検索結果

  • アイスクライシス
    4.0
    氷点下40度×放射能極限サバイバルが今始まる! 核実験に巻き込まれた7人の調査員。北極海で孤立した彼らの運命は――資源探査会社に勤める郷田裕斗は、海底油田の探査のために北極の基地にいた。仲間は同僚や、アメリカ人の準石油メジャーのオブザーバー、海洋学者、そしてカナダ系イヌイットたち。ある日、北極海の水中で核実験が行われる。だが、郷田たちはまだそのことを知らず、いつの間にか孤立していたのだった。通信機器の故障により外部との連絡は取れず、リード(氷の割れ目)は増え続け、燃料と食料も刻一刻と減る中、ついに精神を追い詰められる者まで現れて……。大国の思惑と駆け引きに巻き込まれた郷田たちは、氷の世界で生き残ることができるのか。
  • 近鉄特急殺人事件(新潮文庫)
    4.0
    京都発賢島行近鉄特急ビスタEX(エックス)の車内で大学准教授が殺された。彼はテレビ番組の過激な司会者として知られ、番組で伊勢神宮を貶める自説を主張する予定だった。一方、東京では歴史雑誌編集者が殺され、同棲していた同僚の女が姿を消した。二つの殺人に関連を感じ伊勢神宮に向かった十津川警部が内宮門前町〈おかげ横丁〉で発見したのは、容疑者の意外な姿だった。長編トラベルミステリー。
  • 三毛猫ホームズと炎の天使
    4.0
    事故で洞窟に閉じ込められてしまった男女7人。闇に包まれ酸素が薄まり全員が朦朧とするなか、何者かが過去に犯した殺人の告白を始めた……。間一髪、奇跡的に全員が無事救助されたが、あの告白が誰のものなのかは謎のままだった。やがて、命拾いした7人のうち、若くにぎやかだった女性が刺し殺され、その直後、やはり生還した会社員がひき逃げに遭い命を落とす。片山兄妹はホームズと連鎖する事件の真相に迫る。シリーズ第55弾!
  • 屋根裏のチェリー
    4.0
    もういちど会いたいです──都会のはずれのガケの上にある古いアパート。その屋根裏にひっそり暮らしている元オーケストラのオーボエ奏者のサユリ。唯一の友だちは、頭の中にいる小さなチェリー。「もっと外へ出て行かなくちゃ」とチェリーは言うが……。ハンバーガーやササミカツ定食やレモン・ソーダが好き。食いしん坊でこよなく音楽を愛するサユリと個性的な登場人物が織りなす、『流星シネマ』と響きあう愛おしい小さな奇跡の物語。
  • 公安狼
    4.0
    唐沢龍二は、恋人の吉村久美子に誘われて大学の奇妙な会に入る。会の名は「グループ・アノニマス」。一見映画論を語っているようでいて、唐沢の理系の知識を利用して爆弾テロを目論む活動組織のようだった。1年後の1998年。東京都西神田のビルで自爆テロが発生した。死亡者でもある実行犯は久美子だという。真実を暴くため、公安捜査官となった唐沢だったが、アノニマスのスパイという風評や、危うい捜査はいくつもの敵をつくってしまい……。
  • サーベル警視庁
    4.0
    1~2巻704~748円 (税込)
    明治三十八年七月。国民が日露戦争の行方を見守るなか、警視庁第一部第一課の電話のベルが鳴った──。殺された帝国大学講師・高島は急進派で日本古来の文化の排斥論者だという。同日、陸軍大佐・本庄も高島と同じく、鋭い刃物で一突きに殺されたとの知らせが……。第一課は、伯爵の孫で探偵の西小路や元新選組三番隊組長で警視庁にも在籍していた斎藤一改め、藤田五郎とともに捜査を進めていくが──。警察小説の第一人者・今野敏、初の明治警察小説。(解説・西上心太)
  • 地先
    4.0
    日本経済新聞2019年8月15日夕刊で、通常、時代小説の書評を担当されている縄田一男氏が例外的に『地先』を取り上げた。 「今回は破格の一巻として、乙川優三郎の現代もの短編集『地先』を扱う。 表題作の”地先”とはその土地から先へつながっている場所という意味の言葉。 巻頭の「海の縁」と巻末にすえられた表題作は対で、御宿の海岸を舞台に、人生の後半にさしかかった主人公がいま一歩踏み出そうとする姿を描いている。 前者は谷内六郎の生涯を己に投影し、後者は風来坊の画家が海女を思わせる民宿の娘と出会うことでそれは成される。 ……希望や諦観を瑞々しい筆致で描く8つの物語……そこからさざ波のようにわきあがってくるのは真の小説と出会った感動にほかならない」と絶賛。 ブック・ジャーナリスト内田剛氏は「なんと熟成された物語なのだろう…。人生の艱難辛苦を味わい尽くした究極の大人の文学だ!」と絶賛。 圧倒的な筆力で、数々の賞を総なめにしてきた乙川優三郎が到達した地平!  「悲しみ、苦しみのないものを書こうと思わない」という意図のもと、楽しいだけの話ではなく、「苦しみの末のハッピーエンドを予感させる物語」を描く。 *恋人と一緒の南国のリゾート。遊覧飛行の事故で、恋人のみが死亡。 傷ついて故郷の海辺の町に帰ってきた女。 自由な恋と仕事に人生を過ごした女が、海辺の町で、地に足着けて自分の夢を実現しようとする男と再会。ささやかな生きる希望が生まれる。…(「すてきな要素」) *絵描きになる夢をあきらめ、平凡な主婦生活を送っていた幸代。娘の作品が美術展に入賞したため、上野に連れ立って出かけた。 そこで、青春時代、芸術家としての才能を信じ、尽くしていた男が、街頭で絵を売っている姿をみる。 動揺する幸代が帰宅して描いたのは…。(「言葉さえ知っていたら」) 御宿を舞台に描く『海の縁』『地先』など珠玉の8篇!
  • 教場
    値引きあり
    4.0
    1~5巻477~600円 (税込)
    君には、警察学校をやめてもらう。 この教官に睨まれたら、終わりだ。全部見抜かれる。誰も逃げられない。  警察学校初任科第九十八期短期過程の生徒たちは、「落ち度があれば退校」という極限状態の中、異色の教官・風間公親に導かれ、覚醒してゆく。  必要な人材を育てる前に、不要な人材をはじきだすための篩、それが警察学校だ。 週刊文春「2013年ミステリーベスト10」国内部門第1位、 宝島社「このミステリーがすごい! 2014年版」国内編第2位、 2014年本屋大賞にノミネートされ、 90以上のメディアに取り上げられた既視感ゼロの警察小説!
  • 時代小説アンソロジー てしごと
    4.0
    働く女性たちはいつの時代も美しい。 人気作家六人による時代小説競演 己の腕と業で生きる道を切り開く おんな職人たちの凛とした姿を活写 豊富な知識と聡明さで人々の悩みをときほぐす薬師・真葛(まくず)。 亡き母の仕込みを継ぐ色酢の麹造り職人・沙奈。 木肌の魅力に惹かれ根付職人に弟子入りするおりん。 妹の亥(いの)とともに秩父の峠で茶屋を切り盛りするそば打ち職人・蕗(ふき)。 その身に霊を降ろす「口寄せ」を使う市子。 身体のみならず心の凝りもときほぐす揉み屋・絹。 時代小説の名手六人が女性職人の凛々しさを 巧みな筆致で活写した傑作時代小説アンソロジー。 【収録作】 春雀二羽 澤田瞳子 藍の襷 志川節子 掌中ノ天 奥山景布子 姉妹茶屋 西條奈加 浮かれの蝶 小松エメル おもみいたします あさのあつこ
  • 最後の戦慄 〈新装版〉
    4.0
    21世紀後半、世界は相変らず血と硝煙に満ちていた。レッド・アメリカと呼ばれるキューバ、ニカラグア地帯で起きたテロリストたちによる殺戮事件は、敵味方の区別なく死体の山が築かれた。その頃〈ミュウ・ハンター〉としての戦いを終えたシド・アキヤマはイラン・テヘランにいた。そこに内閣官房情報室の黒崎と名乗る男が現れ、〈サイバー・アーミー〉と呼ばれる四人組テロリストの殺害を依頼される。四人の名を聞いたアキヤマは驚愕した。すでにこの世にはいないはずの人物だ。しかもそのうちのひとり、ジョナはかつてアキヤマが愛した女性だった……。アキヤマの戦いが再び始まろうとしていた。
  • 十津川警部 怒りと悲しみのしなの鉄道
    4.0
    軽井沢、上田、小諸、別所温泉、浅間山…… 一週間で真犯人を捜せ! 十津川警部、刑事の誇りを賭けた緊急捜査! 傑作トラベル・ミステリー初文庫化! 警視総監が狙われた 列車爆破事件の真相は!? 後藤警視総監が誘拐された。犯人の山中悦夫は、二年前に起きた列車爆破事件の真犯人を、一週間以内に捜し出せと要求する。当時の警視総監をはじめ二十二人が死亡したこの事件では、山中の父親が逮捕され、容疑を否認したにもかかわらず死刑判決を受け、獄中で病死していた。再捜査を指示された十津川警部は再びしなの鉄道に乗りこむが……!?
