講談社学術文庫の検索結果

  • 誤解された仏教

    誤解された仏教

    ビジネス・実用
    3.3
    1巻968円 (税込)
    インドに発した仏教は、長い時間をかけてわが国へと到達したが、伝播の道筋で土着の思想と習合し、本来の思想から大きく変容した。この結果、「死者儀礼」「死者に対する〈仏〉という呼称」「霊魂の存在」など、現代に通じる誤った仏教理解が生じる。こうした誤解に塗れた日本人の仏教観を叱り、「仏教=無神論・無霊魂論」の主張を軸に、正伝の仏法を説く。(講談社学術文庫)
  • 酒場の文化史

    酒場の文化史

    ビジネス・実用
    3.3
    1巻968円 (税込)
    石器時代の洞窟にはじまる「ドリンカーの楽園」はどう変化してきたのか? 宿屋(タヴァン)、イン、パブ、キャバレー、カフェ、ギャンゲット、ジャズ・クラブ……。19世紀から20世紀にかけて起こった酒場の革命とは? ギリシア神話、チョーサー、シェイクスピア、ディケンズ、バルザック、シムノン……。同時代の小説をも資料として読み込み、人間臭い特殊空間の変遷を活写する。(講談社学術文庫)
  • ドイツ歴史学者の天皇国家観

    ドイツ歴史学者の天皇国家観

    明治20年から15年間、東京帝国大学で教鞭をとった著者による、日本回想録。ルートヴィッヒ・リースは、ベルリン大学でランケに師事し、実証的な歴史学の方法を日本に伝えたことから、「日本近代歴史学の父」とされる。その内容は、大津事件や日露戦争勃発などさまざまな社会的事件に関する見聞、日本の政治家や軍人らの人物像、旧武士身分の封建的体質への批判から、一般家庭の生活、迷信や伝統行事など多岐にわたる。(講談社学術文庫)
  • カントの時間論

    カントの時間論

    ビジネス・実用
    4.0
    1巻1,012円 (税込)
    西洋哲学を通じて時間に関する思索は二つの異なった道をたどってきた。一つはアリストテレスに典型であるように、時間を外的物体の運動との連関で思索する道であり、もう一つはアウグスチヌスに典型であるように、時間を記憶や予期や知覚などの「こころ」のあり方との連関で思索する道である。カントの時間論にはこの二つの道が豊かに流れ込んでいる。客観的時間が「心」のあり方を決める時間であること、それをカントはめざした。
  • 源氏の血脈 武家の棟梁への道

    源氏の血脈 武家の棟梁への道

    ビジネス・実用
    3.3
    1巻1,012円 (税込)
    その後700年におよぶ武家政権を本格的に開始したのは、なぜ源氏だったのか。そしてその地は、なぜ鎌倉だったのか。源氏を「武家の棟梁」に押し上げた4人――源為義・義朝・頼朝・義経の人物像から、日本中世の始まりを描く。 武士は、律令制が乱れた地方社会で自衛のために組織され、草深い東国の武者たちが貴族化した都の平家を滅ぼして武家政権を立てた――こうした通説的理解は、現在では成り立たない。近年の研究では、武士とはそもそも都市的な存在であり、源氏も平氏と同様に軍事貴族として王朝社会での栄達を目指していた。では、京武者・源氏はいかにして地方武士団を統合し、鎌倉に幕府を開くことができたのか。一族不遇の時代、列島各地に拠点を作った祖父為義。京都政界で地位向上に邁進し、挫折した父義朝。高貴な出自による人脈を駆使した頼朝・義経兄弟。河内源氏3代4人の長期戦略は、貴族対武士、東国対京都といった単純な図式を超えたドラマを見せる。 東国武士団の研究に多くの成果を上げてきた著者によれば、源氏こそ「征夷大将軍」「武家の棟梁」たるべきという観念は、源頼朝や足利尊氏、徳川家康らによって作り上げられたものだった。また、為義の父にあたる八幡太郎こと源義家が、武門源氏の始祖として神格化されたのは、のちの北条氏・足利氏が系譜と伝説を捏造したことによるという。文庫化にあたり、「補章」を加筆。〔原本:中央公論新社、2012年刊〕
  • 最澄と天台教団

    最澄と天台教団

    ビジネス・実用
    3.0
    1巻946円 (税込)
    令和3年6月、天台宗の開祖である伝教大師・最澄の1200年大遠忌を迎える。平安時代に真言宗を開いた空海とならび、日本の仏教史で大きく語られる最澄の評伝と、その後の弟子たちの活動、さらに江戸時代に至るまで日本史の中で天台宗が果たした役割をコンパクトに学ぶ良質な概説書。 最澄が生きた時代、仏教は単に「信仰」の対象だっただけではなく、学問そのものであり、社会制度を支える思想であり、律令国家を成り立たせ、安定させる機能をも期待されていた。僧侶は思想・教養を備え、宗教的に訓練されたいわば国家公務員として位置づけられているなかで、最澄ほど、律令制度の中で十分に機能する僧侶のあり方を追究してやまなかった僧はいない、とすらいえるのである。そして比叡山からは、円仁・円珍をはじめ、良源、源信、徳川家の信任を得た天海らの高僧を輩出して、天台宗は国教にひとしい地位を占めた。また、最澄以来培われた一乗仏教の思想からは、いわゆる鎌倉新仏教が派生していったことから、比叡山・天台宗は「日本仏教の母胎」とも呼ばれる。最澄と天台教団を軸に、日本仏教の1200年の歴史を読み直す。巻末解説を、著者の子息で大正大学特任准教授の木内堯大氏が執筆。〔原本:教育社刊、1978年〕
  • インフレとデフレ

    インフレとデフレ

    ビジネス・実用
    4.5
    1巻1,056円 (税込)
    世界恐慌、ドイツ・ハイパーインフレ、昭和恐慌、リーマン・ショック……。本書は歴史的検討に基づいて二つの悪夢、インフレとデフレの発生メカニズムを解明し、そのコントロール法を考える。インフレ目標政策とは何か? 1990年代以降の経済理論の新知見と長期化する日本デフレを踏まえて新章を書き下ろし。格好の経済学入門にして提言の書。(講談社学術文庫)
  • 死の商人 戦争と兵器の歴史

    死の商人 戦争と兵器の歴史

    ビジネス・実用
    3.5
    1巻1,056円 (税込)
    戦争の陰で暗躍し、鉄砲や大砲、ミサイルや核兵器まで売り捌き、巨万の富を得た武器商人たちの実態を暴くノンフィクション! 武器商人は、戦争の危機を煽り、国防の必要を訴えるとともに、「愛国者」として政治家に取り入り、大量の武器を売り込んできた。資本主義が発展する中で、科学技術とともに軍需産業が拡大すると、彼らは資本家となり、巨万の富を築き上げるだけでなく、国際的な独占資本となった――。国内外の実話をもとに、黒幕たちの系譜と実態を暴き、戦争が起きる仕組みを明らかにする。(解説・小泉悠) 〇本書に登場する人物 ・アメリカの大統領リンカーンを激怒させたJ・P・モルガン ・明治の戦争成金となった、大倉財閥の始祖である大倉喜八郎 ・ダイナマイトを発明した利益で、平和賞を創設したノーベル ・史上最も有名な、謎多き伝説の武器商人である騎士ザハロフ ・大砲の王者として数世代かけて巨大企業をつくったクルップ ・火薬から原水爆まで、アメリカ有数の財閥となったデュポン 【目次】 1 「死の商人」とは何か 2 サー・バシル・ザハロフ――「ヨーロッパの謎の男」 3 クルップ――「大砲の王者」 4 IGファルベン――「死なない章魚」 5 デュポン――火薬から原水爆へ 6 日本の「死の商人」 7 恐竜は死滅させられるか あとがき〔一九六二年改訂版への〕 あとがき 解説 暴力を理解し、しかし飲み込まれないために 小泉悠
  • 純粋な自然の贈与

    純粋な自然の贈与

    ビジネス・実用
    4.0
    1巻1,056円 (税込)
    モースの贈与論、マルクスの剰余価値説、キルケゴールの愛の思想、レヴィ=ストロースの構造主義を超えて、価値増殖の本質を解き明かす未来の贈与価値論、ここにはじまる! 贈与は結びつけるエロスを、貨幣は分離するロゴスを持つ。すべての富は、物質性をもたない「無」の領域から「有」の世界に贈り物としてやってくる。古式捕鯨の深層構造を探る「すばらしい日本捕鯨」、モースの思想的可能性を再発見する「新贈与論序説」などを収録。贈与の原理を、経済や表現行為の土台に据え直し、近代の思考法と別の世界を切り開く。
  • 幕末の天皇・明治の天皇

    幕末の天皇・明治の天皇

    ビジネス・実用
    -
    1巻1,056円 (税込)
    公卿的天皇から軍服姿の天皇へ 近代天皇像の形成過程を追う 幕末から明治へ、時代は激しく動き世の中は一変する。その中で、俄にクローズ・アップされる天皇の存在。天皇は、維新後、夥(おびただ)しい回数の行幸と巡幸を繰り広げた。雲の上の見えない存在から見える天皇・見せる天皇へ。薄化粧をした女性的天皇からヒゲを蓄えた軍服姿の天皇へ。維新の前と後の全く対照的な天皇像を通して、明治とはどのような時代であったかを解明する。 孝明天皇は、攘夷の成功を祈願するために賀茂社と石清水八幡宮に行幸した以外は、御所の外に出たことのない、一般の人びとの前には、姿をあらわしたことのない<見えない>天皇だった。いっぽう明治天皇は、巡幸や行幸などで、積極的に民衆と接したように<見える>天皇だった。父と子で、なぜこれほどまでに違ったのか。それは幕末と明治とでは、求められる天皇像が、大きく異なったからである。――<本書「はじめに」より>
  • ユダとは誰か 原始キリスト教と『ユダの福音書』の中のユダ

    ユダとは誰か 原始キリスト教と『ユダの福音書』の中のユダ

    ビジネス・実用
    4.0
    1巻1,056円 (税込)
    キリスト教世界で「裏切り者」「密告者」の汚名を一身に受けてきたユダ。イエスへの裏切りという「負の遺産」はどう読み解くべきなのか――。原始キリスト教におけるユダ像の変容を正典四福音書と『ユダの福音書』に追い、初期カトリシズムとの関係から正統的教会にとってのユダと「歴史のユダ」に迫る。イエスの十字架によっても救われない者とは誰か。
  • からだ・こころ・生命

    からだ・こころ・生命

    ビジネス・実用
    3.7
    1巻990円 (税込)
    著者は、常に臨床の現場に身をおきながら精神病理学と哲学を往還する独創的な学問的地平を切り拓いてきた。症例分析を通じて「もの/こと」や「あいだ」といった柔軟かつ強靱な概念装置を創出し、独自の自己論、時間論を展開、その思索は生命の根拠の探究へと旋回する。「からだ」と「こころ」はどのように関係しあっているのか。「生きる」とは、そして「死」とは? 木村生命論の内実と射程を雄弁に語る好著。解説:野家啓一 (講談社学術文庫)
  • 賄賂と民主政 古代ギリシアの美徳と犯罪

    賄賂と民主政 古代ギリシアの美徳と犯罪

    ビジネス・実用
    3.0
    1巻990円 (税込)
    参政権の平等と民衆の政治参加という理想を追い求めた古代ギリシアの人々。しかし、政治の暗黒面を避けて通ることはできなかった。それが賄賂である。では賄賂とは、いつから、なぜ、「犯罪」とされるようになったのだろうか――。 紀元前5世紀なかばに直接民主政の骨格を完成した都市国家アテナイを、国力の絶頂期に導いたペリクレスは、「賄賂になびかない政治家」として知られる。友人からの供応を嫌い、宴会の招きに応じることもなかったという。それが贈収賄の温床になることを知っていたのである。 しかし、賄賂と贈与はどう違うのか。古代ギリシアはもともと、贈与交換が重視される社会だった。贈与の機能は多様であり、現代ならば、それは謝礼、賃金、報償、あるいは賄賂となるが、それは総じて「贈り物」と呼ばれたのである。そのなかで、私的な利益を誘導する賄賂への態度は、民主政の始まりによって一変したわけではなかった。賄賂を断罪する姿勢があらわれるのは、ギリシア人がペルシア戦争という未曽有の困難に直面し、賄賂が公共性にとって破壊的な結果をもたらすことに気づいたときだった。アテナイのパルテノン神殿の建設という大公共事業に際しても、贈収賄事件を実証する記録は1件も見当たらないという。 〔原本:『賄賂とアテナイ民主政――美徳から犯罪へ』山川出版社、2008年刊〕 目次 1 賄賂と贈与 2 贈り物は神々をも説得する 3 ペルシア戦争という転機 4 さまざまな賄賂 5 罪と法 6 賄賂と民主政 あとがき 学術文庫版あとがき
  • タテ社会の力学

