集英社新書作品一覧

  • ヤング中高年 人生100年時代のメンタルヘルス
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    まだまだ若いと時代に抗う“ヤング中高年”。 彼らのこころが危ない 人生100年時代、世間では50~60代はまだまだ「若い」と言われる。 この年代は、職場では第一線として働き続ける一方で、さまざまなハラスメントに配慮しながら難しい管理業務も こなさなければならない。 日に日に感じる体力とモチベーションの低下……。 そして仕事を離れても、家庭では介護問題やローンなどの金銭的負担が伸し掛かる。 このように、まだ若いと時代に抗う“ヤング中高年”は、公私ともにストレスを抱え、こころを病んでしまう人が多い。 本書では、彼らのメンタルを守りポジティブに生きる方法を、日本のメンタルヘルス予防研究の第一人者が詳細に紹介する。 (本文より) 世間では、人生100年時代、50~60代はまだまだ若いと言われていますが、この年代では体力・気力が低下するだけでなく、こころをともに「病む」人が多くなっています。 仕事への動機づけも高く、自分はまだ「できる」と感じている一方で、部下を持ち、難しい管理業務をこなさなければなりません。 また、介護や家庭の問題、ローンなどの金銭的負担ものしかかり、公私ともにストレスを抱える人が増えています。 本書では、そんなヤング中高年のこころを守り、ポジティブに生きる術を教授するつもりです。 自分のことを知り、自分のメンタルヘルスをよくすることと併せて、自分とつながる他者のメンタルヘルスをよくする方法も知り、日常生活に活かしていただきたい、これが私の望みです。
  • スコットランド全史 「運命の石」とナショナリズム
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    【たったひとつの『石』が歴史を変えた】 スコットランドのエディンバラ城に宝物として収められている「運命の石」。 この石は、ブリテン島北部がスコットランドと呼ばれるようになる以前から存在しており、その地域を治める王たちの戴冠の儀式に用いられてきた。 本書では、スコットランド人が信じてきた「運命の石」の伝説を辿ることで、ブリテン島北部がスコットランド王国と呼ばれるまでの苦難や、イングランドの侵略と独立戦争、そして現代の独立運動の高まりまで、スコットランドの歴史を通覧する。 【推薦】 佐藤賢一氏(作家) 「運命の石、ブルース、メアリ、ジェームズ一世――キーワードでスコットランド史がよくわかる。」
  • 私たちが声を上げるとき アメリカを変えた10の問い
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    軽んじられ、遮られ、虐げられた者たちが立ち上がったとき、社会の何が変わり、歴史はどう動いたのか――。 BLM運動や#MeToo運動など、不条理に抗う波が次々と生まれている近年のアメリカ。 全世界的に広がるこれらの動きの原点には、勇気をもって声を上げた女性たちの軌跡があった。 本書では、アメリカ現代史に刻まれた10の“瞬間”を取り上げ、「声を上げる」ことで何が起きたのか、今の私たちに問われていることは何かを、5人の女性アメリカ研究者が連帯しながら分析・論考する。 ローザ・パークスからルース・ベイダー・ギンズバーグ、大坂なおみにいたるまで、彼女たちの言動の背景、状況、影響について知り、社会と歴史を変えた信念に学び、世界に蔓延する差別や不正義を他人事ではなく当事者として捉えるための一冊。 【著者プロフィール】 和泉真澄(いずみ ますみ)同志社大学教授。著書に『日系カナダ人の移動と運動』ほか 坂下史子(さかした ふみこ)立命館大学教授。著書に『よくわかるアメリカ史』(共編著)ほか 土屋和代(つちや かずよ)東京大学大学院准教授。著書にReinventing Citizenshipほか 三牧聖子(みまき せいこ)同志社大学大学院准教授。著書に『戦争違法化運動の時代』ほか 吉原真里(よしはら まり)ハワイ大学教授。著書に『ドット・コム・ラヴァーズ』ほか
  • コロナとWHO 感染症対策の「司令塔」は機能したか
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    感染症対策の世界的な司令塔であるWHO(世界保健機関)は、2019年12月31日の「第一報」から現在に至るまで、新型コロナウイルスに対して的確な対応をとってきたのだろうか? WHOが「人から人」への感染を認めて国際緊急事態を宣言したのは2020年1月30日。 なぜこんなに時間がかかったのか? ジュネーブ駐在時にWHO取材を担当し、その内情に通じる著者が「初動」について詳細に検討し、感染拡大の節目における判断の経緯、国際的なワクチン供給体制をどうやって確立したのかなど、WHOの施策を緻密に検証。 また、私たちの命と健康に密接に関係する国際保健体制の現状についても解説する。
  • 原子の力を解放せよ 戦争に翻弄された核物理学者たち
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    心震わす3人の若者の感動の青春群像。『映画 太陽の子』の背景となった事実に迫る! 太平洋戦争開戦直後、アメリカ軍の上層部にはある疑問があった。それは日本の“原爆開発”。終戦後、その実態を明らかにするため、アメリカは調査団を派遣し、大戦中の日本の核開発の実態を調べた。しかし、その調査結果は機密扱いとなり、長い間、すべてが謎に包まれてきた。NHK取材班は、当時の関係者や歴史家の取材を通じ、アメリカに没収され、戦後埋もれていた歴史的資料を発掘し検証した。そこから、激化する戦争の波に巻き込まれていった核物理学者たちの姿が見えてきた。本書では、知られざる京都帝国大学による原爆研究の真相に迫り、科学研究の「原罪」について考える。
  • 原子力の精神史 ――〈核〉と日本の現在地
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    日本は「核兵器のない世界」を望んでいるだろうか。原発などの「核エネルギーのない社会」を本当に目指していると言えるだろうか。本書は広島への原爆投下から3・11以後の現在に至るまでを歴史的・思想史的にたどりながら、安全保障の前提としてアメリカの核兵器に依存し、政治・経済上の要請から原発と核燃料サイクルを維持するという、核エネルギーを利用するシステムがいかに日本社会に根を下ろしているかを明らかにする。そこから浮かび上がる〈核〉と日本の現在地とは?
