藤岡陽子のレビュー一覧
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もし、自分が癌になったとき
何を思うだろうか?
もし、家族が癌になったとき
何ができるだろうか?
そんな事を考えずにはいられない。
病気を背負ってしまった側、
病気の人を支える側の不安や苦悩がまざまざと
描かれていて心揺さぶられます。
看護師として働いてきた著者だからこそ、身近にみてきた生と死がリアルに表現されている。
読後、切ないけれど不思議とあたたかな気持ちにさせてくれる物語。
主人公の遼賀が重い病と向き合い最期まで
自分らしく悔いのない人生を生きた。
この物語は看護師の矢田なしでは語れない。
矢田は遼賀の元同級生でもあって、看護師と友人として遼賀を支えていきます。
偶然訪れた病院に -
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海と様々なお爺さんを軸として、次の世代への紡ぎをテーマにした3編の短編集。
どの短編も良かったですが、個人的には海神がシンプルながらもグッときて好きです。
以下、読んでて、気に入った言葉。
◾︎海神
p27強くなりたいと願った時に、人はもう強うなってるもんじゃ。
◾︎夕凪
p66年を取ることに対する先生の考え。
心に関していえば二つほどいいところもあります。
ひとつは、これから先どのように生きようかと言う悩みが少なくなるということ。これは単に選択肢が少なくなるからだと思いますがね。もう一つは大切なものが年々減ってくることによって、大切にするものへの比重が増すということ。
◾︎波光 -
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家族愛や人を思う気持ち、命、教育など、テーマがいくつかありましたが、どれも他人事とは思われず、「あなたはどう思う?」と問われているような感じで、読み進めました。
次の恭平の言葉に、深く深く共感しました。私も、教育者のはしくれとして、そうしたことを強く危惧し、日々、子ども達と向き合っています。
「浅井がこのままの性根で社会に出たならもっと酷いことになりますよ。自分に非があるにもかかわらず、そのことを上司に叱責されたら、そこでもまたパワハラだと訴えるんですか。悪いのは自分だ、だから叱られて当然だ。そういう思考を身につけないまま社会に出たら、泣きをみるのは浅井自身ですよ。」
世の中には自分の -
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レストランの店長として働いていた笹本凌駕が突然ガン宣告を受ける。
弟の恭平、母親、祖母、
病院で偶然再会した高校の同級生、矢田。
レストランのバイトの高那。
様々な人たちの温かさに囲まれ、凌駕は命を燃やしつくす。
いつも人を思いやり、人の事ばかり気遣っていた凌駕が、矢田に対して「病気になってないのに俺の気持ちが分かるなんて言ってほしくない」と言い放った時は、私も心が苦しくなった。
たくさんの患者さんと向かい合っている看護師さんをされている藤岡さんだからこそのリアルな描写だろう。
登山靴のオレンジ、蜜柑のオレンジ、夕陽のオレンジ、レジャーシートのオレンジ。
命の炎のオレンジが沁みる -
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地震で意識を失い、気づいたら終戦間近のマニラにいた紗穂。そこで従軍看護婦の雪野サエになっていたというタイムスリップ作品
看護師さん目線の戦争のお話で涙が出てしまう場面もありました。国のために生きるのが当たり前で「自決なんて絶対にしません。命が尽きる最期まで、自分の命を守りますよ。敵が目前に迫っているのなら降伏します。捕虜になってでも生き延びて、日本に帰るんです。…誰がはじめたかわからない、誰のためなのかもわからない、こんな戦争なんかで死にたくないんです」と主張する紗穂が変わり者の時代。
最後の現代に戻ってきたところはあっけなかったなっ思いましたが、中学生くらいの子に読んで欲しい本です。 -
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Posted by ブクログ
看護師の紗穂が、2015年から1944年のマニラで看護婦として働く雪野サエの姿になってしまうという始まり。
戦時中の価値観と、平成の価値観が違いすぎて、怖かった。
兵士はもちろん、看護師も、そして戦場となった場所に住んでいた現地の人たちも本当に過酷だったんだ。。
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自分は命が生まれる手伝いをする看護婦だ。だから、命を簡単に掛ける戦争を決して許さない。命を生み出し、そして育むのに、女たちがどれほどの時間と力を費やすのかを、男は知らない。
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というところで、強い共感とともに、涙が出そうになった。
戦争について学び直ししたいなとなった。
あと、物語に出てくる看護師さんが全員本当に