【感想・ネタバレ】満天のゴールのレビュー

あらすじ

人の生と死に希望をもたらす感涙医療小説。

奈緒(33歳)は、10歳になる涼介を連れて、二度と戻ることはないと思っていた故郷に逃げるように帰ってきた。長年連れ添ってきた夫の裏切りに遭い、行くあてもなく戻った故郷・京都の丹後地方は、過疎化が進みゴーストタウンとなっていた。
結婚式以来顔も見ていなかった父親耕平とは、母親を亡くして以来の確執があり、世話になる一方で素直になれない。そんな折、耕平が交通事故に遭い、地元の海生病院に入院。そこに勤務する医師・三上と出会う。また、偶然倒れていたところを助けることになった同じ集落の早川(72)という老婆とも知り合いとなる。
夫に棄てられワーキングマザーとなった奈緒は、昔免許をとったものの一度も就職したことのなかった看護師として海生病院で働き始め、三上の同僚となる。医療過疎地域で日々地域医療に奮闘する三上。なぜか彼には暗い孤独の影があった。
一方、同じ集落の隣人である早川は、人生をあきらめ、半ば死んだように生きていた。なんとか彼女を元気づけたい、と願う奈緒と涼介。その気持ちから、二人は早川の重大な秘密を知ることとなる。
隠されていた真相とは。そして、その結末は・・・・・・・。

※この作品は単行本版『満天のゴール』として配信されていた作品の文庫本版です。

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感情タグBEST3

Posted by ブクログ

満天のゴール
このタイトルの意味が分かった時感動しました。

私は残念ながら家族に見送られることなく、一人で死んでいくことになると思います。私が死ぬ時に、この作品で出てきた満天のゴールのおじいちゃんや、三上先生のことを思い出しそうな気がします。

三上先生の過去が重すぎました。作品の最後のほうできっと救われたことでしょうね。

続編に期待です!

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2025年11月26日

Posted by ブクログ

私は人生の終わりに満点のゴールを迎えられるのかそんなことを考えながら読んだ
人生は長く途中、辛い時があるかもしれないだけど最後は自分が納得して満足して終えたい
終末医療のあり方を改めて感じさせる小説でよかった

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2025年10月14日

Posted by ブクログ

涼介があんんんまりにもカッコいいから…こんなイケメンな小学生これで終わりにさせるの勿体無いから…!!ぜひ続編待ってます!その時は三上先生が涼介の父親希望です。

邪魔にならない程度の伏線と謎を、無医地域という過酷な現実に織り交ぜるのがめちゃうまいです。
藤岡先生は現在も看護師としてご活躍と、本には書いてありましたが、ずっと現場にいるからこその臨場感が常に出せるのだろうなと思いました。

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2025年05月26日

Posted by ブクログ

夫に裏切られ、10歳の息子涼介を連れて故郷に帰って来た奈緒。ペーパーナースだった奈緒は、暮らしのために病院に就職する。医療過疎地域の辛い現実と、そこで生きている人たちに心打たれた。何より、前向きで素直で温かい気持ちを持った息子涼介が、奈緒達を元気づける存在となっている。

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2025年03月27日

Posted by ブクログ

久しぶりに小説を読みました。
つらいエピソードがモチーフになっているのに、なぜか透き通った気持ちで優しい心を感じながら満点のゴールまで読み進めました。

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2024年12月07日

Posted by ブクログ

人と人が関わり続ける限り、相手を想う気持ちが生まれる。
人は強い生き物。
人生どんな苦しいことがあっても、人は死ぬ。
その苦しみを乗り越えて、ゴオル迎えられるならば幸せ。
乗り越えられる出来事しか起きないんだと想う。今私の前に起きている出来事も、乗り越えてみようと思えた!

