藤岡陽子のレビュー一覧
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地震で意識を失い、気づいたら終戦間近のマニラにいた紗穂。そこで従軍看護婦の雪野サエになっていたというタイムスリップ作品
看護師さん目線の戦争のお話で涙が出てしまう場面もありました。国のために生きるのが当たり前で「自決なんて絶対にしません。命が尽きる最期まで、自分の命を守りますよ。敵が目前に迫っているのなら降伏します。捕虜になってでも生き延びて、日本に帰るんです。…誰がはじめたかわからない、誰のためなのかもわからない、こんな戦争なんかで死にたくないんです」と主張する紗穂が変わり者の時代。
最後の現代に戻ってきたところはあっけなかったなっ思いましたが、中学生くらいの子に読んで欲しい本です。 -
Posted by ブクログ
看護師の紗穂が、2015年から1944年のマニラで看護婦として働く雪野サエの姿になってしまうという始まり。
戦時中の価値観と、平成の価値観が違いすぎて、怖かった。
兵士はもちろん、看護師も、そして戦場となった場所に住んでいた現地の人たちも本当に過酷だったんだ。。
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自分は命が生まれる手伝いをする看護婦だ。だから、命を簡単に掛ける戦争を決して許さない。命を生み出し、そして育むのに、女たちがどれほどの時間と力を費やすのかを、男は知らない。
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というところで、強い共感とともに、涙が出そうになった。
戦争について学び直ししたいなとなった。
あと、物語に出てくる看護師さんが全員本当にかっこよくて他にも看護師さんの物語を読みたくなった。 -
Posted by ブクログ
いわゆる《親ガチャ》で、どちらかと言えば残念なほうに当たってしまった子どもの担任になった若い小学校教師が主人公。
今思うと、自分が小学生の時のクラスメイトだったあの子、もしかしてそうだったのかな(都内23区在住)というケースも
時代が令和になると、そういう環境の家庭も聞かなくなったな、いたとしても珍しいのでは、と思っていたが…。
《環境から生じる格差》
子どもにはなんの責任もない。
真冬の屋外、もこもこのダウンジャケットの子とお下がり何代目なの?の古いコートの子じゃ寒さの体感は違う。
でも、子どもはみんな親が大好きだ。
クソみたいな毒親でも子どもは親を庇うし親から好かれたい。
子どもたちがかわいらしくていい子だからこそ、本人が、望む道を貧困を理由に諦めることがない社会になればいいと思う。
大人目線や常識、自分の経験で決めつけるのではなく、一人一人とそれぞれ丁寧に話を聞こうとする、不器用でちょっとトロくてたまにイラつく先生にも好感が持てた。
にしても切ない。
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Posted by ブクログ
初読みの作家さん。
アパレル業に勤める水樹の会社が、突然服飾関係の撤退に。
水樹がアパレル界へ進むきっかけとなった高校時代の回想シーンと共に物語が展開していく。
家庭の問題で思うようにいかない時に支えてくれた遠子先生。
友人やその兄弟との温かくも切ない関係。
今や日本の製品は海外工場での格安な製品に取って代わられ、コストのかかる国産の商品が消えつつあるご時世。
でも私たちが「日本は負け」の意識を持ってしまうと、後世にもそのバトンを引き継いでしまう事になる。
遠子先生の遺した「自分の本当の気持ちを大切にすること」を、私も忘れずにいなくてはと感じた。 -
Posted by ブクログ
少しずつ読み進めている藤岡陽子さん
こちらは助産師さんの物語と聞いて手に取りました
これは自分が悪いんですが、勝手にドラマのコウノトリのような作品をイメージしてしまっていましたが全然違いました。笑
とりあえず病院がひどい_(┐「ε:)_
院長は仕事ができず、急患などのときの判断も的外れ。緊急の連絡をしても全然繋がらない。
師長はお産がとれない。気分のムラが激しく、気分が悪いと部屋にこもってしまう。
他の医師や看護師はいい人ではあるが、常に助産師も医者も足りなくて、夜勤からそのまま日勤をすることに、、、など
読んでいてヒリヒリしてくる話でした、、、
自分だったら絶対そこでは産みたくない!!笑
でもそういった内部のことは患者さんにはわからないのか、なかなか人気のある病院のようです。自分が産んだ病院もわからなかっただけでいろんな問題を抱えていたのかも知れないですね(。-∀-)
それでもやっぱり懸命に生まれてくる赤ちゃんの話にはグッと来ます。
こういう本を読むと自身の出産を思い出します。
助産師さんって、
妊娠中は不安なことを相談したり、
分娩中はずっと寄り添って励ましてくれたり、
背中をさすってくれたり、
生まれた後もどんな細かいことでもアドバイスしてくれたり。
ホントなくてはならない存在でした。
本当に助けられました。
いなければ産めませんでした。
看護師である藤岡さんが書かれただけあって
助産師さんの現実を知れた気がしました。
その他にも未受診妊婦の出産、ネグレクト、中絶に対する助産師の思い、出生前診断など、出てくる話題はなかなか重たいです。
物語はとても面白かったですが、出産感動巨編!みたいなイメージで読むと違うかも(´-`).。oO
どちらかというと悪い環境でも奮闘する助産師!!みたいな感じです
先輩方の言葉とかとてもよかったです(*´-`)
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Posted by ブクログ
かなり重苦しかった。
理想に燃える若い女性教師が、疲労でうつろな瞳になっていく姿が目に浮かぶ。唯一心を開いていた養護教諭の前でも自ら心を閉じてしまう。
ネグレクトや昼夜逆転で不登校に陥る子、日本語をうまく話せない外国籍の子、給食費を滞納せざるを得ない子。そんな子たちに寄り添って擦り切れていく先生。
最後はかすかな光が見え、報われたように見えるけど、きっと彼女は疲弊している。そしてそれが蓄積され、ボディーブローのようにひびいていく。
理想に燃える一人の教師の存在が周りの教師に刺激を与え、活気づくことはあるだろう。
でも、今の教育現場の抱える問題はチームで対応し、他の教育機関と連携しないと解決の糸口は見えない。
「空にピース」をしながら卒業生と笑顔を見せる女性教諭。よかった。本当によかった。
でも、もう一人の6年生担任は最後の力を振り絞って卒業生を見送り、教師を辞めていく。何年か前から教育の限界を感じて。元は若き女性教師と同じように子どもに寄り添っていた熱い教師が。
藤岡陽子さんの描きたかったのはどちらの姿なのか。たぶんどちらもだろう。
「あなたが、この世に見たいと願う変化に、あなた自身がなりなさい。」(マハトマ・ガンジー)