藤岡陽子のレビュー一覧

  • この世界で君に逢いたい

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    十歳の時に同い年の従妹・美羽を亡くし、心に傷をもつ須藤周ニは、歳上の恋人の松川夏美と与那国島へと旅に出る。そこで、美しい少女・久遠花と出会ったことにより、思わぬ方向へと運命は動き出す。
    花が探しているものは何なのか?、線が細くなんだか煮え切らない(わたしのイメージです)須藤周ニが夏美の言うように、花によって変わっていくのか?

    島に残る伝説、ユタ、ユング、運命、等等、なんだか目に見えない大きな力に導かれるようにストーリーは進む。

    憤りたいほどの哀しみもあり、この物語はどこへ、どのように落ち着くのか、読めない。
    更に、わたしは、この題名『この世界で君に逢いたい』の意味も履き違えていた。

    ラスト、題名が、誰が誰に向けての想いなのか、また、その深い意味に気づいたとき、またしても、藤岡陽子さんにハートを奪われる。

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    2021年09月16日
  • ホイッスル

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    今まで読んだ著者の本とはかなり趣が異なる登場人物が多数登場。それでも根底のテーマはやはり同じなのかな。最後に醜態を晒し惨めに退場する総理大臣がまさに今いるが、この本でもどうしようも無い最低の爺さんが主人公のひとり。歳を取ってからの過ちはそれまでの人生を全て否定してしまう。変な女に引っかからないように気をつけよう。

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    2021年09月05日
  • 跳べ、暁!

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    中学二年で転校してきたバスケ少女、春野暁。
    仲良くなれた大人びたメガネ女子の吉田欣子と、それまでなかった女子バスケ部を立ち上げることに。
    色々な生徒が少しずつ仲間になり、少しずつ暁も強くなっていく。
    主人公の暁は比較的目立ったところのない少女に見えるのだが、周りの友達がバラエティー豊かで、もめたり、まとまったりが中学生らしい。
    それが試合になると、急に暁のエースぶりが際立って描かれるのも面白い。
    スポーツ以外に社会的な問題も絡めていたり、思春期の色々な思いも感じられて、学生さんに読んでもらいたい青春物語です。

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    2021年08月25日
  • 波風

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    小さな笑みを積み重ね幸せに生きたいものですが、人生はそう思う様にはいかない。
    この七つの短編も、大きな『波風』が立った家族・夫婦・親友の物語。決して腐らず、諦めず一歩を踏み出す人々。爽やかな勇気と安堵感をもらえました。

    デビューするきっかけとなった、第四十回日本文学賞選奨作でもある『結い言』が収録されています。
    期間は十日間の着付け教室で出逢った年老いた男性、倉嶋さんの凛としたたたずまいに女性たちは「アルコールランプの炎のような人だ」と称し魅せられます。
    「みんな、倉嶋さんへの最後の言葉は「さようなら」ではなく、「ありがとう」だった。私もまた、喉の奥でそう呟いていた。」
    果たして私は人生最後周りの人達に「ありがとう」と言ってもらえる生き方をしているのだろうかと、居住まいを正したくなる美しいお話でした。

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    2021年07月22日
  • トライアウト

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    「自分の頑張りに星をくれる人がいる。それだけで人は生きられるのかもしれない。」の『満天のゴール』でファンになりました。
    『トライアウト』は二冊目です。どちらも感動をくれました。

    新聞記者の平久可南子、息子の考太を取り巻くほとんどの人(一部ずるい人はいますが)が善良で温かい。特に担任の先生の台詞は、ちょっと素敵でした。

    シングルマザーとして不器用なほど懸命に生きてきた可南子は、妹・柚奈に「人生を楽しまないと」と励まされ、また、崖っぷちのプロ野球選手・深澤翔介との出逢いにより、人生を大きく動かされてく、魅力的なストーリーです。そして、読後は
    希望が湧き、爽やかです。

    「ひとは気持ちのある限り、どこまでも強く挑めるのだという想いが伝わってきたからだ。そうした想いは周囲の人間をもまた強くする。」

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    2021年07月20日
  • むかえびと

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    良かったです!
    助産師という「命」に関わるお仕事について。
    生まれてくる命はどれも尊い命に違いはないけど全てが喜びにあふれて迎えられるわけではない。悲しい現実も命の選別に苦悩する場面もある。
    妊婦さんに寄り添い「命」を預かる「助産師」という職業の重みみたいなものを改めて感じました。

    出産のリアルな現場だけじゃなくミステリー要素も楽しめます。
    身勝手な男に気分の悪い思いや医療の闇の部分を見た気もしますが、今後も追っていきたいと思わせてくれる作品でした。
    シリーズ化して欲しいなぁ♪

