藤岡陽子のレビュー一覧

  • 波風

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    小さな笑みを積み重ね幸せに生きたいものですが、人生はそう思う様にはいかない。
    この七つの短編も、大きな『波風』が立った家族・夫婦・親友の物語。決して腐らず、諦めず一歩を踏み出す人々。爽やかな勇気と安堵感をもらえました。

    デビューするきっかけとなった、第四十回日本文学賞選奨作でもある『結い言』が収録されています。
    期間は十日間の着付け教室で出逢った年老いた男性、倉嶋さんの凛としたたたずまいに女性たちは「アルコールランプの炎のような人だ」と称し魅せられます。
    「みんな、倉嶋さんへの最後の言葉は「さようなら」ではなく、「ありがとう」だった。私もまた、喉の奥でそう呟いていた。」
    果たして私は人生最後

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    2021年07月22日
  • トライアウト

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    「自分の頑張りに星をくれる人がいる。それだけで人は生きられるのかもしれない。」の『満天のゴール』でファンになりました。
    『トライアウト』は二冊目です。どちらも感動をくれました。

    新聞記者の平久可南子、息子の考太を取り巻くほとんどの人(一部ずるい人はいますが)が善良で温かい。特に担任の先生の台詞は、ちょっと素敵でした。

    シングルマザーとして不器用なほど懸命に生きてきた可南子は、妹・柚奈に「人生を楽しまないと」と励まされ、また、崖っぷちのプロ野球選手・深澤翔介との出逢いにより、人生を大きく動かされてく、魅力的なストーリーです。そして、読後は
    希望が湧き、爽やかです。

    「ひとは気持ちのある限り

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    2021年07月20日
  • むかえびと

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    良かったです!
    助産師という「命」に関わるお仕事について。
    生まれてくる命はどれも尊い命に違いはないけど全てが喜びにあふれて迎えられるわけではない。悲しい現実も命の選別に苦悩する場面もある。
    妊婦さんに寄り添い「命」を預かる「助産師」という職業の重みみたいなものを改めて感じました。

    出産のリアルな現場だけじゃなくミステリー要素も楽しめます。
    身勝手な男に気分の悪い思いや医療の闇の部分を見た気もしますが、今後も追っていきたいと思わせてくれる作品でした。
    シリーズ化して欲しいなぁ♪

    『仕事をするって、生きることなのよ。真剣に働くってことは、真剣に生きるってこと』

    『真実を知って、ようやく動き

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    2021年04月10日
  • ホイッスル

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    ストーリーとしては、大変面白く一気に読んでしまいました。
    ただ、辛すぎて、気持ちが落ち込みます。
    看護師の母親は、そんなに悪者でしょうか?
    夫の愛情も金銭的な支援も無く、子育てしながら必死で働いて来たのに、最後の最後に全てを失ってしまうなんて。
    息子のうち1人でも母親の辛さをわかって、助けてくれてたら違ったと思いますが、所詮子どもは、あてにならず。
    結婚相手は、お互い 尊敬し、思いやれる人とでないと…ということですね。

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    2021年02月14日
  • むかえびと

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    「母親は自分の命を懸けて、新しい命を産むじゃないですか。でも命を葬る選択もする。その違いってなんなのかな?生まれる意味のある命、ない命、そういう違いがあるんでしょうか」
    毎日、産まれる命と真剣に向き合う助産師の心情を的確に表現している台詞だと思った。命を守りたい、そんな高い志で助産師となり、様々な現場に直面する。

    この世に産まれ出て、その手の中に1番最初に受け止めてくれる助産師。彼女たちのリアルな現場を覗き見たような、泣きながら夢中で読めた一冊でした。

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    2020年12月06日
  • トライアウト

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     思いがけないことが我が身に降りかかったら、どうする?
     主人公可南子は新聞社の記者。野球選手と不倫をして、別れた後に妊娠が分かる。しかも、不倫相手ではない人が不倫相手だと思われ、その人が野球の八百長で世間を騒がせてしまう。

