藤岡陽子のレビュー一覧
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現役で看護師をされている藤岡陽子さん。
今回は看護師を目指す男子学生の物語。
看護師は男女比でいうと9割以上が女性。年々男性が増加傾向にあるはいえ、圧倒的に女性が多い職業だ。
そんな女性優位な職場で、看護師を目指す主人公の岡崎成道。本作は、その過程を描いた作品だが、看護師という夢を抱いたキッカケに思わず涙してしまう。
ここで涙腺がゆるんだのを皮切りに、もうラストまで何度泣いたことやら…
また、プライベートではヤングケアラーとして自分の事は後回しにして一家を支えている。その途轍もない優しさと、一人で抱えてきた責任の重さに、何度も胸が押し潰されそうになった。
看護という現場での患者との関わり -
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1968年に法律で認められて以降も、依然として少数派である男性看護師。その数は看護師全体の一割にも満たないという。
ヤングケアラーでもある成道(なるみち)は、看護師を目指し、看護大学に学費がいらない特待生として入学する。
無保険の車による事故で、父親を失い、弟も障害者になってしまったため、家事や弟の世話にも追われるのだが、仕事で疲れ切っている母親からは感謝の言葉もなく、大学での勉学にも冷たい態度を取られる。
実習でも、患者から心無い言葉をあびせられたりするのだが、それを知って優しい言葉をかけてくれる人もいる。
何度も目頭が熱くなるシーンがあるが、看護師でもある著者の藤岡陽子さんが、実際に -
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中学受験に対するイメージがまるごと塗り替えられた一冊。もちろんこれは小説だけど、加地のような先生に10代前半のうちに、いや生涯のうち一度でも出会えたら、その人の人生や物の見方は大きく変わるだろうなと思う。子どもに武器を与えたい、というだけでなく、その武器を周囲の人のためにも使ってほしいというところまで考えられる大人は強い。
藤岡陽子さんの作品は、自分の役目を静かに果たしている、日々をきちんと懸命に生きている人を見逃さないところが特に好き。
俊介や加地だけではなく、みんなと同じようにピアニカを吹くために人の何倍も努力を必要とする妹や、自分の辛い思いは息子の盾になれたかも、と思う母親。塾のプリント -
Posted by ブクログ
よかった。
看護師を目指す主人公が大学で看護について学ぶ4年間を描いた物語。
男性が看護師になることへのハードル、看護することのやりがいや難しさ、責任が、作り込まれた世界観によって説得力を持って伝わってきた。
また、主人公やその同級生、実習で出会う患者さん、それぞれにドラマがあって物語に深みが出ていたし、胸を打った。
看護師になるという目標に向けて一生懸命、前向きにがんばる姿がかっこよかった。
がんばりを強制されたり、がんばっているのにさらにがんばれと言われるのはしんどいけれど、自分の意思で目指す場所に向けてがんばるのはいいなと思った。
☆4.5 -
Posted by ブクログ
心が揺さぶられる大変優れた小説でした。
物語は主人公の聡里(さとり)が獣医学を学ぶために北海道の大学に、付き添いの祖母と共に到着する場面から始まります。
山場は入学して間もなく訪れます。
聡里は入寮してすぐに、同室者の綾華から、理由もわからないまま嫌われていることに気づきました。
ある日、そのことで二人は対峙し、聡里は自分が嫌われる理由を知ることになります。けれど、その理由となった「ある物」に、これまで誰にも語ることのなかった、他人には計り知れぬ背景があることが聡里の口から説明されます。
ここで私たち読者は、孤独で凄惨な時期を過ごしてきた、聡里の人生の一端を知ることになります。
そしてその