藤岡陽子のレビュー一覧
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「幸せって、世の中が平和じゃないっていうことを知ってるから感じることだと思うんすよね。」
この本を読み終えた時ふと思い出したこの言葉は、バイト先の2つ下の高校生が放った言葉だ。
飲食店でバイトをしているのだが、様々なお客さんが来る。そして、月に2、3回ほど、「お腹に赤ちゃんがいます」のキーホルダーをカバンに着けている様々な女性が来店する。私がそのキーホルダーを見て、「世の中こういう幸せな話題で溢れて欲しいよねー」と言った時、彼が先程の言葉を放った。
彼は高校生ながらにして、英検準一級を持っている。そして英検の課題で世の中の事柄について意見を述べるものがあるそうで、時事ニュースや世界の政治な -
Posted by ブクログ
川岸奈緒は看護師として京都の病院に勤務する。
息子の涼介をひとりで育て父親との三人暮らし。
地域の診療所の医師・三上先生は父親と息子も頼りにする存在。
穏やかでとても紳士で読者の私も惹かれる。
奈緒と家族、頼りになる三上先生、緩和ケア病棟の医師やスタッフ・・・。
嫌な人物も登場せずバランスがいい。
(元旦那、奈緒の兄は例外)
病院が抱える現実も小説の中だけではなく
いろいろなところで目にする。
患者として身を預ける場所が安心できるものであってほしい。
緩和ケア病棟の患者が抱える苦痛と安らぎも
藤岡さんだから書けるのだろう。
息子の涼介が素直で親子の関係も
あたたかくて良かった。 -
Posted by ブクログ
売れないお笑い芸人から介護士になった星矢。特別養護老人ホーム「森あかり」で働きはじめ、介護の仕事の現実に直面していく。
綺麗事だけでは済まされない、介護の現実が物語に反映されています。そのため、楽しいだけの話ではありません。現実の重さにしんどくなるような描写もあります。しかし、そこに微かにでも希望を見出せるような光を灯してくれているのが、藤岡陽子さんらしい作品だなと思いました。
看護師として働いていると、特養ほどではありませんが、介護の仕事も担います。その身体的な負担感はよくわかりますし、命を預かるという重大な責任に押しつぶされそうになる時もあります。星矢が、新人の頃の自分と重なって見え、