藤岡陽子のレビュー一覧

  • 手のひらの音符

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    読むのが苦しくなってしまうような場面もありましたが
    遠回りでも、人とは違うルートだとしても
    辿り着く未来があるということが散りばめられている作品だなと思いました。

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    2024年03月04日
  • むかえびと

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    誰もが何かを背負ってる。医師、看護師、助産師、ワケあり妊婦、さまざまな人達が命の現場となる産婦人科病院で絡み合う。
    柔らかい文章で登場人物の数だけ伏線を優しく張り巡らしていく手法は見事。
    巻末の解説に記載されてますが、現役の看護師目線での小説は珍しいそうです。優しい看護師の如く藤岡作品はどれも冒頭から手をとって作品の世界に導いてくれます。

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    2024年02月27日
  • おしょりん

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    映画を見逃したので、原作を読んだ。
    すごく面白かった。藤岡さんの本は、リラの花咲く獣道で初めて読み、すごく読みやすかったので、こちらも読みました。地に根差したモノとして、リラと共通します。
    メガネなんて見たことない、視力という概念すら知らなかった時代の話。麻生津は現在でも超がつく田舎。そこで、こんな変なもの顔につけるか!と誰もが眉を顰める中、メガネ産業を興そうと奔走する兄弟の話。甘酸っぱい恋バナも含む!

    実は、ワタクシ、福井在住。関東出身の私にとって福井は位置すら曖昧でしたが、「都会から来た」私(福井の人は訛りがないだけで都会の人扱いしてくれます)に福井の人は優しく、当時は何言ってるか7割ほ

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    2024年02月18日
  • ホイッスル

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    夫の裏切りと一家の崩壊から蘇生する物語。

    ある日、警察から父親らしき男性が亡くなっているので身元確認をして欲しいと一人娘に連絡がきます。
    その男性は数年前に突然、長年住み慣れた土地家屋を家族に黙って売却して出奔した父親だった。と、なかなかショッキングな出だしとして物語は始まります。
    その父親を誑かす看護師がなかなかのクズキャラで、しかもその取り巻きもかなりのクズ。作品はそれらクズの独壇場で、これでもか!と、読み手の感情を逆撫でしてくれます。
    シルバー世代の誰しもが陥りそうな男性の愚かさがリアルに描かれていて、著者のキャリアが絶妙なバランスで程よく作品に反映されていると感じますし、著者の懐の大

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    2024年02月11日
  • いつまでも白い羽根

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    似た環境の人たちに囲まれていた高校生までとは違い
    年齢も生き方も様々な人がいる看護学校で
    成長していく主人公

    人生のどの時点でどのような人と出会うかはその時にならないと分からないけれど
    無駄な出会いはないと信じて
    出会いを大切にしていきたいと思わせてくれた話だった

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    2024年02月03日
  • トライアウト

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    終わりがあるから全力で生きられる。でも、終わりを決めるのは自分自身。生きることはなんで厳しい戦いなのかと。
    可能性を信じてあげること、そのための努力をできること。叶うならば、自分の大切な人達にその努力を認めてもらうこと。

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    2024年01月24日
  • トライアウト

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    「読んで良かった。」と、まずは一言。
    プロのスポーツが関係する物語で、その中でもプロ野球となると実在する球団名が使えないからか、架空の球団名で俄然非現実的になってしまうのが難点。
    しかしながらそれに関しては読み手を物語の世界に引き込む著者の手腕はかなりのものです。主人公をとりまく登場人物も丁寧に描かれていて、とりわけ主人公の息子の孝太くんのエピソードがとても素晴らしいし、そこまで持っていく伏線が見事でかなり感情移入してしまいました。
    シングルマザーの行末は?物語の落とし所は??と、考えながら読みましたが、最初から想定されてた結末ではない気がします。描きながら物語の時間軸の中で結末が決まった感が

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    2024年01月21日
  • いつまでも白い羽根

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    著者4作品目。デビュー作との事ですが、完成度が高くワンクールを通してドラマの原作になりそうなくらいストーリーや登場人物達に魅力があります。
    著者が看護師という裏付けもあり、おそらくモデルとなった人物がいるだろうと想像するくらい設定に説得力があります。
    著者の文章は私の心に寄り添う距離感が絶妙で、常に優しく癒してくれます。
    どれくらい読み続けても疲れないからいつまでも読んでいられます。
    今更ながら、私にとって贔屓の作家さんの1人になりました。

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    2024年01月19日
  • トライアウト

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    女手ひとつで育てようと決めたからこそ、負けられない毎日。
    ずっと走り続けてたんだろうな。
    違う意味合いで、ずっと走り続けるもう1人の人と知り合い、彼女は変わっていく。
    家族の形が変わる波の中で、戸惑いながらも、拠り所になる人と出会えてよかった。
    これからの3人に、大きな応援のかけ声をしてあけたくなるラスト。

