藤岡陽子のレビュー一覧
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重苦しかった。
これはないわ、と思った。
貧困層の学校に一人の誠実な先生が一生懸命生徒たちに関わっていく。
学校に教師として勤めたことのある人なら、この学校はリアルではないと思うのではないでしょうか。
生徒たちの大変さより教員集団の崩壊をこの小説から感じました。
実際は生徒はもっと大変だし、教師はもっと助け合うものだと思います。
学校を大変にしているのは一人一人の教員の狭量です。この物語の学校では。
大変な子もいるけど、いい子も多い。こんな子どもたちなら教師が協力すれば学校は変わるはずです。
こんな学校もあるのでしょうが。
心温まる勇気の出る感動を与えてくれるいつもの藤岡さんの作品らしからぬシ -
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Posted by ブクログ
藤野陽子さんの作品は何作か読んだが、
本作は現実的で地に足がついたイメージの他作品とは全く異なった趣の作品だった。
『この世界で君に逢いたい』
おや、もしやラブストーリー?なんて思いながら読み進めたが、素敵で不思議なスピリチュアル物語だった。
前世の記憶や、転生、沖縄地方のユタ、といった目には見えないものが醸し出す独特の透明感と幻想的な雰囲気が広がる。
物語の舞台は日本の最西端にある与那国島
更に、京都と東京を跨いだ3拠点で繰り広げられるのだが、やはり注目したいのは与那国島。
与那国の方言や地域性に加え、あの世との繋がり方や捉え方など独特の風習に引き込まれた。
ただ、出来れば京都や東京との -
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長年連れ添った両親の離婚。きっかけは父親の失踪だった。別の女性と暮らすことにしたという書き置きを残し、知らぬ間に自宅を売り払っていたことから、父親の計画的な出奔だったことが判明する。
戸惑う母親を説得し、ひとり娘の香織は小さな弁護士事務所を訪れるが……。
ある一家を襲った悲劇を中心に、強い絆があるようでいて、実は簡単に崩壊してしまうという、家族や夫婦の関係の脆さを描いたヒューマンドラマ。
◇
娘たちに夕飯を食べさせ終わった香織が後片付けに入ろうとしていたとき、電話が鳴った。小学3年になったばかりの綾乃がすぐに出てくれたが、顔が急にこわばるのを見て香織はすぐに電話を -
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こちらはフォローしている方のレビューを読んでのチョイス。
夫に裏切られ10歳になる息子とともに逃げるように故郷に帰ってきた奈緒。かつて免許をとったものの仕事はしたことがなかった看護師として働き始めた病院で出会う人々の生と死。
最初の100頁あたりまで、自分を捨てた夫にあそこまでされて、それでもしがみつく奈緒の心情が理解できず、あまり興が乗らなかった。看護師として働き出してからも、経験がなくモタモタするのは仕方ないとして、自分がやるべきことにも手がつかない姿にはややげんなり。
親子を取り巻く人々、医療過疎地域で日々地域医療に奮闘する医師の三上、遠くない自分の死を覚悟しながら住み慣れた家で静かな