【感想・ネタバレ】むかえびとのレビュー

あらすじ

小さく、か弱い命を守るために奔走する助産師〈むかえびと〉たちを描く! 有田美歩はキャリア六年目の助産師。勤務先のローズ産婦人科病院は、院長自身の医師としての実力や経営方針にやや問題を抱えているが、この仕事に誇りを持つ先輩や同僚、腕利き医師の存在に支えられ、命に寄り添う仕事に臨んでいる。飛び込み出産、新生児連れ去り、産婦の緊急搬送……一分一秒を争う命の現場で働く「むかえびと」の姿をリアルに描く渾身の医療小説。解説/三浦天紗子 (『闇から届く命』改題)

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Posted by ブクログ

「むかえびと」いい言葉だな

生命について、いろいろな立場から考えることができる

テレビドラマ化しやすそうな、そんなストーリー

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2022年10月21日

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さらに1年後のエピローグがあるのなら、理央さんが佐野先生の病院で皆んなと一緒に働いていると描かれていることを願っています。

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2021年10月14日

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助産師を描いた医療小説+お仕事小説。最近メキメキと頭角を現している藤岡陽子さんの作品で、なおかつ生命の誕生を扱ったものなので、「泣かせにくるいい話なのだろうな」と思っていたのですが、いい意味で裏切られた感があります。

主人公である若手の助産師、有田美歩。彼女の勤める産婦人科病院はなかなかにクセがある。先輩や後輩の助産師は頼りになるものの、院長は腕は不確かなのに尊大。さらに看護師長は院長の愛人で、この師長も仕事は満足にしないのに、部下にはヒステリックに当たり散らす。

描かれるテーマも主人公が壁にぶつかって、そこから成長して……、というお約束の感じではなかった気がします。美歩自身、障害をもった姉がいて、親の世話を一身に受ける彼女に複雑な感情を抱いた過去があり、その経験ゆえ生命倫理や出生前診断に悩む妊婦たちの苦悩に真剣に対応する。そんな彼女の真摯な姿は、応援しやすくて、また描かれる問題は難しいからこそ読み応えがありました。

他の描かれる事象もなかなかに重たい。若い女性のお産とネグレクト、そして中絶といった臨まれない子どもたちの話も心に迫る。作中で中絶手術の時、取り出した胎児の声が母体に聞こえないよう、助産師がガーゼで胎児の口をふさぎ、動きが止まるまで待つ、という描写があり、そんな心理的に厳しい手術の話も初めて知りました。

優秀ではあるが、ストーカー疑惑のある同僚の医師。真面目だったはずなのに突然、仕事を欠勤しがちになった美歩の後輩助産師。それぞれのエピソードを回収しつつ、物語は進んでいきます。結末としては、完全なるハッピーエンドではないかもしれないし、物語全体としてみると、少し詰め込みすぎな感じも否めない。

でも一方でシリアスな物語の展開に対しての、登場人物たちの新しい生命に対する想いには心を打たれました。母になるということの意味であったり重さであったりも、考えさせられます。

そして何よりネグレクトや、障害を持って産まれた子、そして中絶でお腹の中だけで命を終えた子。そんなすべての命に対する慈しみが感じられて、それが本当に良かった。藤岡陽子さんも、折に触れて追いかけていきたい作家さんになりそうです。

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2021年01月17日

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助産師さんのお仕事小説。

途中、不倫や犯罪が出てくるが、だからこそ命の大切さが伝わってくるところもある。

助産師さんや産婦人科医の、命をむかえるという仕事が、よくわかる話。

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2018年07月30日

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助産師、美歩を中心にその周辺の病院職員を絡めた物語。佐野先生に美歩と草間さんが付いて行って新たなスタートを切るハッピーエンド。

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2025年05月12日

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少しずつ読み進めている藤岡陽子さん

こちらは助産師さんの物語と聞いて手に取りました




これは自分が悪いんですが、勝手にドラマのコウノトリのような作品をイメージしてしまっていましたが全然違いました。笑





とりあえず病院がひどい_(┐「ε:)_


院長は仕事ができず、急患などのときの判断も的外れ。緊急の連絡をしても全然繋がらない。
師長はお産がとれない。気分のムラが激しく、気分が悪いと部屋にこもってしまう。

他の医師や看護師はいい人ではあるが、常に助産師も医者も足りなくて、夜勤からそのまま日勤をすることに、、、など
読んでいてヒリヒリしてくる話でした、、、


自分だったら絶対そこでは産みたくない!!笑
でもそういった内部のことは患者さんにはわからないのか、なかなか人気のある病院のようです。自分が産んだ病院もわからなかっただけでいろんな問題を抱えていたのかも知れないですね(。-∀-)