  • 落花狼藉
    4.0
    戦国の気風が残る江戸時代初期、徳川幕府公認の傾城町・吉原が誕生した。吉原一の大見世「西田屋」女将の花仍は、自身の商いは二の次で町のために奔走する夫・甚右衛門を支えながら、店を切り盛りしていた。幕府からの難題、遊女たちの色恋沙汰、陰で客を奪う歌舞伎の踊子や湯女らに悩まされながらも、やがて町の大事業へと乗り出していく――。時代小説の名手が、江戸随一の遊郭・吉原の黎明と、そこに生きる人々の悲喜交々を描く傑作長編。
  • 命賭け候 浮世絵宗次日月抄
    4.0
    気品あふれる妖し絵を描かせれば江戸一番、後家たちが先を争ってその裸身を描いてほしいと願い出る。 相場は一両。女たちの秋波をよそに着流し姿で江戸市中を闊歩する浮世絵師宗次、実はさる貴顕の御曹司。 訳あって絵師に身をやつしているが、世の不条理には容赦せぬ。 今宵も怒りの揚真流が悪を討つ。 着流し剣客、ここに登場。傑作時代小説。
  • 金春屋ゴメス(新潮文庫nex)
    4.0
    近未来の日本に鎖国状態の「江戸国」が出現した。競争率三百倍の難関を潜り抜け入国を許可された大学二年生の辰次郎。その請け人は身の丈六尺六寸、目方四十六貫、極悪非道で鳴らし大盗賊も思わずビビる「金春屋ゴメス」こと長崎奉行馬込播磨守だった! ゴメスに致死率百パーセントの流行病「鬼赤痢」の正体を突き止めるよう命じられた辰次郎は――。日本ファンタジーノベル大賞受賞作。
  • 亥子ころころ
    4.0
    “思い”のこもった諸国の菓子が、強張った心を解きほぐす――。 親子三代で営む菓子舗を舞台に、人の温もりを紡いだ傑作時代小説! 武家出身の職人・治兵衛を主に、出戻り娘のお永、孫娘のお君と三人で営む「南星屋」。 全国各地の銘菓を作り、味は絶品、値は手ごろと大繁盛だったが、治兵衛が手を痛め、 粉を捏ねるのもままならぬ事態に。不安と苛立ちが募る中、店の前に雲平という男が行き倒れていた。 聞けば京より来たらしいが、何か問題を抱えているようで――。
  • 合戦で読む戦国史 歴史を変えた野戦十二番勝負
    4.0
    桶狭間の戦いは信長の天才的用兵による「大勝利」だったのか。大坂の戦いにおいて、豊臣家の滅亡は必然だったのか。肥前国平戸藩主・松浦静山の名言「勝ちに不思議の勝ちあり、負けに不思議の負けなし」ははたして真実なのか――。 人気歴史作家が、戦国史の転機となった十二の野戦に着目、新史実を踏まえて勝因・敗因を徹底分析する。「優位に立つ者は奇道に走ってはならない」「実際の戦場は誤算と失点だらけ」「どんな戦いも勝負は紙一重」等、ビジネスにも人生にも役立つ教訓を導き出した、画期的な戦国合戦史。
  • 最終標的 所轄魂
    4.0
    贈収賄事件を追っていた城東署の強行犯捜査係長・葛木邦彦と、警察庁のキャリア組である邦彦の息子・俊史の父子。しかしあと一歩のところで黒幕の国会議員が射殺され、真相は闇に葬り去られてしまう。警察に政治家から様々な圧力がかかるなか、城東署管内で轢き逃げ事件が起こる。目撃者の証言により、事件はすぐに解決するはずだったが、容疑者が大物衆議院議員の息子と判明。捜査はまたもや警察VS.政治の様相を呈してきて。大人気シリーズ堂々の完結!
  • まんがでイッキ読み! 赤川次郎ミステリー傑作選 怪奇トリック編
    4.0
    巻頭「幽霊シリーズ」ほか、人気シリーズ勢揃い!! ◆幽霊シリーズ:[悪魔が来た道]作画/中原まい 助けた男は、不審な放火犯を目撃し命を狙われていた。夕子&宇野刑事のカップル事件簿! ◆三毛猫ホームズシリーズ:[三毛猫ホームズのクリスマス]作画/油豆 軟弱系刑事・片山が女子寮の警備の代役を受けると、寮には頭を割られた死体が!? ◆三姉妹探偵団シリーズ:[三姉妹探偵団ーキャンパス編ー]作画/朱目キクヤ 長女・綾子が通う大学で、学祭で出演予定の芸能人のマネジャーが殺された!?
  • 子子家庭の身代金(新潮文庫)
    4.0
    パパは会社の罪をかぶって逃亡中。なんとママも同じ日に恋人と駆け落ちしてしまった! 両親に「家出」された律子と和哉の小学生姉弟は力を合わせて暮らすけれど、トラブルは次々と襲いかかる……。明日のごはんもない我が家なのに和哉が誘拐された? 弟を救うため、姉が謎解きに挑むが、犯人はあまりに意外な人物だった──。表題作はじめ、驚きの結末の連打が魅せる短編全8編。
  • 流転 -越境捜査-
    4.0
    1巻2,035円 (税込)
    12年前、富豪一家3人を惨殺し20億円もの資産とともに国外逃亡した男が横浜市内で目撃された。さっそく警視庁捜査一課で継続捜査を担当する鷺沼が捜査に乗り出すが・・・・・・。昨年11月に急逝した著者の代表的シリーズ「越境捜査」、その最新刊にして最終刊。
  • 小袖日記
    4.0
    失恋した「あたし」は雷に打たれ、目覚めるとそこはパラレル平安朝。 彼女は、大人気小説「源氏物語」の作者・香子さまのもとでネタを探す女房・小袖となっていた。 夕顔、末摘花、葵―おなじみの女人達を訪ね、その真実の生、歓びと悲しみに触れた時、 時空を超えた友情がめばえる。感動の王朝SFミステリー。 解説・山本淳子 ※この電子書籍は2011年7月に文藝春秋より刊行された文庫本の新装版を底本としています。
  • ハイドロサルファイト・コンク
    4.0
    「遠くない未来に、私は死ぬ」。病とは無縁だった著者・花村萬月が、このままでは2年後の生存率が20%の骨髄性異形成(こつずいせい・いけいせい)症候群に罹り、骨髄移植を受けることになった。それは現在まで続く地獄の始まりだった。これは、現世の報いなのか? 発症から骨髄移植、GVHD(移植片対宿主病)、間質性肺炎、脊椎四ヵ所骨折など、副作用のオンパレードへと到る治療の経過を観察しつづけた作者自身によるドキュメンタリー・ノベル! 「血液検査の結果、完全に血液がO型からAB型に変わった。爪のかたちや体毛、髭など、ずいぶん外見上の変化がある。食べ物の好みもまったく変わってしまった。加えて精神が大きく変貌したのかもしれない。自分の血液をすべて殺して、他人の血液を迎えいれる。凄いことだ。」(本文より)
  • 無明 警視庁強行犯係・樋口顕
    4.0
    君はもう懲戒免職だ――。突き付けられた最後通牒。それでも信念を貫けるか? 本部と所轄の狭間でもがく刑事を描く警察ミステリー 内藤剛志、絶賛! 「“今"の社会を色濃く反映させながら、地道に歩む人間を鮮やかに描いている」 東京の荒川の河川敷で高校生の水死体が見つかった。所轄の警視庁千住署が自殺と断定したが、遺族は納得していない。高校生は生前旅行を計画しており、遺体の首筋には引っかき傷があったという。両親が司法解剖を求めたものの千住署の刑事に断られ、恫喝までされていた。本部捜査一課の樋口は別働で調べ始める。しかし、我々の捜査にケチをつけるのかと千住署からは猛反発を受け、本部の理事官には「手を引け」と激しく叱責されてしまう。特別な才能はなく、プライドもないが、上司や部下、そして家族を尊重する――。等身大の男が主人公の人気シリーズ最新作。
  • 時空の巫女
    4.0
    原盤製作会社社長の飯島は、新人アイドルを発掘していく中で、二人の女性に会う。かつてネパールの生き神様「クマリ」だったチアキ・チェスと、AVに出演していた池沢ちあき。一方で、自衛隊の情報部の綾部は、アメリカから送られてきたレポートに困惑していた。超能力者たちの見る、地球滅亡を思わせるような夢、そしてその中に出てくる日本人と思われる名前「チアキ」-。「チアキ」は果たして世紀末の救世主なのか?渾身の書き下ろしSF長篇!
