鎌田茂雄の作品一覧
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ユーザーレビュー
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五輪書は、不敗の書である。
二十八まで、六十余回勝負したが、一度も負けなかった。
武蔵はそれを、たまたま理にかなっていたか、相手が弱かったに過ぎないと言い切っている。
そして、後半生をかけて、武道と向き合い、その奥義を、「五輪書」としてまとめ上げて、肥後細川家に奉じた。
五輪とは、仏教で、地、水、
...続きを読む火、風、空。仏教が万物を構成する要素(元素)を表しています。仏塔になどにも五輪の塔といい、仏教の世界観を表しています。
つまり、武蔵は、武道のあまねく世界の神髄として、五輪書を世に残しています。
ちなみに、儒教の言う、五行とは、木・火・土・金・水です。
その本質は、次のとおりです。
①徹底した実利主義と合理主義 敵を切ること以外の不要なものを一切排除する姿勢
②朝鍛夕錬 一歩一歩、稽古を積むことにより道の深奥を体得する姿勢 千日の稽古を鍛といい、万日の稽古を錬という。
③自らの力のみをたのみとする独行の姿勢
④仏法儒道の古道をもからず 自らが認識した事実のみを用いる姿勢
気になったのは以下です。
■地之巻
・神仏を頼まず
・朝鍛夕錬
・万事のおいて、我に師匠なし
・道を行う法則
①実直な正しい道を思う
②鍛錬すること
③広く多芸に触れる
④広く多くの職能の道を知る
⑤物事の利害損失を知る
⑥あらゆることについて、直実を見分ける
⑦目にみえないところを悟る
⑧わずかなことにも気を配る
⑨役に立たないことはしない
■水之巻
・不動な心、平常な心を保つ
・千里の道も一歩づつ運ぶ。
・ゆっくりと気長に取り組み、修業を続ける。
■火之巻
・太陽を後ろにして構える。できなければ、右の脇に太陽を置くようにする。
・「敵になる」ということは、わが身を敵の身になりかわって考えるということをいう。
・同じことを二度繰り返すのは仕方ないが、三度してはならない。
■風之巻
・他流の道を知ることがなければ、道を究めることはできない。
・芸によっては、極意秘伝といって奥義に通じる入口はあるが、いざ敵と打ち合うときになれば、表で戦い、裏で切るなどというものでない。
・人に教える場合は、その人の技量に応じて、早くできそうなところからまず習わせ、早く理解できるような道理を先に教え、理解しがたい道理については、その人の理解力の進んできたころあいにしたがって次第に深い道理を教えていく。
・我が兵法にあたっては、何をかくし、何をおおやけにすることなどあるであろうか。したがって、我が流儀を伝えるには、誓紙や罰文といったものは用いない。
■空之巻
・空とは兵法の極意である。
・空とは、きまった形がないということ、形を知ることができないものを空とみるのである。もちろん空とは何もないことである。
・一切の迷いがなくなった空こそが兵法の究極であり、兵法の道を朝鍛夕錬することよって、空の境地に到達できるのである。
・空というものには、善のみがあって、悪はない
目次
はじがき
「五輪書」を読むにあたって
地之巻
水之巻
火之巻
風之巻
空之巻
兵法三十五箇条
独行道
ISBN:9784061587359
出版社:講談社
判型:文庫
ページ数:264ページ
定価:1050円(本体)
発行年月日:2009年04月15日第55刷
Posted by ブクログ
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本書は大きく3部構成からなっています。1部は宮坂氏による空海および真言密教の解説。2部は宮坂氏と梅原氏の対談。そして第3部が梅原氏の論考です。対談が読みやすいというのもありますが、全体を通して、難しすぎず易しすぎずというレベルに書かれていて非常に好感が持てました。確かにいきなり本書から密教の勉強をは
...続きを読むじめようとすると厳しいかもしれませんが、例えば『密教』松永有慶、などを読んだ後であれば、十分読み進めます。レベルが低すぎることもなく、かなり難しい用語も適宜解説を加えながら述べられています。梅原氏の論考がある分、他の密教関係の本よりも独特な解釈があったり、西洋哲学との比較があったりと、興味深く読みました。タイトルに「生命の海」とあるように、真言密教を生命礼賛の教義として解説されています。
Posted by ブクログ
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鎌倉祖師たちの基となった天台教学を少しでも知りたくて読んだ。日本天台はほぼ智顗の直輸入らしく、知りたかった最澄の生涯についてはあまり触れられていない。ただ、やはり一向大乗戒壇設立については大きな功績として強調されていた。
智顗の教相判釈、法華経の構成や内容、華厳との違いが第一章で詳しく説明されて
...続きを読むいて勉強になる。
一見すると脇道にそれていくように思える西洋哲学、キリスト教、生物学、物理学などの話も、結局は天台思想に繋がっていく。これも「多即一」を表している?と思いながら興味深く読んだ。
Posted by ブクログ
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最高に面白かった
因果律であるところの「縁」を説く釈迦が
なぜ「無常」や「無我」などの因果を否定する
ようなことを話すのか………
その理解がとても深まった
後編でとても心に残るのは
ヤスパースが仏教学者に質問するシーン
オリエンタリズムがあるのは
むしろ西洋に憧れた東洋人にこそ
根強いのでは
...続きを読むないかと思わされる
Posted by ブクログ
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日蓮について最初に読む本であるとは思わないが、独自な視点がいくつかあり、必読文献である。
紀野一義は日蓮の人物像と信仰の本質を突く。
紀野に比べて、全体的にオーソドックスな梅原猛だが、日蓮の歴史哲学について触れる部分は独自性がある。日蓮は陰がないという指摘も意義深い。
昭和44年の著作なので、事
...続きを読む実関係はいくつか修正が必要な本。
・中世の祖師の蒸発時代の存在
・日蓮の意識の中で神々の存在は大きい
・日蓮は生涯の大事のとき、いつもひとりになろうとした
・「死して候はば、必ず各々をもたすけたてまつるべし」
・千日尼という名前は日蓮の命名
・「日本一のえせもの」
Posted by ブクログ
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