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2024年11月13日

Posted by ブクログ

不倫離婚、高齢化社会、限界集落、過疎医療問題、ヤングケアラー、児童虐待、そして人間の生と死。ハードな内容を扱いながらも、さほど陰鬱にならないのは作者の視線が温かく優しいからだろう。小学生の息子の真っ直ぐで前向きな気持ちにも救われる。タイトル『満点のゴール』の意味が物語の途中でわかる。幸せな考え方だし幸せな言葉だ。終盤は怒涛の展開になるがラストシーンが穏やかで良かった。静かに心に染み入り自然に涙が流れるような物語だった。

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2024年09月14日

Posted by ブクログ

藤岡陽子さんは初読みの作家さんだった。
長年看護師としても働かれているという。
『満天のゴール』

高評価も納得のとても素晴らしい作品だった。
僻地医療の問題を扱った医療小説ながら、死生観に強く訴えかけてくる。

舞台は京都丹後の過疎地域にある海生病院。
夫の不貞で一方的に離婚を要求されている奈緒は、息子の涼介を連れ、行くあて無く実家のある丹後地方に戻る。
一時帰省のつもりが涼介はこの地を気に入り、一方で離婚は現実的なものとなっていく。
母の死後、父 耕平との関係に確執がある奈緒だが、ある日耕平が交通事故に遭ったと連絡があり・・・

前半は奈緒の離婚問題が中心で、夫婦間における奈緒の甘えと弱さが露呈していて、内心ムカムカが止まらない。
まぁ、こういう女性確かにいるよなぁと思う。
それとは対照的に、純粋でありながら強く逞しく育っている涼介には何度も励まされた。
こんな息子がいたら、不貞夫なんかとっとと捨てて全力で頑張れるだろ!と何度も突っ込みたくなった。

人生は自分の思い通りには行かない。
それでも生きていれば色々な選択を迫られ、その先に人と人との出会いがあり縁が繋がれていく。
目頭が何度も熱くなり涙が溢れる作品だったが、温かい涙は穏やかで爽やかな読後感をもたらしてくれた。

作者自身の看護師としての経験だけでなく、僻地医療に実際に向き合っている医師を取材した上で作られているので、とてもリアリティがあって学びが多い内容だった。

本作を通じて、死を主体的に受け入れようという気持ちが強くなった。エンディングノートも手元にあるが、まだ書けていない。私も満天のゴールで締めくくる為に、少しずつ用意をしていこうと改めて思った。

作中、心に残る台詞が沢山あったが、全て巻末の対談に網羅されていたのでここでは敢えて割愛。
また時期をみて再読するキッカケにしたい。

誰にでも手にとって欲しいオススメ本。
とても読みやすく、展開も分かりやすいので読書をあまりされない方にもぜひ読んで欲しい。
藤岡陽子さんの作品は他にも気になるものがあるので、本作を皮切りに色々読んでいきたい。

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2024年08月27日

Posted by ブクログ

小生初、藤岡陽子さん。生きること=死ぬことを上手に書かれており、号泣必至。現役の看護師さんとしても活躍されており、現場の実態に近いのだと思う。多くを学ばされます。

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2024年08月24日

Posted by ブクログ

生きることと死ぬことを考えさせられる本。今考える死は怖くない。
あとは母の愛情は何者にも代えられない。私も子どもたちにできる限りのことをしてあげたい。いつ無くなるかわからない生の間に、かけられるだけの愛情をかけたい。

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2024年08月21日

Posted by ブクログ

ほんとに、藤岡陽子さんの書く小説は、人生に大切なメッセージをそこここに含んでいる。それも、上っ面じゃなくて、肚のなかから出てきた、経験した人にしか話せないようなこと。
主人公の情けなさに最初辟易しそうになるけれど、大丈夫。母は強いのです。
そうそう、看護師と医師の安易なラブストーリーにならないのも、藤岡さんの小説の好きなところ。仄かに良い感じ、くらいでね。

好きな台詞を覚えておくために一つだけここに記録。
トクさんは涼介くんに会えて嬉しかったんだ。罠を作ってる間、きっとワクワクしてたぞ。人が人と関わり続ける限り、相手を想う気持ちがうまれるんだよ。

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2024年08月02日

Posted by ブクログ

医療に携わる著者ならではの作品。
表紙に満天の星が輝き、読み終わると夜空にひらく美しい花火が見られた。タイトルの意味がわかった瞬間、思わず涙が込み上げてきた。

33歳の内山奈緒は息子を連れ11年ぶりに寂れた過疎の町に戻ってきた。
「私は幸せにはなれなかった」…

携帯の画面はまるで覗き穴だ。夫の相手のブログの幸福に満ちたコメントを覗くと自分が薄汚れた存在になった気がする。惨めだ! 