  • 猫は聖夜に推理する~猫探偵 正太郎の冒険2~
    4.0
    クリスマス・イヴに、推理作家・桜川ひとみは、リビングで膝の上の猫・正太郎に語りかける。イヴの失恋の思い出。彼に渡せなかったプレゼント。「プレゼントは、いったい何だったでしょうか。推理してください」正太郎は小首を傾げ、「答」を示した……(「賢者の贈り物」)。本格推理、ラブ・ストーリー、宇宙を駆ける「番外編」など、好評、猫探偵の六つの事件簿!
  • 虚けの舞
    4.0
    天下人となった豊臣秀吉によって、すべてを奪われた織田信長の次男・信雄、関東の覇者を誇る家門を滅ぼされた北条氏規。二人は秀吉に臣従し、やがて朝鮮出兵の前線である肥前名護屋に赴く。その胸中に去来する思いとは何だったのか?屈辱を押し殺し苛烈な時代を生き抜こうとした落魄者の流転の日々を哀歓鮮やかに描ききる感動の歴史小説。
  • 猫は毒殺に関与しない~猫探偵 正太郎の冒険5~
    4.0
    誰が犯人だ!? 桜川ひとみの自宅で開かれた鍋パーティ。作家仲間である四方幸江を陰で中傷する人物を探り出す。それが、ひとみに任された役割りだった。だが、パーティ参加者の中に、大きな殺意を抱く者がいて……。(表題作) いつもクールに謎を解く猫探偵 正太郎が、生涯二度目の恋をした!?(「正太郎、恋をする」) 珠玉の3編を収録。
  • 戦国無常 首獲り
    4.0
    手柄を挙げろ。どんな手を使っても――。 天文十五年。功を焦り戦場を駆ける掃部介は、血まみれで横たわる旧友・猪助を見つける。かろうじて息のある猪助は息子に恩賞を渡してほしいと、討ち取った首を掃部介に託す。その首は、敵方総大将のものであった――。(「頼まれ首」)首級ひとつで人生が変わる。欲に囚われた武士たちのリアルを描く六つの悲喜劇。
  • 宿神 第一巻
    4.0
    1~4巻836~847円 (税込)
    そなた、もしかして、あれが見ゆるのか……女院は不思議そうに言った。 あれ!? あの影のようなものたちのことか。そうだ。見えるのだ。あのお方にも、見えるのだ――。 のちの西行こと佐藤義清、今は平清盛を友とし、北面の者として院の御所の警衛にあたる若き武士。ある日、美しき箏の音に誘われ、鳥羽上皇の中宮、待賢門院璋子と運命の出会いを果たす。たちまち心を奪われた義清であったが……。 著者渾身の大河伝奇絵巻、開幕!
  • 真実の航跡<文庫版>
    4.0
    「法こそ正義」若手弁護士×「掟こそ正義」誇り高き軍人 二人が法廷に立つとき、熱い人間ドラマが生まれる。圧巻の歴史長編! 太平洋戦争中、スマトラ沖で大日本帝国海軍の重巡洋艦が英国商船を撃沈し、捕虜を大量虐殺する事件が起こった。敗戦後、若手弁護士の鮫島は、殺害を指示したとされる五十嵐元中将の戦犯弁護人になる。しかし五十嵐に「死刑を受け入れる」と言われてしまう。それでも減刑を勝ち取るため、鮫島は真相を探っていくと、驚愕の事実が見えてきて──。戦犯裁判を舞台に熱い人間ドラマが繰り広げられる歴史長編。
  • 六つの村を越えて髭をなびかせる者
    4.0
    1巻1,699円 (税込)
    直木賞作家の新たな到達点! 江戸時代に九度蝦夷地に渡った実在の冒険家・最上徳内を描いた、壮大な歴史小説。本当のアイヌの姿を、世に知らしめたい――時は江戸中期、老中・田沼意次が実権を握り、改革を進めていた頃。幕府ではロシアの南下に対する備えや交易の促進などを目的に、蝦夷地開発が計画されていた。出羽国の貧しい農家に生まれながら、算学の才能に恵まれた最上徳内は、師の本多利明の計らいで蝦夷地見分隊に随行する。そこで徳内が目にしたのは厳しくも美しい北の大地と、和人とは異なる文化の中で逞しく生きるアイヌの姿だった。イタクニップ、少年フルウらとの出会いを通して、いつしか徳内の胸にはアイヌへの尊敬と友愛が生まれていく……。松前藩との確執、幕府の思惑、自然の脅威、様々な困難にぶつかりながら、それでも北の大地へと向かった男を描いた著者渾身の長編小説!
  • 壱里島奇譚
    4.0
    現代の科学で解明できない謎の商品“おもしろたわし”を調査してほしい―。商社マン・宮口翔一は、常務からの特命で、生産地・天草諸島の壱里島へ飛んだ。しかし、その小さな島は強力なパワースポットと化し、奇妙な現象が次々と起こっていた! 翔一はオカルトライター・機敷埜風天と共に力の噴出口・信柄浦岳を目指すが…。
  • 夜半獣
    4.0
    1巻1,881円 (税込)
    不思議な郷に迷い込んだ俺。 ココは変だ、住民は変だ、俺もなんか変だ。 やがて俺は力を得て夜半獣と呼ばれるのだった。 血と暴力と愛の郷 上槇ノ原へようこそ! 気付けば無人の車両に乗っていて、わけもわからず上槇ノ原へとたどり着いた省悟。 癖のあるどこか愛くるしい住民達と共に生活をするうち、省悟は郷にとってなくてはならない存在となった。 ある日、省悟は上槇ノ原と下槇ノ原の抗争に巻き込まれてしまう。 古より続く上下抗争だった。 そんななか省悟は「夜半獣」として圧倒的な力を得ると共に、村民から敬われる存在となり……。 夢か現か、異世界での戦争が始まった。
  • 泥棒は幻を見ない
    4.0
    辻斬り事件、発生! 日本刀で男が殺害された。 真弓と淳一夫婦が事件を追う! 子供を虐待し死なせた疑いでニュースを賑わせていた鎌田が路上で殺された。 凶器は日本刀。太刀筋も只者ではない。一体、誰が鎌田を殺したのか。 刑事の真弓と泥棒の淳一夫婦は、偶然〈夜のニュースワイド〉の敏腕プロデューサー・めぐみとファミレスで知り合い、辻斬り事件の真相を追い始める。 事件を追ううちに、二十年の刑期を終え出所した男と繋がっていく――。 殺人の罪で有罪になりながらも、動機を一切口にしなかった男の秘密とは。 人気シリーズ「夫は泥棒、妻は刑事」第二十三弾! 〈目次〉 プロローグ 1 乱世 2 順序 3 灰色の世界 4 札束 5 失意 6 疑惑 7 恩人 8 はかりごと 9 世直し 10 幻影 11 来日 12 友情 13 幻の計画 14 幻の刀 15 閉じた記憶 16 声の宴 17 秘密の話 18 宴の前 19 機会 20 生か死か 21 清算 エピローグ
  • ものがたりの賊
    4.0
    1巻2,000円 (税込)
    『宝島』から3年。お待たせしました。天才・真藤順丈による、ハチャメチャで面白い小説、出来ました 光源氏、坊っちゃん、伊豆の踊子……。文学史を彩るキャラクターたちが帝都を舞台に大立ち廻り! 日本文学至高のアベンジャーズ。
  • 十津川警部 両国駅3番ホームの怪談
    4.0
    会社員の宮田は、普段は使われていないJR両国駅3番ホームで、深夜に二人の不審な人物を目撃する。 翌日、3番ホームに入り込んだ宮田と恋人の千里はランの模様が入った指輪を拾うが、 ある理由から指輪の複製を依頼した宝石店の店員が殺害された。 そして優勝力士と両国から館山に向かう臨時特急に乗った千里が行方不明に。 3番ホームでの怪異と指輪の謎に、十津川警部が迫る! 十津川警部が着目した「知られざる悲劇」とは?