    タテ社会の力学

    ビジネス・実用
    3.5
    1巻836円 (税込)
    日本では法よりも社会的規制によって人々の行動は律される。『タテ社会の人間関係』で著者が提示した〈タテ社会〉というモデルを動かすメカニズムを、全人格的参加、無差別平等主義、儀礼的序列、とりまきの構造など、興味深い事例で解明、日本社会のネットワークを鮮やかに描き出す。外的変化に柔軟に対応する軟体動物的構造の再認識に国際化の扉は開く。(講談社学術文庫)
  • ヒトはなぜ眠るのか

    ヒトはなぜ眠るのか

    ビジネス・実用
    4.3
    1巻836円 (税込)
    進化の過程で睡眠は大きく変化した。肥大した脳は、ノンレム睡眠を要求する。睡眠はなぜ快いのか? 眠りの機能とは? 大脳と睡眠、身体と睡眠の関係、睡眠にまつわる病気、睡眠と冬眠の違い、睡眠を司るホルモン、体内時計の働き、短眠者と長眠者の謎、科学的な快眠の秘訣……。最先端の脳科学で迫る睡眠学入門の決定版。最新の知見と新規文献も充実! (講談社学術文庫)
  • ペリー日本遠征随行記

    ペリー日本遠征随行記

    幕末の黒船、ペリー艦隊で来日し、ペリー自身の日記や公式記録とは異なる視線で日米交渉の一部始終を目撃した首席通訳による貴重な記録。 1837年、日本人漂流民を送還しようと浦賀に来航した米商船モリソン号に同乗したサミュエル・ウイリアムズは異国船打払令により砲撃を受けマカオに退去したが、日本人船員から日本語を習い、ペリー日本遠征の通訳として1853年艦隊に同行。沖縄、小笠原諸島を経て久里浜に上陸し、開国を求める米大統領フィルモアの親書を浦賀奉行に渡した。翌年再び日本に来航して神奈川条約を締結した。鎖国の重い扉をこじ開ける「むずかしい任務を達成するための欠くべからざる奉仕」に尽力したとペリー提督が称賛した首席通訳の随行記には、遠征への冷静な目と日本人に対する優しい眼差しがあった。  下田で密航を企て黒船に乗り込んだ吉田松陰、金子重之輔に応対し、「明らかに教養のある人物だった」とその人柄を見抜く眼力も備えていた。また黒船来航の報に急遽出島から駆け付けたオランダ大通詞・森山栄之助など幕府の様々な役人や沖縄の宮廷高官とも交流。さらに散策で訪れた横浜、下田、箱館などでの植物や魚類、花鳥風月から住民の風俗、性格まで好奇心のままに詳細に観察、外国人による幕末日本の貴重な記録としても高く評価される。〔原本:『新異国叢書8 ペリー日本遠征随行記』雄松堂出版、1970年刊〕
  • 日蓮「立正安国論」全訳注

    日蓮「立正安国論」全訳注

    ビジネス・実用
    4.0
    1巻924円 (税込)
    あいつぐ異常気象・疫病・飢饉・大地震、そして承久の乱。荒廃する国土をもたらしたのは、正法が廃れ、邪法=専修念仏がはびこる仏教界の混迷である。日蓮は、社会の安穏実現をめざし、具体的な改善策を「勘文」として鎌倉幕府に提出したのが『立正安国論』である。国家主義と結びついてきた問題の書を虚心坦懐に読み、「先ず国家を祈って須らく仏法を立つべし」の真意を探る。(講談社学術文庫)
  • 馬賊の「満洲」 張作霖と近代中国

    馬賊の「満洲」 張作霖と近代中国

    ビジネス・実用
    5.0
    1巻1,034円 (税込)
    日露の脅威がせまる清朝末期の混沌に、馬賊は生まれた。混乱の中、軍閥の長となり中原への進出をうかがい、覇権を目指した「東北王」張作霖もそんな一人だった。虚飾にとらわれた従来の張作霖像を解体し、中国社会が包含する多様性にねざす地域政権の上に馬賊を位置づけ、近代へと変貌する激動の中国と日中関係史を鮮やかに描き出した意欲的な試み。
  • 日本文化の形成

    日本文化の形成

    日本列島を徹底踏査した民俗学の巨人が、『古事記』『日本書紀』『万葉集』『風土記』などの古代文献を読み返し、それらと格闘の末、生まれた日本文化論。稲作を伝えた人びと、倭人の源流、畑作の起源と発展、海洋民と床住居など、東アジア全体を視野に入れた興味深い持論を展開する。長年にわたって各地の民俗を調査した著者ならではの着想を含む遺稿。(講談社学術文庫)
  • 経済学再入門

    経済学再入門

    ビジネス・実用
    4.0
    1巻814円 (税込)
    本書は、経済思想史を俯瞰したうえで、経済学でよく使われるキーワード(「市場」「競争」「均衡」「独占」「失業」「制度」「希少性」など)を再検討します。すると、経済学タームはかなりの多義性をもっていることが判明します。経済学の現在から距離をとって、歴史的視野を持つことによって、さまざまな問題が存在したし、依然として存在することが見えてきます。経済学を学ぶ意義を改めて問い直します。(講談社学術文庫)
  • 日本人のための英語学習法

    日本人のための英語学習法

    ビジネス・実用
    4.4
    1巻814円 (税込)
    英語を理解するということは、単に単語を覚えればいいのではなく、英語ネイティブたちの頭の中にある、英語によって切り取られた世界の成り立ち、そのイメージを捉える必要がある。他言語に比べても、英語の世界観と日本語の世界観の間には、乖離がある。本書では英語の世界観、英語ネイティブの思考方法について考え、その先で、英文法の原理を探り、動詞、名詞、前置詞などの根本的な役割について、とことん平易に説明する。(講談社学術文庫)
  • ヒトはいかにして生まれたか 遺伝と進化の人類学

    ヒトはいかにして生まれたか 遺伝と進化の人類学

    ビジネス・実用
    -
    1巻814円 (税込)
    人類学の泰斗が、近年の遺伝学の成果を取り入れ、「ヒトの誕生」への道のりを語る。古代ギリシャの哲人を悩ませた「なぜサルはヒトに似ているか」という問題に、ダーウィンの進化論がひとつの答えを提示し、20世紀の半ば以降は、DNAと進化の関係が探究されてきた。「毛がない」ことの意味、人類学からみた「雪男の謎」、ヒトの特徴である「ネオテニー」「自己家畜化」とは。文系・理系を融合した「新しい人類学」を提唱する。(講談社学術文庫)
  • デカルト哲学

    デカルト哲学

    ビジネス・実用
    -
    1巻902円 (税込)
    あらゆる世俗的な思想を根こそぎにして、「善く生きる」賢者の生を追求した、西洋近代哲学の父……それこそが、デカルトである。死者や病者によりそって思考し、哲学者の神とは何かを語り、まっすぐな倫理をめざす。そこにこそ、「我思う故に我在り」の哲学者の、いまなお読み直すに足る魅力がある。教科書的な知識としてではなく、現代を生きるわれわれ人間のための至高の哲学として、デカルト哲学を描き出した不朽の力作。(講談社学術文庫)
  • クラシック名曲の条件

    クラシック名曲の条件

    ビジネス・実用
    3.0
    1巻1,012円 (税込)
    ≪モーツァルトだからといって、ことごとくが「名曲」というわけではない≫日頃、何となくわかっているつもりでも、よく考えてみると曖昧な点が多い、クラシック界「名曲」の条件。傑作と呼び名の高いあの曲、シンフォニーは、果たして本当に「名曲」なのか。「一度聴いたら忘れられない」曲には、どんな仕掛けがあったのか。時も国も超えて、未来へと愛され続ける、楽曲の力はどこに秘められているのか。ベートーベン研究家として名高い、文豪ロマン・ロラン(1866~1944)、フランスの大批評家クロード・ロスタン(1912~70)、ブルックナー研究の大家ロベルト・ハース(1886~1960)や、作曲家クロード・ドビュッシー(1862~1918)、指揮者フルトヴェングラー(1886~1954)などの楽曲的考察を採取。「第九」「雨だれ」「ニーベルングの指環」など誰もが知る12曲を、創作エピソードや譜面から読み解きます。名著『クラシックの条件』(1982年 中公新書)の復刊。内容紹介ショパンは、情緒に流されて構築の計算を忘れるようなタイプのロマンチストではない。それどころか、計算がまったく表に出ないほどに巧妙な、洗練の極みをいく絶妙のバランス感覚の持ち主なのである。≪雨だれ≫の中間部に認められた「膨張」。この膨張の計算の的確さに気づく時、ショパンの情緒のふくらみが、驚くべき感性の制御のもとにあることが見えてくるのである。――――「≪雨だれ≫の構造」より
  • 砂漠と草原の遺宝 中央アジアの文化と歴史

    砂漠と草原の遺宝 中央アジアの文化と歴史

    ビジネス・実用
    4.0
    1巻1,012円 (税込)
    カザフ・ウズベク・タジク・キルギス・トルクメンの、いわゆるファイブスタン=中央アジアは、中国・ロシア・アフガン・イランに囲まれた地政学的な重要性にくわえて、豊富な地下資源と近年の経済発展で、ますます注目度を増している。長く「東西文明の十字路」として興亡を繰り返し、さまざまな民族が行き交った旧ソ連領中央アジアの複雑な歴史を手軽に知る入門書。 紀元前5千年紀、農耕文化はどのように始まり、牧畜はいつ、遊牧に移行したか。アレクサンドロスの東征や、張騫の西使は何をもたらしたか。仏教やゾロアスター教の文化・芸術を、イスラム教はどう変容させたか。チンギス・カンの軍隊が破壊した都市はいかに再生したか――。新石器時代の原始農耕から、サマルカンドを中心に栄えた15世紀のティムール帝国まで。スキタイ・エフタル・匈奴・烏孫・突厥・ソグド・モンゴルなど、砂漠と草原を往来した遊牧民の世界を、遺跡と遺物を手掛かりに説き明かす。 巻末解説を、『スキタイと匈奴 遊牧の文明』の著者・林俊雄氏(創価大学名誉教授)が執筆。〔原本:角川書店、1963年刊〕
  • バルセロナ、秘数3

    バルセロナ、秘数3

    ビジネス・実用
    5.0
    1巻880円 (税込)
    秘数3と秘数4。3は、結婚とエロティシズムの数であり、2と1がひとつになって運動を生み出し、世界を作る。一方で、4は3が作り出した世界に、正義と真理、均整と均衡を与える。秘数3と秘数4の対立と闘争が、西欧キリスト教文明のダイナミズムを生み出してきた。このふたつの秘数を都市の四次元空間で統一し、よろこびを生み出す幸福のバルセロナ紀行です。(講談社学術文庫)
  • ひとはなぜ戦争をするのか

    ひとはなぜ戦争をするのか

    1932年、国際連盟がアインシュタインに依頼した。「今の文明においてもっとも大事だと思われる事柄を、いちばん意見を交換したい相手と書簡を交わしてください。」選んだ相手はフロイト、テーマは「戦争」だった――。宇宙と心、二つの闇に理を見出した二人が、戦争と平和、そして人間の本性について真摯に語り合う。養老孟司氏・斎藤環氏による書きおろし解説も収録。
  • 幻獣の話

    幻獣の話

    ビジネス・実用
    3.5
    1巻924円 (税込)
    「むだで横道にそれた知識には一種のけだるい喜びがある」。ホルヘ・ルイス・ボルヘス(1899-1986年)は、『幻獣辞典』の序でそう語る。 マルコ・ポーロがスマトラで目にした一角獣、フランスの教会の壁面に刻まれた大耳人間、日光東照宮を彩る幾多の霊獣に、目まぐるしく姿を変える千変万化のバルトアンデルス.......。古今東西の書物に記された、不思議で興味深い生きものたちをめぐるエッセイは、まさにボルヘスが語る「喜び」に満ちている。 龍のように、洋の東西を超えて同じような想像上の生きものが生み出されるのはなぜか。人間はなぜ、くり返し、異様なもの、奇妙なもの、ときにはグロテスクなものを生み出したがるのか――。軽妙洒脱な語り口で繰り広げられる世界に引き込まれていくにつれて、私たちの意識に、あるいは無意識のうちにこそひそむ「幻の獣」の姿が浮かび上がる。 古代中国の『山海経』から、二十世紀にカレル・チャペックが生み出したロボットに至るまで、書物を広く深く愛した著者ならではの幻獣奇譚集。 1 一角獣――マルコ・ポーロが見たもの 2 アジアとヨーロッパ――幻獣という知の遺産 3 不思議な生きもの、不思議な人――狂気と文学のあいだ 4 幻獣紳士録1 5 幻獣紳士録2 6 百鬼の奇――日本の幻獣 7 霊獣たちの饗宴――日光東照宮の場合 8 中国の宝の書――『山海経』入門 9 私という幻の獣――寺山修司の夢 10 ゴーレムからロボットへ――二十世紀の幻獣
  • 天狗芸術論・猫の妙術 全訳注

