藤岡陽子のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
なんの目標もなく進んだ看護の道を選んだ瑠美の、看護学生の生活を通して変わる心情の変化が読んでいて面白かった。その他の登場人物との恋愛絡みや病院実習中に起こった出来事を通して、それぞれ看護師として成長していくのかと思ったが、看護学校を卒業できるのは6割という伏線通り、実習の4人組であった瑠美、佐伯、遠藤、千早のうち瑠美を除く3人がそれぞれの理由で自主退学の道を選んだのも面白かった。まとめると、目標なく大学に入ったとしても、大学で学んで行く中で見えていくものもあるため、進んで自主退学する必要もなく余程のことがなければ退学のタイミングは、来る時が来た時で良いのではないかということ。
-
Posted by ブクログ
いつの間にか強く育っていた息子の涼介と共に、奈緒も踏ん切りをつけて、新しい生活に進んでいく。
過去に大変な思いをした医師の三上、独居で頑張るトクさん、奈緒と三上の人生に深くかかわっていた早川さん。奈緒と涼介に関わる人達が、自分の辛さや痛みを優しさに変えていった人達だった。
死ぬことを『ゴール』という言葉に置き換えると、気持ちが楽になる。まさしくそうだなと思った。
頑張った日の数だけ星形のシールを貼り、その星がたくさんたまって、満天の星空ができたときにゴールする。病気で大変な思いをしているときに、そういう考え方ができたら、少しだけでも救われると思う。私も満天のゴールを目指して、頑張っていこ -
Posted by ブクログ
明るい感じの表紙と題名に反して戦争もの。現代からのタイムスリップなので、スッとその世界に入り込めた。
看護婦の紗穂が地震に巻き込まれて気を失う。目覚めたときには1944年のフィリピンのマニラにいて、従軍看護師として働く身になっていたという設定。
終戦1年前の南方での戦いは泥沼化して凄惨な状況であったことは有名。直接の戦闘が描かれることはないのだけど、若い看護婦たちの任務の過酷さを通してその悲惨さが伝わってくる。傷ついた兵士の看護はもちろんのこと、転身する時の爆撃を避けながらのジャングルの移動も本当に過酷。
こう書くととてもつらい小説のようですが、紗穂の持ち前の明るさとバイタリティーに勇気づけら -
Posted by ブクログ
夜勤中に起こった地震で気を失った紗穂が目を覚ますと、そこは1944年のマニラで、雪野サエという人の中に入り込んでいたというタイムスリップ物語。
1944年のマニラというと、そう、雪野サエは従軍看護婦で・・・という戦争の物語。
「手のひらの音符」が素晴らしかったので、それと比較すると少し、残念な感じではあった。サエに入り込んでしまって、サエとして生きていくことを決意する(せざるを得ない)紗穂の感情の部分や、親友のサエが今までとは別人になっていると気づいた美津の感情の部分が伝わってきづらく、少し読者側の感情が置き去りにされているような感じがあった。
それでも、戦況を考えると感情云々の前に生き延び