  • 夏と冬の奏鳴曲  新装改訂版
    4.0
    二十年前に死んだ美少女を偲び、孤島「和音(かずね)島」に集う男女を襲う惨劇。 今も彼女の影が支配する島で、雪が降りつもった夏の朝に、首なし死体が発見される。 雪密室を皮切りに島の均衡は崩れ、暴走が始まる。 ラストの大破局(カタストロフ)、メルカトル鮎(あゆ)のとどめの一言。 発表当時から話題騒然の超問題作が新装改訂版で登場!
  • デイ・トリッパー
    4.0
    結婚して、僅か三年半で夫の大介を亡くした香菜子。悲しみを出さないように生活しつつも、夫のことを思う気持ちは変わらない。そんなある日、香菜子を励まそうとする友人たちと行った店で出会った女性に「亡くなった人に会える」と声をかけられた。彼女は叔父の機敷埜風天が発明した遡時誘導機、通称“デイ・トリッパー”を使えば、過去を見られるというのだ。香菜子は夫に会うため、時を跳ぶ!タイムトラベル・ラブロマンスの名手が贈る新たな物語!
  • 喜知次
    4.0
    菊枕は頭痛持ちにきくというので先祖が植えた菊が咲き、花を摘み始める頃、妹ができた。 日野小太郎は五百石の祐筆の嫡男だ。赤い頬の妹を“喜知次”と呼んだ。 友人の牛尾台助の父は郡方で、百姓の動き不穏のため、帰宅が遅い。少年の日々に陰を落とすのは、権力を巡る派閥闘争だった。 幼なじみの鈴木猪平の父親が暗殺される。武士として藩政改革に目覚めた小太郎の成長に、猪平が心に秘めた敵討ちと喜知次への恋心を絡めて、清冽に描く傑作時代小説。
  • 明日は結婚式
    4.0
    1巻1,650円 (税込)
    人生は、たくさんの人との繋がりで彩られていくんだね――。 明日に挙式を控えた、信用金庫勤めの井東春香と、パン屋の息子でデザイナーの細井真平。ごくごく普通に暮らす二人が、偶然の出会いから愛を育み夫婦になる。 家族で過ごす最後の夜、春香の両親と弟、そして祖母には、それぞれに伝えたい想いがあった。 一方、新しい家族を迎える細井家でも、実の母を早くに亡くした真平に、今だからこそ話しておきたいことがあり……。 結婚前夜を、当人たちとその家族の視点から紡ぐ感動の物語。
  • 宝島(上)
    無料あり
    4.0
    1~2巻0~924円 (税込)
    しのびこんだ米軍基地で突然の銃撃。混乱の中、故郷(シマ)いちばんの英雄が消えた。英雄の帰還を待ち望みながら沖縄(ふるさと)を取り戻すため立ち上がる、グスク、ヤマコ、レイ。長じて警官となり、教師となり、テロリストとなった幼馴染たちは、米軍統治下の時代のうねりに抗い、したたかに生き抜こうとする。第160回直木賞、第9回山田風太郎賞、第5回沖縄書店大賞、三冠達成の傑作! 圧倒的熱量。 奪われた故郷を取り戻すため、 3人の幼馴染たちが米軍統治下の沖縄を駆け抜ける!
  • スタンダップダブル!
    4.0
    三十一歳を目前に北海道支局に「飛ばされ」た、全国紙スポーツ記者の前橋絵里。そこで出会った弱小の神別高校野球部が、旭川支部予選を勝ち上がっていく。彼らの不思議な強さの「秘密」に惹かれた絵里はやがて、ナインが甲子園を目指す特別な「理由」を知る。その中心には、見た目はそっくりで性格が対照的な、エースの青山康一とセンターの健一という双子がいて……。野球を知らなくてもワクワクして元気が出るハートフル・エンターテインメント、待望の文庫化!(解説・大矢博子)
  • 猫と妻と暮らす 蘆野原偲郷
    4.0
    1~2巻671~748円 (税込)
    ある日、若き研究者・和野和弥が帰宅すると、妻が猫になっていた。じつは和弥は、古き時代から続く蘆野原(あしのはら)一族の長(おさ)筋の生まれで、人に災厄をもたらすモノを、祓うことが出来る力を持つ。しかし一族の出でない妻が、なぜ猫などに? これは、何かが起きる前触れなのか? 同じ里の出で、事の見立てをする幼なじみの美津野泉水らとともに、和也は変わりゆく時代に起きるさまざまな禍(わざわい)に立ち向かっていく。
  • 別冊NHK100分de名著 時をつむぐ旅人 萩尾望都
    4.0
    少女漫画の概念を変えた稀代のストーリーテラー。その先進性と深遠な哲学に迫る! 少女漫画史に燦然と輝くトップランナー、萩尾望都。半世紀にわたって、ファンタジー、ミステリー、SFなど幅広いジャンルを舞台に、実存、不条理、魂の救済、差別、家族の相克など普遍的な哲学的命題を提示し続けてきた。その深遠な世界観を、いずれ劣らぬ萩尾愛に満ちた4人の論者が語りつくす! 2021年正月に放送され反響をよんだ番組「100分de萩尾望都」待望のムック化。萩尾望都自身のインタビューも収載。 〈内容〉 『トーマの心臓』をよむ――小谷真理 『半神』『イグアナの娘』をよむ――ヤマザキマリ 『バルバラ異界』をよむ――中条省平 『ポーの一族』をよむ――夢枕獏 萩尾望都インタビュー
  • 十津川警部 スーパー北斗殺人事件
    4.0
    特急スーパー北斗で札幌に通学する関口透は、車内で出会った鎌谷理佐子に興味をいだくが、その後行方不明になる。上京した関口は、浅草の祭りで理佐子にそっくりの料亭〈まつだいら〉の娘、松平かえでに出会うが、かえでは毒殺される。十津川警部が捜査に乗りだし、事件の背景には松平家にまつわる黒い野望が渦巻いていることを掴むが……。
  • 波に座る男たち
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    消滅寸前の昔気質のヤクザたちが、ふとしたことから手に入れた漁船で捕鯨を始める。超武闘派の環境団体ほか、障害も多く……。著者、初めての痛快冒険文学長編――男たちは海にくりだす。船はその名も任侠丸! 海、鯨、そして仲間たち、そして戦いが始まる! 小料理屋の主人・麓浩司は、借金のため、ヤクザ・大場会の料理人になることに。その大場会の台所も、火の車。任侠道にこだわりすぎの親分が、ある日、決断したのは、「日本の食文化の伝統を守る」稼業に乗り出すことだった。美女、伝説のスナイパーほか、多彩な登場人物が奏でる、ハートウォーミング&ユーモア冒険活劇。
  • 富山地方鉄道殺人事件(新潮文庫)
    4.0
    「宇奈月から黒部への旅」と書き残し、政界スキャンダルの鍵を握る若手官僚が姿を消した。彼を追う女性新聞記者の死体が、黒部峡谷を走るトロッコ列車の終点・欅平で発見され、十津川警部は黒部に向かう。その先には行くことが難しい終点駅から、犯人はどこに消えたのか? そして、事件の舞台は、路線距離100キロ超と地方鉄道ながら有数の規模の富山地方鉄道に。好評「地方鉄道」シリーズ。
  • 仙台駅殺人事件
    4.0
    毎年12月1日正午に、仙台駅ホームに佇む和服姿の女。この謎の美女は、原宿で起きた殺人事件の容疑者だった。ところがその、高級クラブ「綾」のママ・早坂みゆきは、1千万円もの大金を仙台駅でゆすられ続けていた。行方をくまらしたみゆきを追跡する十津川警部と亀井刑事は、仙台駅に網を張るが、何者かに発煙筒で妨害され、失敗。再度の張り込み中、駅構内で「綾」のホステス・久保カオルが絞殺された。1千万円の行方と殺人容疑者、恐喝犯を追う十津川の前に明かされる意外な真相は…。 24時間眠らぬ、東北の玄関口・仙台駅を舞台にした駅シリーズ。
  • 殺意の設計
    4.0
    新進の画家の田島と結婚して3年たったある日、夫の浮気が発覚した。妻の麻里子は、夫の旧友である井関に相談を持ち掛けるものの、心惹かれていく。三人で集まった際、田島夫妻が毒殺される――。
  • 裏口は開いていますか? <新装版>
    4.0
