藤岡陽子のレビュー一覧

  • ホイッスル

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    今まで読んだ著者の本とはかなり趣が異なる登場人物が多数登場。それでも根底のテーマはやはり同じなのかな。最後に醜態を晒し惨めに退場する総理大臣がまさに今いるが、この本でもどうしようも無い最低の爺さんが主人公のひとり。歳を取ってからの過ちはそれまでの人生を全て否定してしまう。変な女に引っかからないように気をつけよう。

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    2021年09月05日
  • 跳べ、暁!

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    中学二年で転校してきたバスケ少女、春野暁。
    仲良くなれた大人びたメガネ女子の吉田欣子と、それまでなかった女子バスケ部を立ち上げることに。
    色々な生徒が少しずつ仲間になり、少しずつ暁も強くなっていく。
    主人公の暁は比較的目立ったところのない少女に見えるのだが、周りの友達がバラエティー豊かで、もめたり、まとまったりが中学生らしい。
    それが試合になると、急に暁のエースぶりが際立って描かれるのも面白い。
    スポーツ以外に社会的な問題も絡めていたり、思春期の色々な思いも感じられて、学生さんに読んでもらいたい青春物語です。

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    2021年08月25日
  • 波風

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    小さな笑みを積み重ね幸せに生きたいものですが、人生はそう思う様にはいかない。
    この七つの短編も、大きな『波風』が立った家族・夫婦・親友の物語。決して腐らず、諦めず一歩を踏み出す人々。爽やかな勇気と安堵感をもらえました。

    デビューするきっかけとなった、第四十回日本文学賞選奨作でもある『結い言』が収録されています。
    期間は十日間の着付け教室で出逢った年老いた男性、倉嶋さんの凛としたたたずまいに女性たちは「アルコールランプの炎のような人だ」と称し魅せられます。
    「みんな、倉嶋さんへの最後の言葉は「さようなら」ではなく、「ありがとう」だった。私もまた、喉の奥でそう呟いていた。」
    果たして私は人生最後周りの人達に「ありがとう」と言ってもらえる生き方をしているのだろうかと、居住まいを正したくなる美しいお話でした。

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    2021年07月22日
  • トライアウト

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    「自分の頑張りに星をくれる人がいる。それだけで人は生きられるのかもしれない。」の『満天のゴール』でファンになりました。
    『トライアウト』は二冊目です。どちらも感動をくれました。

    新聞記者の平久可南子、息子の考太を取り巻くほとんどの人(一部ずるい人はいますが)が善良で温かい。特に担任の先生の台詞は、ちょっと素敵でした。

    シングルマザーとして不器用なほど懸命に生きてきた可南子は、妹・柚奈に「人生を楽しまないと」と励まされ、また、崖っぷちのプロ野球選手・深澤翔介との出逢いにより、人生を大きく動かされてく、魅力的なストーリーです。そして、読後は
    希望が湧き、爽やかです。

    「ひとは気持ちのある限り、どこまでも強く挑めるのだという想いが伝わってきたからだ。そうした想いは周囲の人間をもまた強くする。」

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    2021年07月20日
  • むかえびと

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    良かったです!
    助産師という「命」に関わるお仕事について。
    生まれてくる命はどれも尊い命に違いはないけど全てが喜びにあふれて迎えられるわけではない。悲しい現実も命の選別に苦悩する場面もある。
    妊婦さんに寄り添い「命」を預かる「助産師」という職業の重みみたいなものを改めて感じました。

    出産のリアルな現場だけじゃなくミステリー要素も楽しめます。
    身勝手な男に気分の悪い思いや医療の闇の部分を見た気もしますが、今後も追っていきたいと思わせてくれる作品でした。
    シリーズ化して欲しいなぁ♪

    『仕事をするって、生きることなのよ。真剣に働くってことは、真剣に生きるってこと』

    『真実を知って、ようやく動き出す時間がある。それはきっと、誤魔化したまま堆積していく時間よりも本人にとっては重要なはずだ』

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    2021年04月10日
  • ホイッスル

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    ストーリーとしては、大変面白く一気に読んでしまいました。
    ただ、辛すぎて、気持ちが落ち込みます。
    看護師の母親は、そんなに悪者でしょうか?
    夫の愛情も金銭的な支援も無く、子育てしながら必死で働いて来たのに、最後の最後に全てを失ってしまうなんて。
    息子のうち1人でも母親の辛さをわかって、助けてくれてたら違ったと思いますが、所詮子どもは、あてにならず。
    結婚相手は、お互い 尊敬し、思いやれる人とでないと…ということですね。