  • 中国法 「依法治国」の公法と私法
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    中国法を理解することは、対中ビジネスを行ううえで不可欠なものである。認識の不十分さが深刻な事態を招いた事例は枚挙にいとまがない。そもそも中国法は、私法(物権法や契約法などの民法)と公法(憲法や刑事法など)とでまったく様相が異なる。例えば、経済の円滑な遂行を保証する中国契約法は、国際的な契約立法を取り入れた先進的な法である一方、憲法は立憲主義憲法とはまったく類型を異にしており、市民の精神的、身体的自由に対する公権力の容赦なき弾圧と拷問による自白強要が普遍化している。なぜ中国法はこのように複雑な相貌を有するのか。具体的な裁判例に即して、その謎を解いていく。事例で読み解く中国の国家原理。【主な内容】中国にはまともな法律などあるはずがないという先入観/法律認識のギャップがもたらした「尖閣諸島国有化問題」/中国契約法は国際的な契約立法を取り入れている/契約紛争案件に見える民衆と裁判所の距離の近さ/中国では約定こそ原則/日本企業の法務部の中国法分析の不十分さ/先進的民法に生き続ける伝統的な法思想/検察、法院に圧倒的優位に立つ公安権力/市民の表現活動に「切り込んでいく」中国憲法/拷問の禁止と中国法/裏の法
  • 谷崎潤一郎 性慾と文学
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    谷崎文学の神髄、性と愛の交響。谷崎潤一郎は「無思想の作家」と称されていた。階級闘争を標榜したプロレタリア文学が隆盛をきわめた時代も、戦時体制のもとに民族主義的な思潮が台頭した時代も、谷崎は魅惑的な女性の美しさを描くためだけに命をささげ作品を紡いだ。誰しも政治、実業、学問などで身を立てることを願った、明治という立身出世の時代にあって、なぜ谷崎は社会の変革などよりも官能の充足の方がもっと大切だという人生観を抱くようになったのか。谷崎研究の第一人者が、その人生と作品群を詳細に検証する。
  • 「井上ひさし」を読む 人生を肯定するまなざし
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    【戦後日本社会の抱えてきた問題、実に大きい問題が、たとえば天皇の戦争責任が問いかけられている――大江健三郎】【東日本大震災で私たち劇作家が何より痛感したのは、井上ひさしさんの不在なんです――平田オリザ】【井上ひさしが生きていたら、その目には、この日本の状況がどう映っていただろう。――没後10年。いまこそ読み直したい、井上ひさしの文学。】大人気テレビ番組「ひょっこりひょうたん島」の脚本をはじめ、岸田國士戯曲賞を受賞した『道元の冒険』、直木賞受賞作となった『手鎖心中』、さらには日本SF大賞や読売文学賞に輝いたベストセラー小説『吉里吉里人』など、多彩な活躍を見せた作家・井上ひさし。本書は、井上に共鳴する人々が、生前の交流を明かしながら、その作品を論じる初の論考集。井上に刺激を受けながら創作活動を行ってきたと明かす作家・大江健三郎をはじめ、国内外から評価の高い劇作家・平田オリザなど、錚々たる創作者がそのメッセージを読み解く。
  • 五輪スタジアム 「祭りの後」に何が残るのか
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    祭りが終わった後、巨大施設はどうなるのか? 誇らしい「遺産」として残るのか、それとも、使い道のない「廃墟」になってしまうのか。二〇二〇年東京五輪の終了後に残されるのは「施設の後利用」という困難な課題である。著者はハーバード、オックスフォード留学時に「五輪スタジアムの維持・運営」を研究テーマとし、一九七二年ミュンヘン大会以降の夏季五輪開催地について、メインスタジアムの「五輪後」の稼働状況、運営形態、維持費の実態等について調査を行った。世界中の五輪開催都市が巨大スタジアムの扱いに苦闘している現状を具体的に明らかにするとともに、新国立競技場をめぐる東京の近未来について提言を行う。【主な内容】○「建て替えできない」スタジアムの生存戦略(1972ミュンヘン) ○30年間の「空き家」が企業オフィスに変貌(1976モントリオール) ○固く門が閉ざされた巨大スタジアム(1980モスクワ) ○築90年の「遺産」を大学が引き受けた(1984ロサンゼルス) ○7万の観客席で観衆1000人のホームゲーム(1988ソウル) ○バルセロナ再生の落ちこぼれ(1992バルセロナ) ○球団に逃げられたスタジアム(1996アトランタ) ○政府が買い戻して大改修に着手(2000シドニー) ○そして「廃墟」だけが残った(2004アテネ) ○商業化は頓挫し、維持費は観光客頼み(2008北京) ○建設費は602億円、改修費は452億円(2012ロンドン) ○公共料金も払えないスタジアム(2016リオデジャネイロ) ○そして、新国立競技場