虫好きの息子、涼介はとても良い子。10歳と思えない程大人びていて「お母さんも怖いと思ったら攻撃スイッチに切り替えろよ。そうすれば相手の思い通りにならなくてすむ」と母を庇い、離婚届を持ってやってきた父親を追い返すのだから逞しい。

奈緒と涼介に関わる人々が温かい。
事故にあった父親の川岸耕平は、三上医師に助けられ海生病院に入院する。奈緒は病院の看護師として働き始め、三上の往診にも付き添う。僻地医療の難しさの中で、医師や訪問看護師が患者と心を通い合わせていく様子が良くわかる。
"満点のゴール"を目指すトクさんの日々が星マークになって連なっていく。
「死は怖いものでなく、美しいゴール」との考え方に胸が熱くなった。

何度も決まったコースを飛ぶ「蝶道」があること、蝶を産卵させる方法もこの本で初めて知った。本物の夜の怖さも!
トクさんは涼介を喜ばせようと、バナナの匂いでカブトムシを誘き寄せる罠を仕掛けた。こぼれ落ちるほど沢山のカブトムシを手にのせた涼介は、トクさんと過ごした大切な時間を決して忘れないだろう。

海生病院で奈緒の母が手術を受ける前に、転院を促した看護師は早川さんだった。三上医師の忘れられない記憶の中の人も早川さん。
「救ってくれる人がいないなら、あなたが救う人になればいい」
祖母の訪問看護婦だった早川さんからもらった星のシールのおかげで、僕は今まで生きることができたのだ…

夜空に瞬く星の光は優しい。人として生きること、いずれやってくる死にどう向き合うかを指し示してくれるような温かい物語でした。     

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2024年06月08日

Posted by ブクログ

"その人の生きざまが死にざまに反映される"
"救われないなら救いなさい"
"山全体がホスピス"

家族の思い出、人生の思い出が詰まった場所で、自分の意思で最期を選んで迎える。
とても羨ましいゴールだなと思う。
トクさんのゴールも早川さんのゴールもとても深く沁みた。
みんな誰かの支えになったり、誰かを支えにして生きているんだなと改めて感じる。
誰かの喜ぶ顔を想像したら活力になり、未来が楽しみになる。
そんなことを繰り返して生きていたいと感じた。

私のお守りみたいに手元に置きたい本に追加された。

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2024年05月22日

Posted by ブクログ

生き方が、どう死を受け入れて、どう終わりを迎えるか、生と死は相反することに思えるけど、繋がっている。自分らしく生きること、自分らしく終わりを迎えること、最期に幸せだったと思える生き方をしたい。作中で3人の老人が最期を迎える。その3人の老人からも生き方を学ぶことができた気がする。

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2024年05月05日

Posted by ブクログ

終末期医療、地域医療というテーマで死生観について考えさせられる物語でした。
なんかイマイチ話に入っていけなかった自分がいますが、涼介の父親と愛人がクズ過ぎて、この二人の登場がコレっきりなのもしっくりこない。
続編があるみたいだから、なんかこれから関わってくるのかな。
私にとっての満天のゴールってどんなゴールだろうって考えさせられる物語でした。

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2025年10月05日

Posted by ブクログ

藤岡陽子さんの作品を何冊か読んだが、生死を扱うものが多いので読み進めるのが苦しくなってきてしまった……

死ぬことが怖くなくなるのはまだ先かな

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2025年06月16日

Posted by ブクログ

満天のゴール…死を辛いことや悲しいことと捉えるのではなく、その人が頑張り抜いた証のゴールとして記されている。終わりではなく、ゴール。似ているようで全く違う。悲しい終わりではなく、やり切ったゴールを目指したい。
出会う人との繋がりによって、逞しく生きていこうとする主人公の変化もとても良かった。息子の涼介のヤンチャさと素直さに周りの人たちも救われていたと思う。

