藤岡陽子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
__あらすじ__
夜勤中に地震に見舞われ意識を失った看護師の紗穂。気がつくとそこは1944年のマニラで、さっきまで病室にいた老女の若き日の姿になっていた!困惑を抱えたまま、従軍看護師として戦争に巻き込まれる紗穂。それでも、持ち前の明るさで数々の理不尽に抗いながら、過酷な日々を駆け抜けていく。反戦の意思と、命を背負った女たちのかけがえのない青春が紡ぐ圧倒的感動作。
再読だが、この本を初めて読んだ後、映画が放送されることになり、あまりドラマの見ない自分だか、文庫本に感化されドラマを見た。
当たり前だが、ドラマも原作と違った面白みがあり、とても興味深かった。
戦争は「国」で戦うものであり、いざとなれば自決してでも自分の名誉を守るという昔の考えと、紗穂の何がなんでも「命」が大切であるという、時代による考え方の違いによってこんなにも行動が変わるのかと思った。
この物語内では戦争の戦いにフォーカスを当てられた話は出てこない。あくまで主人公は看護師である。でも、看護師目線でもわかる、戦争の惨さや残酷さがひしひしと伝わってくる。
戦後80年となる今年、戦争の悲惨さ、この悲しみを決して繰り返さないということをもう一度思い返してはどうだろうか。 -
Posted by ブクログ
綺麗なタイトルとは裏腹に
読み進めると怖い言葉がちらほら現れる!
あれ?この本ってホラーだっけ?と
思わせるようなニュアンスが。
今までの藤岡作品とちょっと違うけど面白い!
もう寝ないと、と思いながらも
眠い目を擦りながら先が気になり止まらない。
お陰様で寝不足です。
舞台は沖縄の与那国島と京都と東京。
メインは与那国島 最西端の孤島。
海や自然が綺麗なのはいうまでもなく、
ご飯も美味しいそうだ。
一度行ってみたいと思うが時間と先立つ物がない。
だけど、怖い面も!
昔話で人減らしをする儀式を行う場所、あの世とこの世の境の場所、死者が海へ旅立つ場所とかあったようだが怖くて近寄れそうにない。
こういった目に見えない何かの力が物語のなかにうっすら漂っている。
ストーリーの軸となるのは「探し物」!
不思議な少女「花」の探し物はなにか?!
主人公周二と花の関係は?
その他にも幾つもの謎が大きな渦となって周二らを巻き込んでいき、先の見えない展開に夢中になってしまう。
友人の黒田の存在も見逃せない。彼の意外な家業と知識、行動力にも驚かされるが、周二へのアドバイスがめちゃくちゃいい。何者なんだ!
美羽の事件には本当に心が痛む。
周りの人がもう一歩踏み出していれば美羽の居場所がなくなることはなかっただろう。
社会に殺されたようにもとれる。
榮門のように大地になれるような人が必要なのだと思う。
一郎と美羽の絆、想いには涙をこらえるのが大変だった。
特に一郎が美羽を見付けた時と、花が一郎を見付けた時、電車で読んでいたから涙我慢するのに顔がくしゃくしゃになっていたのではないだろうか。
表紙の絵もよく見ればヒントになってたのね。
ラストのタイトルの意味、そういうことか!
と思いつつ周二気付くの遅いよ。
「前世でやり残したことを成し遂げるために
現世に還ってくる。」
花のように人は皆何か探し物をしているのではないだろうか。幸せとか愛とか目に視えないものを。
また自分の生きている意味って何なのだろうか?と考えさせられるがきっと答えは死ぬまで出ない。
だから今を一生懸命生きて幸せだったと思えるような人生を送りたい。
神秘的な世界観で読み応えのあるとてもよい作品でした。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ瀬戸内海。初めて四国を旅したことを思い出しながら、三人のおじいさんとジイからのメッセージを受け取る人々の物語を読んだ。
漁師のジイも、医師のジイも、石の博物館館長のジイも、しなやかで豊かだ。
いじめから不登校に悩むひ孫も、長年一緒に働いていた看護師も、ケガをして進路に悩むランナーである孫も、ジイたちのおかげで生きる活力を得ていく。
ジイ達が闘って身につけてきたもの。包容力と芯の強さが孫やひ孫たちの傷んだ心をあたためる。
どの話もいいが、ことに第三話が好きだ。
ジイを救った十歳も歳下の青年のあくなき鉱石への思い。悩める陸上少年の親友田宮の手紙。
「人生は短いぞ、澪ニ。今日一日を限界まで生きろ」
ジイの大切にしている琥珀が澪ニの未来を照らす。