  • 最新研究が明らかにした衝撃の事実 スマホが脳を「破壊」する
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    あのベストセラー『スマホが学力を破壊する』の続編が誕生! 最新の研究成果が明らかにしたのは、「スマホを使うと脳の発達が止まる」という驚愕の事実だった! 2018年に刊行された『スマホが学力を破壊する』は、仙台市で実施された大規模調査の結果を基に、スマホの使用時間に応じて子ども達の学力が低下しているという事実を提示して大きな話題を呼んだ。 また、アプリの使用状況と学力の関係についても分析をし、特定のアプリが成績に著しい悪影響を与えていること、使用アプリの数が多いほど子ども達は学習に集中できておらず、脳のリソースが削がれてしまっていることなども明らかにした。 それでは、スマホを長時間使用したことで成績が低下してしまった子ども達の脳には、いったい何が起こっているのだろうか? 本書では、このような疑問に基づいて行われた新たな調査の結果を踏まえ、『スマホが学力を破壊する』刊行以降に判明した事実についてまとめた一冊である。 結論から言えば、スマホの過度の使用は単に学力を低下させるだけではなく、子ども達の脳の発達そのものを阻害し、器質的な変化を生じさせていることがわかった。しかも、子どもだけでなく大人達の脳にも深刻な影響を及ぼしていることが推測されるのだ。 スマホ使用の知られざる真のリスクとはいったい何なのか。そして、我々は今後、どのようにスマホと付き合っていけば良いのか。本書はこれらの問題を考える上での必読書だと言えるだろう。
  • 人生にとって挫折とは何か
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    女性トップアナウンサーからフリーのキャスターへ転身、文筆活動ではベストセラーを上梓。常勝街道を突き進んで来たかに見える人生は、しかし挫折の繰り返しであった……。失意、諦め、後悔。挫折に伴う痛みと無縁の者はいない。苦い思いは後を引き、老いてなお人生の後ろ髪を引く……。人生の終盤まで誰もが引きずりがちな挫折を克服し人生の彩りへと昇華する、著者ならではの極上の哲学を披歴する。
  • 都市は文化でよみがえる
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    文化(アート)は都市再生に多大な影響を与えるものである。しかし、アート単独、特に現代アートによる地域復興には限界がある。アトラクティブな美術館の建設やアートイベントは一時的な集客であり、その地に住む人々にとって真に魅力的な地域となるかは別問題だ。都市の再生や復興は、もともとそこにある文化や歴史、人々の営みを無視して成すことはできない。本書では、金沢、岡山・瀬戸内エリア、前橋、大阪、ヨーロッパ、香港など、国内外のケースを参考にしながら、アートと都市の関係性を考える。現代美術家の会田誠、フランスの元文化大臣ジャック・ラングとの対談も収録。
  • 自己検証・危険地報道
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    3年4カ月の拘束から得た「教訓」とは? シリアで3年4カ月にわたって拘束された安田純平。本書は、安田と、彼の救出をめぐって苦悩したジャーナリストたちが、このような事態で何をすべきだったか、家族やメディアへの対応は適切だったか、そして、ジャーナリストの仕事について政府や社会にどう訴えていけばいいのか……など、危険地報道をめぐる課題について「本音で」討議した自己検証本である。安田本人による、2002年のアフガニスタンから15年のシリアに至る取材活動の「総括」も収録。◆危険地の現場を取材することの意義は本書でも多くの執筆者が触れており、言を俟ちません。具体的に実行するにあたって、今回の私や家族が経験したものが役に立ち、危険地においてよい仕事をする人が増えていってくれたらありがたいです。――安田純平(本文より)
  • 地震予測は進化する! 「ミニプレート」理論と地殻変動
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    熊本地震を解析して得た「新発見」とは? 東日本大震災以降も、日本各地に大きな地震が頻発している。しかも、熊本、大阪北部、北海道東部など、発生地はランダムだ。だが、政府や地震学者は「南海トラフ」「首都直下」など特定の地震だけを対象にして「●年以内の発生確率は●%」という占いレベルの警告を発するだけである。いま求められているのは、「根拠と実効性のある地震予測技術」の確立だ。有料会員約5万人の「MEGA地震予測」を毎週発信する著者が、近年の画期的な研究成果を世に問う!