    天狗芸術論・猫の妙術 全訳注

    ビジネス・実用
    5.0
    1巻924円 (税込)
    江戸時代の談義本2作を、読み易い訳文とともに文庫化。いずれも、宮本武蔵『五輪書』とならぶ「剣術の秘伝書」であり「人生の書」でもある。「天狗芸術論」は、剣術者が深山で天狗に出会い、老荘や孔子・孟子、仏教思想をまじえて「芸術」すなわち「武芸」と「心術」の核心に触れる。「猫の妙術」では、どんな猫も敵わなかった大鼠を、一見のろまな古猫が簡単にやっつけてしまう。若い猫たちと家主の剣術家は、古猫に教えを乞う。(講談社学術文庫)
  • 全線開通版 線路のない時刻表

    全線開通版 線路のない時刻表

    まもなく完成というところまできて、国鉄末期に建設が中止された、幻のローカル新線。開通を待ち望んでいた著者が、計画上の沿線をたどり、風景を見、路盤に立ち、関係者へのインタビューを行ったルポタージュに、架空の時刻表を添えた「線路のない時刻表」。取り上げた各線の工事再開は困難に思われたが、その後、第三セクター方式により7線すべてが開業。本書は開業までの経緯と新線の乗車記を加えて刊行された「全線開通版」。(講談社学術文庫)
  • 陶淵明

    陶淵明

    ビジネス・実用
    5.0
    1巻858円 (税込)
    悠然たる隠遁生活と真実を希求する熱い魂! 「人生の節目」に読みたい、沁みる名詩を味わうコンパクトな一冊 「我、五斗米のために腰を折って郷里の小人に向かう能わず(たかがわずかな俸給のために、下っぱ役人にぺこぺこできるか)」 老荘思想に通じ神仙世界への憧れやまぬ詩人は、職を辞し隠遁生活を愉しむ道を選んだ。 きらびやかな修辞を凝らすのではなく、あくまで平易な言葉で自然と人間の諸相、空想世界の奇想を自在に描き出す陶淵明の魅力を、「帰去来の辞」「桃花源の詩」はじめ厳選の名作で堪能する絶好のガイド! 桃源郷を夢想し山海経の怪しい世界に思いを馳せ、酒と自然を楽しむ「田園詩人」の魅力堪能! 【本書より】 彼は同時代の人々からは、「古今隠逸詩人の宗」と評されて、一風変わったところだけが珍しがられたが、四百年後の唐代になって、白居易をはじめとする詩人たちに見いだされ、唐以前の最大の詩人として高い評価を得るようになった。むしろ陶淵明の文学が時代を先取りしていたとさえいえるかもしれない。 陶淵明から千六百年近くのちのわれわれにとっても、彼の文学は時代の変化を超えてなお新鮮な魅力をもちつづけている。人間らしく生きたいという真しん摯し な願い、現世を超越したユートピアへのあこがれ、そして死を正面から見つめる姿勢、彼の文学が扱うこれらのいずれもが、人間の永遠のテーマといえるであろう。 (中略) 「帰去来の辞」はともすれば悟りすました隠遁者の心境の表白として見られがちだが、実は、社会と自分との葛藤に悩みつづけてきた孤独な人物の苦悩を、新生活の第一歩を踏み出すに当たって、かく生きたいという将来の願望の形で投影した作品と見るのがむしろ妥当ではあるまいか。(本書第1章より) 【本書の内容】 第1章 帰ってきた陶淵明  帰去来の辞   園田の居に帰る 其の一・二・五   酒を飲む 其の一・四・五・七・九・十四   郭主簿に和す 二首 其の一   子を責む  第2章 ファンタスティックな陶淵明  五柳先生の伝   桃花源の詩并びに記   酒を止む   山海経を読む 其の一・二・五・九・十 第3章 死を見つめる陶淵明  雑詩 其の一・二・五・六  形影神并びに序 形 影に贈る・影 形に答う・神の釈   挽歌の詩 三首 陶淵明年譜 *本書の原本は、一九九八年に『風呂で読む陶淵明』として世界思想社より刊行されました。
  • 聖書の読み方

    聖書の読み方

    ビジネス・実用
    3.0
    1巻902円 (税込)
    世界でもっとも多く読まれている書物であるにもかかわらず、ともすれば日本人には敬遠されがちな聖書。しかし、そこには意味深いメッセージが随所に秘められている。律法と福音、処女降誕、キリストの復活……。これらの真の意味は何か。「北森神学」で知られる著者が、聖書そのものに即して伝授する読み解くためのコツの数々。聖書初学者必読の書。(講談社学術文庫)
  • 天明の浅間山大噴火 日本のポンペイ・鎌原村発掘

    天明の浅間山大噴火 日本のポンペイ・鎌原村発掘

    ビジネス・実用
    4.0
    1巻924円 (税込)
    「地獄というものも、これほどひどくはないだろう」―― その日、山に、村に、何が起こったのか? 史料と発掘調査で甦る、埋もれた歴史の真実! 天明三(一七八三)年旧暦七月、浅間山は空前絶後の大爆発を起こす。大地は鳴動し、黒煙は天を覆い、火砕流・溶岩流が麓の村々を焼き尽くし埋め尽くした。この未曽有の事態に、人々はいかに対したのか。史料と埋没集落・鎌原村の発掘調査から、当時の村の社会状況、噴火の被害の実態、そして人々が生きた現実を再現する、驚天動地の歴史ドキュメント! [目次] 第一章 近世の埋没集落 第二章 天明三年の大噴火 第三章 浅間大噴火の被害 第四章 浅間大噴火の影響 第五章 浅間山鎌原村 第六章 鎌原村の発掘 「天明三年の悲劇の日、人々はわれ先にと必死になって観音堂めがけて駆けつけたはずである。もちろん無事駆け上がった人もあるが、いま一歩というところで、背後からおしよせた火砕流に呑まれた人もあるはずである。この埋った石段のどこかにそんな人がいるのではないか……。」――「第六章 鎌原村の発掘」より
  • 音楽の理論

    音楽の理論

    ビジネス・実用
    4.0
    1巻1,441円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 なぜベートヴェン「田園」は穏やかな感興をもたらすのか。バッハの紡いだ旋律の根幹とはいかなるものか。日本のクラシック音楽評論の泰斗が、楽曲をより深く愉しむための「楽理」を詳らかにし、バロック以前から無調・多調音楽まで三七五もの名曲の譜例を採り、和声・リズム・旋律・対位法・形式・転調の真髄を説く。空前絶後の音楽理論書!-----------------------------------------本書は和声とか対位法とか音楽形式とかの寄せ集めではなく、一つの体系的な音楽理論であって、その中に和声や対位法や音楽形式、そしてさらに旋律とリズム編までも含んでいるのである。は、私が音楽史と音楽美学の研究から得た私自身のものである。──本書より-----------------------------------------【本書の内容】第1部 基礎の理論 第2部 和声の理論第3部 転調の理論第4部 リズムと旋律の理論第5部 対位法の理論第6部 形式の理論
  • 技術とは何だろうか 三つの講演

    技術とは何だろうか 三つの講演

    20世紀最大の哲学者マルティン・ハイデガーが第二次大戦後に行った「技術」をめぐる三つの講演。瓶(かめ)や橋、家屋といった身近な物から出発し、それらの物がどのようなあり方をしているのかを考え、ついには「世界」に到達する講演「物」と「建てること、住むこと、考えること」、そしてモノとヒトを資源として用いながら膨張を続ける現代技術のシステムを問う「技術とは何だろうか」。第一級の研究者による決定版新訳!
  • 知性改善論

    知性改善論

    本書は、主著『エチカ』で知られるバールーフ・デ・スピノザ(1632-77年)がその執筆活動の初期に残した代表作の一つです。 従来『神、人間および人間の幸福にかんする短論文』が最も早い著作と考えられてきました。しかし、近年の研究では本書『知性改善論』こそ、1656年後半から61年前半に書かれた最初期の論考である、という説が有力になりつつあります。アムステルダムにユダヤ人として生まれ、ユダヤの教育を受けたものの、1656年には破門されるに至ったスピノザが、デカルトやベーコンの哲学を会得した上で、「神」について、無限なる属性としての思考と延長について独自の見解を紡ぎ、語り始めた、画期となる著作です。 精神と全自然との合一の認識、永遠無限なるものへの愛、揺るぎない幸福の追求など、本書には『エチカ』のモチーフをはっきり見て取ることができます。おそらくは時間のなさゆえに本書は未完のまま放置されましたが、しかしその哲学は『エチカ』に引き継がれ、さらなる発展と深化を遂げていくことになります。その意味で、本書はスピノザが「哲学者」になる過程を記録した生々しいドキュメントであるとともに、著者自身による最良の『エチカ』入門でもあると言えるでしょう。 『知性改善論』については、長らく畠中尚志訳(1931年、改訳1968年)が読み継がれてきました。本書は、気鋭の研究者が最新の研究成果を取り込みつつ、充実した訳注とともに「今日の日本語」でスピノザを読めるようにと全力で完成させた待望の新訳です。 [本書の内容] 読者に告ぐ 〔導 入〕 〔方法の規定〕 〔方法の第一部〕 〔方法の第二部〕 訳 注 文献一覧 訳者解説
  • 二人であることの病い パラノイアと言語

    二人であることの病い パラノイアと言語

    フロイト精神分析を構造主義的に発展させ、20世紀の思想潮流にあって、確固たる地位を占めたラカン。本書は、ラカン最初期の1930年代に発表された五篇の論考を収録。「症例エメ」「≪吹き込まれた≫手記」「パラノイア性犯罪の動機」の三篇は、症例報告の記録性があり、明澄ですらある。現代思想の巨人の哲学の出発点を探るための必読書である。
  • 愛欲のローマ史 変貌する社会の底流

    愛欲のローマ史 変貌する社会の底流

    ビジネス・実用
    4.0
    1巻880円 (税込)
    平和と繁栄を極めた古代ローマ。そこに溢れる過剰な欲望と、淫靡な乱行の裏には、どんな意識が潜んでいたのだろうか。そして、そうしたいとなみを「頽廃」や「堕落」と断罪する感性は、どのように生まれてきたのだろうか。「性愛」と「結婚」、そして「家族」をめぐる意識の変化は、人々の規範をどのように規定し、社会を変容させたのだろうか。社会の変貌の底にある「愛」と「性」のかたちを描き、歴史の深層をとらえる。(講談社学術文庫)
  • 西洋音楽史を聴く バロック・クラシック・ロマン派の本質

    西洋音楽史を聴く バロック・クラシック・ロマン派の本質

    ビジネス・実用
    5.0
    1巻880円 (税込)
    音楽史における時代区分は独特である。17世紀以降のバロック、クラシック(古典派)、ロマン派、後期ロマン派さらに国民楽派、二十世紀音楽へと流れていくそれぞれの特徴はどこにあるのか。それらの音楽の目指したものは何なのか。美術史を専門とする一方、生涯をかけて「聴く」ことに精力を傾けた巧者の、西洋音楽に対する熟成の極みに達した愛と深い造詣が綴られる。解説・下村耕史。
  • チベットのモーツァルト

    チベットのモーツァルト

    ビジネス・実用
    3.8
    1巻1,353円 (税込)
    密教の実践的研究を通して、チベット高原の仏教思想と現代思想が幸福な邂逅をとげる――。 物質に対する執着に眼を曇らされた闇を抜け、いまだ顕れ出ることのない純粋な未発の光に満ちたもう一つの夜を渡る旅へ。 <精神の考古学>を駆使して新たな知の時代を切り拓き、思想の大海を軽やかに横断し続ける著者の代表作。
  • デカルト 「われ思う」のは誰か