    『仕事をするって、生きることなのよ。真剣に働くってことは、真剣に生きるってこと』

    『真実を知って、ようやく動き出す時間がある。それはきっと、誤魔化したまま堆積していく時間よりも本人にとっては重要なはずだ』

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    2021年04月10日
  • ホイッスル

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    ストーリーとしては、大変面白く一気に読んでしまいました。
    ただ、辛すぎて、気持ちが落ち込みます。
    看護師の母親は、そんなに悪者でしょうか?
    夫の愛情も金銭的な支援も無く、子育てしながら必死で働いて来たのに、最後の最後に全てを失ってしまうなんて。
    息子のうち1人でも母親の辛さをわかって、助けてくれてたら違ったと思いますが、所詮子どもは、あてにならず。
    結婚相手は、お互い 尊敬し、思いやれる人とでないと…ということですね。

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    2021年02月14日
  • むかえびと

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    「母親は自分の命を懸けて、新しい命を産むじゃないですか。でも命を葬る選択もする。その違いってなんなのかな?生まれる意味のある命、ない命、そういう違いがあるんでしょうか」
    毎日、産まれる命と真剣に向き合う助産師の心情を的確に表現している台詞だと思った。命を守りたい、そんな高い志で助産師となり、様々な現場に直面する。

    この世に産まれ出て、その手の中に1番最初に受け止めてくれる助産師。彼女たちのリアルな現場を覗き見たような、泣きながら夢中で読めた一冊でした。

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    2020年12月06日
  • トライアウト

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     思いがけないことが我が身に降りかかったら、どうする?
     主人公可南子は新聞社の記者。野球選手と不倫をして、別れた後に妊娠が分かる。しかも、不倫相手ではない人が不倫相手だと思われ、その人が野球の八百長で世間を騒がせてしまう。

     そんな状況になっても、彼女は子どもの父親が誰かを誰にも言わない。仕事も辞めない。でも、シングルマザーで勤務時間の不規則な状況で子どもを育てることはできない。だから、息子を仙台で新聞店を営む両親に預ける。

     可南子は自分を守るために肩肘を張って、依怙地になって、子どもを犠牲にしているように見えた。どうしてそこまで頑ななのか。そんな可南子が初めは好きになれなかった。何を甘えているのかと。子どもを放っておいていいのかと。

     そんな可南子が、戦力外通告を受けても、現役でプレーすることに挑戦し続けている深澤と出会い、また、息子のこと、父親の急逝で、可南子は変わっていく。

     読み終わって、思い返していて、深澤と出逢えたこと、彼女自身が逃げなかったことが、可南子が変われたポイントでもあるのかなと思った。回り道をしすぎたかもしれないけれど。

     息子の孝太は小学二年生ながらとてもできた息子。その孝太がこんなことを言っている。
     野球の実力はあるけれど、監督に好かれていないから、試合にあまり出してもらえない。でも、みんなが自分のことを認めてくれているから、そんなの我慢できると言った後に、
     「辛い時はその場でぐっと踏ん張るんだ。そうしたら必ずチャンスはくる。チャンスがこない人は辛い時に逃げている人なんだ。」

     この「辛い時にぐっと踏ん張って逃げなかった」から、そして、本当に大切にしなければいけないのが何かがわかった。だから、可南子は変われた。 

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    2020年09月25日
  • 波風

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    どの話も辛く、悲しく、切ないけれど、最後にぽっと心が暖かくなる(*^^*)これは人前で読んだらアカンやつ(T-T)

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    2020年09月14日
  • 跳べ、暁!

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    女子中学生のバスケ部活ものとは思えない濃度の高さ。ド素人なのに桜木並みの運動能力で活躍したり、アフリカの留学生(ではないけど)がいたり、部員それぞれの複雑な家庭事情が明かされたり、という約束事を踏まえつつ、バスケットの技術面や試合展開についてしっかりと描かれている。一見平凡そうな主人公が実はかなりのやり手である感じがするので、高校進学後のシリーズ化を待ち望む。

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    2020年09月03日
  • トライアウト

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    佳作を連発しているアベレージヒッター。どれもこれも外れが無くもれなく面白いです。
    そしてアベレージヒッターつながりで野球を題材にした小説です。
    シングルマザー、親子の確執、愛情。あきらめない、あきらめられない心。誰にでもある過去の傷、自分だけではないという気づき。いつまでも小さい子供ではない、成長していつか自分を追い抜いて行くという寂しさと喜び。
    色々な要素が内包されていてとても奥深い本だと思いました。
    主人公の父がとても頑固なおやじなのですが、孫との信頼関係が見ていてとてもうらやましかった。自分はほぼ祖父の記憶ありませんが、かなりのダメ男だったようなので頼りになる男が周囲に皆無だったので、こういう関係はとても萌えます。
    そして野球少年と落ち目の野球選手との邂逅。自分も少年の目線になれるし、この歳になると野球選手の目線も想像が出来てしみじみいいなあ・・・。