    月波家の自宅裏口に若い男の死体があった。その日を境に、平凡だった家庭の生活の歯車が狂い出す。夫と妻はそれぞれ別の異性との情事に溺れ、子供たちは大人の裏の顔を知ることになる。事件に巻き込まれていく人々の保身や欲望、裏切りなどを、ブラックユーモアたっぷりに描いたサスペンス長編。
  • 十津川警部C11を追う
    4.0
    友は本当に復讐するつもりか? 迫真のトラベル・ミステリー――高校時代の友人・宮下が、当時の級友に復讐を画策しているらしい、と聞かされ、十津川警部はおどろく。8年前、大型バンの事故で、宮下が妻を失くした際、5人の級友が同乗していたという。十津川は半信半疑だったが、その5人を乗せたSLが山奥の鉄橋から墜落して、不安は現実化した! 第一人者の旅情推理傑作集。
  • 北陸の海に消えた女
    4.0
    自殺か、他殺か? 初冬の海に殺意が漂い、殺人事件の容疑者は水死体に……。十津川の推理は? 傑作ミステリー集――北陸・山中温泉で、製薬会社の役員が、背中を刺され殺された。黒いコート姿の若い女性に、容疑がかかるが、彼女は、海岸で水死体となって発見される。所持品のバッグからは、殺された役員と同じ型の血液が付着したナイフが! 十津川警部の執念の捜査が、事件の真相を暴く、という表題など、全4編の傑作短編ミステリー集。
  • 松島・蔵王殺人事件
    4.0
    十津川警部、ニセ名刺のナゾを追う! ――区議会議員の名刺を持った男性の死体が、上野公園で発見され、多摩川では、会社社長の名刺を持った女性の死体が……。被害者の名刺は、どちらもニセ物だった。十津川と亀井は、身元調査のため松島へ向かうが、情報提供者は失踪していた。さらに、捜査に協力した亀井のかつてのマドンナも、行方不明に。傑作トラベル・ミステリー。
  • 最終ひかり号の女
    4.0
    最終ひかり号個室に男の死体! 傍に香水の残り香が! 性感あふれる旅行推理傑作集。消えた美女の謎に悩み、噂の美女を追う、十津川警部の奮闘――東京駅発の最終ひかり号グリーン個室に、毎晩、美女が乗る。ある夜、そのひかり号個室で、会社社長が殺された。現場には、香水の妖しい残り香が……。謎の美女が、その夜限りで消えたのを知り、彼女こそ事件の関係者と確信した十津川警部は、ある秘策を実行に移した! 絶好調のトラベル・ミステリー傑作集。
  • 恨みの陸中リアス線
    4.0
    北へ走る三陸鉄道を襲う殺意。殺人予告を知りながら救えなかった、十津川警部痛恨の事件――北へ走る三陸鉄道リアス線の車内で、水産会社社長が殺された。男の身元を知って、十津川は自責の念にかられる。殺害予告の脅迫状に怖えた被害者の娘が、父の死の前日、捜査一課に助けを求めていたのだ。そして、上野で起こった第2の殺人が、十津川を宮古へと向かわせた。怒りに燃え真相に迫る十津川警部の推理。
  • 釧路・網走殺人ルート
    4.0
    公金横領の上に、殺人者の汚名まで着せられた会社員の逃亡ドラマ! 逃亡者の陰の真相を追う十津川警部――会社の金1億円を持ち出して、北海道に逃走した古谷は、寝台急行の車中で愛人と合流するが、そのときすでに愛人は、何者かに殺されていた。古谷は、横領犯に加え、殺人犯の汚名まで着せられる。なおも彼を追い詰めてくる、謎の男の正体は? そして意外な真相とは? 十津川警部らが北海道を駆ける長編。
  • 阿蘇殺人ルート
    4.0
    死者が殺人を予告? 十津川警部を翻弄する謎――火の国での殺人を予告する手紙が、東京警視庁に届いた。だが、差出人とみられる井上は、成城の自宅で死体となって発見された。3日後、阿蘇の雄大な裾野を走る急行「火の山」の車内で、不動産業者が殺される。そして再び、事件の続発を予告する電報が、警視庁へ。発信人は何と井上! 十津川警部を翻弄する奇怪犯罪とは?
  • 京都感傷旅行 十津川警部シリーズ
    4.0
    安倍晴明、小野篁の伝説が蘇る。京都歴史ミステリー。 還暦を迎えた沢田秀一は、大学時代の「鉄道友の会」の仲間と、 かつて交際した西野京子が営む京都の料亭旅館で再会した。 だが、仲間の男は「私は、欺されたのか?」とメモを遺し不審死を遂げ、 さらに京子の生家は陰陽師だと詮索した女も遺体で見つかった。 10年前、 東京で起きた事件との関連に気付いた十津川警部は京都へ向かう。 陰陽師は、人を、殺せるのか。 千年続く呪法と古都の闇に、十津川警部が挑む。 ※この電子書籍は2018年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 哀しみの北廃止線
    4.0
    幸福駅の災厄に十津川が名推理!! 奇妙な頼みを果たして訪ねた依頼人の部屋には、血が飛び散りかつての仲間十津川警部がいた! ――幸福駅の切符がもたらす災厄を、十津川警部が推理。探偵事務所を開いた元警官に舞い込んだ奇妙な依頼は、廃線となった北海道・幸福駅の切符を買い、駅に絵馬を掛けることだった。約束を果たし訪ねた依頼人の部屋には血痕が飛び散り、かつての仲間・十津川警部たちが居た。4つの難事件に十津川が挑む、傑作短編集。
  • オホーツク殺人ルート
    4.0
    北海道と伊豆で女性が怪死! 新機軸の野心作――北海道の観光地めぐりだけ、という好条件のアルバイトに、狂喜した女子大生ふたり。存分に旅を楽しんだあと、彼女らは別行動をとる。ところが直後、ひとりはサロマ湖畔の砂丘に埋められた! 同じ頃、伊豆下田では、女性作詞家の死体が発見された。2つの事件の背後に浮かんだ人物とは? 新境地をひらいた、トラベル・ミステリーの傑作。
  • 十津川警部 山手線の恋人
    4.0
    有楽町の出版社に勤める星野は、山手線で見かける美女に憧れ「山手線の恋人」と呼んでいた。星野は、物故作家の作品を再び刊行するために、その作家の娘を捜す過程で見た顔写真が「山手線の恋人」と似ていることに気づく。田町と品川間の山手線新駅工事現場近辺での脱線や、爆破予告などが続けざまに起き、そこにも彼女の影が。そして捜査にあたる十津川警部を嘲笑うかのように、新たな事件が発生する。 密かに想う女性が犯罪者なのか。「恋人」の正体は?十津川警部が 連続犯罪の真相に迫る!
  • おやすみ、東京
    完結
    4.0
    全1巻814円 (税込)
    東京、午前一時。この街の人々は、自分たちが思っているよりはるかに、さまざまなところ、さまざまな場面で誰かとすれ違っている――映画会社で〈調達屋〉をしているミツキは、ある深夜、「果物のびわ」を午前九時までに探すよう頼まれた。今回もまた夜のタクシー〈ブラックバード〉の運転手松井に助けを求めたが……。それぞれが、やさしさ、淋しさ、記憶と夢を抱え、つながっていく。月に照らされた東京を舞台に、私たちは物語を生きる。幸福な長編小説。
  • 花咲小路三丁目北角のすばるちゃん
    4.0
    たくさんのユニークな人々が暮らし、日々さまざまな事件が起きる花咲小路商店街。 にぎやか商店街の裏には、真っ赤なシトロエンが看板代わりの駐車場<カーポート・ウィート>があるのです。 若社長・すばるちゃんが営むカーポートを訪れるのはいろんな車。ときには厄介ごとも乗せてきて――
  • 特急街道の殺人
    4.0
    雷鳥、はくたかなど多くの特急が行き交った“特急街道”北陸。越前一乗谷遺跡を買い取りたいと、戦国大名朝倉氏の末裔を名乗る麻樹という女が現われる。一方、東京で、人気ゲーム作家武井要の刺殺体が発見された。富山県高岡市にも姿を見せた麻樹が「タケイ」という相手に電話していたとの情報で、警視庁の十津川警部は富山に飛ぶ。だが、その矢先、新たな殺人が!
