配信予定・最新刊

作品一覧

  • 治安維持法と「国体」
    NEW
    -
    1巻3,080円 (税込)
    「悪法」を駆動させた「国体」の魔力 治安維持法が威力の源泉とした「国体」は、どのように位置づけられていったのか。施行する側、適用される側、それぞれの解釈の変遷を資料をもとに読み解く。「新しい戦前」のいま、あらたな「国体」を生み出さないために。 ※本書は大月書店刊『治安維持法と「国体」』の電子書籍版です。 【目次】 序論 治安維持法は今も生きている Ⅰ 「国体」による統制と動員 1 治安維持法における「国体」の問題 2 戦時下大学の思想統制と動員 3 戦前のもう一つの学問統制・学問動員 Ⅱ 共産党は「君主制」・「天皇制」をどのようにみていたのか はじめに 1 第一次日本共産党と「君主制」 2 第二次日本共産党と「二七年テーゼ」 3 「政治テーゼ(草案)」から「三二年テーゼ」、「日本の共産主義者へのてがみ」へ 4 再建共産党と「天皇制」 あとがき 資料 治安維持法と関連法ほか 【著者】 荻野富士夫 1953年、埼玉県生まれ。小樽商科大学商学部教授を経て、2018年に定年退官、同大学名誉教授。専門は日本近現代史。主な著書に『特高警察』(岩波新書、2012年)、『よみがえる戦時体制――治安体制の歴史と現在』(集英社新書、18年)、『検証 治安維持法――なぜ「法の暴力」が蔓延したのか』(平凡社新書、24年)、『治安維持法一〇〇年――「新しい戦中」にしないために』(編、小社、25年)など。
  • 検証 治安維持法
    3.0
    1巻1,782円 (税込)
    100年前に成立した治安維持法。稀代の「悪法」とされるが具体的な検証は未完である。多角的な視点から再考を試みる唯一無二の書。
  • 特高警察体制史(増補新装版) 社会運動抑圧取締の構造と実態
    -
    1巻9,790円 (税込)
    戦前・戦中期に存在した「特高警察」といえば、拷問やスパイによる共産主義思想の弾圧がすぐに想起される。そして、大本教やキリスト教などに対する宗教弾圧や自由主義・民主主義に対する弾圧もよく知られている。それらの弾圧を遂行する特高警察はどのような機構(組織)を持ち、どのように拡充整備されていったのか、また特高警察は各段階の社会運動の状況に応じてどのような抑圧取締の態勢や方針をとり、実際にどのように抑圧取締を遂行したのか。本書は、特高警察の構造を歴史的・実態的に明らかにし、さらに社会運動から国民生活全般に及んだ特高警察による抑圧取締の実際を明らかにする。また本書は、1984年刊行の初版から、第二章の2頁分を書き改め、さらに数か所で簡単な修正・追加を行い、新たな史料の存在を知ったことから得た知見を、各章末に補注として付け加えた。また2編を補論として収録した。*本書は『特高警察体制史―社会運動抑圧取締の構造と実態』(増補版、せきた書房、1988年)を底本とし、今回研究成果の更新として「補記」を加えると共に用字用語の見直しを行いました。

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  • 証言 治安維持法 「検挙者10万人の記録」が明かす真実
    4.4
    1巻946円 (税込)
    大正末期の1925年に制定された治安維持法。当初は「国体の変革」や「私有財産制度の否認」を目的とする結社―主に共産党を取締り対象としていたが、終戦の年に廃止されるまで運用対象は一般の市民にまで拡大された。 ふつうに暮らすふつうの人々が次々に検挙されたのはなぜか。当事者や遺族の生々しい証言と、公文書に記載された検挙者数のデータから、治安維持法が運用された20年間を検証する。 NHK ETV特集「自由はこうして奪われた~治安維持法 10万人の記録~」の書籍化。
  • よみがえる戦時体制 治安体制の歴史と現在
    -
    1巻869円 (税込)
    2017年に成立、施行された「テロ等準備罪」こと共謀罪法。共謀の判断基準も曖昧で、治安維持法との類似を指摘する識者も多いこの法はすでに動き出している。シーレーン防衛等の従来の動き、集団的自衛権をめぐる解釈改憲、特定秘密保護法等と合わせて考えれば、国益を追求する一方で、「テロ防止」「治安維持」を口実に反対する者を監視、抑圧する「戦争ができる警察国家」ともいうべき治安体制がよみがえっている。国家の暴力装置たる警備公安警察等の権力の恣意的な運用を抑止、是正するために必要なのは何か。戦前の治安維持法、特高警察など治安体制の専門家が戦時体制の歴史をふまえ、現状分析したのが本書である。 【目次】はじめに 「来るべき戦争準備」に抗するために/第一章 戦時体制の形成と確立――どのように日本は戦時体制を作っていったのか/第二章 戦時体制の展開と崩壊――どのように治安体制はアジア太平洋戦争を可能としたのか/第三章 戦後治安体制の確立と低調化――速やかな復活にもかかわらず「戦前の再来」とならなかったこと/第四章 長い「戦後」から新たな「戦前」へ――どのように現代日本は新たな戦時体制を形成してきたのか/第五章 「積極的平和主義」下の治安法制厳重化――新たな戦時体制形成の最終段階へ/おわりに 再び多喜二に学ぶ/あとがき