    デカルト 「われ思う」のは誰か

    ビジネス・実用
    3.0
    1巻748円 (税込)
    本書は、現象学を土台にして幾多の哲学者や思想家を扱ってきた第一人者が「近代哲学の祖」ルネ・デカルト(1596-1650年)との「対話」に挑んだ記念碑的な1冊です。 よく知られているように、デカルトはあらゆる学問を修めた末、そこに自分が求める「真理」はないことを悟りました。そうして「世界という大きな書物」と向き合うために旅人として生きることを選んだものの、やはりそこにも「真理」を見出すことはできませんでした。そうしてたどりついたオランダの地で、まさに生死を賭けた思索に取り組むことになります。それが、少しでも疑いうるものはすべて斥けて「絶対に疑いえない」ものを目指す「方法的懐疑」と呼ばれる思索でした。 その過程でたどりついたのが「われ思う、ゆえにわれあり(私は考える、ゆえに私は存在する)」という、よく知られた命題にほかなりません。しかし、それは決してデカルトが到達した最終結論でもなければ、デカルトが求めた「真理」でもありませんでした――本書は、そのことを哲学者との真摯な「対話」の中で明らかにしていきます。この命題はデカルトにとっては通過点にすぎず、方法的懐疑が導き出したのも「近代的自我」とされる「私」では決してなかった。ならば、その思索はいったいどこに進み、何を明らかにしたのでしょう? 本書は『方法叙説』(1637年)と『省察』(1641年)という二つの主著をていねいに読み解きながら、驚愕すべき結論に向かっていきます。著者とともに歩んでいくことで、「哲学」とはいかなる営みなのか、そして本当に「考える」とはどういうことなのかを実際に体験することができるでしょう。 [本書の内容] 序 章 哲学とは何か  1 死んだものとの対話  2 「よき生」のために 第一章 「われ思う」のは誰か  1 夢  2 狂 気  3 「私」とは何か 第二章 「われ思う」に他者はいるか  1 観念の起源へ  2 「無限」ということ デカルト小伝 読書案内
  • 新装版 日本国憲法

    新装版 日本国憲法

    ビジネス・実用
    3.7
    1巻660円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 戦後日本を理念的に照らしつづけた〈憲法〉。それは「人類普遍の原理」「崇高な理想と目的」を掲げながら、一貫して最大の争点でもありつづけた。日本国憲法に、大日本帝国憲法、教育基本法、児童憲章、英訳日本国憲法、日米安全保障条約の全文を収録した新装版。読んでから考えたい、語るために読みたい、〈憲法〉。(講談社学術文庫)
  • 方法叙説

    方法叙説

    ルネ・デカルト(1596-1650年)の代表作は、この新訳を待っていた――。 本書の訳者を務める小泉義之氏は、哲学や精神医学から現今の政治に至るまで、幅広い問題をめぐって繊細かつ大胆な思考を展開してきた。その根底に、自身が『意味の論理学』の翻訳をしたジル・ドゥルーズの哲学があることは、よく知られている。 だが、小泉氏自身の「原点」として厳然と存在し続けているのは、ルネ・デカルトにほかならない。最初の著書『兵士デカルト』(1995年)から四半世紀、ここに渾身の新訳をお届けする。 多くの訳書で採用されている『方法序説』ではなく『方法叙説』という日本語題を採用したことも含め、本書は細部に至るまで、小泉氏にしかできない思考と工夫が浸透している。 今後、デカルトの最も有名な著作を読むとき、この訳書を無視することはできないはずである。 [本書の内容] 第一部 第二部 第三部 第四部 第五部 第六部 訳者解説 文献一覧
  • 目に見えないもの

    目に見えないもの

    ビジネス・実用
    4.0
    1巻792円 (税込)
    〈わが国初のノーベル賞に輝く湯川博士、生涯の記念碑的作品〉 〈1946年の初版*以来、学問に志す多くの若者達の心をとらえ続けてきた名著!〉 「中間子」を発見し素粒子物理学を大きく前進させた著者が、現代物理学の物質観を、そして同時に、今日の自然科学的なものの見方・考え方を、だれにもわかる平易な言葉で説く、不朽の科学入門。 「目に見えないものの世界」への旅立ちを伝える諸篇には、深く豊かな知性が光り、「真実」を求めてのあくなき思索が生み出した珠玉の言葉には、ひとつの確かな思想がある。 現実は痛切である。あらゆる甘さが排斥される。現実は予想できぬ豹変をする。あらゆる平衡は早晩打破せられる。現実は複雑である。あらゆる早合点は禁物である。(本書「真実」より) *本書の原本は1946年に甲文社より刊行されました。 【本書の内容】 第一部   1.理論物理学の輪郭     1 自然哲学  2 近代物理学  3 現代物理学   2.古代の物質観と現代科学     1 古代インドの自然観  2 現代の物質観との対比  3 因果と時間の問題   3.エネルギーの源泉     1 物質の構造  2 放射線の本体  3 力とエネルギー  4 原子内のエネルギー  5 太陽のエネルギー   4.物質と精神     1 二つの通路  2 物理学的世界  3 物質から精神へ  4 科学の根源 第二部   1.半生の記   2.ガラス細工   3.少年の頃   4.二人の父 第三部   1.物理学に志して   2.科学と教養   3.真実   4.未来   5.日食   6.眼の夏休み   7.読書と著作   8.話す言葉・書く言葉   9.『現代の物理学』   10.『物質の構造』   11.『ピエル・キュリー伝』   12.目と手と心   13.目に見えないもの   14.思想の結晶
  • リュシス 恋がたき

    リュシス 恋がたき

    美少年リュシスとその友人メネクセノスの二人を相手にして「友」とは何か、「友愛」とは何かを論じていく『リュシス』は、後世に幅広い影響を与えた名作として知られる。同じく二人の少年を相手にして「知を愛すること」としての「哲学(ピロソピア)」という主題を追求していく『恋がたき』をも併録した。「愛すること」という根本的な主題で貫かれた二つの対話篇、初の文庫版となる新訳が登場!
  • 西洋中世奇譚集成 東方の驚異

    西洋中世奇譚集成 東方の驚異

    ビジネス・実用
    5.0
    1巻726円 (税込)
    謎のキリスト教王国を支配する「インド」の王中の王ヨハネ=プレスター・ジョンから西方の皇帝宛の書簡と、東方大遠征の途次にアレクサンドロス大王がアリストテレスに送った手紙。そこに描かれる乳と蜜の流れる東方の楽園には、黄金と象牙と宝石が溢れる壮麗な王宮が煌めく。一方で鰐皮の蟹、犬頭人など奇怪な動植物や人種が跋扈する。東方幻想に中世人の想像界の深奥を読み解く。(講談社学術文庫)
  • アテネ 最期の輝き

    アテネ 最期の輝き

    ビジネス・実用
    3.5
    1巻1,386円 (税込)
    紀元前338年、ギリシャ敗戦! その後「民主政」はどうなった? 教科書に載らない歴史の真実を明かす、第一人者によるアテネ「亡国」のドラマ。  * 紀元前338年、アネテやテーベを中心とするギリシア連合軍は、フィリポス2世とアレクサンドロス率いるマケドニア軍に歴史的な大敗を喫した。アテネが誇る民主政はしかし、それを契機にかつてない平和と繁栄を謳歌する――。デモステネスら政治家たちの闘いの跡を追いつつ、アレクサンドロス躍進の陰で「黄昏」と呼ばれたアテネの実像を明らかにする、第一人者による画期の書!  * [目次] はじめに 序章 「黄昏のアテネ」に迫る  1 「黄昏のアテネ」とデモステネス  2 「政治家」と「政治グループ」 第1章 決戦へ  1 デモステネスの生きた時代  2 デモステネスの前半生  3 反マケドニアの政治家として  4 「宿敵」アイスキネスとの対立 第2章 敗戦――マケドニアの覇権  1 戦後処理  2 デモステネスの活躍  3 アレクサンドロスの時代の幕開け  4 マケドニアの傘の下で 第3章 対決――「冠の裁判」  1 裁判が始まるまで  2 「弁論家の戦い」 第4章 平穏――嵐の前の静けさ  1 デモステネスの隣人たち  2 アテネ民主政の姿  3 動乱の前ぶれ 第5章 擾乱――ハルパロス事件  1 ハルパロス事件とは  2 事件当時のアテネの情勢  3 ハルパロス裁判  4 裁判の背後の人間模様 第6章 終幕――デモステネスとアテネ民主政の最期  1 民主政アテネの最後の闘い  2 愛国者たちのそれぞれの最期 終章  1 デモステネスの遺したもの  2 「黄昏」の民主政 史料について 主要参考文献 関連年表 あとがき 学術文庫版へのあとがき
  • 女神誕生 処女母神の神話学

    女神誕生 処女母神の神話学

    ビジネス・実用
    -
    1巻1,353円 (税込)
    太古の「大女神」、「大母神」から、処女であり母でもある「処女母神」へ――。普遍的な女神の変質は何を意味するのか。そして処女母神アマテラス、アテナ、マリアは、なぜ至高女神の地位を得たのか。時代も地域も異なる神話の共通点から、人類社会の原像を見出し、神話の新たな可能性を探る比較宗教学の試み! スサノオとの宇気比によって生じた男神の母となったアマテラス、脚にかけられた精液を羊毛で拭き取り、それを捨てた大地から生まれた子の母となったアテナ、そして「主の言葉によって」母となったマリア。処女懐胎神話はほかにもギリシア神話のダナエや釈迦の母マーヤー、『マハーバーラタ』のクンティなど枚挙にいとまがない。しかし、それらの母の多くが、子の誕生時に亡くなるか、あるいはその後の場面から姿を消してしまうのに対し、至高女神として君臨するアマテラスをはじめ、アテナもマリアも、それぞれの宗教のなかで主導的立場を占めつづける。 時間的にも空間的にも異なる信仰にあって、なぜ、彼女たちは「処女にして母」という超越性とともに、それぞれの宗教のなかで燦然と輝く存在となったのか。 また、「処女母神」は、農耕や牧畜が始まった社会で生まれた新たな女神であり、それ以前には旧石器時代の石像に象徴される、自然の富の授与者としての「大女神」や「大母神」が広く存在していた。そんな「大女神」の系譜をひく処女女神アルテミスは、いかにして現代の優美な「ダイアナ」に変容していったのだろうか。  比較神話学の手法によって、男性が生み出した神話の向こうに遠く浮かび上がる女性の姿を繊細にとらえ、単純な二項対立を超えた社会における男女の在り方を多彩な視点から描き出す、唯一無二の試み。 (原本:『女神の神話学――処女母神の誕生』平凡社(平凡社選書)、1999年) 序章 女神とは何か 第1部 「大母神」と「処女母神」 第一章 大母神から職能女神へ――旧石器時代の洞窟女神から考える 第二章 女性の神話学 第三章 処女母神の神(話)学 第2部 日本の女神と女性 第四章 女性のなかでただ一人――アマテラス神学生成の比較神話学的考察 第五章 なぜ「妹の力」だったのか 第3部 ギリシアの女神と女性 第六章 女神とポリス――アテナとアテナイ 第七章 アルテミスからダイアナへ――西洋における山野の女神像の変遷 第八章 女による暴力と女への暴力――ギリシア悲劇の暴力性と女性像 第九章 女たちを笑う男たち――ギリシア喜劇の女性像 注 文献一覧 初出一覧 あとがき 学術文庫版あとがき
  • 女人禁制

    女人禁制

    男女同権はすくなくとも社会通念上は、あたりまえの前提となって久しい。 だが、日本の各地には、女性の立ち入りを禁止する聖域や、特定の神事には女性を参加させないという慣行が現在も存在している。 そして、大相撲の土俵についての「禁制」は、たびたび物議をかもしてきた。 「女人禁制」とはいかなる背景から生まれ、変化する政治や社会の中で受け継がれてきたか。 なぜ、時に激しい批判にさらされながらも、人々はそれを守ろうとするのか。 女性たちは禁制をどのように受容し、あるいは抵抗し、つくり変えてきたのか。 「差別」として批判をする人々と、「伝統」として守ろうとする人々。 この対立構図は、当事者達にとって調停不可能であり、今後も継続することが予想される。 本書では、文化人類学的分析を柱にしつつ、宗教学、民俗学、歴史学、国文学、社会学など様々の分野の成果を取り込んで、 暗黙の前提を覆し、賛成か反対か、伝統か差別かという二分法を乗り越える視点を提示するものである。 第一人者が、真の解決に不可欠な知見を、この一冊でわかりやすく示す! 【本書の内容】 学術文庫版の刊行に際して 女人禁制の現在―プロローグ 女人禁制への視角 大峯山の現状 山と女性 女人結界 仏教と女性 穢れ再考 あとがき 二十年の後に―学術文庫版あとがき
  • 科学者と世界平和

    科学者と世界平和

    世界政府は人類の理想か、あるいは帝国主義の一つのかたちか。米国に亡命したばかりのアインシュタインと旧ソ連の科学者たちの対話「科学者と世界平和」。時空の基本概念から相対性理論の着想、量子力学への疑念、そして統一場理論への構想までを丁寧に、かつ率直に語った「物理学と実在」。二つの「統一理論」への天才の真摯な探究。(解説・佐藤優/筒井泉)
  • あいうえおの起源 身体からのコトバ発生論