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    2021年02月14日
  • むかえびと

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    「母親は自分の命を懸けて、新しい命を産むじゃないですか。でも命を葬る選択もする。その違いってなんなのかな?生まれる意味のある命、ない命、そういう違いがあるんでしょうか」
    毎日、産まれる命と真剣に向き合う助産師の心情を的確に表現している台詞だと思った。命を守りたい、そんな高い志で助産師となり、様々な現場に直面する。

    この世に産まれ出て、その手の中に1番最初に受け止めてくれる助産師。彼女たちのリアルな現場を覗き見たような、泣きながら夢中で読めた一冊でした。

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    2020年12月06日
  • トライアウト

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     思いがけないことが我が身に降りかかったら、どうする?
     主人公可南子は新聞社の記者。野球選手と不倫をして、別れた後に妊娠が分かる。しかも、不倫相手ではない人が不倫相手だと思われ、その人が野球の八百長で世間を騒がせてしまう。

     そんな状況になっても、彼女は子どもの父親が誰かを誰にも言わない。仕事も辞めない。でも、シングルマザーで勤務時間の不規則な状況で子どもを育てることはできない。だから、息子を仙台で新聞店を営む両親に預ける。

     可南子は自分を守るために肩肘を張って、依怙地になって、子どもを犠牲にしているように見えた。どうしてそこまで頑ななのか。そんな可南子が初めは好きになれなかった。何を甘えているのかと。子どもを放っておいていいのかと。

     そんな可南子が、戦力外通告を受けても、現役でプレーすることに挑戦し続けている深澤と出会い、また、息子のこと、父親の急逝で、可南子は変わっていく。

     読み終わって、思い返していて、深澤と出逢えたこと、彼女自身が逃げなかったことが、可南子が変われたポイントでもあるのかなと思った。回り道をしすぎたかもしれないけれど。

     息子の孝太は小学二年生ながらとてもできた息子。その孝太がこんなことを言っている。
     野球の実力はあるけれど、監督に好かれていないから、試合にあまり出してもらえない。でも、みんなが自分のことを認めてくれているから、そんなの我慢できると言った後に、
     「辛い時はその場でぐっと踏ん張るんだ。そうしたら必ずチャンスはくる。チャンスがこない人は辛い時に逃げている人なんだ。」

     この「辛い時にぐっと踏ん張って逃げなかった」から、そして、本当に大切にしなければいけないのが何かがわかった。だから、可南子は変われた。 

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    2020年09月25日
  • 波風

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    どの話も辛く、悲しく、切ないけれど、最後にぽっと心が暖かくなる(*^^*)これは人前で読んだらアカンやつ(T-T)

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    2020年09月14日
  • 跳べ、暁!

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    女子中学生のバスケ部活ものとは思えない濃度の高さ。ド素人なのに桜木並みの運動能力で活躍したり、アフリカの留学生(ではないけど)がいたり、部員それぞれの複雑な家庭事情が明かされたり、という約束事を踏まえつつ、バスケットの技術面や試合展開についてしっかりと描かれている。一見平凡そうな主人公が実はかなりのやり手である感じがするので、高校進学後のシリーズ化を待ち望む。

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    2020年09月03日
  • トライアウト

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    佳作を連発しているアベレージヒッター。どれもこれも外れが無くもれなく面白いです。
    そしてアベレージヒッターつながりで野球を題材にした小説です。
    シングルマザー、親子の確執、愛情。あきらめない、あきらめられない心。誰にでもある過去の傷、自分だけではないという気づき。いつまでも小さい子供ではない、成長していつか自分を追い抜いて行くという寂しさと喜び。
    色々な要素が内包されていてとても奥深い本だと思いました。
    主人公の父がとても頑固なおやじなのですが、孫との信頼関係が見ていてとてもうらやましかった。自分はほぼ祖父の記憶ありませんが、かなりのダメ男だったようなので頼りになる男が周囲に皆無だったので、こういう関係はとても萌えます。
    そして野球少年と落ち目の野球選手との邂逅。自分も少年の目線になれるし、この歳になると野球選手の目線も想像が出来てしみじみいいなあ・・・。