  • 十津川警部 長崎 路面電車と坂本龍馬
    4.0
    警視庁捜査一課の西本刑事が、群馬県の世界遺産・富岡製糸場で毒殺された。難事件に共に挑んできた若きエースの死に、十津川警部は悲しみをこらえ、捜査に乗り出す。西本は九カ月前に捜査を休み、富岡を走る上信電鉄を撮影していた。さらに、同じ頃、恋人の牧野美紀が失踪していたと判明し、十津川は西本の死との関連を疑う。そんな折、高崎で女性の他殺体が発見され……。
  • 台所のラジオ
    4.0
    それなりの時間を過ごしてくると、人生には妙なことが起きるものだ――。昔なじみのミルク・コーヒー、江戸の宵闇でいただくきつねうどん、思い出のビフテキ、静かな夜のお茶漬け。いつの間にか消えてしまったものと、変わらずそこにあるものとをつなぐ、美味しい記憶。台所のラジオから聴こえてくる声に耳を傾ける。十二人の物語。滋味深くやさしい温もりを灯す短篇集。
  • キマイラ10 鬼骨変
    4.0
    明らかになった恐るべき過去を背負い、南アルプスの山麓でキマイラ化した久鬼麗一と対峙する久鬼玄造と九十九三蔵。それを見守る宇名月典善、菊地良二――。そして、一敗地にまみれたあの龍王院弘の姿もあった。人か、獣か、それとも神か。キマイラにおのれの運命を狂わされた男たちの執念が渦巻く、驚天動地の第10巻!
  • 二階の沈黙 <新装版>
    4.0
    団地のベランダから落ちそうになった西沢芳恵の一人息子を救った佐原。いかにも善良そうで魅力的な男だった。西沢夫婦は彼に好意を持ち、就職の世話をする。しかし、経理係の女性の自殺、近所の家庭が崩壊、と事件が起こる。日常に迫る惨劇を描くミステリー。
  • 帝国
    4.0
    1巻2,508円 (税込)
    三億年前。超大陸。壁。 無限の書物。無数の流星・・・ 「すべてを見せてあげる。だから――」 現代文学の極北に昇りつめ、 著者の一到達点を示す、 至高の書。
  • 事件屋
    4.0
    冒険作家の俺は、最新作出版後、何者かに襲われた。 俺の小説に何かヤバいことでも……、突如、現れた男が俺を助けてくれた。 どこかで会ったような気がする、すると彼は、かつて俺が創り出した主人公の名を名乗った─これは一体どういうことだ!?
  • 最悪の将軍
    4.0
    生類憐みの令によって「犬公方」の悪名が今に語り継がれる五代将軍・徳川綱吉。その真の人間像、将軍夫妻の覚悟と煩悶に迫る。民を「政の本」とし、泰平の世を実現せんと改革を断行。抵抗勢力を一掃、生きとし生けるものの命を尊重せよと天下に号令するも、諸藩の紛争に赤穂浪士の討ち入り、大地震と困難が押し寄せ、そして富士山が噴火――。歴史上の人物を鮮烈に描いた、瞠目の歴史長編小説。
  • 現美新幹線殺人事件 十津川警部シリーズ
    4.0
    旅するアートカフェ新幹線に隠された謎! 絵画に隠された〈不都合な真実〉とは? 越後湯沢で休暇中の画商・竹田幸太郎は、東京の自宅で妻子が殺され、新進の画家・渡辺久の絵を盗まれた。 だが、その絵は、越後湯沢―新潟間を走る観光列車「現美新幹線」になぜか渡辺の自選で展示される。当の渡辺は渡米し所在不明に。 捜査の糸口も掴めない十津川は絵の秘密を追い“世界最速の美術館”に乗り込むが……。 ※この電子書籍は2017年4月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 赤川次郎クラシックス 幽霊湖畔
    4.0
    〈赤川次郎クラシックス〉 第5弾。 宇野警部と永井夕子が、休暇で湖畔のホテルに滞在中、アルバイト学生がナイフを胸に突きたてられた死体で発見される。 この人造湖の湖底には、かつて強盗殺人事件で奪われた、二億円相当の宝石が沈んでいるらしい。 逃走中の犯人が必死に宝物を探すなか、宇野と夕子に散弾銃が向けられる!? 表題作ほか、「着せかえ人形の歌」「危い再会」「吸血鬼を眠らせないで」「狼が来た夜」の全5篇。 どこから読んでも楽しめる〈幽霊〉シリーズです。 カバーイラスト・あずみ虫 ※この電子書籍は、1991年8月に文藝春秋より刊行された文春文庫の「新装版」を底本としています。
  • 十津川警部 捜査行 北国の愛、北国の死
    4.0
    札幌近郊のホテルで殺人事件が発生した。被害者は都内在住の女性と判明。その後の捜査である男が捜査線上に浮かぶが、その男は、十津川警部の相棒、亀井刑事の姪の恋人だった! 鉄壁のアリバイを持つその男。果たして真相は……。 (本書は2016年8月に実業之日本社より刊行され、2019年9月に小社より刊行された同名文庫の電子書籍版です。)
  • 変幻
    4.0
    警視庁捜査一課刑事の宇田川の同期、特殊班の女刑事が「しばらく会えなくなる」と言い、音信不通となった。かつて公安にいた同期と同じように……。「同期」シリーズ完結篇!公安を辞めさせられた男。特殊班で消息を絶った女。たとえいなくなっても、俺たちは同期だ――。
  • 警官の目
    4.0
    豪華執筆陣による警察小説アンソロジー。父親と同じく警察官になった男が、父の起こしたある事件の真相を知る「汚名」(五十嵐貴久)、大好評の萩尾警部補シリーズから「消えたホトケ」(今野敏)、事件解決の端緒に不審な……「裏切りの日」(誉田哲也)、かつてない逃走方法で逃げる犯人を追う「シェパード」(三羽省吾)の4編を収録。
  • 敗者烈伝<文庫版>
    4.0
    信長も光秀も皆敗者だ―― “敗れた英雄”に学べ! 歴史に学び、現代を勝ち抜くヒントがこの一冊に!! 河合敦さん絶賛!(『早わかり日本史』著者) 本能寺で織田信長を討った明智光秀は、なぜ数日で勝者から敗者へ転落したのか―― 歴史小説界の旗手・伊東潤が、古代から戦国、幕末・明治まで、 日本史上に燦然と輝きを放ち、敗れ去った英雄たち25人の「敗因」に焦点を当て、 真の人物像、歴史の真相に迫る歴史エッセイ。 源頼朝、徳川家康ら、最後まで勝ち抜いた歴史の勝者を語る「勝者烈伝」併録。 【本書で取り上げた人物】 蘇我入鹿――頂点から一気に没落した国際派 平 将門――調子に乗りすぎた野心家 藤原頼長――厳格に過ぎた摂関政治の護持者 平 清盛――事を急ぎすぎてすべてを失った独裁者 源 義経――己の力量を過信した天才武将 高 師直――建武の新政をぶち壊した婆娑羅者 足利直義――愚兄への甘えから墓穴を掘った賢弟 足利義政――戦国時代を招いた無気力将軍 太田道灌――己の手腕を頼みにしすぎた大軍略家 今川義元――一瞬の油断が命取りになった海道一の弓取り 武田勝頼――人間洞察力に欠けた最強の侍大将 織田信長――己を克服できなかった史上最強の英傑 明智光秀――白と黒の二面性を併せ持った謀反人 北条氏政――慎重さが足枷となった名家の四代目 豊臣秀次――独裁者に操られた悲劇の後継者 石田三成――有能でありながらも狭量な困った人 豊臣秀頼――時代の波に押し流された賢き人 天草四郎――勝算なき戦いに駆り出された美少年 徳川慶喜――思いつきで動き回って自滅した小才子 松平容保――将軍に利用されて捨てられたお殿様 大鳥圭介――最後まであきらめない理系指揮官 榎本武揚――薩長政府に徹底抗戦した気骨の人 江藤新平――正義を貫きすぎた硬骨漢 西郷隆盛――肥大化した人望にのみ込まれた人格者 桐野利秋――西郷への敬愛に殉じた最後の志士 コラム「勝者烈伝」 源頼朝――恐妻家の墓穴 足利尊氏――気分屋天下を取る 徳川家康――敵を知り、己を知れば―― 大久保利通――そして誰もいなくなった
  • 十津川警部 仙石線殺人事件
    4.0
    青梅の精神科病院で殺人未遂事件が発生した。被害者は入院患者の千石典子。容疑者として浮上した男性が、松島海岸近くで遺体で発見された。殺人事件の捜査を進めていくと、東日本大震災で沈没し、海底から引き揚げられたグズマン二世号の客室から発見された大量のプラチナ事件と繫がり、十津川警部はそこに潜む闇資金の謎を追う。
  • マル暴総監
    4.0
    「俺のこと、なめないでよね」が口ぐせの、史上“最弱”の刑事・甘糟が大ピンチ!? 北綾瀬署管内で起きた半グレ殺人事件の捜査線上に浮かんだ意外な人物。捜査本部でただひとりその正体を知る甘糟は、現場にふらりと現れる男に翻弄されることに――。笑って泣ける痛快〈マル暴〉シリーズ待望の第2弾。映画化『任侠学園』の阿岐本組の面々も登場!