    あいうえおの起源 身体からのコトバ発生論

    ビジネス・実用
    4.0
    1巻1,177円 (税込)
    目と芽、鼻と花、歯と葉、身と実。身体と事物とのあいだに語の共通性があるのはなぜなのか。また、幼児が最初期に発する p 音、 m 音 などが世界的に同じように見られるのはなぜか。古代語における二音節動詞の語尾「ふ」「ぶ」「む」などが持っていた原初的意味を分析する一方、語頭音となっている「あいうえお」などの五十音が身体の部位・生理に由来することを解明し、コトバの発生と世界分節の起源を探る。
  • アイヌの世界観 「ことば」から読む自然と宇宙

    アイヌの世界観 「ことば」から読む自然と宇宙

    動植物を神格化し、自然も神も人も、すべては平等である――! アトゥイ(海)、アペ(火)、コロ(支配)、カラ(創造する)、ウク(受取る)・・・・・・。驚くべき自然観察者であるアイヌ。その、名付けの意味、語源、語彙構成や使用法を丹念に拾いながら、彼らの宇宙観、霊魂観、動植物観を言語学的に分析。認識人類学的アプローチで、”アイヌ文化”を旅します。本書は1994年から長らく講談社選書メチエの一冊として刊行されてきました。今回、学術文庫に収録するにあたり、補章として「現代に生き続けるアイヌの世界観」を追加しています。*コ「ロ」、カ「ラ」、ウ「ク」=「 」内字は小文字です目次プロローグ第一章 アイヌの宇宙観1 モシリ(世界)2 アイヌ・モシリ(人間の世界)の誕生3 カムイ・モシリ(神々の世界)4 ポクナ・モシリ(下方の世界)5 アイヌの他界観6 相補二元的宇宙観第二章 霊魂とカムイ1 霊魂の観念2 カムイの概念3 語彙素構成からみる神性の認識4 人間的なカムイ像5 カムイとジェンダー6 人間との関係第三章 アイヌの植物命名法1 植物名が語る認識のプロセス2 基本名からみる命名のプロセス3 対照名からみる命名のプロセス4 類別的認識5 植物観と神格化第四章 動物の分類と動物観1 動物の個別名と包括名2 個別化の原理3 類別カテゴリーの外延4 類別化の原理5 動物分類と空間分類の連繋6 動物のシンボリズムと神格化の基盤第五章 諸民族との比較1 日本上代における世界観との比較2 北方諸民族における世界観3 アイヌの世界観第六章 世界観の探究――認識人類学的アプローチ1 言語と文化2 イーミックな観点とエスノ・サイエンス3 「もの」の名称から認識の体系へ4 象徴体系としての世界観5 メタファーとしての動物6 言語の象徴表現と世界観7 認識人類学の意義補章 現代に生き続けるアイヌの世界観あとがき学術文庫版あとがき索引
  • 『青色本』を掘り崩す――ウィトゲンシュタインの誤診

    『青色本』を掘り崩す――ウィトゲンシュタインの誤診

    ビジネス・実用
    -
    1巻1,298円 (税込)
    「私は他者の痛みを感じることはできない」――このことを出発点として展開されるウィトゲンシュタイン『青色本』の思索を、著者が細部にわたって、詳細に検討。「独我論」とは、いったい何なのか? 哲学的に思考する醍醐味満載の一冊!
  • 悪魔の話

    悪魔の話

    悪魔。神の教えと対をなし世界の半分を支配するとされた闇の帝王たち。その誕生から性格、分類、風貌、材質、総数、そして悪魔と契約する方法まで。ヨーロッパが育んだ「悪魔」の観念は、どこから生まれどこへ行くのか。その歴史を追い、人類史上最大の悲劇が生起する過程にまで迫る。人の世のいたるところにいる悪魔たちを凝視した決定版〈悪魔学入門〉。
  • アステカとインカ 黄金帝国の滅亡

    アステカとインカ 黄金帝国の滅亡

    ビジネス・実用
    4.0
    1巻1,551円 (税込)
    一六世紀、スペイン人によるアメリカ大陸征服史が始まる。黄金を探すコロンブス、ピサロ、コルテス……。抵抗する、モクテスマ、トパック・アマルなどのインディオたち。栄華を誇った帝都と文明は、いかに滅ぼされたのか? 西欧と非西欧の壮絶なる戦いの記録を、既存の、スペイン人主体の史料では触れられなかった「敗者の視点」から再検証、植民地時代から現在へ続くラテンアメリカの被征服史を辿る。 プロローグ 黄金の夢 第一章 コロンブスの目指したジパンゴ 第二章 冒険者バルボア 第三章 メキシコの発見 第四章 首都の攻防 第五章 対決 第六章 「悲しき夜」 第七章 英雄の敗北 第八章 太平洋と中央アメリカ 第九章 南の海の探検 第一〇章 カハマルカの悲劇 第一一章 クスコ占領 第一二章 征服者たちの争いとインカ 第一三章 アラウコの国とパンパ 第一四章 ムイスカの黄金 第一五章 エル・ドラードとアマゾンの国 エピローグ 征服者たちの黄昏 あとがき 年表 民族と地域 人名検索 2002年小学館より刊行されました
  • アストロノミカ

    アストロノミカ

    ビジネス・実用
    -
    1巻1,606円 (税込)
    本書は、紀元1世紀、帝政を迎えた古代ローマに生きた詩人マルクス・マーニーリウスによる、天文学・占星術について記された最古の文献の一つです。作者マーニーリウスについては『アストロノミカ』の著者であること以外、確かなことは知られておらず、本作に見られる記述から初代皇帝アウグストゥスから第二代皇帝ティベリウスの時代に書かれたことを推測できるにすぎません。 古代において、天文学と占星術のあいだの区別は存在しませんでした。執筆当時のローマを見れば、アウグストゥスが生まれた日に占星術師プブリウス・ニギディウスが「地上世界の主が生まれた」と断言したと伝えられ、アウグストゥス自身も天文学や占星術を利用していたことが知られています。未来を知ることができる技術がとりわけ政治家にとって重要な意味をもつことは想像に難くないでしょう。だからこそ、マーニーリウスは本作の第一巻の序歌にこう記しました。 「生きた身ながら果てしない大空を巡ること、そして星座や 逆行する惑星の動きを知ることは喜ばしい。 だがこれらの知識だけでは不充分だ。大宇宙の心臓部さえも知悉すること、 それが星座を介して生物を生み出し支配する方途を 認識すること、そしてアポッローンの調律に従い それを詩に語ることはいっそう激しい喜びとなる。」(1.13-19) つまり、星座の分布や天体の動きに関する知識だけでなく、それらがいかなる力をもって地上に働きかけるのかという問題にまで踏み込んでいく必要がある、言い換えれば「天文学」の知だけでなく「占星術」の知をも身につけて初めて宇宙について知ることができる、と詩人は宣言しているわけです。 それゆえ、本書には古代の宇宙に関する知識のすべてが書かれています。「教訓詩」と呼ばれる韻文としてそれを綴った本作は、きわめて貴重な古典にほかなりません。残念なことに、本作にはラテン語原典から韻文の形で日本語に訳出したものは存在しませんでしたが、気鋭の訳者を得て、ここにその偉業が成し遂げられました。星空を眺め、宇宙に思いを馳せながら、ぜひ手にしていただきたい1冊です。 [本書の内容] 第一巻 第二巻 第三巻 第四巻 第五巻 訳者解説 訳者あとがき 図 表
  • 新しい中世 相互依存の世界システム

    新しい中世 相互依存の世界システム

    ビジネス・実用
    4.0
    1巻1,650円 (税込)
    冷戦構造の終焉、アメリカ覇権の衰退、経済相互依存の進展--。激変する情勢のただなかにある現代、我々はどこへ向かうのか。国境が薄れた「新中世圏」、なお国民国家たらんとする「近代圏」、秩序が崩壊した「混沌圏」に国々を分類、移行期にある世界を独自の視点で鋭く分析する、刺激的な論考。ヨーロッパ中世になぞらえた「新しい中世」の概念を駆って、ポスト近代の世界システムの構想に理論と実証で迫る。
  • アドルノ 非同一性の哲学

    アドルノ 非同一性の哲学

    ビジネス・実用
    5.0
    1巻1,650円 (税込)
    本書は、20世紀を代表するドイツのユダヤ系思想家であり、フランクフルト学派の中心人物テオドール・ヴィーゼングルント・アドルノ(1903-69)の波乱に満ちた生涯と、その不屈の思想を丁寧にたどる決定版ガイドです。 フランクフルト・アム・マインに生まれ、哲学、社会学、心理学、音楽学を貪欲に学んだ早熟の天才アドルノは、わずか21歳で哲学博士号を取得。コーネリウスのゼミで終生の友人ホルクハイマーと出会い、戦後にフランクフルト「社会研究所」の所長に就任します。ここに集った研究者たちとともに形成されたのが、後に「フランクフルト学派」と呼ばれる思想潮流です。 ナチス政権下で教授資格を剥奪されたアドルノは、イギリスを経て1938年にアメリカへ亡命します。1949年に帰国した後、ホルクハイマーと共に社会研究所を再建、亡くなるまでその活動を続けました。 近代合理性の闇を暴き、西欧文明の自己批判を徹底したアドルノ。アメリカの大衆文化批判、反ユダヤ主義への応答、そして「新しい主体」や芸術と哲学の連帯を模索する彼の思想は、現実とのすさまじい緊張関係の中から生み出されるもので、安易な解釈を許しません。 本書では、音楽への情熱、クラカウアーやベンヤミンとの友情、ホルクハイマーとの共同作業など、その思想を育んだ生涯をたどり、主要著作『啓蒙の弁証法』『否定弁証法』『美の理論』の読解を通して、危機の時代に生きた知の巨人の核心に迫ります。アドルノ研究の泰斗による、最良の概説書です。 [本書の内容] まえがき プロローグ 肯定的なアドルノを求めて 第一章 音楽の揺りかご 第二章 星々の友情 第三章 否定弁証法のオリジン 第四章 亡命のオデュッセウス 第五章 理性の原史をたずねて――『啓蒙の弁証法』の射程 第六章 新たな「唯物論」へ――『否定弁証法』と「客観の優位」 第七章 『美の理論』の告げるもの エピローグ パウル・ツェランとアドルノ 主要著作ダイジェスト キーワード解説 読書案内 あとがき 学術文庫版あとがき アドルノ略年譜 *本書の原本は、1996年に「現代思想の冒険者たち」第15巻として小社から刊行されました。
  • アフリカ史

    アフリカ史

    様々な学問分野を自由に越境し、「知ることの楽しさ」を生涯発信し続けた<知の道化師>、山口昌男。その学問の真髄とも言える「アフリカ」研究を、丸ごと1冊・通史に編纂。思いがけなくも豊かなアフリカの相貌、実験的とも言える日本との対比、自身が描いたスケッチや、貴重すぎる図版を193点も掲載! 彼の地で暮らし、深い人脈を得た泰斗だからこそ書けた本作は、参考文献すらただの文字情報に終わらない、圧巻の充実ぶり。没後10年。今こそ、目からウロコのアフリカ通史を、吟味する! *本書は、『世界の歴史 第6巻 黒い大陸の栄光と悲惨』(講談社 1977年)を改題したものです。 目次 はじめに 人類史とアフリカ 1 アフリカの古代世界 1)アフリカにおける人類の起源 2)アフリカの古代的世界 3)黎明の輝き・ 4)サヴァンナの帝国 5)東アフリカの王国 6)アフリカの王権文化――そのパラダイム 2 大発見の神話学 1)プレスター- ジョンの王国を求めて 2)アフリカの「黄金伝説」――ジンバブウェ遺跡とモノモタパ 3)探険ラッシュの世紀 3 伝統国家の栄光 1)草原の覇者たち 2)古都の盛衰 3)奴隷の故郷 4)アフリカと奴隷貿易 4 東海岸――交易都市の繁栄 1)世界へ開かれたアフリカ 2)制海権をめぐる争い 5 南アフリカのナポレオンたち 1)南アフリカの原住民たち 2) 南アフリカの清教徒たち 3)シャカ王のズールーランド 4)スワジ王国 5)バストランドのモシェシュ王 6)ムジリカジのンデベレ 6 ヨーロッパによる仮死 1)ヨーロッパ列強のアフリカ分割 2)開拓者たちの運命 3)アフリカ侵略の二つの型 4)セネガルーー仏領アフリカの優等生 5)最後の抵抗者サモリ= トゥレ 7 再生への胎動 1)マフディー運動 2)キリスト教的反抗 8 試行錯誤の現代史 1)両大戦間のアフリカ 2)エティオピアの反抗 3)第二次大戦後のアフリカ 4)コンゴ動乱 5)ナイジェリアの内戦 6)アンゴラの独立と内戦 おわりに 参考文献 年 表 図版参考資料一覧 索 引 解説 今福龍太
  • 雨の科学