ユーザーレビュー

  • 証言 治安維持法 「検挙者10万人の記録」が明かす真実

    Posted by ブクログ

    ETVで放送されたものが書籍化されている。2019年に放送されたらしく、残念ながらリアルタイムでは観ていない。なんとなくしか理解していなかった治安維持法がこの本のおかげで今回かなり鮮明になりとても勉強になった。本当に恐ろしい法律だ。それが今、共謀罪に引き継がれている。治安維持法も施行されて3年目から適用されていった。最初は共産党員だけに絞られていたのが、次第に対象者が広範囲になっていき、仕舞いには「戦争反対」と思うだけで検挙されるようになっていった。多くの方に読んでもらいたい本だ。

    0
    2021年09月13日
  • 証言 治安維持法 「検挙者10万人の記録」が明かす真実

    Posted by ブクログ

     大正末期の1925年に制定された治安維持法。当初は「国体の変革」や「私有財産制度の否定」を目的とする結社、主に共産主義者を取締の対象としていたが、終戦の年に廃止されるまで運用対象は一般の市民にまで拡大され、普通に暮らす普通の人々が次々に検挙されたました公文書に記載された検挙者のデータと当事者や遺族の生々しい証言や手記を通して、治安維持法が運用された20年間を検証します。
     多くの一般市民を監視し、検挙、厳しい取り調べと拷問、獄中や出獄後の苦しい生活が生々しく証言されます。法律改正と拡大解釈により、多くの市民の自由を奪っていった治安維持法。今、政府は、治安維持法の再来ともいえる共謀罪を成立させ

    0
    2020年08月23日
  • 証言 治安維持法 「検挙者10万人の記録」が明かす真実

    Posted by ブクログ

    今の時代だからこそ読む本といえる。
    治安維持法は制定当時の趣旨や答弁からは驚くほどどんどん掛け離れていき、最後には自己増殖的に誰にも手がつけられなくなっていった。取り締まる対象はどんどん拡大し、逮捕理由もこじつけや拡大解釈が当たり前になっていく。さらには、終戦後に戦中の治安維持法当局側の人物が「あの時はしょうがなかった」などと言ってしまう。
    これが戦争であり、これが法が権力の手先に成り下がった成れの果て。共謀罪の時代に、現代人はよく読んでおくべき一冊。

    0
    2019年11月25日
  • 証言 治安維持法 「検挙者10万人の記録」が明かす真実

    Posted by ブクログ

    治安維持法による検挙者数のデータを土台として、治安維持法がそれぞれの時期でどのような特徴を持っていたのか示す本。
    「ETV特集」の番組を書籍化したという成立経緯もあって、当事者・遺族の証言を意識的に入れている。治安維持法によって人生が曲げられた人々の生々しい話があるため、入門用によいと思う。

    当初の共産党対策の代表例として「三・一五事件」、検挙対象の拡大・地方への波及の代表例として「二・四事件」、植民地での適用実態、拡大解釈の代表例として「生活図画教育事件」について述べられている。
    著者は「横浜事件」を取り上げていないことについて「力不足」と書いているが、本書の文脈からすると取り上げないのは

    0
    2024年05月30日
  • 検証 治安維持法

    Posted by ブクログ

    天下の悪法「治安維持法」。

    なのだが、悪いところばかり書いててそうすかって感じがした。

    もちろん、色々悪い結果になった。思想警察の根拠となって、拷問も横行したのは事実。
    共産主義にちょっと片足の小指踏み込んだという「形式」のみでしょっ引かれるのも、なんか魔女狩りみたいで酷い。実際、酷い例が山ほど挙げられている。

    しかし、だ。

    時代の背景は日本は存亡をかけた戦争を繰り返しており、日清、日露、どちらで負けてても国がなくなっていたかもしれず、この時期はさらに大きな戦争すら想定され、共産主義とは実際に国を転覆し伝統を血で断罪することが実体として目の前にあったのだよね。

    そんな時期に国を引っ掻

    0
    2025年07月31日

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