     そんな状況になっても、彼女は子どもの父親が誰かを誰にも言わない。仕事も辞めない。でも、シングルマザーで勤務時間の不規則な状況で子どもを育てることはできない。だから、息子を仙台で新聞店を営む両親に預ける。

     可南子は自分を守るために肩肘を張って、依怙地になって、子どもを犠牲にしているように見えた。どうしてそこまで頑ななのか。そんな可南子が初めは好きになれなかった。何を

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    2020年09月25日
  • 波風

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    どの話も辛く、悲しく、切ないけれど、最後にぽっと心が暖かくなる(*^^*)これは人前で読んだらアカンやつ(T-T)

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    2020年09月14日
  • 跳べ、暁!

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    女子中学生のバスケ部活ものとは思えない濃度の高さ。ド素人なのに桜木並みの運動能力で活躍したり、アフリカの留学生(ではないけど)がいたり、部員それぞれの複雑な家庭事情が明かされたり、という約束事を踏まえつつ、バスケットの技術面や試合展開についてしっかりと描かれている。一見平凡そうな主人公が実はかなりのやり手である感じがするので、高校進学後のシリーズ化を待ち望む。

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    2020年09月03日
  • トライアウト

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    佳作を連発しているアベレージヒッター。どれもこれも外れが無くもれなく面白いです。
    そしてアベレージヒッターつながりで野球を題材にした小説です。
    シングルマザー、親子の確執、愛情。あきらめない、あきらめられない心。誰にでもある過去の傷、自分だけではないという気づき。いつまでも小さい子供ではない、成長していつか自分を追い抜いて行くという寂しさと喜び。
    色々な要素が内包されていてとても奥深い本だと思いました。
    主人公の父がとても頑固なおやじなのですが、孫との信頼関係が見ていてとてもうらやましかった。自分はほぼ祖父の記憶ありませんが、かなりのダメ男だったようなので頼りになる男が周囲に皆無だったので、こ

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    2019年12月19日
  • トライアウト

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    今年も11月13日に合同トライアウト開催、その前に元報知新聞記者藤岡陽子さんの小説を読んでみました。野球人生のやりきった感はとても厳しいようです。

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    2018年11月10日
  • ホイッスル

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    底知れぬ悪意に翻弄されながら、自分を失うことなく強く生きる人びとの姿を通して家族の在り方を問う家族小説。
    愛情とは人間の根幹から形成されるだけに、間違った経緯で誕生するとたちが悪い。長年連れ添った妻よりも、不幸な生い立ちの女性を守りたいという気持ちが、単純に誤っていると断言できないのが、この作品の怖いところ。関わる弁護士の言葉でタイトルを付けた巧さが光る。

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    2018年11月04日
  • トライアウト

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    最初の数頁で読むこと決めたのに、なかなか読み進めず、途中でやめようかと思ったのですが、中盤からは一気に読みました。

    考太の「辛い時はその場でぐっと踏ん張るんだ。そうしたら必ずチャンスはくる。チャンスが来ない人は辛い溶きに逃げる人なんだ」との言葉に涙が止まらなかった。

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    2018年08月20日
  • トライアウト

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    戦力外を通告されたプロ野球選手が、来季以降の現役続行を賭けて、12球団合同でおこなわれる入団テストに臨む「トライアウト」。毎年トライアウトに参加した選手のその後に密着したテレビ番組も制作されています。そんなタイトルが付いているので、主役はプロ野球選手だと思って読み始めたら、選手に取材することになった新聞記者が主人公でした。人生のトライアウトです。

    可南子は東京の大手新聞社の勤務するシングルマザー。8年前、不倫相手と別れた直後に妊娠が判明。相手の名前は誰にも打ち明けることなく出産し、宮城に住む両親と妹の協力を得て、息子の孝太を育てている。孝太の妊娠がわかったころ、八百長疑惑で捕まった野球選手と