それでもやっぱり懸命に生まれてくる赤ちゃんの話にはグッと来ます。



こういう本を読むと自身の出産を思い出します。

助産師さんって、
妊娠中は不安なことを相談したり、
分娩中はずっと寄り添って励ましてくれたり、
背中をさすってくれたり、
生まれた後もどんな細かいことでもアドバイスしてくれたり。
ホントなくてはならない存在でした。
本当に助けられました。
いなければ産めませんでした。



看護師である藤岡さんが書かれただけあって
助産師さんの現実を知れた気がしました。



その他にも未受診妊婦の出産、ネグレクト、中絶に対する助産師の思い、出生前診断など、出てくる話題はなかなか重たいです。



物語はとても面白かったですが、出産感動巨編!みたいなイメージで読むと違うかも(´-`).。oO



どちらかというと悪い環境でも奮闘する助産師!!みたいな感じです
先輩方の言葉とかとてもよかったです(*´-`)





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2025年03月01日

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産院で働く助産師を主人公にしたお話しですが、コウノトリみたいな感じではないです。
読み始めるまでは、大変な出産を乗り越えていく王道的感動ストーリーだとばかり思っていただけに、サスペンス的展開に驚いたけど面白かった。
巣鴨師長はむかつくし、人数少なくて勤務態勢ブラックすぎるし、院長はおかしいし、俊高は怪しすぎるしで、、
ありがとう佐野先生!!に落ち着きました。

実写になったら面白そう!!

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2025年01月26日

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おくり人は、有名ですが、「むかえびと」は、新鮮な言葉でした。その名の通りの仕事なのですが、実は、迎えるのも送るのも人にとって大きなイベントなのです。

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2024年04月19日

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誰もが何かを背負ってる。医師、看護師、助産師、ワケあり妊婦、さまざまな人達が命の現場となる産婦人科病院で絡み合う。
柔らかい文章で登場人物の数だけ伏線を優しく張り巡らしていく手法は見事。
巻末の解説に記載されてますが、現役の看護師目線での小説は珍しいそうです。優しい看護師の如く藤岡作品はどれも冒頭から手をとって作品の世界に導いてくれます。

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2024年02月27日

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主人公の美歩は6年目の助産師。むかえびととも呼ばれ、メインテーマは出産。後半はその中で巻き起こる同僚や院内の問題に話が移っていく。

1年以内に9割が亡くなってしまう13トリソミーの赤ちゃんを出産した女性の話があった。中絶を悩んだが「悲しむ覚悟」を決め出産した。天くんと呼ばれ30時間を家族3人で過ごした。その後弟が産まれ「私たちは4人家族なんです」で涙が止まらなくなった。

後半は問題を抱えた病院内での話に移る。出産の話からは若干遠のいたが、過酷な環境で働き続けた助産師と医師たち。改善させるツラいきっかけを作った後輩の理央だったがそれも若さ故。失敗を成功させて欲しい。
先輩助産師の草間さんはカッコいいし、若い理央も頑張っている。佐野医師も意志が強い。とても思いやりのある主人公の美歩も草間さんのようになるんだろうな。

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2022年08月06日

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大好きな作家さんのおひとりです。
現役の看護師さんでいらっしゃる藤岡陽子さんの描く"新しい命"に向き合う助産師(むかえびと)の物語は、リアルで厳しい、でも、美しい。
懸命に働く、ひたむきさ、高き志が、眩しくて羨ましくて。そして、わたしの心の底の清らかなるものを刺激します。
藤岡陽子さんの医療小説を読むと、"誰かのために役に立つ自分でありたい"と、想うことしばしば。
その気持ちがきっかけで、小さなボランティアを始めました。

感動的シーンの一つを・・・
七年間におよぶ不妊治療を経て妊娠に至ったが、胎児に異常が見つかった妊婦に、主人公・助産師の美歩の脳性小児まひを持って生まれた姉・美生の話、過去に染色体異常の子を取り上げた時の話をする。
姉への思いも素敵なのですが、過去の出産の話が更に心を打ちます。

『赤ちゃんは出産から三十時間後になくなったが、息を引き取る瞬間まで、家族の時間を三人で過ごしたのだ。』

生まれてすぐに赤ちゃんは亡くなってしまいましたが、産むと決めた時の妊婦さんの台詞が凄い。

『子供を産まなかったら、一生後悔で苦しむかもしれない。それなら悲しむ覚悟をしようと思う。わが子に会って、抱きしめて、ありがとうを伝えるために、悲しみを受け入れようと思うーーー。』

"悲しむ覚悟(悲しみを受け入れる)"・・・言葉が見つかりません。

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2021年11月22日

Posted by ブクログ

良かったです!
助産師という「命」に関わるお仕事について。
生まれてくる命はどれも尊い命に違いはないけど全てが喜びにあふれて迎えられるわけではない。悲しい現実も命の選別に苦悩する場面もある。
妊婦さんに寄り添い「命」を預かる「助産師」という職業の重みみたいなものを改めて感じました。