  • 寝台急行「銀河」殺人事件 十津川警部クラシックス
    4.0
    東京―大阪間を9時間強で結ぶ寝台急行銀河。そのA寝台で女性の他殺体が見つかった。容疑をかけられたのは、乗り合わせたサラリーマン、井崎。十津川警部の旧友にして、被害者の愛人だった――。潔白を主張する井崎を、十津川は救えるか? 今はなき寝台急行を舞台にした傑作が30年の時を経て新装版で登場! 解説・寺本光照
  • 残り者
    4.0
    時は幕末、徳川家に江戸城の明け渡しが命じられる。官軍の襲来を恐れ、女中たちが我先にと脱出を試みるなか、大奥にとどまった「残り者」がいた。彼女らはなにを目論んでいるのか。それぞれ胸のうちを明かした五人が起こした思いがけない行動とは――激動の時代を生きぬいた女たちの物語。
  • 吸血鬼と生きている肖像画(吸血鬼はお年ごろシリーズ)
    4.0
    評判の画家に描かせた肖像画が届いた直後、大企業の社長が自殺した。社長室のある八階から飛び下りたのだ。疑惑の肖像画を見たクロロックは、かすかに漂う怪しい匂いをかぎつけた。しかも現場に来た刑事によると、この画家が描いた人間は次々と亡くなっているといい──!? 正義の吸血鬼父娘が、事件に潜む闇を斬る!! 表題作のほか『吸血鬼とお茶を』『鏡を愛した吸血鬼』の2編を収録。
  • 三毛猫ホームズの四捨五入 新装版
    4.0
    編入してきた棚原弥生を見て、担任の竜野は衝撃を受けた。その顔立ちや声が、20年前の彼女にそっくりだったから……。弥生には両親がいない。母は5年前に他界、そして父は、4カ月前、片山義太郎を狙った銃弾で生命を奪われた。N女子学園での不穏な情報を得た片山は、そこで弥生と再会を果たす。弥生の周辺で次々と起こる事件に、ホームズたちが立ち向かう!
  • 横浜1963<文庫版>
    4.0
    横浜生まれ、横浜育ちの著者初の社会派ミステリー。 東京オリンピックの開催を翌年に控え、活気に満ちていた横浜。そんな時、横浜港で若い女性の死体が発見される。死体にはネイビーナイフの刺し傷、爪の間には金髪が残っていた。立ちはだかる米軍の壁に事件は暗礁に乗り上げたが、神奈川県警外事課の若い警察官・ソニー沢田は単身、米海軍捜査局に乗り込んだ。日系三世の米軍SP・ショーン阪口は、ソニーの熱意に応え捜査協力を決意する。事件の真相に迫ろうともがく二人の前に、戦争の大きな負の遺産が立ちはだかる。 解説 誉田龍一 カバー写真 三浦憲治 〈著者からのメッセージ〉 私は1960年に横浜で生まれました。実は現在も同じ場所に住んでいます。生まれ故郷が好きかと問われれば、何とも答えようがないのですが、とくに引っ越しの必要性もなかったので、流れに任せて住んでいる感じです。ところが55歳という年齢になり(注釈 : 2019年現在は59歳)、さすがに昔の横浜が懐かしくなってきました。平成に入ってからの横浜は大きな変貌を遂げ、昔の風景が、どんどんなくなってきたこともあります。数年前、いつか当時の横浜を舞台にした小説を書いてみたいと思い始めました。1960年代前半の雑然とした横浜の空気を再現したかったのです。それだけ、当時の横浜は不思議な魅力に満ちていました。 その提案を受け入れてくれた版元により、このほど初のミステリーとして本作を上梓することができました。これまで歴史小説しか書いてこなかった私としては、新たな挑戦になりましたが、書き始めてみるとスムースに筆が走ったのには驚きました。やはり、よくも悪くも横浜への思いがたまっていたのでしょうね。とくに今回は、視覚、聴覚、嗅覚、感覚に関する表現を駆使して、1963年の横浜を再現することに力を入れました。「文字の力はバーチャル・リアリティに勝る」ということを唱えてきた私としては、読者に1963年の横浜に行ってもらうことを心掛けました。それゆえ行間には、当時の雰囲気が息づいているはずです。過去の横浜を知っている読者も、知らない読者も、それぞれの横浜を脳内に再現できると思います。また私は、この作品の中に多くのメッセージを込めました。現在、世界は中国やロシアといった覇権主義国家の台頭によって混迷を深め、これまで以上に日本は、同じ民主主義を国是とする米国と密接な関係を保っていかねばならない時代になりました。だが戦後、日米はどのような関係にあったのか、詳しく知る人がどれだけいるのでしょう。とくに駐留軍と共存してきた日本の庶民が、彼らに対して、どのような感情を抱いていたかについて書かれたものは極めてまれです。そうした巷間に生きた人々の息遣いを再現し、そこから、これからの日米関係はどうあるべきかを、読者個々に考えてもらいたいというのも、本書を書く動機になりました。時代は移り変わっていきます。それだけは止めようがありません。ただ過去を知る者が、少しでもその痕跡を残そうと努力することで、当時の人々も現在を生きるわれわれと変わらず、懸命に生きていたことを伝えられるのではないでしょうか。伊東潤初のミステリー『横浜1963』を読み、一人でも多くの読者に「当時の横浜に行ってみたい」と思っていただければ、作者としてはこの上ない喜びです。
  • 十津川警部 金沢・絢爛(けんらん)たる殺人
    4.0
    都内のビル屋上で、加賀宝生流の能衣装をまとった男の死体が発見された。被害者は死ぬ前に能を舞ったらしい。近くのホテルに滞在する某国の大統領に見せるためだったと推測された。学生時代に金沢に滞在していた大統領が昔愛した女性が、2年前に失踪していたことが判明。現地で捜査を続ける十津川を待ち受けていたのは、古都に秘められた大きな陰謀だった。
  • 吹けよ風 呼べよ嵐<文庫版>
    4.0
    歴史小説の名手、伊東潤が放つ川中島合戦! 義を貫いてこそ― 上杉謙信と武田信玄が鎬を削る北信濃の地で、若武者須田満親が、才を磨き、戦塵を駆け抜ける! 文庫版にあたり、大幅改稿!装画は長野剛さん、解説は乃至政彦さん。 徹底的な現地取材を基に描く新たな合戦像! 時は戦国、あまたの武将ひしめく北信濃の地。甲斐の武田晴信(信玄)は、今川・北条と盟を結びつつ野望の眼を北に向けた。北信の盟主村上義清に忠義を尽くす須田家の後継満親と、従兄にして刎頸の友でもある須田庶家の信正。川中島に所領を持つ二人の若者は悩み、葛藤する。道は二つ、裏切ってでも生き残りを策すべきか、滅ぼうとも義を貫くか。やがて武田の脅威に抗しきれなくなった時、満親は越後の長尾景虎(上杉謙信)に支援を請う使者に立った……。北信濃を巡って謙信の義と信玄の欲が火花を散らす中、流転を強いられる須田一族の運命は――。
  • 三毛猫ホームズの傾向と対策 新装版
    4.0
    K大を受験する温水さゆりは、東京へと向かう夜行列車で水田智子と出会う。同じK大を受験するという智子だったが、東京駅で姿を消していた。駅では、晴美がさゆりを出迎えた。さゆりが片山家でホームステイするのだ。そのK大で、教授の今坂が殺される事件が。さゆりも渦中へと巻き込まれて……。義太郎が捜査を進めると、大学入試を巡る策謀が浮かび上がる!