    雨の科学

    ビジネス・実用
    -
    1巻1,056円 (税込)
    「雲から雨が降る」という、一見あたりまえの自然現象の仕組みと奥深さを探究した、気象学の入門書。 なぜ雨は、滝のようにつながって落ちてこないのか。雨粒はどんな形をしているのか。小雨の雨粒と、大粒の雨粒は、どのくらい大きさが違うのか。雲粒と雨粒の境目はどこにあるのか。なぜ、雨が降りやすい雲と、降りにくい雲があるのか。水蒸気が凝結するための「雲粒の種」とは。自己増殖し、自己組織化して雨を降らせる、生物のような積乱雲の生涯とは――。 傘とレインコートで日常的な雨対策をし、冬にも豪雪に見舞われる日本列島の降雨事情は、地球上でも特異なものだという。その地形的特質から、近年多発する集中豪雨のメカニズムとエルニーニョ現象、温暖化のカギを握る雲の種類、さらに、「人類の夢」である人工降雨や気象の人工調節の可能性まで、雲・雨・雪の研究に尽くした第一人者が、平易に解説する。北海道大学名誉教授・藤吉康志氏が巻末解説を執筆。〔原本:『雨の科学――雲をつかむ話』2005年5月、成山堂書店刊〕〈目次〉1 地球に降る雨のミクロな特徴第1章 雨粒の形と大きさ第2章 雨の強さと雨粒の大きさ分布第3章 雨が降る雲、降らない雲第4章 多くの雨は雪が融けたもの第5章 雨の降り方は人間活動によって変わる2 雲の組織化第6章 積乱雲の生涯第7章 生物のような積乱雲第8章 集中する豪雨第9章 人工衛星から観る雲の群第10章 地形の働きによる降雨の強化と集中3 雨の気候学第11章 気候域と雨量第12章 亜熱帯域の降雨第13章 雨のテレコネクション第14章 雨の経年変化第15章 水惑星の水問題解説 藤吉康志索引
  • 新井白石「読史余論」 現代語訳

    新井白石「読史余論」 現代語訳

    ビジネス・実用
    4.3
    1巻1,210円 (税込)
    「正徳の治」で名高い大儒学者による歴史研究の代表作。古代天皇制から、武家の発展を経て江戸幕府成立にいたる歴史を九変・五変に時代区分して論じ、徳川政権の正当性を主張する。天皇家や源頼朝、足利幕府への客観的で冷徹な評価、為政者の不徳と失政に対して天命が革まる「易姓革命」への警鐘など、実証的で先駆的な史論の現代語訳。(講談社学術文庫)
  • ある神経病者の回想録

    ある神経病者の回想録

    「神」の言葉を聞き、崩壊した世界を再生させるために女性となって「神」の子を身ごもる……そんな妄想に襲われた一人の男は、みずからの闘いを生々しく書き綴った。それは、1903年に公刊されて以来、フロイト、ラカン、カネッティ、ドゥルーズ&ガタリなど、幾多の者たちに衝撃を与え、20世紀の思想に決定的な影響を及ぼした稀代の書物である。世界を震撼させた男が残した壮絶な記録を明快な日本語で伝える決定版。(講談社学術文庫)
  • アルチュセール全哲学

    アルチュセール全哲学

    ビジネス・実用
    4.0
    1巻1,265円 (税込)
    「真空の哲学」の核心 〈認識論的切断〉とは 「認識論的切断 coupure epistemologique」とは何か。『マルクスのために』『資本論を読む』でマルクス研究を一新し、フーコー、デリダ、ブルデュー、ドゥルーズらを育てたルイ・アルチュセールは、精神的肉体的苦闘、あるいは自身の「認識論的切断」を経て、いかなる地平に到達したのか。その思想的全生涯をもれなく論じた、第一人者による決定版! 形而上学の名前で呼ばれうる西欧哲学がその可能性を出し尽くしつつある現在、この伝統的思考様式を可能にした条件と地平を露出させ、同時にそれとはまったく異質の軌道がどういうものでありうるかを、われわれは徹底的に考えることを要請されている。そのひとつの模範的思索をアルチュセールはわれわれに遺産としてのこしてくれたのである。そのバトンを受けとるのは、われわれである。――<本書より>
  • 暗号 情報セキュリティの技術と歴史

    暗号 情報セキュリティの技術と歴史

    ビジネス・実用
    3.5
    1巻968円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 ソーシャル、モバイル、クラウド、スマート……。爆発的発展を遂げる情報化社会は、有史以来、軍事・外交の「秘匿」を担った暗号の役割を、「認証」へと一変させた。情報セキュリティを担う現代暗号の特性とは? 「共通鍵暗号」「公開鍵暗号」「零知識対話証明」の数理も平易に解説。暗号の歴史と倫理、その技術基盤のすべてがわかる格好の入門書。(講談社学術文庫)
  • 暗号大全 原理とその世界

    暗号大全 原理とその世界

    ビジネス・実用
    -
    1巻1,430円 (税込)
    人間社会の構築やコミュニケーション行為における意思や情報の伝達と秘匿の必要性から発生し、時代や社会の変遷とともに発展、進化しつづけた暗号。そこには数千年におよぶ人類の叡智がこめられている--。世界や日本のさまざまな暗号の実際と理論、そして歴史的な変遷を、豊富な具体的な例を掲げ平易かつ簡潔に網羅した〈日本暗号学〉不朽の古典!
  • アーネスト・サトウの明治日本山岳記

    アーネスト・サトウの明治日本山岳記

    アーネスト・サトウの名は、幕末明治の日本に訪れたイギリスの外交官として知られている。しかしサトウが、日本の「近代登山の幕開け」に大きく寄与したことを知る人は案外少ない。本書は、サトウの登山家としての著作を抜粋・編集。富士山、日本アルプス、日光と尾瀬、吉野と熊野。描かれる明治の登山道は、現在はすでに廃れて使われなくなっていたり、逆に今もそのままの景色が読み取れるなど、興味をそそる。詳細な地図も掲載。
  • 医学の歴史

    医学の歴史

    ビジネス・実用
    3.8
    1巻1,408円 (税込)
    人類の歩みは絶えざる病との格闘であった。患者への温かい眼差しをもって治療に当たり、医療・医学の根源からの探究を志した病理学者が、人間の叡智を傾けた病気克服の道筋とそのドラマを追う。興味深い挿話、盛り沢山の引例、縦横に飛ぶ話柄。該博な知識と豊かな教養をもつ座談の名手が、洗練された名文で綴る人間味溢れる新鮮な医学史。(講談社学術文庫)
  • 生き残った帝国ビザンティン

    生き残った帝国ビザンティン

    ビジネス・実用
    4.8
    1巻1,221円 (税込)
    ローマ皇帝の改宗からコンスタンティノープル陥落まで 「奇跡の1000年」興亡史 栄華の都コンスタンティノープル、イコンに彩られた聖ソフィア教会……。興亡を繰り返すヨーロッパとアジアの境界、「文明の十字路」にあって、帝国はなぜ1000年以上も存続しえたのか。キリスト教と「偉大なローマ」の理念を守る一方、皇帝・貴族・知識人は変化にどう対応したか。ローマ皇帝の改宗から帝都陥落まで、「奇跡の1000年」を活写する。
  • イギリス紳士のユーモア

    イギリス紳士のユーモア

    山高帽にこうもり傘、優美なマナーとさりげないダンディズム。英国紳士たちの悠揚せまらぬ精神から大英帝国を彩るユーモアが生まれた。当意即妙、光る知性、グロテスクなまでにブラック、自分を笑う余裕。ジョンソン博士、イヴリン・ウォー、チャーチルほか、帝国最上の産物たる紳士の最高のユーモアを味わいつつ、英国流人生哲学の真髄にせまる。(講談社学術文庫)
  • イザベラ・バードの旅 『日本奥地紀行』を読む

    イザベラ・バードの旅 『日本奥地紀行』を読む

    日本観光文化研究所所長時代に行われた幕末・明治期の紀行文を読む講義のうち、昭和51年9月から52年3月まで全7回の『日本奥地紀行』の講義録。一英国人女性旅行家が目をとめた不思議な国「日本」の事象をきっかけに、その資料的価値、バードの視点の出色さを指摘するにとどまらず、著者自身の比類ない観察眼と聞き取り調査に裏打ちされた該博な見識が縦横無尽に紡ぎ出され、宮本民俗学の入門書ともなっている。(講談社学術文庫)
  • 意識と自己

    意識と自己

    何かを見る、聞く、触るなどによって身体的変化が生じ、情動を誘発する。この身体状態は脳内で神経的に表象され、感情の基層となる。では、感情はどのようにして「私」のものと認識されるのか。意識はそのときどのように立ち上がり、どう働くのか。ソマティック・マーカー仮説、情動と感情の理論を打ち立てた著者が解明する「感情の認識」という問題。哲学にも通じた世界的脳神経学者の名著。
  • 石の宗教

    石の宗教

    ビジネス・実用
    4.0
    1巻1,540円 (税込)
    日本人は古来、石には神霊が籠ると信じてきた。庶民は自然石を拝み、石を積み、あるいは素朴に造型して、独自の多様な石造宗教文化を育んだ。仏教以前の祈りの時代から連綿と受け継がれてきた先祖たちの等身大の飾らない信心の遺産。路傍の石が体現する宗教感情と信仰を解き明かし、埋もれていた庶民信仰の深い歴史を掘り起こす。
  • 維新暗殺秘録

    維新暗殺秘録

    ビジネス・実用
    -
    1巻1,650円 (税込)
    開国に揺れる万延元年(1860)の「桜田門外の変」から、明治4年(1871)の広沢真臣惨殺まで、暗殺事件でみる幕末維新史。 維新前夜の傑物で英雄豪傑と称される清河八郎や、肥後藩の儒学者で明治政府に出仕した横井小楠といった「大物」から、勤皇派の恨みを買って三条河原でなぶり殺された目明しの「猿(ましら)の文吉」といった弱者まで、30の事件を取り上げる。田中光顕や谷干城が語る坂本龍馬の最期、若き伊藤博文が山尾庸三とともに風説を信じて斬り捨てた相手、佐久間象山の息子が仇討ちを狙っていると聞かされた暗殺者・河上彦斎の平然ぶり、幕吏への情報漏洩が疑われて殺された絵師・冷泉為恭の妻とのロマンスと、まさに秘話の集成である。 明治33年(1900)に生まれ、故郷・土佐の歴史を中心に多くの著作をなして司馬遼太郎の信頼も厚かった著者は、「暗殺は文明と野蛮を問わず、古代から現代まで人間社会の一現象として起こる」といい、「明治維新とか、昭和維新とか、変革を呼ぶ時代に暗殺の頻度が多いことは既に歴史が証明している」という。本書はまさに「昭和維新」が叫ばれたテロの時代、昭和5年(1930)に発表され、その後、何度も版を変えて読み継がれてきた。 巻末には、100件を超える事件が並ぶ「維新暗殺史年表」。幕末維新史の研究者、一坂太郎氏が解説を執筆。 〔原本:1967年白竜社刊、1978年新人物往来社刊、1990年河出書房新社刊〕 目次 暗殺談議――序に代えて 大老 井伊直弼 土佐藩参政 吉田東洋 島田左近と宇郷玄蕃 本間精一郎 目明し 猿の文吉 平野屋寿三郎と煎餅屋半兵衛 国学者 塙次郎・鈴木重胤・中村敬宇 播州家老森主税と用人村上真輔 江州石部事件 多田帯刀と村山加寿江 千種有文家臣 賀川肇 儒学者 池内大学 清河八郎 雙樹院 如雲 大藤幽叟 大坂町奉行与力 内山彦次郎 絵師 冷泉為恭 因州藩暗殺事件 姉小路公知 佐久間象山 水戸藩士 住谷寅之介 一橋家用人 原市之進 坂本龍馬と中岡慎太郎 御陵衛士頭 伊東甲子太郎 秋月藩士 臼井亘理 パークス要撃事件 奥羽鎮撫使参謀 世良修蔵 参与 横井小楠 兵部大輔 大村益次郎 参議 広沢真臣 維新暗殺史年表 解説(一坂太郎)
  • イスラーム的 世界化時代の中で

    イスラーム的 世界化時代の中で

    ビジネス・実用
    -
    1巻1,188円 (税込)
    イスラームの基本的概念と、20世紀終盤の世界的な「イスラーム復興」の動きを社会人類学者が解説。急進的な「イスラーム主義」運動は、「近代欧米社会より遅れている」から発生した一部の特殊な勢力ではなく、1970年代以降に、近代化と近代教育を経験したムスリムによって担われてきた「イスラーム復興」の動きの中で生じてきたものだという。2000年に執筆され、その後のイスラームをめぐる動向を的確に予見した必読書。(講談社学術文庫)
  • 出雲神話

