作品一覧

  • 仏教の正統と異端 パーリ・コスモポリスの成立
    5.0
    1巻3,960円 (税込)
    「大乗仏教」でもなく、「上座部仏教」でもない―― サンスクリット語からパーリ語へ 「聖なる」言語の転換から描きなおす新たな仏教史 インドからスリランカ、そして東南アジアに伝わった「上座部仏教」と、日本にも伝わった「大乗仏教」という図式は近代が作りだした二分法であった。近代の分類概念を克服し、サンスクリット語とパーリ語をめぐるダイナミックなネットワークの実態から仏教史の新しい展開を切りひらく。 【主要目次】 序章 聖なる言語の国際空間 I 不在の中心 第1章 仏教に「正統と異端」はあるのか? 第2章 インド仏典の多元的伝承――部派と大乗 第3章 サンスクリット・コスモポリスの仏教 II 中心と周縁 第4章 スリランカにおける史書の誕生 第5章 パーリ語原理主義 第6章 ブッダゴーサが示す仏教の未来 III 周縁の正統 第7章 正史の王権論――「教え」と「異端」 第8章 パーリ・コスモポリスの形成 第9章 近代における「大乗仏教」と「上座部仏教」の創造 結論 神々の言葉からブッダの言葉へ
  • 完訳 ブッダチャリタ
    5.0
    1巻1,815円 (税込)
    誕生から死、遺骨の分配まで――。ゴータマ・ブッダの全生涯を、仏教詩人・アシュヴァゴーシャが美文で綴った名著『ブッダチャリタ』。1893年に出版された14章までのサンスクリットテキストに、チベット訳、漢訳を丹念に補足しながら全28章を完訳。膨大な経典も編み、仏伝資料としての価値も備えた、もっとも古く、もっとも美しい、仏教叙事詩の誕生!「原始仏典」第10巻『ブッダチャリタ』(1985年)小社刊の文庫化
  • 初期仏教 ブッダの思想をたどる
    4.2
    1巻1,056円 (税込)
    二五〇〇年前、「目覚めた者」が説いたのは、「自己」と「生」を根本から問い直し、それを通してあるべき社会を構想する思想だった。その教えは、古代インドのいかなる社会環境から生まれてきたのか。現存資料を手がかりに、口頭伝承された「ブッダの教え」に遡ることは可能か。最新の研究成果を総動員して、仏教の原初の世界をさぐる。

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ユーザーレビュー

  • 完訳 ブッダチャリタ

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    今作『ブッダチャリタ』は1~2世紀頃にインドで活躍した仏教詩人アシュヴァゴーサ(馬鳴)による仏伝です。漢訳では曇無讖によって『仏所行讃』として翻訳されています。

    現在語られるブッダの生涯の大元となったアシュヴァゴーシャの『ブッダチャリタ』。物語としても非常に面白い作品でした。

    漢訳の『仏所行讃』は私達日本仏教においても大きな影響を持っていたことでしょう。浄土真宗の開祖親鸞もこの作品を読んでブッダに思いを馳せていたのでしょうか。ロマンがありますね。

    0
    2024年08月23日
  • 仏教の正統と異端 パーリ・コスモポリスの成立

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    この本はものすごく面白いです!インド、スリランカの仏教を国際政治、内政の視点から見ていくというのはありそうであまりなかったのではないでしょうか。

    私も今年スリランカに行く予定でしたのでこれはものすごくありがたい本でした。とにかく盛りだくさんで刺激的な内容だらけです。読み始めは少し込み入った話や仏教初学者の方にとっては厳しい内容もありますが、途中からはスリランカの歴史パートに入り一気に読みやすくなります。

    これはぜひぜひおすすめしたい一冊です。いや~面白い本でした!ぜひ手に取ってみてはいかがでしょうか。

    0
    2024年08月23日
  • 初期仏教 ブッダの思想をたどる

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    この本を読んで私が一番印象に残っているのは中村元先生の説が最新の研究においては否定されているという点でした。

    もちろん、中村元先生の説く仏教が全て誤っていたというわけでは当然ないのですが、最新の研究によるならば、かつてよりも随分と違った仏教が私達の前に開かれているということになるでしょう。中村元先生の説といえども無批判に受け取ることはできないということにハッとする思いになりました。と同時に学問はこうして進んでいくのだとしみじみする気持ちにもなりました。

    他にも、この本では最新の研究をふまえて、当時のインド社会とブッダの関係を見ていくことができます。後半ではブッダの思想そのものも解説されます

    0
    2024年08月23日
  • 初期仏教 ブッダの思想をたどる

    Posted by ブクログ

    【ブッダって比喩の天才】

    初期仏教の考え方が、とても簡潔に新書でまとまっています。

    まず、インド人ブッダの考えは、情緒的な日本人から見ると、物凄い構成力を感じました。西洋から見ると同じ東洋でも、全然違います。

    また、当時の他の宗教の、「アートマン」やら「業物質」などその存在が分からない仮定を取り除き合理的に考えたのがブッダだと思いました。

    「私は美しい女性を愛している」と言いながらその女性について容姿も知らない男のようだ、というブッダの発言には納得できます。


    最後に、「心の平静」を得るために、役に立たないことはバッサリ切り捨てです。

    「毒矢を射られた時、どんな容姿の誰が何の目的で

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    2020年08月10日
  • 初期仏教 ブッダの思想をたどる

    Posted by ブクログ

    仏教が出来た古代インドの背景から始まって、ブッダの教えを記録した仏典などを参照しながら、初期仏教のエッセンスをまとめている.聞きなれない言葉が頻出して読み直しながら把握してきたが、要点はp208に出てきた.曰く、四聖諦(ししょうたい)とは、「四つの、高貴な者たちにとっての真実」である.「五つの執着要素は苦である」(五取薀苦)ことが「苦という、高貴な者たちにとっての真実」(苦聖諦)であり、「再度の生存へみちびく渇望」が「苦の原因という、高貴な者たちにとっての真実」(苦集聖諦)である.「再度の生存へみちびく渇望の停止」が「苦の停止という、高貴な者たちにとっての真実」(苦k滅聖諦)であり、「八聖道」

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    2020年07月24日

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