藤岡陽子のレビュー一覧
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『森にあかりが灯るとき』
介護をテーマにした藤岡陽子さんの小説。藤岡さんの魅力は読後感のよさ。でも、そこに登場する人物はリアルだ。医療現場も報道現場もそしてこの介護施設現場も。
お笑い芸人を挫折し、特別養護老人ホームで働く星矢の眼を通して、介護施設の人間模様が描かれる。星矢自身も、努力が報われない現場に心が折れかかっている。介護のプロなのだから100点でなければいけない、24時間ミスなく過ごさなければとみんな疲弊している。
長年介護の現場で奮闘している介護士と施設担当医師葉山。そして思ったことをストレートに話す星矢が延命治療をめぐって対立する場面は重く迫る。
『命は大切と言いますが、
それは -
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Posted by ブクログ
溝内星矢は島田太尊とお笑いコンビを組んでいたが、売れることなく、30歳前に諦めて事務所をやめ、大学で学んだ介護職についた。勤務する「森あかり」はユニット型特別養護老人ホーム。全て個室。夜勤では1人20室担当する。初めての独り立ち夜勤の時、呼吸のためのチューブが切られるという事件起こり、施設長から犯人と疑われる。それ以外にも心折れるような事が続く。星矢は辛いことあっても、基本的に介護の仕事を嫌いだとはおもっていない。なのに、辞めたくなるような、今の介護の現場を取り巻く状況が森あかりの入居者や職員の目線から明かされていく。
普通なら暗くて読みたくなくなるようなテーマなのに、重い気持ちに陥りすぎるこ -
Posted by ブクログ
感想
引き篭もり少女が獣医師として自分の道を切り拓く物語。
最後のおばあちゃんのくだりは不要だったのでは?
あらすじ
聡里は小学生の頃に母親を亡くし、後妻から育児放棄され、中学の終わりまで引き篭もりで家で過ごす。その後、祖母に引き取られ、猛勉強の末、北海道の北農大学の獣医学部に入学する。
人見知りの聡里は、柴犬を救ったことで知り合いが増えて、徐々に大学に馴染んでいく。聡里は同じ部屋の綾華と夏期に牧場に実習に行くことにする。その際に先輩の夏菜の牧場の馬の出産に立ち会う。しかし、お産は上手くいかず死産になる。死んだ仔馬を切り刻む獣医を見て、獣医師になる決意がゆらぐ。
死産にショックを受け -
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『あなたは自分の妻を、自宅で介護できますか?
自分自身なにもできなくなったら、自分の妻や子どもに介護をさせますか?
ここまで介護職員を責め立てるのなら、もう二度と、自分の家族やあなた自身が施設に入ることはないですよねーーー。』
この『森にあかりが灯るとき』には、厳しい言葉が次々と飛び出してくる。
胸の鼓動が聴こえるほどの苦しみ哀しみを感じるが、特別養護老人ホーム「森あかり」を舞台に、繰り広げられるこの介護の物語は、リアルな日常なのだろう。
わたし自身は、何も知らない素人だか、素人は素人なりに、介護・これからの日本について考えることは大事と強く想った。
藤岡陽子さんらしいラス -
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日赤から戦地へ派遣された従軍看護婦の物語。
看護婦目線で戦争について少し知ることができたように思います。
終戦間近のフィリピン。
様々な地域で負傷兵の救護活動(包帯の洗濯、隔離病棟での世話、死んだ兵士の遺品整理、防空壕へ患者の移送、食料探しなど)している姿に心が痛くなりました。
生きている時代が違うだけで、なぜここまで苦しまないといけないんだ、何のために戦っているのか、国のために?ふざけんな…静かな怒りみたいな感情が溢れてきました。亡くなった兵士や看護婦さん達、その家族に想像を絶する悲しみや辛さを負わせてまで国が得たかったものは何なんだろうか。。