藤原陽子さん、ありがとうございます。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ戦争末期のフィリピンの惨状と従軍看護婦の仕事を初めて知りました。
現代社会の戦争のない平和な世界に生きている。
そのため、戦争の悲惨さを学ぶには、とても大切な1冊だったように思える。
命が1番大事で、命より大切なものはないってことを改めて思い知らされる。
この今の社会では、当たり前の考えが、1944年頃は、とても、ユニークな考え方だと言われていた。
そのような現実からすると、今から100年後の世界は、どれくらい考えが変わっていくんだろうと思った。
とても感動する1冊で、何度も泣いてしまった。この本を読み終えてしまったのが悲しい。
ドラマを見てみたいなと思った。 -
Posted by ブクログ
樹木に比べれば人の人生なんて短い。
「いまこの瞬間にある本当の心を大切にしなければ、なんのために生きているのかわからなくなってしまう」
本当の心を大切にして、それが叶わなくても後悔はしない。
水樹と信也はやむを得ない事情で遠回りしたが、いつまでも自分の中の真実を大切にしていた。そして家族を護り続けた。それだけにクライマックスが嬉しい。水樹が旧友との再会で、自分のやりたいことを投げ出さなかったことも嬉しい。
人はこれが最後の別れになると気付かずに出会いと別れを繰り返す。
ずっとこの時間が続くという錯覚を取り払って生活しなくては。そんな思いが強まった。
-
Posted by ブクログ
「私は、自決なんて絶対にしません。命が尽きる最期まで、この命を守りますよ。敵が目前に迫っているのなら降伏します。捕虜になってでも生き延びて、日本に帰るんですっ。私には……私たち班員には、会いたい人が日本にいるんです。まだまだこの先やりたいことだってたくさんある。誰が始めたかわからない、誰のためなのかもわからない、こんな戦争なんかで死にたくないんです。」
戦時中だったら決して言えない言葉。でも平成からやってきた彼女だから言えた。時代を突き抜ける力強い言葉
先日『晴れたらいいね』のドラマを観た。
ドラマよりもフィリピンでの従軍看護婦が観た世界が細部まで深部まで描かれている。
『晴れたらいいね』
「あなたが教えてくれた歌の中に、『昔みたいに雨が降れば、川底に沈む橋越えて』という一節があるでしょう。私はね、その部分を口にすると涙が滲んだのです。雪野さんは知らなかったでしょう? 私があなたがたの先頭を歩きながら、涙ぐんでいただなんて」
婦長さんの故郷には、増水すると川底に沈んでしまう橋があった。てすり、欄干がないから、流れない橋。寒村の故郷を思い出し、涙ぐむ婦長さんが愛おしい。お国のためと気持ちを奮い立たせながらも、残してきた妹弟を想う。
日本のこれからはどうだろうか。
自分や大切な人の命を守っていけるだろうか。
『晴れたらいいね』は彼女達の絆を強くし、希望を与える歌だったけど。 -
Posted by ブクログ
様々な問題を抱えた子供が集結した6年2組。
そのクラス担任になったひかり先生と生徒のお話。
そこに元校長が亡くなったという事件も絡んできて、ミステリー要素も含まれた内容で、予測ができない展開も面白かった。
先生が真っ直ぐで子供達の未来を常に考えてくれていて、その優しさに心温まる。
また荒れたクラスであっても、子供達の純粋で無邪気な様子や、先生の頑張りに応えようとする様子はとても可愛らしい。
個人的には授業中や行事の様子で、自分の小学生の頃の思い出と重なるような描写が多く、鮮明に小学生の頃の感情を思い出すきっかけになったりして、懐かしさや切なさを感じ、グッとくるものがあった。
少し読み進めただけで、クラスの抱える問題が多過ぎて重過ぎて、これはハッピーエンドは無理だろうと感じるレベルだったのに、こんな素敵なエピローグで締め括られるとは驚きだった。
-
Posted by ブクログ
佐治さんが言う⇨どうしてだろう誰一人戦争を止める声を上げるものはいなかったが異常だったのだね、岩代の様な人間が大量にいたから、白飯を毎日食べる上官がいたから、赤紙一枚で簡単に命を奪った奴がいたから戦争が起きた。現在でも中国にロシアに戦争になる可能性あるのに、自民党 公明党 維新に投票する我々はもっと深く考えようよ!
川でパニックの進藤さんにファンユーファと声を掛けてた場面がグッとくる、あと戦友会の写真で全員生きて帰れた事も どうして紗穂が送られた意味を教えてくれた。婦長と紗穂とやり方は違うけど同じ道を進んでいる雪野さんならあなたたちの命を守るという言葉は重いし命より大切なものはないと言い切れる所