    出雲神話

    ビジネス・実用
    -
    1巻1,078円 (税込)
    国引き、八岐大蛇、国譲りなど、日本神話では最も重要な舞台であるにもかかわらず、大和朝廷に対抗したという出雲国の実態は未だ明らかになっていない。比較神話学、民俗学、宗教学、歴史学などの様々な知見からなる議論をまとめ、記紀や風土記、神賀詞などの資料を読み解き、出雲神話の虚像と実像を浮かび上がらせる最良の入門書!(解説・三浦佑之) 【本書で扱うトピック】 八岐大蛇の神話にはどのような意味があるか? なぜ、記紀と風土記の内容は、大きく異なるか? 大和朝廷と出雲国は、実際に敵対関係にあったか? なぜ、出雲は死者や他界と結びつけられてきたか? いかにして、オオクニヌシは国家的英雄神となったか? なぜ、古代出雲は宗教王国だったといえるか? 【目次】 まえがき 1 出雲神話の謎 2 二つの出雲神話 3 出雲国造家の台頭と自家の売りこみ 4 スサノオの神話 5 オオナムチの神話 6 国譲り神話と諸氏族 7 出雲土着の神々 参考文献 解説
  • 出雲神話の誕生

    出雲神話の誕生

    記紀と『風土記』の記述の相違 神話に隠された秘密を明かす 記紀神話の3分の1以上を占める出雲神話。しかしその出典たる『出雲国風土記』には、記紀とは異なる舞台、神々の美しく雄大な詩が綴られていた。それらを抹殺し、出雲国を強大な国であるかのように仕立てあげた大和朝廷の策略とは、どのようなものだったのか。国引き説話や大神の麗しい物語が、支配者によってねじまげられ、被支配者たちに受け入れられていく過程を解き明かす。 出雲の弱小国がどういう理由で神代巻の3分の1も占めるとともに、それに基づいて起こった錯覚によって、1000年もの長い間、大和朝廷に対立する強大な出雲国を、われわれに想像させてきたのであろうか。まず読者のすべての方に申したいが、これまでの出雲観のすべてを完全に拭い去って、白紙の立場で新しく出雲を見直す心がまえを持っていただきたいと思う。――<本書より>
  • 〈出雲〉という思想 近代日本の抹殺された神々

    〈出雲〉という思想 近代日本の抹殺された神々

    ビジネス・実用
    3.8
    1巻1,221円 (税込)
    明治国家における「国体」「近代天皇制」の確立は、〈伊勢〉=国家神道の勝利であった。その陰で闇に葬られたもう1つの神道・〈出雲〉。スサノヲやオホクニヌシを主宰神とするこの神学は、復古神道の流れに属しながら、なぜ抹殺されたのか。気鋭の学者が〈出雲〉という場所(トポス)をとおし、近代日本のもう1つの思想史を大胆に描く意欲作。(講談社学術文庫)
  • 伊勢神宮と出雲大社 「日本」と「天皇」の誕生

    伊勢神宮と出雲大社 「日本」と「天皇」の誕生

    こうして「日本」は形づくられた! なぜ、大和は出雲を必要としたのか? 朝日と夕日、太陽と蛇、陸と海、現世と他界― 天武・持統の大和王権を守る「両端の象徴的霊威」をになうものとして伊勢・出雲をとらえ直し、日本の起原に鋭く迫る試み。 「神とは何か」という民俗学による理論的分析の視点と、歴史学による記紀をはじめとする文献研究、考古学の発見を融合させた、新しい古代探究! 【本書の内容】 第一章 伊勢神宮の創祀 第二章 〈外部〉としての出雲 第三章 祭祀王と鎮魂祭 終 章 〈日本〉誕生への三段階 ※本書の原本は、2008年に講談社選書メチエより刊行されました。
  • 伊勢神宮と日本美

    伊勢神宮と日本美

    ビジネス・実用
    3.0
    1巻1,870円 (税込)
    節ひとつない檜材で20年ごとに建て替えられてきた伊勢神宮。その清浄で質素で力強い姿は、日本人の魂の原風景である。伊勢神宮こそが、「日本古来」の建築の原型であるとの主張がなされてきた。明治以降、国家神道となったことにより、その言説はますます強くなった。現代でさえ、古代住居の復元時に伊勢神宮にその形を求めることもある。江戸から現代に書かれた資料を徹底的に読みとき、神宮の本当の姿を解明する。(講談社学術文庫)
  • イソクラテスの修辞学校

    イソクラテスの修辞学校

    ビジネス・実用
    -
    1巻1,210円 (税込)
    イソクラテスの思想の真髄 「善き言論」は「善き思慮」のしるし 古代ギリシアの教養理念に一大潮流を形成したイソクラテス。プラトンらが教養の原理に数理諸学や哲学を置いたのに対し、彼は弁論・修辞学を対置し、教育を実践した。やがてイソクラテスを源泉とする修辞学的教養はローマ、ルネサンスと受け継がれ、遠く近世にまで多大な影響を及ぼすことになる。イソクラテスの理想と教育を生き生きと描いた好著。
  • イソップ寓話 その伝承と変容

    イソップ寓話 その伝承と変容

    動物に仮託して人間生活の諸相を描いたイソップ寓話。「兎と亀」「蟻ときりぎりす」「牛のまねをする蛙」「狐とぶどう」――西欧はもとより日本においても、これらの話を知らぬ者はいまい。では、イソップその人についてや、イソップ寓話の成立についてはどうか? 古今の文献を駆使してその成立と伝承の歴史をたどり、わが国への伝来とその変容、普及の過程を究明する。(講談社学術文庫)
  • イタリア・ルネサンス再考 花の都とアルベルティ

    イタリア・ルネサンス再考 花の都とアルベルティ

    ビジネス・実用
    -
    1巻1,155円 (税込)
    花の都フィレンツェの驚異的絶頂の世紀を描く 万能の文化人アルベルティとともに、ヨーロッパを照らした「人文主義」の光源を探る 輝かしき15世紀(クアトロ・チェント)。繁栄をきわめるメディチ家と有力家族たちが、パトロンとなって花開く芸術。贅美溢れるモノの帝国にして、聖なる雅都となったフィレンツェ。社交と祝祭、聖と俗、科学と魔術、中世と近代が渾然一体となった都市を動かしていた思想とコードとはなにか。ダ・ヴィンチをして劣等感に臍を噛ませた万能人アルベルティを通して描く新ルネサンス像。〈解説・山崎正和〉 聖ベルナルディーノの言葉「イタリアは世界でもっとも知性的な祖国、トスカーナはイタリアでもっとも知性的な地方、そしてフィレンツェはトスカーナのもっとも知性的な都市である」は、わたしの確信を代弁している。昨今では、フランスやドイツやイギリスのルネサンスを、イタリアとひとまとめにして連続的に論ずる流儀がはやりのようだけれど、あんな北方の、田舎臭い文化活動、青白く屈折した意識の覚醒を「ルネサンス」と呼んで、個人と家族と都市がスクラムを組んで絢爛たる文化を開花させたイタリアと一緒にしてほしくないものだ。――<「あとがき」より>
  • 異端審問

    異端審問

    ビジネス・実用
    4.0
    1巻1,012円 (税込)
    ――皇帝ジギスムントが宮中伯ルートヴィッヒに向かって命令する。「囚人を受け取り、よろしく異端者として扱え」。今度はルートヴィッヒがコンスタンツの帝国代官に向かって命令する。「我ら双方によって断罪されたる者としてこの者を受け取り、よろしく異端者として焼け」。――  1415年に異端として裁かれた宗教改革の先駆者、ボヘミアのヤン・フス処刑の克明な描写にはじまる本書は、中世のヨーロッパで異端審問がどのようにして生まれ、そして制度として定着していったのかを、具体的なエピソードを丁寧に積み重ねながら、当時の人々の息遣いもあざやかに描き出す。法も手続きも無視して「すべて殺せ」という13世紀の異端狩りの熱狂から、ウンベルト・エーコの小説『薔薇の名前』にも登場した、世界で最も有名な異端審問官ベルナール・ギーによって組織化・マニュアル化された14世紀の冷徹無比な異端審問を経て、15世紀末スペインでの過酷な弾圧に至る、その道のりの背後には、いかなる時代精神が見いだせるのか。  西洋中世史不朽の名著『異端カタリ派の研究』(岩波書店、1989年)の著者が、多彩な史料を駆使して知られざる中世世界への扉を開く!(原本:講談社現代新書、1996年) 【解説(轟木広太郎・ノートルダム清心女子大学准教授)より】  本書は、一三、一四世紀における異端審問の成立と制度的確立の経緯を、およそ関連するすべての種類の史料を博引旁証しながら描き切った労作である。……ヨーロッパ中世という日本人にはどこか掴みどころのない、しかしそれでいて魅惑的な個性を放つ時代の雰囲気を初学者に感得させると同時に、このテーマに興味を持つ専門家にとってもいまだ探求のヒントを数多く掘り出すことのできる鉱脈たり続けていると思う。(本書「解説」より) 【本書の内容】 第一章 薪と硫黄の匂い――異端審問とは何か 第二章 剣と火と異端者――異端審問の誕生まで 第三章 異端審問創設の頃 第四章 異端審問の制度化 第五章 審問官ベルナール・ギー 第六章 裁かれる者たち 第七章 スペインの火刑台 あとがき 参考書目抄 解説「異端審問と交差する四つの歴史の道筋」(轟木広太郎)
  • 市川團十郎代々

    市川團十郎代々

    2002年5月の十三代目市川團十郎襲名を控えて、江戸時代前期にさかのぼる市川團十郎家の歴史を、豊富な絵画資料と歌舞伎研究の第一人者の解説で読む。 歌舞伎を観ることは、役者を観ることである。そして、江戸歌舞伎の中で常に特別な位置を占め、最も大きく重い名前とランク付けされてきたのが、「市川團十郎」の名跡だった。並み居る役者の中から、まず卓越した天性と技量を持って抜け出した初代。親譲りの荒事を様式的に練り上げた二代目。「歌舞伎十八番」を公表して團十郎の名と権威を改めて確立した七代目。近代化の苦悩の中で歌舞伎界のリーダーとして縦横の活躍を見せた九代目。生来の美貌で戦後の歌舞伎を立て直した「海老さま」十一代目・・・。それぞれの時代を生きた個性豊かな十二人の團十郎を豊富な役者絵や舞台写真をまじえて活写する。「歌舞伎十八番」演目解説、團十郎デザインのいろいろ、市川團十郎家系図、関係年表も完備。巻末解説を、元国立劇場理事で十二代目と長く親交のあった織田紘二氏が執筆。〔原本:『市川團十郎代々』講談社刊、2002年〕
  • 逸翁自叙伝 阪急創業者・小林一三の回想

    逸翁自叙伝 阪急創業者・小林一三の回想

    小説・文芸
    3.5
    1巻1,540円 (税込)
    阪急電鉄の創業者、宝塚少女歌劇の生みの親として知られる小林一三銀行を辞して妻子とともに大阪に行った彼は妻子を抱えてたちまち生活に窮してしまいます。しかし、電鉄事業に将来性を見た彼は、「箕面有馬電気軌道」なる会社の専務に就任。ここから大きく運命が拓けてきます。顧客は創造するものと考えた小林は、郊外に宅地造成、割賦分譲販売、遊園地や劇場、ターミナルデパートと次々とアイディアを繰り出していく……。
  • 逸楽と飽食の古代ローマ 『トリマルキオの饗宴』を読む

    逸楽と飽食の古代ローマ 『トリマルキオの饗宴』を読む

    ビジネス・実用
    3.5
    1巻1,100円 (税込)
    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 『トリマルキオの饗宴』は、古代ローマが生んだ風刺小説の金字塔『サテュリコン』の最も有名な場面である。そこに描かれた山海の珍味と美酒、かしずく少年奴隷たち、黄金の腕輪と銀の尿瓶……解放奴隷の成金富豪が催す饗宴の一部始終を解読。厖大な文献、考古・美術資料を駆使して、繁栄を謳歌するネロ帝時代の社会と、人々の人生観を再構築する。(講談社学術文庫)
  • 伊藤博文演説集

    伊藤博文演説集

    ビジネス・実用
    -
    1巻1,430円 (税込)
    「我国旗の中央に点ぜる赤き丸形は……昇る朝日の尊き徽章(きしょう)となり……文明諸国の間に伍して前方に且(か)つ上方に動かんとす」と明治四年サンフランシスコで日本の進む途を謳い上げた「日の丸演説」。文明国たらんと憲法制定・議会開設に奔走、政党政治のあるべき姿を説き、台湾・韓国統治の意義を語って国制を彫琢した政治家・伊藤の代表的演説三九篇を収録。(講談社学術文庫)
  • 伊藤博文と明治国家形成 「宮中」の制度化と立憲制の導入

