作品一覧

  • 日記で読む日本文化史
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    日本人は日記をつけるのが好きだといわれる。日本文学研究の第一人者ドナルド・キーンは、大戦期、戦場に大量に遺棄された日記を翻訳した際、日記が日本人の心に深く根づいていることを感じたという。では、なぜ日記をつける文化が日本人に広がっていったのか。本書では、「日記文化」の淵源を古代の宮廷文化に探りつつ、時代時代で日記がどのように展開していったか、その書き方や概念の変遷をたどっていく。 日本人は伝統的に日記好きだといわれるのはなぜか。古代の天皇の日々の行動を記録した実録にまで遡り、日記文化の広がりの変遷をたどっていく。
  • 日露戦争の時代
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    1巻968円 (税込)
    20世紀初頭、日露戦争以前から大正時代にかけて、大きく変容を遂げる日本の文化全般を、時代の推移とともに新たな視点で解き明かす
  • 満洲国
    3.5
    1巻880円 (税込)
    中国東北部にかつて存在した傀儡国家・満洲国。謎に包まれたこの国家の全貌を、中国側史料及び新史料を駆使し、新知見を以て示す。
  • 最後の文人 石川淳の世界
    4.0
    1巻968円 (税込)
    グローバリズムと新自由主義が世界を制覇しつつある今日、人々の自由はむしろ制限されつつあり、閉塞感や分断が拡大している。今、なぜ石川淳なのか? この孤高の作家を読み解くキーワードは「自由」。古今東西の書物世界を軽快な「精神の運動」で往還した石川の姿勢は知的自由の体現であった。だから、多くの知識人が戦時体制になびいた時代にも、石川は黙らなかった。かくして作品の発禁後、石川は自由を求め江戸の世界に向かう。石川作品には不自由に抗する不服従の精神が刻まれている。本書は5名の識者の解説を通じ、その作品と「絶対自由」の世界に誘う。
  • 鴨長明 ──自由のこころ
    3.5
    1巻880円 (税込)
    日本人なら、誰もが習い覚えた『方丈記』。その作者の鴨長明といえば、「数寄」の語で語られ、ディレッタントともいわれてきた。他方、その世界観は、しばしば仏教的無常観といわれてきた。これまで鴨長明の名は、かなりの長きにわたってよく知られてきたが、その像は、なかなかひとつに結ばれなかった。そこで、『方丈記』に『無名抄』『発心集』を加えた三作から、新たな鴨長明像を提出する。そして、「ゆく河の流れは絶えずして」にはじまる世界観がなぜ現代人の心によく響くのかを明らかにする。
  • 日本語の「常識」を問う
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    ※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。 日本語の表記には漢字も仮名文字もあるように、純粋な単一言語がないことは、歴史を見れば明らかだ。だが明治期以降、西欧文化的な価値観にとらわれ、言語ナショナリズムの考え方に陥ってしまったのだ。はたして、文化と文化圏の歴史的な違いを無視して、日本語を語ることができるのだろうか。言語学や国語学だけではない、文化史からの日本語論。
  • 日本人の生命観 神、恋、倫理
    3.4
    「神からの授かりもの」「輪廻転生」「物質の集まり」-生命の見方は多様だ。日本人は生命をどのように捉えてきたのか。本書は、宗教、哲学、文学、自然科学と多彩な分野からこの疑問にアプローチする。神々が身近だった記紀万葉の昔から、生命科学が著しい発展を遂げた現代まで、生命観の形成と変遷をそれぞれの時代相とともに描きだす。日本に脈々と流れる「生命本位の思想」の可能性と危険性も浮かび上がってくる。
  • 自由の壁
    3.0
    日本人にとって自由とは何だったのか。そして、平等とは? 「自由」をキーワードに、儒教、道教、仏教など東アジアの伝統思想と近現代の代表的日本人の歩みを振り返ると、独自の哲学や行動を生んだ陽明学の役割などが見えてくる。「自由」の観点から近現代史に新たな照明をあて、戦後民主主義の問題点も鋭くえぐり出す。あなたを古い考え方の束縛から解き放ち、勝手気ままではない、本当の自由を身につけるためのヒントに満ちた一冊。【目次】序章 自由って何?/第一章 陽明学と近代日本/第二章 皇国史観と戦後の「自由」/第三章 終章 自由への道/特に本書を書くために参考にした本と論文/あとがき