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2025年05月26日

Posted by ブクログ

医療過疎地、医療格差、在宅医療、終末期医療、医療従事者不足。ヤングケアラー。
おまけに、過疎地の病院や交通のインフラ不足。まさに現実だ。
都会に住む人では想像できないことがある。
まさにバスや電車が1時間に1本あるかないかなんて当たり前。タクシーなんて拾えば1万飛んでく。運転ができなくなればまず病院にはいかない。
そして質のよい医療なんて受けることはできない。
何回も言う。この小説は現実。私の回りにありすぎて、読み進むうちに辛くなってきたと同時に読まなきゃ、いっぱいの人に読んでほしいと思った。
それでも、その地に生まれその地に生きている人は運命を受け入れながらゴールに向かう。
この物語に出てくる人たちのゴールはよいゴールだった。主人公の母親と、三上先生のおばあちゃん以外は。それでも物語だから涼介を軸に主人公も先生も前を向ける。
私は前を向けるだろうか。

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2025年03月11日

Posted by ブクログ

地域過疎医療、在宅週末医療、アダルトチルドレン、などなど深いテーマ三昧。息子の涼介がいい味出してる。

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2025年01月04日

Posted by ブクログ

今 何のために生きるのか、
生きる意味と人とのつながりを考えさせる本
今ここで生きる意味はきっとあるんだって思う

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2024年12月08日

Posted by ブクログ

誰もが必ず通り、一度しか経験しない道。死について考えさせられる作品でした。三上と奈緒の進展を期待してしまいました。また不貞をした夫と不倫女はどうなったのかな。どうでもいいか。

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2024年11月01日

Posted by ブクログ

ネタバレ

僻地医療、訪問介護、独居老人などの社会問題に加え、親からの虐待とヤングケアラーという泣ける要素が盛りだくさんだが、程よく重すぎず薄っぺらくもなく、うまくまとまった印象。
「誰にも救われないのなら、自分が人を救えるようになりなさい」と言われて、素直にそうしようと思える人間がこの世にどれほどいるだろう。
今後、奈緒は三上先生と再婚する展開になるかと期待したが、さすがにそこまで都合よく描かなかったか。。
文庫版裏表紙の内容紹介、ちょっと書きすぎでは?? だいたいのあらすじが分かってしまう…笑

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2024年10月16日

Posted by ブクログ

序盤は考えの甘い奈緒に、自分勝手な夫と不倫相手、どうやっても満天のゴールに辿り着けそうもない登場人物にどんな物語になるのか不安になりながら読み進めました。

全力で生き抜いた先に死があるのだとしたら、死は行きたことの証に違いない

限界集落で死を迎える事を選択した老人が描かれますが、トクさんのように生きられたら幸せだろうなと思いました。

物語を進めるためではありますが、涼介が10歳にしては出来すぎているのが少し気になりました。

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2024年05月26日

Posted by ブクログ

ネタバレ

表紙の満天の夜空が綺麗だったから
思わず手に取った1冊でした。

“満天のゴール”というタイトルと表紙から
私は綺麗な夜空が印象的な
そんなお話しだろうなぁと想像していた。

だけど実際は
僻地医療や終末期がテーマのお話しで
ゴール=死までの日々の中で
頑張った日に星のシールを貰って
星が集まると満天になっていく。

それも眩しいくらいに輝く。

終末期医療に向き合うって
本当に難しいし毎日が大変で苦しい。

でもその人らしくゴールを迎えられたら
とても素敵なことだと思う。

看護師として
その人らしく過ごせる看護を
提供していけるように
これからも頑張らなくちゃなぁ。

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2024年04月28日

Posted by ブクログ

読み始めてしばらくして、これNHKドラマで観たことある!と思いましたが、そのまま続行。ドラマが良かった記憶で、活字で読むとまた良さが増しました。ストーリーは覚えていたけどまた深みが増すというか。胸に響きました。

医療過疎地である田舎に、離婚で戻ってきたシングルマザーの奈緒、息子の涼介、そこで出会う医者の三上先生、早川さんというおばあさん。それぞれの過去の繋がりが明かされて、救われていく展開に胸がいっぱいになりました。

満天の星と、星のシールがリンクして。満天ゴールという考え方が素敵だと思った。死ぬことはゴールであるということ。素敵な自分らしいゴールを迎えられるように生きよう。死に対する考え方をちょっと変えてくれる。
読み終わって、なんとも言えない温かい気持ちに満たされました。

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2024年04月10日

Posted by ブクログ

いつの間にか強く育っていた息子の涼介と共に、奈緒も踏ん切りをつけて、新しい生活に進んでいく。

過去に大変な思いをした医師の三上、独居で頑張るトクさん、奈緒と三上の人生に深くかかわっていた早川さん。奈緒と涼介に関わる人達が、自分の辛さや痛みを優しさに変えていった人達だった。