    伊藤博文と明治国家形成 「宮中」の制度化と立憲制の導入

    ビジネス・実用
    4.5
    1巻1,375円 (税込)
    【サントリー学芸賞受賞作 1992年度 思想・歴史部門】 内閣制度を創設し、明治憲法の制定に尽力したことで日本近代史にその名を刻む伊藤博文。しかし立憲制の導入のために伊藤がまずなすべきことは、天皇の権限を明らかにし、「宮中」を制度化することだった。大隈重信・井上毅ら政敵との抗争や、度重なる政治的危機を乗り越えて明治天皇の信頼を得た伊藤の、「真の業績」を論じたサントリー学芸賞受賞作。(講談社学術文庫)
  • 犬と鬼 知られざる日本の肖像

    犬と鬼 知られざる日本の肖像

    ビジネス・実用
    4.0
    1巻1,980円 (税込)
    美しい自然、練磨された文化遺産、高度な技術、優秀な教育制度……。世界をリードするような新文明を築こうとした日本は、1990年代に失速した。明治維新、敗戦を超え、「近代化」を推進してきた日本は、本質的に「近代化」で失敗した。「有能な官僚制度」に誘導された土建国家は、伝統日本を破壊してしまった。この国の問題は、慢性的・長期的なもので、日本をこよなく愛する著者が怒りと悲しみを込めて警告する。
  • イブン・ジュバイルの旅行記

    イブン・ジュバイルの旅行記

    ビジネス・実用
    3.5
    1巻1,815円 (税込)
    本書は通称「イブン・ジュバイルの旅行記」、原題「旅路での出来事に関する情報覚え書き」の全訳です。才智あふれるジュバイルが美文で綴ったこの「旅行記」は、12~13世紀にあっては優れたメッカ巡礼案内として広く読まれ、また後にはイブン・バットゥータ(14世紀)などの旅行記のお手本とされ、多くの旅行記編者が都市の記述を「借用」してきました。そして現在、中世イスラム社会の事情を知る上では欠かせない、貴重な文献となっています。  敬虔なイスラム教徒で、ムワッヒド朝のグラナダ太守に書記として仕えていたジュバイルは、太守が戯れに「酒盃七杯飲むべし」と下した厳命に抗えず、禁を犯してしまいます。それを悔いた太守が盃七杯に金貨を満たして与えると、ジュバイルは罪を償うためにその金貨を元手にメッカ巡礼に旅立ちました。キリスト教徒の巡礼者と同船してアレクサンドリアへ。メッカでは大モスクやカアバ神殿の威容に触れ、メディナからバグダッドへ。そして「東方の真珠」ダマスクスでウマイヤ大モスクに圧倒され、十字軍支配下にあったエルサレムでは、かのサラーフ・アッディーン(サラディン)の勝利の目撃談に触れる……。ベドウィンの襲撃、船の難破に遭うなど、艱難辛苦の旅を詳述した「旅行記」ですが、十字軍時代の地中海東方事情を知るための基本図書でもあります。 〈原本:『旅行記』関西大学出版部、1992年〉 【目次より】 まえがき(監訳者による) 1 グラナダ~エジプト 2 メッカ巡礼 3 聖都メッカ 4 メディナ~バグダード 5 マウシル~アレッポ 6 ダマスクス 7 アッカ 8 シチリア~アンダルス
  • イブン=ハルドゥーン

    イブン=ハルドゥーン

    ビジネス・実用
    5.0
    1巻1,485円 (税込)
    十四世紀のチュニスに生まれ、政治家として栄達と失脚を繰り返すなかで独自の「文明の学問」を拓いたイブン=ハルドゥーン。文明と王権はいかにして崩壊するのか、都会と田舎の格差はなぜ広がるのか、歴史の動因となる「連帯意識」とは――。イスラーム世界にとどまらない普遍性と警句に満ちた主著『歴史序説』の抄訳と、波瀾の生涯。(講談社学術文庫)
  • イミタチオ・クリスティ キリストにならいて

    イミタチオ・クリスティ キリストにならいて

    著者のトマス・ア・ケンピスは14世紀終盤ドイツで生まれ15世紀後半まで生きた修道士。神秘思想家として数々の著作を残している。その著作は文章のわかりやすさ、章節の短さなどから普通の庶民にとって読みやすいこと、また救いに繋がる安らぎと瞑想を誘う深みを与えてくれることから、中世以降現代まで『聖書』に次ぐ多くの読者を獲得したと言われている。 内容構成は全四巻、章としては114章を数えるが、それぞれの章は数ページからなるものが多く、どの章も深い味わいを持っている。「キリストにならい、世の空しいものを軽んずべきこと」「自身について謙遜であるべきこと」「過度の親しみを避けるべきこと」「艱難の効用について」「心配ごとはすべて神にゆだねるべきこと」「自愛が、最高善からとりわけ人を引き離すこと」「誰がいっているのかということよりも、何がいわれているかに心を用いよ」など、生き方の知恵としてキリスト教徒でない日本人の心にもひびき、参照すべき項目が多い。
  • いろはうた 日本語史へのいざない

    いろはうた 日本語史へのいざない

    いつ、誰によって、どんな目的で作られたのか。その源流は何か。どのような人たちに伝承、利用されてきたのか――。日本の言語文化史の中核であった「いろはうた」に秘められた日本語の歴史と、そこに見えてくる現代語表記の問題に迫る。日本語をめぐる知的な営為のあり方を探り、従来の国文法を超克した日本語の姿を描く、日本語史研究の古典的名著。
  • 岩波茂雄と出版文化 近代日本の教養主義

    岩波茂雄と出版文化 近代日本の教養主義

    ビジネス・実用
    3.5
    1巻792円 (税込)
    岩波茂雄が起こした岩波書店の興隆は、「学歴貴族」の栄光の時代に呼応しています。近代日本のアカデミズムは外来で急ごしらえであり、「前衛」という言葉で操作可能だと見抜いていたのが、岩波茂雄であり、日本のインテリの底の浅さを見抜いています。教育社会学者の竹内洋氏は、日本のアカデミズムのありようと出版産業の構造を、問い直し、解明します。一冊で二冊分の内容を持っています。(講談社学術文庫)
  • インドの宗教とキリスト教

    インドの宗教とキリスト教

    「キリスト教のライバルは存在するか」。『聖なるもの』(一九一七年)で知られるドイツの宗教学者ルードルフ・オットーは、ヒンドゥー教の一派、ヴィシュヌ派こそが値すると考えた。「救済」をめぐって驚くほど類似が見られる両者の徹底的な検討を通して、宗教の本質に迫る。比較宗教学の古典。  「ヌミノーゼ」と名付けられた、非合理的な神秘経験を宗教経験の本質として析出した『聖なるもの』。ルター派の敬虔なプロテスタント神学者ルードルフ・オットー(1869-1937年)による洞察は、その後ミルチャ・エリアーデやロジェ・カイヨワに引き継がれ、宗教を研究するうえで重要な柱となる「聖と俗」をめぐる研究の土台を築いた。  『聖なるもの』と同時期に研究が進められていたと考えられるのが、本書『インドの宗教とキリスト教』である。18世紀後半、英国による植民地化を通じてサンスクリット文献がもたらされたされたヨーロッパでは、『リグ・ヴェーダ』や『バガヴァッド・ギーター』など次々にそれらの翻訳がおこなわれ、ヨーロッパの起源のひとつとしてオリエントへの関心が急激に高まっていた。  そのような文脈のなかで、オットー自身も『ヴィシュヌ・ナーラーヤナ』などのサンスクリット文献の翻訳・注釈に取り組み、そしてヒンドゥー教、そのなかでも彼が「献信の宗教」と呼ぶヴィシュヌ派に、キリスト教に匹敵する救済論を見出す。ルター派とヴィシュヌ派の比較の末に見いだされる、真の救済とは―。  オットーが終生、一貫して求めたものは、「聖なるもの」の普遍的な弁証であった。ルター派という一つの神学に自らの立場を置きながら、他の神学にも心を開き、あまつさえ神学を有しない宗教体験に対しても視野を開いたオットーの独自性がいかんなく発揮されたインド宗教研究の古典にして比較宗教学の名著。(原本:『インドの神と人』人文書院、1988年)  【本書の内容】 序 第一章 キリスト教のライバル―ーインドの恩寵(恵み)の宗教 第二章 神をめぐる戦い――シャンカラとラーマーヌジャ 第三章 救済の問題ー―いかにして達成されるか 第四章 インドの恩寵の宗教とキリスト教――異なる精神、異なる救い主 結 び 補 説  一 隠れたる神と献信者の神  二 贖いと贖罪  三 本源的堕落の理念  四 同一性神秘主義の同一体験  五 神は個人的存在ではない  六 すべては恩寵から 訳者あとがき 学術文庫版あとがき
  • インド仏教思想史

    インド仏教思想史

    ビジネス・実用
    3.5
    1巻1,100円 (税込)
    古代インドの歴史と思想潮流の中に仏教は生まれた。その教義は仏教思想の中核をなしつつ、初期仏教(原始仏教)、部派仏教、大乗仏教と展開し、チベット、東南アジア、中国、日本へと広がってゆく――。仏教思想の源流であるインド仏教を歴史にそって追い、その基本思想と重要概念、諸思想の変遷を精緻に読み解く、斯界の碩学によるインド仏教思想入門。
  • ウィーン物語

    ウィーン物語

    ビジネス・実用
    3.0
    1巻968円 (税込)
    ハプスブルク家の支配のもと、血と力で600年の長きにわたり政治・経済・文化の要として欧州に君臨した、神聖ローマ帝国の都ウィーン。その都市と文化の調和はパリを羨望させた。芸術や学問にモーツァルト、クリムト、フロイト等々、数多の巨星を生んだウィーン文化の真髄を、聖堂、美術館、環状道路、カフェ、家具など都市空間に潜む感性に探る。
  • 上杉謙信

    上杉謙信

    ビジネス・実用
    -
    1巻1,265円 (税込)
    「彼は大名の座から逃げようと思えば逃げられる境遇にあった。事実一度は逃げ出した。しかし四囲の情勢から過重な大任を引き受け、進んで戦乱のなかに身を投じて行った――」。 のちに「越後の龍」、「軍神」とまで称され、戦上手の代名詞となった上杉謙信は、どのようにして歴史の表舞台に躍り出たのか。本書は、謙信の単なる一代記にとどまらず、謙信の父であり、文字通り戦いに明け暮れる生涯を送った「戦の鬼」長尾為景の下剋上を中心に、複雑な越後の政治情勢から丁寧に説き起こす。家督を継いだ謙信は、独立心旺盛な国衆の反乱や裏切りに苦しみつつも、武田信玄や、北条氏康ら戦国の雄との対陣を繰り返し、やがては織田信長をも破る強国へと越後を導いていく。その苦難の道のりは、思わず引き込まれてしまうような血の通った文章で活写される一方で、いたずらに対象を美化することなく、透徹したまなざしで戦国武将上杉謙信の実像に迫る。早逝が惜しまれる研究者による、刊行から半世紀経てもなお色褪せることのない謙信伝の古典!(原本:人物往来社、1966年) 解説(山田邦明・愛知大学教授)より ......歴史の大きな流れをどうつかみ、具体的に現れる事象をどう評価するか、個々の人間の動きや、彼らが織りなすドラマをいかに表現するか、そうしたことを考えさせてくれるものとして、活力にあふれた本書は大きな価値を持ち、光彩を放っている。
  • 浮世絵の歴史 美人絵・役者絵の世界

    浮世絵の歴史 美人絵・役者絵の世界

    ビジネス・実用
    4.0
    1巻1,155円 (税込)
    独特の魅力を放つ「浮世絵」は、いかにして生まれ、江戸期の象徴的芸術とまでなったのか? 庶民出の町絵師によって、庶民の興味を引く「美人・役者・風景」を題材にし、庶民の購買力によって支えられた浮世絵。本書は浮世絵を日本の近世から現代の美術史として通観する試みである。浮世絵とは、そもそも何だったのか――これを読めば、浮世絵のすべてがわかる、入門編にして決定版。
  • 宇治拾遺物語 上 全訳注

    宇治拾遺物語

    小説・文芸
    -
    1~2巻2,970~3,410円 (税込)
    鎌倉時代前期に成立した代表的説話集。貴族・僧などの著名人から、下級官人、侍、庶民、子供まで、登場人物が多様で世俗的傾向の強い話を集める。強力譚、報恩譚、聖譚、不思議譚、艶笑譚など世の万般を描く切れ味鋭い話の数々。本巻には「舌切り雀」「瘤取りの話」「芋がゆ」など現代に伝わる物語をはじめ百余話を収録。古本系統「伊達本」を底本として現代語訳、語釈、解説を付す。

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