藤岡陽子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
初読みの作家さんの良さげな短編を読んでみようシリーズ第〇弾。
思ったより良かった。
読みやすい。
女性向けの作品が多いかな。
「波風」
5年振りにあった友人の一生に一度の頼みごととは。
「鬼灯」
病に倒れた母の再婚相手は風采の上がらぬ男だったが。
「月夜のディナー」
弟の結婚式前夜のディナーで家族が集まり。
「テンの手」
幼馴染であり将来を嘱望される天才高校生ピッチャーとバッテリーを組む男は。
「結い言」
女性用着付け教室に現れた只一人の高齢男性。
「真昼の月」
老人ホームに面会に来た美女。
「デンジソウ」
離婚して10年振りの社会復帰。整形外科医院で看護助手として働くのだが。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ初めましての作家さん。 すごく真っ直ぐな文章を書く方だなー。と言う印象です。
家庭の事情で不本意ながら看護学校に通う瑠美。
そんな瑠美の不器用な生き方が、なんだか読んでいてすごく痛々しいんですよね。
ダメなことはダメ。イヤなことはイヤ。って言えることは素晴らしいことなんだけど、でも実際は正義を貫くってすごく大変なんですよね。敵もたくさん作っちゃうし。
だけど現状への不満を抱えながらも前へ進む瑠美は、きっといい看護師さんになれるんじゃないかな。という気がしました。
私、何度か入院したことがあって、看護師さんって、白衣の天使なんかじゃないってかなりリアルに実感してるので、きれいごとばかりじ -
Posted by ブクログ
与那国島へ気分転換がてら来た周二と夏美。そこで、島や泊まった民宿で働く女の子を見て、周二は変な空気感を感じた。それは周二の従妹・美羽の存在とその女の子の雰囲気が似ていたのである。なぜこんな気持ちになったのかわからないまま、2ヶ月後、民宿の方から女の子が消えたということで連絡が来た。
どこか嘘っぽい印象もありましたが、幻想的でもある内容で楽しめました。女の子・花と周二の過去がどう結びついていくのか?
与那国島の風土や歴史を感じながら、ゆったりとした気持ちになりました。
島では穏やかな感じでしたが、それとは逆に、本州では殺人や家族同士のいがみ合いといった割と激しめな展開でしたので、その対比が