死ぬことを『ゴール』という言葉に置き換えると、気持ちが楽になる。まさしくそうだなと思った。

頑張った日の数だけ星形のシールを貼り、その星がたくさんたまって、満天の星空ができたときにゴールする。病気で大変な思いをしているときに、そういう考え方ができたら、少しだけでも救われると思う。私も満天のゴールを目指して、頑張っていこう、と力をもらえた一冊だった。

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2023年09月06日

Posted by ブクログ

初読み、と思っていたのになぜか薄っすらとストーリーに覚えが、、、NHKでドラマ化されてました。桜井ゆきさんが主演だったことと柄本明さんが強烈だったことくらいしか記憶にないのですが、、、

本作のテーマは、終末期医療に伴う死生観と、それを踏まえた生き方の発見だと思われますが、自分の感想は少しズレたものとなってしまいました。作者の藤岡陽子さんは現職の看護師でもあり、本作でも医療過疎地における訪問医療や終末期の在宅看護等医療にまつわる重要なエピソードが並んでいます。しかし、僕が反応したのは、比較的どうでもよい、主人公奈緒に離婚を迫る夫と愛人の挙動でした。

なぜこの二人はこうまで堂々と自分たちの身勝手な主張を繰り広げられるのか。自分たちに都合の良い理屈だけを並べて、上から目線で離婚を承諾せよと迫る。特に愛人のワインソムリエの異様なまでに高い自己肯定感。割かれている紙面は少ないのですが、客観的に記載された言動にグロテスクさが際立っていました。モンペやカスハラを行なうクレーマーのような怖さがあります。
一方、主人公の奈緒は自己肯定感も低め。愛人の自己本位な主張に返す言葉もほとんど出てきません。そんな奈緒が、病院で働き始め、看護師として成長していくにしたがって自分を取り戻していきます。やはり自活できる経済力って重要ですね。

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2025年09月02日

Posted by ブクログ



涼介がいい子すぎて。
こんなに優しいいい子に育てたのは、
奈緒、あなたの功績です。
どうか自信を失わないでほしい。

起き上がりこぼしのように、
転んでは立ってを繰り返した先には、
きっと幸せが待っている。

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2025年04月19日

Posted by ブクログ

こちらはフォローしている方のレビューを読んでのチョイス。
夫に裏切られ10歳になる息子とともに逃げるように故郷に帰ってきた奈緒。かつて免許をとったものの仕事はしたことがなかった看護師として働き始めた病院で出会う人々の生と死。

最初の100頁あたりまで、自分を捨てた夫にあそこまでされて、それでもしがみつく奈緒の心情が理解できず、あまり興が乗らなかった。看護師として働き出してからも、経験がなくモタモタするのは仕方ないとして、自分がやるべきことにも手がつかない姿にはややげんなり。
親子を取り巻く人々、医療過疎地域で日々地域医療に奮闘する医師の三上、遠くない自分の死を覚悟しながら住み慣れた家で静かな時間を過ごすトクさん、74歳になっても訪問看護を続けている小森さん、過去の出来事を秘したまま静かに逝こうとしている早川さん、それぞれのしっかりした生き様はとても良いドラマだったように思うし、『世界有数の長寿国だというのに高齢者が増え続けた先のことまで考えるには及んでいなかった』この国の過疎地医療や在宅看取りについても考えさせられるところがあった。
母を一番近くで支える息子の涼介のしっかりぶりも頼もしく映った反面、いかにしっかりしていようとも10歳の子どもに夫婦の修羅場や続けざまの死、家庭内暴力などの世間の悲惨さを見せる展開はちょっと気になった。

この作者さん、私にはこれまでハズレがない方だったが、今回はちょっとフィットしませんでした。

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2024年08月15日

Posted by ブクログ

はじめの4章の夫の不倫の話しは、この作品には必要なかったように思う。夫のあまりの身勝手さにイライラされられただけ。
5章からは話しが変わり、話しに引き込まれて、感動させられる場面もあり、この物語の世界にどっぷりとつかった。小学校4年生の子供が、あまりにも子供らしくない所が少し引っ掛かったかな。

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2024年07月25日

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