藤岡陽子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
最初は重くて気が滅入る…と思っていたが徐々に好転。心に残るセリフもあった。
自分の人生のダイジェストを辿った時に、必ずその場にいる人間が家族。確かにそうだと思ったしそうでありたい。そう思うと少し優しい気持ちになれる気がする。
以下は沁みた部分の引用。
------------------------------------------
「家族になった人間とは、いろんな局面を共有できる凄さがあるぞ。人生においてこれ以上嬉しいことないっていう局面 とか、これ以上ないっていう悲しい局面とか。自分の人生のダイジェストを辿った時に、必ずその場にいる人間ってのは貴重だぞ」
------------ -
Posted by ブクログ
日本赤十字社から戦地に派遣された従軍看護婦も、戦争末期のフィリピンの惨状も知らなかった私だったが、本書を読むに当たって、あまり影響がないと思われたのは(勿論、これを読んで興味を持つことはあると思うが)、本書で教えてくれる大切なことは、また別のところにあったからだと感じられたからである。
平成生まれの看護師、「高橋紗穂」が夜勤中に見舞われた地震によって意識が遠退き、気が付いたら、1944年のマニラの地で倒れており、彼女の意識は紗穂のままであったが、その身体は、つい先程まで看護していた「雪野サエ」のものであり、当初紗穂は、何故こんなことになってしまったのかと悲嘆し、早く元の世界に還りたいこと -
Posted by ブクログ
映画を見逃したので、原作を読んだ。
すごく面白かった。藤岡さんの本は、リラの花咲く獣道で初めて読み、すごく読みやすかったので、こちらも読みました。地に根差したモノとして、リラと共通します。
メガネなんて見たことない、視力という概念すら知らなかった時代の話。麻生津は現在でも超がつく田舎。そこで、こんな変なもの顔につけるか!と誰もが眉を顰める中、メガネ産業を興そうと奔走する兄弟の話。甘酸っぱい恋バナも含む!
実は、ワタクシ、福井在住。関東出身の私にとって福井は位置すら曖昧でしたが、「都会から来た」私(福井の人は訛りがないだけで都会の人扱いしてくれます)に福井の人は優しく、当時は何言ってるか7割ほ -
Posted by ブクログ
夫の裏切りと一家の崩壊から蘇生する物語。
ある日、警察から父親らしき男性が亡くなっているので身元確認をして欲しいと一人娘に連絡がきます。
その男性は数年前に突然、長年住み慣れた土地家屋を家族に黙って売却して出奔した父親だった。と、なかなかショッキングな出だしとして物語は始まります。
その父親を誑かす看護師がなかなかのクズキャラで、しかもその取り巻きもかなりのクズ。作品はそれらクズの独壇場で、これでもか!と、読み手の感情を逆撫でしてくれます。
シルバー世代の誰しもが陥りそうな男性の愚かさがリアルに描かれていて、著者のキャリアが絶妙なバランスで程よく作品に反映されていると感じますし、著者の懐の大 -
Posted by ブクログ
「読んで良かった。」と、まずは一言。
プロのスポーツが関係する物語で、その中でもプロ野球となると実在する球団名が使えないからか、架空の球団名で俄然非現実的になってしまうのが難点。
しかしながらそれに関しては読み手を物語の世界に引き込む著者の手腕はかなりのものです。主人公をとりまく登場人物も丁寧に描かれていて、とりわけ主人公の息子の孝太くんのエピソードがとても素晴らしいし、そこまで持っていく伏線が見事でかなり感情移入してしまいました。
シングルマザーの行末は?物語の落とし所は??と、考えながら読みましたが、最初から想定されてた結末ではない気がします。描きながら物語の時間軸の中で結末が決まった感が -
Posted by ブクログ
なんの目標もなく進んだ看護の道を選んだ瑠美の、看護学生の生活を通して変わる心情の変化が読んでいて面白かった。その他の登場人物との恋愛絡みや病院実習中に起こった出来事を通して、それぞれ看護師として成長していくのかと思ったが、看護学校を卒業できるのは6割という伏線通り、実習の4人組であった瑠美、佐伯、遠藤、千早のうち瑠美を除く3人がそれぞれの理由で自主退学の道を選んだのも面白かった。まとめると、目標なく大学に入ったとしても、大学で学んで行く中で見えていくものもあるため、進んで自主退学する必要もなく余程のことがなければ退学のタイミングは、来る時が来た時で良いのではないかということ。