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  • 忍者丹波大介
    3.3
    豊臣秀吉歿後、諸国大名の勢力は二つに分れ、関ヶ原の合戦で徳川方が勝利をおさめる。激変する時代の波のなかで、信義をモットーにしていた甲賀忍者のありかたも変質していく。丹波大介は甲賀の立場をすて一匹狼となり、自分が信ずるものにだけ従い、黒い刃風をくぐって活躍する。さまざまの武将の去就と歴史の裏側で暗躍する忍びの者の裸形を痛快に描く長編時代小説。
  • 雲霧仁左衛門(前)
    4.1
    神出鬼没・変幻自在の怪盗・雲霧仁左衛門。政争渦巻く八代将軍・吉宗の治世、江戸市中で、一人の殺傷もなく一万両を盗み出すという離れ業を成し遂げた雲霧一味は、次の狙いを尾張・名古屋の豪商・松屋吉兵衛方に定める。雲霧の命により、七化けのお千代は、四年前に妻を亡くした吉兵衛に近づく。金蔵をめざして、江戸から名古屋へ盗賊一味の影が走り、火付盗賊改方の一団が追う。

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  • さむらい劇場
    4.0
    酒と女に溺れ家中の鼻つまみものである榎平八郎は二十一歳。七百石の旗本の三男に生れながら妾腹の子ゆえに家来にまで蔑まれている。ある夜女を抱いた帰途、何者かに襲われる。やがて、それは彼を疎む父親の命であることが判明する。徳川吉宗が将軍位について二十余年、いきいきとした時代を背景に、青年ざむらいが意地と度胸で、己れの道を切りひらいていく姿を描く長編時代小説。

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  • ぼくらの近代建築デラックス!
    3.9
    人気作家が目一杯楽しむ、建築ゆるゆる散歩。 人気作家ならではの壮大な想像力と楽しい薀蓄が満載。読むうちに、大阪、東京、台湾へ、近代建築を今すぐ見に出掛けたくなる!
  • 商い同心 千客万来事件帖 新装版
    3.0
    まがい物? 偽金? 値段が高すぎる! その値段には裏がある―!? 人情と算盤で謎を弾く! 名手の傑作時代小説 正しい値で売らないと悪行になっちまう―― 「私には物たちの声が聞こえてくるのですよ。辛く悲しい声です」物の値段を見張り、 店に指導する役回りの諸色調掛(しょしきしらべがかり)同心を務める澤本神人。 今日も子分の庄太と江戸の町を見まわるが、値段の裏にあるさまざまな人情や思惑がからみあい、 神人を悩ませる謎と悪事が次々と待ちうけていた。同役だった父の代から未解決の贋金騒動の真相にも迫るが――。 (本書は2016年刊行『商い同心 千客万来事件帖』の新装版です) 〈目次〉 「雪花菜」 「犬走り」 「宝の山」 「鶴と亀」 「幾世餅」 「富士見餅」 「煙に巻く」 解説/細谷正充
  • 新装版 孤闘 立花宗茂
    3.8
    知勇にすぐれる戸次道雪の娘誾千代と縁づいたことで、立花宗茂の「戦国九州三国志」が始まった――。大友家臣としての島津家との死闘、豊臣秀吉政権下での朝鮮従軍を経て、関ヶ原へ。誾千代との葛藤の中で奮闘し、天下人に「剛勇鎮西一」と恐れられた稀代の猛将の懊悩を精緻に描いた、第十六回中山義秀文学賞受賞作。 【目次】 第一章 鳳雛の籠 第二章 名門の盾 第三章 生の攻防 第四章 新しき枠 第五章 異国の風 第六章 天下騒擾 終 章 失地回復  新装版あとがき  解説 末國善己
  • 逆襲の地平線
    3.7