  • 本当はこわい排尿障害
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    その陰部の痒み、排尿障害かもしれません! わが国の人口の約10%、中高年に限って言えば約半数が何らかの「排尿障害」を抱えている、と著者の高橋知宏医師は言う。しかもその症状は、 頻尿や尿漏れ、排尿時の痛み、残尿といったものにとどまらない。慢性膀胱炎や慢性前立腺炎、デリケートゾーンの痒み・痛み・痺れ、一見、排尿とは無関係に思える胃痛や腰痛、坐骨神経痛、下痢症、尿臭過剰、顔の痒み、めまい、ドライアイ……などなど多岐にわたるというのだ。問題はこの現実が一般にほとんど認知されていないこと。「膀胱の出口が十分に開かない」ことに着目した治療により、全国から「シモの悩み」を抱えた患者が訪れるこの道40年の泌尿器科医が、排尿障害の驚くべき症例と治療経験を紹介。膀胱と排尿トラブルの知られざるメカニズムを解説した、排尿に違和感のあるすべての人に贈る一冊。 【目次】はじめに/第1章 デリケートゾーンが痒い!/第2章 排尿障害の治療に挑む/第3章 膀胱は不思議な臓器/第4章 初めての学会発表/第5章 すべて排尿障害が原因だった/第6章 前立腺と排尿障害/おわりに
  • 国権と民権 人物で読み解く 平成「自民党」30年史
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    「安倍一強」により分断され、混迷を極める日本の政治情勢。排他的で、反知性的ともいえる自民党政治を解きほぐすのに、もはや「保守とリベラル」などというレッテル貼りは用をなさないだろう。いま本当に必要なのは、より深い歴史性と日本の政治風土を孕んだ「国権と民権」という概念ではないだろうか。長年、朝日新聞の政治記者として厳しい政治の現場に立ち会ってきた政治コラムニスト・早野透と、国権の横暴に異を唱え続ける評論家・佐高信という、政界の裏表を知り尽す二人が、国家と民衆が真摯に対峙した自由民権運動以来の日本政治の本質に立ち返り、民権派が次第に零落し、国権派に牛耳られた平成「自民党」政治の30年を顧みる。自民党内で民権意識のあった加藤紘一を筆頭に、小沢一郎、田中秀征、山崎拓らが目指し、果たし得なかったものとは何か。安倍自民の「暴政」を乗り越え、民権派を再生することは可能か。二人の対論から、そのヒントを探る。 【目次】まえがき 佐高 信/第一章 加藤紘一の死/第二章 民権派の人間観/第三章 田中秀征の「民権思想」/第四章 山崎 拓の「国権的民権」/第五章 小沢一郎の「革命」/第六章 民とは誰か?/あとがき 早野 透
  • タンゴと日本人
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    19世紀末、アルゼンチンの首都ブエノスアイレスの場末の酒場で生まれたタンゴは、20世紀初頭、パリ に渡って洗練されるや、瞬く間にヨーロッパ中に広まった。昭和の始まりと共に日本にも上陸。最先端のダンスや音楽は熱く支持され、そのエッセンスは歌謡曲や演歌にも次々と吸収された。戦後、そんな時代が確かにあった。90年代後半、ピアソラの登場で世界的にブームは再燃。だがそれもつかの間、謎めいた香気を残し、タンゴは表舞台から姿を消した。タンゴは、どこに消えたのか。タンゴ出生の秘密と日本との不思議な縁をひもときながら、今なお見え隠れする魅惑的な後ろ姿に迫る。 【目次】はじめに なぜ日本人は「タンゴ好き」といわれるのか/第1章 タンゴの起源と日本への到来/第2章 日本のタンゴを育てた場所と仕組み/第3章 日本のタンゴの発展を牽引した仕事人たち/第4章 タンゴと日本の歌謡曲/第5章 これでよかったのか、日本人のタンゴの愛し方/おわりに タンゴは甦るのか/あとがき/参考文献
  • 戦後と災後の間 ――溶融するメディアと社会
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    フクシマ、トランプ、東京五輪問題に、パナマ文書、ポケモンGOのブーム、公文書管理の闇、そして日常に迫るテロリズム……。近年起きた無数の出来事が示すのは、メディアと社会の溶融である。本書では、東日本大震災後という意味での「災後」の2010年代に足場を置き、安倍政権とほぼ重なる「災後」の近景、それを1990年代半ばからの変化として捉える中景、さらに戦後日本、なかでも70年代頃からの歴史に位置づける遠景の三重の焦点距離を通して戦後と災後の間を考察。未来への展望を示す。 【目次】プロローグ/第一章 記憶の災後――情報は誰のものか 二〇一三年四月~一二月/第二章 縮む「戦争」と「日常」の距離 二〇一四年一月~一二月/第三章 対話を封殺する言葉――「イスラム国」と日米同盟 二〇一五年一月~一二月/第四章 仮想のグローバルディストピア 二〇一六年一月~一二月/第五章 ポスト真実化する社会のなかで 二〇一七年一月~二〇一八年三月/エピローグ/年表 2013年~18年に起きた主な出来事
  • よみがえる戦時体制 治安体制の歴史と現在
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    2017年に成立、施行された「テロ等準備罪」こと共謀罪法。共謀の判断基準も曖昧で、治安維持法との類似を指摘する識者も多いこの法はすでに動き出している。シーレーン防衛等の従来の動き、集団的自衛権をめぐる解釈改憲、特定秘密保護法等と合わせて考えれば、国益を追求する一方で、「テロ防止」「治安維持」を口実に反対する者を監視、抑圧する「戦争ができる警察国家」ともいうべき治安体制がよみがえっている。国家の暴力装置たる警備公安警察等の権力の恣意的な運用を抑止、是正するために必要なのは何か。戦前の治安維持法、特高警察など治安体制の専門家が戦時体制の歴史をふまえ、現状分析したのが本書である。 【目次】はじめに 「来るべき戦争準備」に抗するために/第一章 戦時体制の形成と確立――どのように日本は戦時体制を作っていったのか/第二章 戦時体制の展開と崩壊――どのように治安体制はアジア太平洋戦争を可能としたのか/第三章 戦後治安体制の確立と低調化――速やかな復活にもかかわらず「戦前の再来」とならなかったこと/第四章 長い「戦後」から新たな「戦前」へ――どのように現代日本は新たな戦時体制を形成してきたのか/第五章 「積極的平和主義」下の治安法制厳重化――新たな戦時体制形成の最終段階へ/おわりに 再び多喜二に学ぶ/あとがき