  • 庵堂三兄弟の聖職
    4.0
    遺体から様々な製品を作り出す「遺工」を家業とする庵堂家。父の七回忌を機に、長男・正太郎のもと久々に三兄弟が集まるが、かつてない難しい依頼が舞い込んで!? 第15回日本ホラー小説大賞受賞!
  • 明日に手紙を
    4.0
    1巻715円 (税込)
    製品に欠陥のある洗濯機が原因で、女性が感電死する。製造元のK電気興業は欠陥を知りながらそれを認めず、世間から非難を浴びる。そんな悪い状況から抜け出したいK電機工業の成瀬は、被害者家族の平田夫婦や不買運動をしている人々の絆を壊すため、捏造した手紙を出す計画を提案する。その計画は思惑通りに進んでいくかに思われたが……。シリアスな展開、まさかの結末!! 傑作ヒューマンサスペンス!!
  • 指揮権発動
    4.0
    ODAコンサルタントに従事する三人の日本人が殺された! 密命を受けた特捜検事の芦名は、アフガニスタンへ飛ぶ。公安、捜査一課とともに捜査を進めると、日本政府を揺るがす裏金システムの存在が発覚し――。 ※初出「小説 野性時代」2017年4月号~2018年5月号 単行本化に際し加筆修正しています。
  • スパイ失業
    4.0
    アラフォー主婦のユリはヨーロッパの小国のスパイをしていたが、財政破綻で祖国が消滅してしまった。入院中の夫と中1の娘のために表の仕事だった通訳に専念しようと決めるが、身の危険が迫っていて……。
  • 十津川警部 南紀オーシャンアロー号の謎
    値引きあり
    4.0
    トレインジャックした主犯の男の正体は!? 京都を出発した特急オーシャンアロー17号。その列車には、次期駐日大使のウィリアム・コテッティ、その夫人と娘、それに白浜に向かう十津川警部の妻直子と叔母の美津子も乗車していた。異変に気づいたのは、美津子だった。停車予定の天王寺を通過したのだ。直子は、十津川警部からの電話でそれを告げた。  そして、犯人と称する男が外務省に電話をしてきた。神木昌幸とそのグループと名乗り、トレインジャックしたとしてコテッティ一家の身代金として日米両国で合わせて10億円、ほかの100人を超す乗客乗員の身代金として、JP西日本に対して10億円を要求してきた。  そのうち、その列車には生け花の小暮流家元、小暮龍園が乗車していること、主犯格がフランスの外人部隊にいて、ギニアで政府軍に雇われて反政府ゲリラと戦っていた高木健介という男であることがわかった。そして、アメリカ政府は、ギニアのアメリカ大使射殺は高木の仕業と見ておりアメリカ軍も動き出してきた。さまざまな思惑が錯綜する中、十津川は犯人逮捕と乗客の安全確保の双方ができるのか――。  クライマックスまで一気読みの、スリリングな長編ミステリー!
  • 歴史作家の城めぐり――戦国の覇権を競った武将たちの夢のあと<特典付電子版>
    4.0
    【電子書籍特典11城追加版】 第一級の歴史作家が読み解く、関東甲信の隠れた名城46のガイド お城ブームを反映して、城に関する書籍が多数出版されている。安土桃山期以降の豪華絢爛な天守閣を擁する城を中心に取り上げた書籍もあれば、戦国期の軍事色が強い古城を扱った書籍まで百花繚乱である。 本書は、気鋭の歴史作家として注目される伊東潤氏が、これまでの多くの作品で舞台としてきた関東甲信の名城を紹介するもの。多くはこの地域の覇権を競った北条氏、武田氏、真田氏、徳川氏にまつわる城である。 単なる名城ガイドや探訪記ではなく、歴史作家である伊東氏が綴る各城にまつわる物語や縄張り(城の基本設計)の解説が本書の特徴。読めば必ず現地を訪れたくなるし、一度行った城でもまた行きたくなる。 特典付電子版は紙の書籍ではお伝えしきれなかった11城を新たに加えました。 この本は、ディープな城ファンや伊東潤ファンはもちろん、これから関東甲信の城めぐりを始めたい方々にもおすすめです。 【目次より】*特典付電子版のみ 序章 城の基礎知識 第1章 東京都(滝山城、石神井城、江戸城、*浄福寺城) 第2章 神奈川県(小田原城、玉縄城、津久井城、三崎城、*石垣山城、*小机城) 第3章 埼玉県(武州松山城、菅谷城、杉山城、*忍城、*岩付城) 第4章 千葉県(国府台城、佐倉城、臼井城、本佐倉城、*関宿城) 第5章 群馬県(岩櫃城、太田金山城、松井田城、沼田城) 第6章 栃木県(唐沢山城、祇園城、宇都宮城、*足利氏館) 第7章 茨城県(逆井城、額田城、小幡城、*石神城) 第8章 山梨県(新府城、躑躅ヶ崎館、岩殿城、*若神子城) 第9章 長野県(高遠城、上田城、大島城、旭山城、*戸石城) 第10章 静岡県(諏訪原城、下田城、興国寺城、丸子城、*田中城)
  • 獅子の門1 群狼編
    4.0
    1~8巻715~880円 (税込)
    孤独の中で強さを渇望する芥菊千代。組から追われる身となった竹智完。美しき獣のごとき志村礼二。愚直に武道に邁進する加倉文平。優しき巨躯の室戸武志。世界を放浪する陳家太極拳の達人・羽柴彦六が5人の若者と出会った時、運命の歯車は俄に動き出す――。血潮たぎる迫力と息をもつかせぬテンポで繰り広げられる夢枕獏のノンストップエンタテインメント!
  • 三毛猫ホームズの騎士道 新装版
    4.0
    資産家・永江和哉からの依頼で、片山兄妹とホームズはドイツへと渡った。古城に住む和哉の弟・英哉の様子が、おかしいという。3年前、英哉の妻は、中世から伝わる処刑具「鉄の処女」によって惨殺された。古城に着いた夜、晴美は、白いドレスの女性を目撃。そして、マスクをつけた何者かに襲われる。唯一の出入口である跳ね橋が壊れ……。そこから、次々と殺人が! 片山たちは、古城に秘められた謎に迫る!
  • 灰色のパラダイス~杉原爽香四十五歳の冬~
    4.0
    大晦日に開かれるクラシック・コンサートの手伝いをすることとなった杉原爽香。準備が着々と進む中、思いがけず誘拐事件の渦中に巻き込まれてしまった。犯罪の片棒を担ぐ者や、愛息を奪われた夫妻。悲劇の当事者たちはさらなる泥沼にはまっていき……。爽香は相次ぐ事件の連鎖を断ち切ることができるか!? 読者と共に登場人物が年齢を重ねる大人気シリーズ第31弾!
  • 風の條 王国記 IX
    4.0
    神の王国の建設をめざす朧の野望は実現するのか? 不可思議な力を発揮する朧の息子、太郎は〈神の子〉なのか? 王国に君臨する「王」たるべき人間は果たして朧か太郎か?―― 抗いがたい運命に導かれるように、物語はいよいよクライマックスを迎える。 『ゲルマニウムの夜』に始まる「王国記」第一部ここに完結! ※この電子書籍は単行本『風の條 王国記VIII』を底本としていますが、電子書籍版の通し巻数は「IX」になります。
  • 神の名前 王国記 VIII
    4.0
    朧の息子・太郎がついに外界へ! 太郎に続いて、次郎、花子と次々に〈神の子〉が生まれ、膨らみつづける「悠久寮」。やがて16歳になった太郎は、ジャンとともに京都を旅するが、ここでも出逢う人びとを次々と魅了してゆく――興奮のシリーズ第八弾! ※この電子書籍は単行本『神の名前 王国記VII』を底本としていますが、電子書籍版の通し巻数は「VIII」になります。
  • 本日は悲劇なり
    4.0
    名門女子高の校内で自殺した少女。彼女の死の謎を追及するTVリポーター。そこには悲しい真実が隠されていてーー。赤川次郎の真骨頂、切ない中編ミステリーを2編収録。
  • 悪の華
    4.0
    団地で主婦が殺された。あの「ノラ」がついに帰ってきたのだ。事件をきっかけに久しぶりに集まった昔の悪の仲間。今は会社社長、ピアニスト、主婦……として、それぞれ平和に暮らしている。この生活を守るためにはノラを殺さなければならない。だが、捜査の手は着実に身辺にのび、一人、また一人と仲間が死んでいく。悪だけが持つ美と友情を描く、サスペンス・ミステリーの傑作。

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