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    2019年12月19日
  • トライアウト

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    今年も11月13日に合同トライアウト開催、その前に元報知新聞記者藤岡陽子さんの小説を読んでみました。野球人生のやりきった感はとても厳しいようです。

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    2018年11月10日
  • ホイッスル

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    底知れぬ悪意に翻弄されながら、自分を失うことなく強く生きる人びとの姿を通して家族の在り方を問う家族小説。
    愛情とは人間の根幹から形成されるだけに、間違った経緯で誕生するとたちが悪い。長年連れ添った妻よりも、不幸な生い立ちの女性を守りたいという気持ちが、単純に誤っていると断言できないのが、この作品の怖いところ。関わる弁護士の言葉でタイトルを付けた巧さが光る。

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    2018年11月04日
  • トライアウト

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    最初の数頁で読むこと決めたのに、なかなか読み進めず、途中でやめようかと思ったのですが、中盤からは一気に読みました。

    考太の「辛い時はその場でぐっと踏ん張るんだ。そうしたら必ずチャンスはくる。チャンスが来ない人は辛い溶きに逃げる人なんだ」との言葉に涙が止まらなかった。

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    2018年08月20日
  • わたしの名店

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    実在しているお店なので、行きたくなりました。そして好きな作家さんにお会いしたらどうしよう、と(おそらくありえない)妄想までしてしまいました。

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    2026年09月28日
  • この世界で君に逢いたい

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    Audibleで。
    生まれ変わりとか、ユタとか、ちょっと苦手な分野なんたが、主人公の周次とその彼女と黒田の生業が気になって、先が気になって。
    普通は紫門さんとかユタの悦子さんに興味が行くのかな。
    と、連休中聴いていたので、沖縄の与那国島調べながら。
    と、花の名字が久遠で、お、この名字聴いたことあるとか思いつつなんの関係も無いことにがっかりしたり(笑)
    最後の最後に周次がちゃんと、大事な人に声を掛けれて、題名回収。
    終わりよければすべてよし。
    彼女が沖縄のこの島に誘ったことが結果よかったんだろうから。

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    2026年09月25日
  • 手のひらの音符

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    ネタバレ

    現在と回想を行ったり来たりしながら、登場人物たちの関係性がだんだんと見えてくるのがおもしろかった。水樹と信也のお互いを思いやる純粋な愛情が良かった。周りの大切な人たちが亡くなっても、その人たちが水樹たちの中でずっと生き続けていることが伝わる描写がたくさんあったのも素敵だった。個人的に悠人が立派に大人になっていたことに感動。

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    2026年09月24日
  • 春の星を一緒に

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    続編ということを知らずに読み始めた。登場人物の名前を見て、続きなんだと、気がついた。緩和ケアの難しさとか描かれていて、グッときた。けれど、半分くらいは主人公の看護師の恋バナ?って感じがしてしまい、戸惑った。周りに甘えすぎてるのに気づかない主人公に共感できないまま、終わってしまった。「春の星を一緒に見ませんか?」は告白、プロポーズの言葉でした。お幸せに!

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    2026年09月16日
  • リラの花咲くけものみち

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    【NHK公式】土曜ドラマ「リラの花咲くけものみち2」
    主人公・聡里(さとり)役に山田杏奈さん、強い絆で結ばれた仲間、綾華(あやか)役に當真あみさん、残雪(ざんせつ)役に萩原利久さんたちで描く待望の続編。聡里を導く「家畜保健衛生所」職員・犬飼健太郎役に上川隆也さんを新たに迎え、生き物の『生きる力』を信じ、困難に立ち向かう若者たちを描きます!

    母を亡くした岸本聡里は、父の再婚相手とうまくいかず不登校になっていたところを、祖母・チドリに引き取られた。ずっとかわいがっていた犬や、祖母の家のペットたちとのふれあいから、少しずつ生きる気力を取り戻し、獣医師を目指すようになる。北海道の大学に入学し、「動物を診る」ことの厳しさにくじけそうになる聡里を励ましてくれたのは、友人たちや、動物たちだった――。少女が大きく成長していく姿を描いた感動作!

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    2026年09月13日