    一八七六年、アリゾナのとある町。複雑で壮絶な過去を持つ十七歳の少女、記憶喪失のサムライとチームを組んだ、凄腕の賞金稼ぎトム・B・ストーンの元に「仕事」が舞い込んだ。莫大な報酬と引きかえに、十年前、コマンチ族にさらわれた少女を連れ帰ってほしいというのだが……。広大なアメリカを縦断する決死の追跡が始まった。
  • 遊女のあと
    3.6
    八代将軍・吉宗の時代、質素倹約を強いる幕府に対抗して、尾張名古屋は遊興を奨励し、空前の繁栄を見せていた。異人との出会いから、夫をすて福岡を出たこなぎと、女敵討ちのために江戸を離れた鉄太郎。長い旅路の末に名古屋の地でめぐり逢った二人は、それぞれの秘密を胸に秘めたまま接近する。巨大な政争の具となっていることも知らずに──。著者渾身の傑作歴史時代小説。
  • 王朝まやかし草紙
    3.9
    時は平安。都では、東宮と契った女は物怪にとりつかれるという噂が流れていた。東三条家、温子姫の女房・弥生は、母・近江の死に関する妙な噂を耳にする。真相を探るため、旧知の人々を訪ねる弥生。母の遺した和歌が二つの噂に関係しているらしいと突き止めるが、周囲で次々と怪死事件が発生し……。愛憎と欲望渦巻く宮中を舞台に描く、時代ミステリー。『まやかし草紙』改題。
  • しのぶ恋 浮世七景
    -
    浮世絵からうまれた7つの名篇 近松に描かれスターとなった遊女・梅川に憧れ、端女郎・小梅は心中未遂を試みるが。時に滑稽に時に切なく、江戸に生きた男女を描く。 ※この電子書籍は2020年12月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 定価のない本
    3.6
    神田神保町――江戸時代に旗本の屋敷地としてその歴史は始まり、明治期は多くの学校がひしめく文化的な学生街に、そして大正十二年の関東大震災を契機に古書の街として発展してきたこの地は、終戦から一年を経て復興を遂げつつあった。その街の一隅で、ひとりの古書店主が人知れずこの世を去る。男は崩落した古書の山に圧し潰され、あたかも商売道具に殺されたかのような皮肉な最期を迎えた。古くから付き合いがあった男を悼み、同じく古書店主である琴岡庄治は事後処理を引き受けるが――直木賞作家である著者の真骨頂とも言うべき長編ミステリ。/対談=門井慶喜×岡崎武志
  • 誰かに教えたくなるレトロ建築の話
    4.0
    近代建築&政治の裏には、深いドラマがある! レトロ建築、近代政治から、オリンピック、万博を見すえた未来への展望まで。 ●建築界には維新の負け組が多い ●医療のための海水浴場として開発された大磯 ●眺めの良い場所は権力者や金持ちが独占 ●明治の元勲はみなEXILE(流浪者)だった ●アメリカの意向で壊された浦上天主堂 ●統一性、秩序的な美に欠ける東京の街 ●都市を変えたオリンピックと変えなかった万博
  • 幕末まらそん侍
    完結
    -
    黒船来航により維新の風が吹き始めた幕末の世。安政二年(一八五五年)現在の群馬県安中市にあった安中藩の主・板倉勝明は、藩士の心身鍛錬を目的として安中城より碓氷峠の熊野神社まで七里余り(約三十キロ)を走らせる遠足を開催。 日本マラソンの発祥といわれる史実「安政の遠足」を舞台に描かれる土橋章宏の痛快時代小説を完全漫画化。
  • 夢幻(上)
    -
    本能寺で織田信長が討たれた。わずかな供と堺にいた盟友の徳川家康は、明智光秀の追っ手から逃れるため切腹せんとするも、本多忠勝ら重臣に止められる。ここで死ねば、三河と駿河・遠江の家臣がそれぞれ幼少の息子たちを担ぎ、家が「割れる」というのだ。家康は、今は亡き長男信康の不在を嘆くが……。英傑とその後継者の相克を描いた、骨太な戦国ドラマ第一部・徳川家康篇。 【目次】 第一部「夢の天下」 徳川家康  序 章  第一章 夢の始まり  第二章 苦難の舟出  第三章 動くべきとき  第四章 当主として  第五章 危難の日々  第六章 夢の果て  終 章