  • シリーズ<本と日本史>(2) 遣唐使と外交神話『吉備大臣入唐絵巻』を読む
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    <本と日本史>は「本」のあり方から各時代の文化や社会の姿を捉え、当時の世界観・価値観の実態を考察する歴史シリーズ。第二巻の本書が扱うテーマは「遣唐使」である。だが実証的な遣唐使ではない。12世紀末から13世紀初頭にかけて制作された『吉備大臣入唐絵巻』を中心に、19世紀にまで連なる後代に仮構された遣唐使<像>を検討する。大国への対抗意識や異国・異境への尽きぬ思いが託された幻想の中の遣唐使は、日本の劣等感と優越感がないまぜになった東アジア文化交流の象徴でもあった。そして今なお、時代を超えた国際関係のあり方を探る拠り所として、複眼的な視点を提供し続けるのである。 【目次】まえがき/第一章 吉備真備――人物と文物/第二章 『江談抄』を読み解く――絵巻への道/第三章 『吉備大臣入唐絵巻』の形成と世界/第四章 遣唐使の神話と伝説/終章 東アジアの回路へ/あとがき/参考文献
  • 「東北のハワイ」は、なぜV字回復したのか スパリゾートハワイアンズの奇跡
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    「東北のハワイ」をコンセプトにする福島県いわき市「スパリゾートハワイアンズ」は、年間利用客150万人の人気施設として順調な経営を続けていたが、東日本大震災の影響で2011年度の利用客は37万人に激減。しかし、震災翌年度に140万人に回復し、2013年度は150万人を超えた。東北の「復興」が途上の中、なぜ短期間でV字回復を達成したのか? 緻密な取材でその秘密を解き明かすとともに、創業時にまで遡って逞しい企業風土の遺伝子を掘り起こす。 【目次】はじめに/常磐ハワイアンセンター・スパリゾートハワイアンズの入場者数推移/第一章 三・一一からのV字回復/第二章 創業者の経営哲学/第三章 追い風と逆風/第四章 東北復興の未来戦略/第五章 「生き延びる企業」とは?/終章 「進化した一山一家」を目指して/おわりに
  • 人工知能時代を<善く生きる>技術
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    いつでも・どこでも・何でも・誰でもネットに接続され、日々、膨大な量の情報が交わされている。これを人工知能で分析することで近未来を予測し、適切な対応を講じる「あたらしい技術」の導入が進む。この技術は生活を便利にする一方で、終わらない仕事を増やし、人間関係に疲れる世の中に変えていく。本書では、技術と人間の関係を根本から問い直し、近代が前提としてきた人間中心主義を批判しながら、「技術による解放論」のビジョンを示すことで、いかに<善く生きる>かを問う! 【目次】はじめに/序章 私たちを揺るがす「あたらしい技術」/第一章 魂を支配するテクノロジー/第二章 それでも、つながらずにはいられない/第三章 人間と「あたらしい技術」は共存できるのか/第四章 <善く生きる>技術/第五章 失うことで未来は開ける/おわりに/主要参考文献
  • 列島縦断 「幻の名城」を訪ねて
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    本書が扱うのは、何層もの天守閣がそびえる「国宝の名城」ではない。見事な構造を備えながらも朽ちていき、今は遺構を残すのみの場所だ。しかし、縄張を思い浮かべながら城址を歩けば、「ここで攻撃隊は足止めを受け、矢や鉄砲を雨あられのように食らっただろう」と、攻防戦が想像できる。悲劇の場に立てば、彼らが最期に見た景色に思いを馳せることになる。廃墟となったかに見える場所も、雄弁に歴史の記憶を語るのだ。鉄筋コンクリート造りの、観光客だらけの城では満足できない人へ贈る、全国の名城48選。【目次】はじめに/「幻の名城」地図/第一章 これぞ幻の名城――石垣と土塁が語る戦いと栄華の址/第二章 大東京で探す「幻の名城」/第三章 櫓や石垣、堀の向こうに在りし日の雄姿が浮かぶ/第四章 再建、再興された天守や館に往時を偲ぶ/第五章 古城の風格をいまに伝える名城/第六章 北の砦チャシ、南の城グスクの歴史/巻末資料 日本の「城」とは何か/あとがき/参考資料
  • シリーズ<本と日本史>(4) 宣教師と『太平記』
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    <本と日本史>は各時代を代表する「本」のあり方から当時の文化や社会の姿を考え、その時代における世界観・価値観の成立を考察する歴史シリーズである。本書が扱うのは、宣教師と『太平記』の意外な関係だ。南北朝~室町期の武士の生きざまを描いた『太平記』は、戦国時代最大のベストセラーであり、数々の武将たちに愛好されていた。だからこそ、宣教師もこの作品を「日本を知るための最高の教科書」とみなして、必死に読み解こうとしたのであった。『太平記』と宣教師との接点に注目することで戦国時代に生きた人々の心性に迫ろうとする画期的論考。【目次】まえがき――宣教師の注目した『太平記』/第一章 中世びとの『太平記』/第二章 『太平記』と日本人の心性/第三章 『太平記』と歴史/第四章 記憶の場「日本」/終章 国家と未来/あとがき/参考文献
  • イスラーム入門 文明の共存を考えるための99の扉
