいるというところに驚いた。仕事は真っ直ぐ進むのに、恋愛では変な意地をはる主人公にモヤっとしたけど、最終的には応援したくなった。
    「運は信用に値する人間のもとにしか訪れません。あなたがこれまで運が良かったというのであれば、それはあなたが周りの人に信用されていたからですよ」
    自分も運が良いと思っていたので、本当にそうなら良いなと嬉しくなった。動かなきゃ何も始まらないのは確か。

    0
    2026年06月07日
  • 満天のゴール

    Posted by ブクログ

    「春の星を一緒に」を読んで、昔見たドラマの続編と気付き、原作は読んでないことに気づいた。NHKの2023年のドラマも良かったけど、原作はそれ以上だったね。最初のクズ夫とそれにすがるアホ女のムカムカが後半きれいさっぱりなくなった。トクじい、早川さん、いい逝き方だったね!

    0
    2026年06月01日
  • 春の星を一緒に

    Posted by ブクログ

    初めは祖父、シングルマザー、息子の話


    緩和ケアで働く看護師、医師

    息子がめちゃめちゃ良い子。
    それぞれの人物が頑張っている
    心が温かくなる作品

    0
    2026年05月29日
  • メイド・イン京都

    Posted by ブクログ

    結婚に向け、仕事を辞め縁のなかった土地でスタートする新生活。そこだけを切り取ると自分と同じ環境に一気に気持ちが乗っていく。
    幸せの為だったけど、積み重なる違和感。それに立ち向かい、幾度となく押し寄せる困難にも挫けず、色褪せないもの、変わらないものを見つけ出すお話し。
    2人の関係がただただ美しく2日で読み切る。

    0
    2026年05月25日