ユーザーレビュー

  • 鴨長明 ──自由のこころ

    Posted by ブクログ

    鴨長明の生涯と、その著作である『無名抄』『方丈記』『発心集』を解説し、彼の求めた「自由」の意味について論じている本です。

    著者が長明に見いだした「自由」とは、「束縛を嫌い、自身にしっくり感じられることを求める心の意味である」と説明されています。『無名抄』は、「名」を捨てても「自矜」は残るという長明の精神にもとづいて書きのこされた作品です。「『無明抄』は、現世の「名利」を捨て、うたの道に賭けた長明の自矜が残したものだからである」と著者は述べています。長明の生きかたをめぐってしばしば指摘される自己への執着の残滓は、彼が後鳥羽院の配慮に対する恩義を感じつつも、不逞とも見られかねないような態度を示し

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    2023年02月22日
  • 最後の文人 石川淳の世界

    Posted by ブクログ

    文壇史みたようなものを散見する中で名前はなにか記憶に残るが、どういう人物なのか知りたかったので。
    ある程度はすでに読者である層に向けた内容でもあるが、 著作の歩みを振り返り掘り進める流れの中で、一作家の特質と言えるものが公然と提示されるようになっており、当初の目的からすると敷居が高い取り上げ方かと思ったがそうでもなく助かった。

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    2022年12月12日
  • 満洲国

    Posted by ブクログ

    そういえば満洲国については今までちゃんと調べてなかったなと思って読んでみたものです。満州国自体は15年ほどの期間しかないので本書も細かい内容まで記載されているように思えます。とはいえ、全体に軸が時系列なのか分野別なのかが見えにくくて、そこが読みにくかったかなと(それでも見えてくる日本軍と政府の戦略性のなさが、逆にすごいですが)。もうちょっと基礎知識を仕入れてから読み直したい本です。

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    2021年08月30日
  • 日本人の生命観 神、恋、倫理

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    副題の「神、恋、倫理」の変遷を、膨大な参考資料から解説しています。参考資料の紹介がメインなのではないかと思うくらい、思想家や資料が登場します。大まかでいいので日本史と高校倫理を知っていることが前提な内容です。
    あとがきで著者自身が「参考文献が膨大にすぎる」と言っているくらいなので、日本人の宗教観、文学史、生命観を追いかけたい人によっては便利な参照文献検索本になるのではないでしょうか。

    以下、自分なりの要約。
    第一章
    日本神話は土地と大陸の信仰の融合だ。朝廷は権威を記すため神話を更に編集した。西洋の神は不死だが、日本の神は時の流れを嘆き、死ぬこともできる。“いのち“を意味する文字は複数あるが、

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    2020年08月11日
  • 日本人の生命観 神、恋、倫理

    Posted by ブクログ

    日本人の「いのち」をめぐる見方、生命観史を、新書にしては多くの資料に当たってまとめたもの。

    前近代については言語学的なアプローチや宗教史観という趣で、生命観の歴史をなぞるという意味では統一感が少々あやふやで追いにくい。
    しかし、書の中盤から始まる明治維新以降の近代日本の生命観史については、文学作品などから大量の文献を引いてきて、工業化を通して、また戦前戦後を通して、日本において「いのち」がどのように考えられ、価値付けられ、扱われてきたか、独自の鋭い考察が繰り広げられる。これは非常に面白いし、今日の生命観がどのよう文脈で形作られ、われわれが無意識のうちにそれをどう捉えているか、社会の価値観とし

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    2011年08月04日

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