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    イスラーム教徒(ムスリム)が少ない日本では、その教え自体になじみが薄い。よくわからない一方で、日々の報道を通じ中東の戦争や、欧州のテロ事件、難民といった言葉でイスラームのイメージが形作られています。世界のムスリムの人口が16億人を超えると言われる今、無益な文明の衝突を減らすには、相手のロジックを知り考えることが何よりも大切なはずです。本書は、日本人イスラーム法学者が、「ムハンマド」「スンナ派」など、99のトピックでイスラームの教えと歴史をやさしく概説し、その多様性と共存への可能性へと目を開く一冊です。【目次】序 理解はできないけれども共存するために知っておくべきイスラームのこと/第一章 法の宗教/第二章 イスラームの下の暮らし/第三章 イスラーム人物伝/第四章 イスラームと現代/コラム 近代日本のイスラーム理解1 大川周明/コラム 近代日本のイスラーム理解2 井筒俊彦/あとがき/著者選 イスラームをさらに知るための文献リスト/資料 イスラーム関連年表
  • 淡々と生きる 100歳プロゴルファーの人生哲学
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    日本のゴルフ文化の礎をつくったと言われる白州次郎、小寺酉二に薫陶を受け、名門・軽井沢ゴルフ倶楽部に勤務した著者は、日本最高齢100歳のプロゴルファー。10歳でキャディーのアルバイトを始め、独学で身につけたゴルフ技術が評判となり、田中角栄、佐藤栄作など各界の著名人にゴルフレッスンしてきた。55歳でプロテストに一発合格した、遅咲きのプロゴルファーは今でも毎日150球のパター練習を欠かさない。「仕事ができる人間はゴルフでムダ口をたたかない」「基本こそすべて」など、人生とゴルフの真髄をあますことなく語る。【目次】はじめに/第1章 生きるために始めたのがゴルフだった/第2章 遅咲きのプロゴルファー/第3章 私のゴルフ哲学/第4章 仕事ができる人間はゴルフでムダ口をたたかない/第5章 人生の「谷」を歩く時/第6章 100歳から見える景色/おわりに
  • 「野球」の真髄 なぜこのゲームに魅せられるのか
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    野球はかつてスポーツ・娯楽の中心だった。男の子がプレーに熱中し、試合中継に胸躍らせた時代があった。しかし今、野球は昔のような熱も輝きも持っていない。社会は野球を歓迎しない方向にすら傾き始めている。その原因を探るため、著者は野球の歴史、ゲームの本質・魅力を見直し、日本の野球がどのように変質してしまったのかを分析する。さらに野球を通して現代の日本人が失ってしまった大切なものを指摘すると同時に、野球が昔のように復権する道筋を考える。長年、野球に携わってきた著者の集大成!【目次】はじめに/第一章 野球の本質/第二章 古き佳き野球の時代/第三章 野球の「信用」の失墜/第四章 野球の喜びと深み/第五章 野球再生に必要なもの/おわりに
  • 糖尿病は自分で治す!
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    健康診断などで、血糖値が“すこし”異常であると診断されたことのある人は少なくないだろう。しかし、それは「まだ異常ではない」という意味ではなく、「もう正常ではない」という非常に危険なサインなのだ。本書では、糖尿病診療30年の著者が、高血糖によって引きおこされる三大合併症や動脈硬化症の危険性、さらに「新合併症」と呼ぶ、がんや認知症、うつ病、歯周病との関連性を解説し、予防法を提唱する。また、糖尿病患者にとって、「夢の新薬か!?」と期待されるSGLT2阻害薬の効果など、糖尿病治療の最前線も紹介する。【目次】はじめに まさかの糖尿病宣告を受けてどう生きるのか/第一章 糖尿病治療最前線/第二章 あなたも糖尿病かもしれない/第三章 糖尿病の本質的な問題は合併症にあり/第四章 糖尿病を重とくにする4番目の合併症「動脈硬化」/第五章 新合併症1 糖尿病になると認知症発症のリスクが高い/第六章 新合併症2 糖尿病になるとうつ病発症のリスクが高い/第七章 新合併症3 糖尿病になるとがん発症のリスクが高い/第八章 新合併症4 糖尿病では歯周病のリスクが高い/第九章 「夢の新薬?」SGLT2阻害薬の効果と問題点/第十章 新薬登場で広がった選択肢と「インスリン」の今後/第十一章 糖尿病は「腹やせ」で治せ/おわりに iPS細胞、ロカボ、お笑いとの関係も明らかに
  • 「間」の悪さは治せる!
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    ビジネス、日常生活、人間関係などで「間(ま)」の悪さゆえに苦い経験をした人は多いはず。「間」のいい人と悪い人、その違いはどこにあるのか? 本書は、「間」のよさ、悪さは自律神経のバランスに起因するものであり、努力や工夫次第で「間」をよくすることができると説く。アスリートのコンディショニング指導などにも実績がある第一線の医師が、「間」をよくするための具体的方法を詳述。ストレスだらけの現代社会を上手に生きるためのガイドブックである。【目次】第一章 人生の質を高める「間」の力/第二章 「間」がいい人に病気は寄りつかない/第三章 「間」がいい人の思考法/第四章 人生を成功へと導く「間」のつくり方/おわりに
  • 災害防衛論
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    地球温暖化により巨大化する台風・ハリケーン、想像を絶する大がかりなテロや地球規模で頻発する地震…。21世紀はまさに「災害の世紀」である。きわめて甚大な被害を与える現代の災害からサバイバルするには従来の「防災」の考え方を大きく転換させなければならない。すなわち、災害を予防し、被害に耐え、そして回復する力、その三つの要素をあわせた「災害弾力性」を個人と社会が備える必要がある。そのためにわれわれが今、なすべきことは何か。多くの実例を踏まえて詳述する。【目次】はじめに/第一章 鉄壁の災害防衛線を築く/第二章 災害をビンのなかの魔神とする/第三章 災害をはねかえし、災害からはねかえる力/第四章 過酷な災害に生き残る/第五章 情報を収集し、分析し、判断する力をみがく/おわりに