    しかし、孝太くん、めちゃくちゃ良い子に育っている。
    祖父母の人柄と、育て方がとても良かったんだろうな。。

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    2024年01月17日
  • ホイッスル

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    少し前に読んだこの作家さんの作品がとても良かったので、別作品も読んでみようと思い購入。真面目に一生懸命に生きてきた人の周りにはそういう人が集い、そうでない人の周りにはそうでない人が集まってしまう構図は、イソップ物語みたいでなんだか面白かった。ドロ沼化する裁判と、両者の暮らしぶりの描写が面白く、続きが気になってどんどん読めてしまう。面白かった。

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    2024年01月06日
  • いつまでも白い羽根

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    なんの目標もなく進んだ看護の道を選んだ瑠美の、看護学生の生活を通して変わる心情の変化が読んでいて面白かった。その他の登場人物との恋愛絡みや病院実習中に起こった出来事を通して、それぞれ看護師として成長していくのかと思ったが、看護学校を卒業できるのは6割という伏線通り、実習の4人組であった瑠美、佐伯、遠藤、千早のうち瑠美を除く3人がそれぞれの理由で自主退学の道を選んだのも面白かった。まとめると、目標なく大学に入ったとしても、大学で学んで行く中で見えていくものもあるため、進んで自主退学する必要もなく余程のことがなければ退学のタイミングは、来る時が来た時で良いのではないかということ。

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    2024年01月01日
  • この世界で君に逢いたい

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    人には避けられない道がある。

    避けられない道には辛いこともあるけれど、嬉しいこともあるはず。
    嬉しいこと探ししよって気持ちで毎日過ごせたらいいな。

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    2023年11月21日
  • トライアウト

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    息子が球拾いであることを母親には黙っている健気さと、置かれた立場で一生懸命その仕事に向き合う姿、それを知らなかった母親の心情を知る場面が一番グッと来た。

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    2023年11月06日
  • おしょりん

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    鯖江のメガネを作ったのは、ふるさとを思う熱い気持ちだった。
    明治の人達の 真面目さ 熱い思いに頭が下がる。

    最後の終わり方も とてもいい

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    2023年10月25日
  • この世界で君に逢いたい

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    出逢う人とは、何かしら縁があるのだと思う。こんなところで! とびっくりするような場所で会ったりねぇ。そんな縁を大切にしないとね。

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    2023年10月10日
  • いつまでも白い羽根

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    結局はみな、別々の道をいくことになったけど、いい仲間だったということなんだろうな。気が合う合わないはあっても出会いは貴重。

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    2023年10月08日
  • トライアウト

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    がんばるなぁ、お母さん。力が入り過ぎのような気もするけど、負けたくないという気持ちなんだろうな。素を出せる人と出会え力が抜け、いい方向に進めそう。

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    2023年09月12日
  • ホイッスル

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    何なの、この旦那!!! 他人の人生に口出しはできないけど気分悪いわ。その気持ちにちゃんと向き合うことができたから、その後の人生がそう悪いものにならなかったんだろうな。

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    2023年09月07日
  • 満天のゴール

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    いつの間にか強く育っていた息子の涼介と共に、奈緒も踏ん切りをつけて、新しい生活に進んでいく。

    過去に大変な思いをした医師の三上、独居で頑張るトクさん、奈緒と三上の人生に深くかかわっていた早川さん。奈緒と涼介に関わる人達が、自分の辛さや痛みを優しさに変えていった人達だった。

    死ぬことを『ゴール』という言葉に置き換えると、気持ちが楽になる。まさしくそうだなと思った。

    頑張った日の数だけ星形のシールを貼り、その星がたくさんたまって、満天の星空ができたときにゴールする。病気で大変な思いをしているときに、そういう考え方ができたら、少しだけでも救われると思う。私も満天のゴールを目指して、頑張っていこ

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    2023年09月06日
  • おしょりん

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    東京の外苑、キラー通り沿いにある、お洒落な眼鏡屋さん。まだまだ眼鏡が地方では珍しい時代に、眼鏡で福井県の小さな村の産業を活気づけようと、懸命に時代に立ち向かい、人々のためをひたすら願い、真摯に人生を駆け抜けた兄弟の話に胸が熱くなりました。
    まさか、この兄弟が、あのお洒落な眼鏡屋さんに繋がるとは…。新鮮な驚きと発見をさせてもらいました。
    そして、ほんのひと昔前には、視力という概念がなかったため、視力が悪い人達は、頭が悪いということにされてしまっていた事実にあらためて衝撃を受けました。

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    2023年08月29日