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    2019年12月19日
  • トライアウト

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    今年も11月13日に合同トライアウト開催、その前に元報知新聞記者藤岡陽子さんの小説を読んでみました。野球人生のやりきった感はとても厳しいようです。

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    2018年11月10日
  • ホイッスル

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    底知れぬ悪意に翻弄されながら、自分を失うことなく強く生きる人びとの姿を通して家族の在り方を問う家族小説。
    愛情とは人間の根幹から形成されるだけに、間違った経緯で誕生するとたちが悪い。長年連れ添った妻よりも、不幸な生い立ちの女性を守りたいという気持ちが、単純に誤っていると断言できないのが、この作品の怖いところ。関わる弁護士の言葉でタイトルを付けた巧さが光る。

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    2018年11月04日
  • 春の星を一緒に

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    「満点のゴール」(2017.10?)続編
    続編と知らなかったのですが読んでいくと過去の説明部分に記憶を呼び起こされて確認してみると続編と知りました。
    そっかぁ、頑張って生きてこられたんだだとちょっと感慨深かったです。
    三上先生の身辺にちょっと立ち入り過ぎでは?と思うものの奈緒さんと息子さんとの関係性からだと「あり」なのかもしれません。
    辛く苦しい生い立ちや人生の節目を乗り越えてそれぞれがたくましく生きてこられて元気をいただく小説でした。

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    2026年10月10日
  • 青のナースシューズ

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    看護師を目指す男性看護学生のお話です。いつもながら、お見事です。厳しい医療の世界を描きながら、決して暗くはならず、とは言え甘くもなく、現実的な厳しさも交えながら、希望を失わないお話。だから、安心して物語に身を委ねることができます。

    主人公は父親を事故で亡くし、同じ事故で歩けなくなった弟と暮らす看護学生です。仕事で忙しい(?)
    母親の分まで、家事と弟の世話もする、いわば、ヤングケアラーです。母親に対して、大変なのはわかるけど、息子にそこまで負担させるなよ、と言いたくなる。彼の人生、未来を、あなたはどう考えてるの?と、言いたくなる。難しい話で、本当に辛い。
    応援してるよ!みんな、頑張れ!

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    2026年10月06日
  • トライアウト

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    息子がいい子でよかった 
    おじいちゃんが素敵なんだろうなー
    なんか よく問題行動で最近話題になる記者を想像してしまった

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    2026年10月05日
  • 手のひらの音符

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    『人によって闘い方はそれぞれ、自分の闘い方を探して実行したらいい』ずっと自分の闘い方を信じて闘ってきたのに、まさかの返り討ちにあって、これからどう闘ったらいいか分からなくなってしまったら、、大人になった正浩は何と言ってくれるだろう

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    2026年10月01日
  • トライアウト

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    ネタバレ

    子供を実家に預けて、単身で働く
    働くにはとても良い環境だけれど、親が居るからこそできる事で、ある意味恵まれている
    もし、預ける人がいなければ彼女はどうしていたんだろう
    どうしても、そのへんがモヤモヤしながら読んだ
    聞き分けと物分かりのよい息子だな
    大人だなと思う

    未来のある終わり方だった

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    2026年09月30日
  • 波風

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    オーディブル。ホイッスルを聞いて、藤岡さんの小説をもう少し聞きたくなった。短編七つ。家族との関係を描いた話が多いかな。友達に過去彼に会いに行く付き添いを頼まれる(波風)、母の再婚相手が気に入らない(鬼灯)、幼いころ、おばさんに預けられ、育った姉と弟(月夜のディナー)、たった一人、着付け教室に通ってきているおじいさん(結い言)、オタ活を生きがいに介護施設で働く青年(真昼の月)、夫に恋人ができて別れることになり、もういない母の田舎に越してきた女性(デンジソウ)どれも抉ってくる。野球の天才で、テンと呼ばれていた少年の生涯を描いた「テンの手」は、ちょっと、小説をわかっていながらも、苦しくて、トラウマ級に心に棲みついてしまう話だった。

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    2026年09月30日
  • わたしの名店

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    実在しているお店なので、行きたくなりました。そして好きな作家さんにお会いしたらどうしよう、と(おそらくありえない)妄想までしてしまいました。

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    2026年09月28日