  • 巨大災害の世紀を生き抜く
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    東日本大震災における地震・津波・原発事故という複合災害は、まさに巨大化する現代の災害を具現化した出来事であった。この大災害に遭遇して日本人の意識・心理も劇的な変化を遂げた。「私だけは大丈夫」という正常性バイアスにとらわれないこと、政府・マスコミ情報を鵜呑みにせず吟味する自己責任力、企業の危機管理の新しい形が求められているのだ。自然災害に未知のリスクが加わる現代を生き抜くために求められる行動指針について災害心理学の第一人者が検証する。【目次】はじめに/第一章 二一世紀型の災害とは何か――原子力災害を経験して/第二章 原子力発電所はなぜ事故を起こしたか/第三章 災害と情報/第四章 災害を乗り越えるには/第五章 三・一一の先にあるもの/おわりに
  • 文豪と京の「庭」「桜」
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    「仙洞御所庭園」を“美しい老いた狂女”に喩えた三島、「糺(ただす)の森」に子規を失った“心の寒さ”を覚えた漱石、「平安神宮」の紅枝垂れ桜に“エロスへの憧憬と拝跪”を秘めた谷崎……。日本の近代文学を彩る文豪たちは皆、京都の情景に魅せられ、自らの作品にそれを描いてきた。本書は、祇園の夜桜や竜安寺の石庭など、誰もが知る京都の新たな魅力を、数々の名作を手がかりに描き出す。また、京の「庭」「桜」という新たな観点から文豪を捉え直すことで、彼らの知られざる本質を明らかにした一冊である。【目次】はじめに/第一部 桜/第一章 平安神宮<『細雪』の紅枝垂> 谷崎潤一郎 川端康成/第二章 円山公園<祇園の夜桜> 丸谷才一 九鬼周造/第三章 常照皇寺<九重桜> 福永武彦 芝木好子/第二部 庭(1)――社寺/第四章 下鴨神社<京に着ける夕> 夏目漱石 高浜虚子/第五章 青蓮院<楠の巨木> 永井荷風 芥川龍之介/第六章 竜安寺<石庭を読み解く> 志賀直哉 井上靖 立原正秋/第三部 庭(2)――御所・離宮/第七章 紫宸殿南庭<京の10日間> 森鴎外/第八章 仙洞御所<「静寂」の庭> 三島由紀夫/第九章 修学院離宮<帝王の庭> 大佛次郎/第十章 桂離宮<美の意匠> 野上豊一郎 和辻哲郎 井上靖
  • 「おっぱい」は好きなだけ吸うがいい
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    数多くの古典翻訳で名高い英文学者にして、タオイストである著者が、D・H・ロレンス、フォークナー、マーク・トウェイン、幸田露伴など、偏愛する作家たちと老子思想とのふしぎな共通性に触れながら、今ここにいる喜びと、究極のエナジーの源泉について語った。齢九十一歳、「大自然(タオ)の母親のおっぱい」を追い求める旅は、終わることがない。政治学者・姜尚中による解説も収録。【目次】序章 大地の「おっぱい」を求めつづけた「先だつ」のことを語ろう/第一章 西欧の伝統精神と火花を散らした、ロレンスの自由精神――D・H・ロレンス/第二章 「タオ」につながるグレートなバランス感覚――ウィリアム・フォークナー/第三章 「初めの自分」につながる、ということ――マーク・トウェイン、ウィリアム・ジェイムズ、ラジニーシ、幸田露伴……/終章 タオの山脈の連なる解放区へ/加島祥造という人 姜尚中/略年表/主な著作/老子・TAO関連著作/主な翻訳書
  • 原節子、号泣す
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    代表作『東京物語』が、英国映画協会発行の映画雑誌「Sight&Sound」による2013年アンケートで世界の映画監督が選出したナンバー1映画になるなど、小津安二郎は今なお注目を集めている映画監督である。その小津作品の中でも頂点と評されるのが紀子三部作、『晩春』『麦秋』『東京物語』だ。各作品のフィナーレに近い場面で、ヒロインを演じた女優原節子は全身を震わせて泣き崩れる。小津が、不滅の名を残し得たのは、この三本の映画のフィナーレで原に号泣させたからだといっても過言ではない。「泣く」という行為を切り口に、幸福の限界、幸福の共同体の喪失、という小津の映画の主題と思想的本質に迫る画期的評論。【目次】はじめに/第一章 ほとんどの小津映画で女優たちは泣いた/第二章 小津映画固有の構造と主題/第三章 思想としての小津映画/第四章 原節子は映画のなかでいかに泣いたか/第五章 原節子をめぐる小津と黒澤明の壮絶な闘い/第六章 『晩春』[ I ]――原節子、初めての号泣/第七章 『晩春』[ II ]――娘は父親との性的結合を望んでいたか/第八章 『麦秋』――失われた幸福なる家族共同体/第九章 『東京物語』――失われた自然的時間共同体/第十章 喪服を着て涙も見せずスクリーンから消えていった原節子/おわりに/関連年表
  • 本当に役に立つ「汚染地図」
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    地図データを駆使した防災研究を専門とする著者は、福島原発事故後、米軍がネットで公開した放射能実測値をGIS(地理情報システム)という最新ソフトウェアに落とし込んで「セシウム汚染地図」を作成した。「地図屋」の立場で放射能問題に関わるようになった著者が、地理情報の実践的な活用ノウハウを提示する。福島第一原発周辺汚染状況の3Dマップ、飯館村の地区単位の汚染濃度分布図、関東一帯の「放射線管理区域該当エリア」など、貴重なオリジナル図版を本書に多数収録。また、大型水害時の「見えない水路」を可視化する試みなど、災害対応に役立つ広範な事例も報告する。【目次】はじめに/序章 SPEEDIは「時代遅れ」だった/第一章 どうやって「汚染地図」を作成したのか/【エッセイ】地球は“ジャガイモ”だった/第二章 「GIS」とは何か/【エッセイ】伊能忠敬は「地球のサイズ」を測ろうとした/第三章 データを「活かす」道を探る/第四章 GISを活用するには/おわりに