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    2017年05月10日
  • トライアウト

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    途中まで、中弛みしてどうなることかと思いましたが、最後は綺麗にまとまりました。
    注意して読めばいろんな矛盾や無理があるストーリですが、それを気にさせない爽やかさがあります。もっとも爽やかすぎますかね、その分、軽くなってしまった様に思えます。

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    2016年12月05日
  • 春の星を一緒に

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    ハッピーエンドでよかったけれど
    小説としてはもう一捻りあっても良かったかな
    唯一の悪役の兄とはあっさり縁を切れたし、
    苦労はあっても三上先生を常に意識している奈緒になんとなく余裕を感じて
    正直少しモヤっとする

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    2026年04月30日
  • 春の星を一緒に

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    高評価に惹かれ手に取りました。
    正直、ハードルが上がりすぎていたのかも。私はどうしても母親のキャラが好きになれずいまいち入り込めなかったです…
    父親のこと、息子のこと、緩和ケアの患者さんのこと、それぞれのエピソードはぐっときつつも、どうしても最後まで母親の言動にひっかかる気持ちが拭いきれず。

    読み終わってからレビューを読んで、前作があることを知りました。そちらを読むともっと理解が深まったのかなぁ…

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    2026年04月26日
  • 青のナースシューズ

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    大好きな作家、藤岡陽子さん作品。やはり今回もうるっときたり胸が痛くなったりの感動ストーリーだった。けど、ちょっと既定路線というか予定調和すぎる感じもあったかも。男性ナースが少ない状況の中、看護師を目指す男子生徒の物語、という建て付けから想像できる範疇のことに物語が収まっていたから、心がすごく動く何かというのはなかった気もする。どちらかというと、主人公が置かれているヤングケアラーとしてのあり方に心が痛んでしまい、母親役に対しての苛立ちが解決できないまま話が終わったのが残念だった。

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    2026年04月12日
  • 満天のゴール

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    過疎地医療とヒューマンドラマ。

    前半ムカムカ展開が続くからどうなるかと思ったけど、徐々に物語が展開されていき話に入っていけました。

    人生をどう終えるか、というホスピス的な医療が主軸で、登場するおじいちゃんがなかなかに素敵。『ゴール』の場面ではウルッとしました。

    長い小説ではないので少しあっさりしていたかな。主人公自身の成長(ふっきれてはいたけど)がもう少し見たかったかも。
    子供時代を引きずる大人が多い中で、涼介の自立ぶりが凄かった笑

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    2026年04月09日
  • 満天のゴール

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    展開は割と読めてしまって、ストーリーとしてはまあまあというところ。

    過疎地域の医療、とても興味深かった。山間部での往診はかなり負担だが、生まれた場所で最期を過ごす。これはその地域に長らく住んだ人は、誰でも思うんだろうな。

    いずれ近所のコミュニケーションも減り、血の繋がる家族とも疎遠になり、独居になる老人。その人を救えるのは、地域医療に携わる人だけ。
    過疎地域の医療を叶えるのは、なかなか難しい。
    満天のゴールは満点のゴールでもあるのかもしれない。


    ところで、、、主人公の離婚の話はどこへ……

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    2026年03月29日
  • リラの花咲くけものみち

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    不登校だった少女が獣医学を専攻し、数々の苦悩や悲しみを乗り越え立派な獣医師になるまでの物語。
    単なる綺麗事だけに収まらず、獣医師として向き合わなければならない辛く大変な部分も描かれていたのは印象的だった。
    青春時代真っ只中ではあるので当然恋愛要素も入ってくるが正直そこは無くても良かったし、最後の方は少しだらけてしまった感があった。ほんの少しだけシンプルにどうしても伝えたい部分だけ描いてくれると個人的には良かった。

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    2026年03月28日