出産のリアルな現場だけじゃなくミステリー要素も楽しめます。
身勝手な男に気分の悪い思いや医療の闇の部分を見た気もしますが、今後も追っていきたいと思わせてくれる作品でした。
シリーズ化して欲しいなぁ♪

『仕事をするって、生きることなのよ。真剣に働くってことは、真剣に生きるってこと』

『真実を知って、ようやく動き出す時間がある。それはきっと、誤魔化したまま堆積していく時間よりも本人にとっては重要なはずだ』

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2021年04月10日

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「母親は自分の命を懸けて、新しい命を産むじゃないですか。でも命を葬る選択もする。その違いってなんなのかな?生まれる意味のある命、ない命、そういう違いがあるんでしょうか」
毎日、産まれる命と真剣に向き合う助産師の心情を的確に表現している台詞だと思った。命を守りたい、そんな高い志で助産師となり、様々な現場に直面する。

この世に産まれ出て、その手の中に1番最初に受け止めてくれる助産師。彼女たちのリアルな現場を覗き見たような、泣きながら夢中で読めた一冊でした。

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2020年12月06日

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ネタバレ

思っていたお話とは違った。患者さんとの話も勿論あるけど、病院の問題というか最後の事件の問題が印象に残り過ぎた。マジか…と。
新しい医院で正解よ〜。

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2025年06月05日

Posted by ブクログ

ネタバレ

感想
物語を読みながら赤ちゃんの可愛らしい姿を思い出してしまった。

後半からは不倫の末に無理矢理流産させられたことを訴えるという方向に話が逸れていった。純粋に助産師がどれだけ頑張っているかを知りたかったのでちょっと残念。

あらすじ
美歩は助産師6年目でローズ産婦人科病院で働いている。病院の規模に対して助産師が4人しかおらずいつもいっぱいいっぱいで働いている。院長はやる気も手技もなく、師長も院長の不倫相手でやる気がない。そんな中、飛び込み出産や様々な問題を抱えた人たちに向き合う。

無愛想な佐野という医師が秘めた赤ん坊を救いたいという真っ直ぐな想いを美歩は知る。後輩の戸田が調子が良くないと休むことが度々あった。ある日突然、戸田に呼び出されて自宅に向かうと流産していたようだった。どうやら院長の弟と付き合っており、その弟から無理矢理に流産させられたという。美歩は戸田を支え、彼女と一緒に院長と戦うことに。

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2024年05月22日

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思わぬミステリ要素が入っていた。祝福されて生まれてくる命ばかりじゃないんだなって思った。

「くよくよらしたってしょうがないのよ。生まれてきたら、ただ、懸命に生きることだけ考えていたらいいの。辛いことも悲しいことも、生きていたら誰にでもあるの。無傷のままではいられないの。それが当たり前」

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2022年02月13日

Posted by ブクログ

赤ちゃん誕生の感動の物語かと思ったら、普通に産むことが出来ない大変な事例が出てくる物語であった。
妊娠中の人が読むと不安になりそうである。
印象に残った文章
⒈ どんなものにも代えられない命だと思い知らされた。
⒉ いつかまた戻っておいでー
⒊ 子供はあなたの人生のために生まれてくるわけじゃないですよ。

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2020年08月09日

Posted by ブクログ

出産の記憶が新しいうちに、と手に取った一冊。
産婦人科医、助産師さんたちの日常を書いた本。

お産はいつ始まるか、どんなお産になるのか予測がつかない所が恐ろしいと思う。
何が起きても不思議ではないし、赤ちゃんが無事に産まれるのって本当に奇跡に近いと言うか、何だか神がかってる気がする。
そんなお産の手伝い、母親のケアをしてくれる助産師さん。
初めて赤ちゃんと対面する彼女たちを『むかえびと』と言う言葉を使って呼んでいるのが何とも素敵。

話の中に出てくる事件は実際にあった事件ですよね。
ニュースで事件のことを聞いた時に、酷いなぁ…と色々考えてしまったので物凄く鮮明に覚えている。

出生前診断など、答えが出ない問題も沢山あるけれど
命が出てくる瞬間に立ち会う彼女たちの仕事はやはり素晴らしいと思う。

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2019年04月10日

Posted by ブクログ

生命について考えさせられる本。
望まれて生まれてくるしあわせいっぱいな生命もあれば、この世に生まれ出てくることなく終える生命もある。
出生前診断も答えは出せない難しい問題。
医療倫理に触れる問題も登場してくるのだが…
不倫や医療知識を悪用した犯罪行為など…あれこれ盛り込んで全体に薄くなった感が個人的には気になりました。

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2019年01月22日

Posted by ブクログ

助産師は生をむかえる人。
生まれてくる子の幸せを祈るばかりでなく、生まれてこれなかった子のことも蔑ろにしない気持ちを持って奮闘する。
病院内の許せない話もあるが、誇りを持って仕事する助産師、医者に心惹かれる。

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2018年06月09日

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