  • 「裏声」のエロス
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    裏声のことをイタリアではファルセットというが、これは「偽りの」とか「不正直な」という意味を持つファルソを語源としている。そのせいか、「嘘っぽい声」とか「真実でない声」といった芳しくない印象をもたれるが、じつは裏声には実生活に役立つさまざまな効能がある。カラオケ上達、話術改善といったわかりやすいものもあるが、健康増進、ストレス解消、さらには恋愛、セックスまでがうまくいくようになる、という知られざる効能もある。「幸福に効く」裏声の不思議に迫る。【目次】まえがき/第一章 「裏声の幸福」恋愛編/第二章 「裏声の幸福」話術改善編/第三章 「裏声の幸福」ストレス解消編/第四章 「裏声の幸福」健康編/第五章 「裏声の幸福」歌唱上達編/第六章 「裏声の幸福」音育編/あとがき
  • 「10年不況」脱却のシナリオ
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    現在の世界経済は、未曾有の低迷期に突入している。そして著者は、その低迷期間が10年の長きに及ぶと断定する。つまり、私たちは「10年不況」の世界を生きていることになる。そこでは、過去の世界恐慌やバブル崩壊の教訓は役に立たない。従来の学識や通念を捨て去り、21世紀型マネーの実態を直視し、大胆なパラダイム転換を断行しなければならない。本書は、現在の経済情勢をシビアに分析したうえで、小手先の経済政策ではなく、近未来を見据えた産業構造改革を提言する。この国を救う道は、そこにしかないのである。【目次】序章 経済学はもう役に立たない/第一章 世界はすでに「10年不況」に入った/第二章 それでもマネーは奔放に動く/第三章 「海外直接投資立国」へのパラダイム転換/おわりに
  • 司馬遼太郎の幻想ロマン
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    『坂の上の雲』『竜馬がゆく』など大衆的な歴史小説家としての司馬遼太郎はよく知られているところ。また、独特の史観で書かれた数々の評論、随筆も物故後の今も多くの読者を得ている。だが、初期の作品群『ペルシャの幻術師』『戈壁の匈奴』等を読むと、司馬は卓越した幻想小説家であったことがわかる。大衆歴史小説家のイメージとは異なる、司馬のもう一つの作家性に秘められたものとは何だったのか。本書は、司馬遼太郎が遺した爛熟の幻想世界の秘密に初めて迫る評論である。【目次】はじめに/第一章 司馬遼太郎の人と文学の原風景・竹内街道(大道)/第二章 “辺境史観”によって、遠い祖先のルーツをさぐる/第三章 幻想小説(一)―雑密(雑部密教)と役行者/第四章 幻想小説(二)―純密の世界と雑密の世界を映し出す司馬文学の真骨頂/第五章 幻想小説(三)―山伏、忍者、幻術師の関連/第六章 幻想小説(四)―散楽雑伎(戯)と幻想小説のおもしろさ/あとがき/本書関連の司馬遼太郎略年譜
  • チーズの悦楽十二カ月――ワインと共に
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    カマンベールやモッツァレラ以外にも、世界にはまだまだ美味しいチーズがある。季節やイベントに合わせてぴったりのチーズを選んだら、欲しくなるのはベストマリアージュなワイン! そこで「チーズのカリスマ」として知られる著者が初めてチーズとワインの組み合わせをまとめ、十二ヵ月に分けて解説したのが本書。人気チーズや通好みのチーズを歴史や製法などの知識もからめて紹介、大人ならではのチーズ&ワインのおしゃれな楽しみ方が自然に身につく入門書でもある。【目次】まえがき/一月 新たな年を寿ぐ場はチーズとワインで賑やかに/二月 ロマンティックな宵、人との縁も醸す極上の選択/三月 出会いと別れを振り返る季節のお供には熟成チーズ/四月 祝福の気持ちを華やかに演出する主役チーズ/五月 薫る風と陽光を追いかける小旅行に打ってつけのチーズ/六月 一年の折り返し地点ならチーズもバリエを楽しもう/七月 暑気払いの集いになくてはならない立役者/八月 カジュアルにおしゃれに、チーズの食感を楽しむ/九月 高原の風にはぐくまれたチーズが旬を迎える時期/十月 秋の夜長を楽しむ時は、優しく寛ぐチーズがいい/十一月 待ちに待った芳醇の季節。チーズとワインも絶品同士で/十二月 集い、語り合う食卓を主役チーズで豪奢に盛り上げる/あとがき
  • 増補版 日朝関係の克服――最後の冷戦地帯と六者協議
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    2003年5月、北朝鮮問題の根本的な解決をめざして、本書は刊行された。六者協議の枠組みを具体的に提示した内容は、驚くほどに予言的なものを含んでいたが、対北朝鮮強硬論の盛り上がりと、ミサイル実験や核開発騒ぎの中で、多くの誹謗中傷に曝されつづけてきたこともまた事実だった。しかし、2007年1月の米朝二国によるベルリン会談以後、歴史の歯車はついに著者の思い描いた奉公に動きはじめた――。現代を代表する政治学者の野心作を四年ぶりにリニューアル。冷戦終結のカウント・ダウンが、いま始まった!【目次】増補版・序文 「終わり」のはじまり―2004年~06年の危機を越えて/序章 なぜ国交正常化交渉が必要なのか/第一章 敗戦と解放の逆説―1945~48年/第二章 日韓関係と日朝関係―1950年代~60年代/第三章 激変する朝鮮半島と日朝関係―1970年代~90年代前半/第四章 日朝関係の「克服」に向けて―1994年の危機以降/終章 日朝関係の「克服」と「東北アジア共同の家」/増補版・結びにかえて 「東北アジア」から「東アジア・フォーラム」への道/<日朝関係を知る手がかりとして>資料編/付記

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