  • 果てしなき追跡(上)
    -
    1~2巻836~858円 (税込)
    「百舌」シリーズの次はこれだ! 逢坂剛が満を持して送るエンタメ超大作。 元新撰組副長・土方歳三は新政府軍の銃弾に斃れた――はずだった。頭部に被弾した土方を救った時枝ゆらは、敵軍の目をかいくぐり、米国へと密航する。だが意識を取り戻した土方は、記憶を失っていたのだった。全てを無くしたサムライは、果たしてどこへ向かうのか? 海を、大地を駆けめぐる、壮大なる旅がここにはじまる。
  • 月の光のために 大奥同心・村雨広の純心 新装版
    -
    徳川吉宗が仕掛けた 黒い陰謀を秘剣が斬る! 大奥を守り抜く同心たちの奮闘! 傑作時代エンターテインメント!! 大奥に渦巻く陰謀を 剣豪同心が秘剣で斬る! 幕府の政治刷新に大ナタをふるう新井白石の家臣・村雨広は、剣の腕を見込まれて、現将軍・徳川家継の実母である月光院の警護を命じられた。月光院はかつて浅草の裏長屋で村雨の隣に住み、思いを寄せた娘・お輝だった。運命を感じ、大奥同心の仲間と共に彼女を守り抜く覚悟を固めるが、紀州藩主・徳川吉宗らの黒い陰謀が容赦なく襲い掛かり…! 【主な登場人物】 村雨広…大奥同心。新井白石の家来。新当流剣術の達人。 桑山喜三太…大奥同心。間部家中。弓矢の名手。 志田小一郎…大奥同心。広敷伊賀者で絵島の配下。忍びの術の遣い手。 徳川吉宗…紀州藩主。 川村幸右衛門…紀州の忍者集団・川村一族の長。 川村白兵衛…夢想剣を遣う忍者。幸右衛門の甥。 村垣の鮫吉…水の中に潜む忍者。 釈迦ケ岳の不動坊…山伏姿の忍者。からくりを遣う。 蝶丸(お蝶)…忍者。美男でもあり美女でもある。 川村左京…幸右衛門の末の子。 新井白石…六代将軍家宣時代から幕政刷新に大ナタをふるう政治家・学者。 西野十郎兵衛…新井家の用人。 綾乃…十郎兵衛の娘。 月光院(お喜世の方)…家宣の側室、七代将軍家継の母。かつて村雨幼なじみのお輝。 徳川家継…七代将軍。 天英院…家宣の正室。 絵島…大奥の女中をつかさどる年寄。 間部詮房…側用人。 井上河内守正岑…老中。
  • 大奥騒乱 伊賀者同心手控え 〈新装版〉
    3.5
    目に余る横暴、このままにはしておけぬ。田沼意次に反旗を翻した松平定信は、大奥を取り込むことで田沼失脚を画策。腹心のお庭番を差し向ける。危難を察した大奥も黙ってはいない。表使い大島が、御広敷伊賀者同心御厨一兵に反撃を命じた。幕府二大権力、そして大奥女中たちの主導権争いが激化。事態が混迷を極めるなか、忍びの誇りをかけた死闘が始まる! 疾走感あふれる痛快時代活劇。〈新装版〉
  • 断裂回廊
    4.5
    北朝鮮不正送金疑惑、スポーツジム襲撃事件──不審な動きが目立つ宗教団体クルパジャ。公安調査庁は団体規制法を視野に調査を始めた。調査官の殿村三春は、教団に対して不正な資金援助が疑われる在日朝鮮人二世の兼松一成を尾行。その最中、兼松は何者かに刺されてしまう。「クズワに渡してくれ」という言葉とともに三春に託されたのは……。情報機関の存在意義に迫る傑作長篇ミステリー。 (解説:日下三蔵)
  • 超高速! 参勤交代
    4.1
    ときは享保20年(1735)初夏、改革の嵐吹き荒ぶ8代将軍吉宗の時代。わずか1万5000石の磐城湯長谷藩に隠し金山の嫌疑がかかり、幕府老中から「5日以内に参勤せねば、藩を取り潰す」と難題をふっかけられた。若殿様以下7名は東国一の忍びの力を借りつつ、陸前浜街道、水戸街道、さらには山野を踏み越え江戸城本丸へ急ぐ。軽量化のため竹光しか持たない一行を阻む公儀御庭番と百人番所の精鋭。湯長谷藩の運命や如何!?
  • 希以子(小学館文庫)
    -
    【ご注意】※お使いの端末によっては、一部読みづらい場合がございます。お手持ちの端末で立ち読みファイルをご確認いただくことをお勧めします。 東京・下町生まれの希以子には二人の母親がいた。養母マツには美しい娘・美佐緒がおり、希以子にとってはあこがれの存在だった。しかし、生母よしが男と出奔したころから人生の歯車が狂い出す。大洪水や関東大震災に被災して人の命の儚さを知り、美佐緒の嫁ぎ先の長男・市太郎と互いの愛を確かめ合うも許しを得られずに離別。親のすすめで結婚するが、夫の暴力に耐えかねて離婚。その後、満州で成功した市太郎と再会。彼の誘いのままに、幼子を連れて大陸に渡るが…。苛酷な運命に翻弄されながらも、激動の時代を、明るく逞しく生き抜いた女の物語。
  • 池波正太郎の銀座日記[全]
    4.3
    週に何度となく出かけた街・銀座。少年のころから通いなれたあの店、この店。そこで出会った味と映画と人びとは、著者の旺盛な創作力の源であった。「銀座日記」は、街での出来事を芯にした、ごく簡潔な記述のなかに、作家の日常とそこから導かれる死生観を巧みに浮き彫りにして大好評であった。急逝の2カ月前まで、8年にわたった連載の全てを1冊に収めた文庫オリジナル版。

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  • おとこの秘図(上)
    4.0
    時は元禄――旗本の息・徳山五兵衛(幼名・権十郎)は、妾腹の子ゆえに父から疎まれていた。剣の修行に明け暮れる十四歳の初夏、侍女への無謀な振舞いがもとで、父子の不和は決定的となった。四年後、道場主の他界を機に、一介の剣士として生きようと同門の浪人剣客・佐和口忠蔵を慕って江戸を出た。父はこの出奔を利用して、執拗なまでにわが子廃嫡の策謀をつづけていた。
  • 男の系譜
    3.8
    織田信長が同盟者・徳川家康の長男信康に腹を切らせたのはなぜか。喧嘩相手の頭目・水野十郎左衛門の屋敷の風呂場で殺された幡随院長兵衛はどんな男だったのか。明治維新の立役者・西郷隆盛が新政府と袂を分ったのはなぜなのか。戦国・江戸・幕末維新を代表する16人をとりあげ、つねに「死」だけを確かなこととした生き方を、現代日本人と対比させながら際立たせた語り下ろしの雄編。
  • ゆけ、おりょう
    3.5
    「世話のやける弟」がいつしか時代の英雄になってしまった――。 坂本龍馬の妻・おりょうの目を通して描かれる、幕末の名場面! 幕末の京都で出会った「世話のやける弟」のような男・坂本龍馬と結婚したおりょうは、夫を呼び捨てにし、酒を浴びるほど飲み、勝海舟にも食ってかかる「妻らしからぬ」振る舞いで周囲をへきえきさせる。 ついには龍馬の周囲から、「龍馬のために離婚してください」とまで迫られる始末。 しかしおりょうは、寺田屋で間一髪龍馬の命を救い、日本で初のハネムーンを敢行。 薩摩へ、軍艦に乗って長崎へ、馬関へ――。 激動の世の中を楽しげに泳ぐうち、いつしか薩長同盟・版籍奉還の立て役者として時代の英雄になってゆく夫。 そして、龍馬亡きあとの20年を彼女はどう生きたのか。 型にはまらない生き生きとした夫婦の姿、意地っ張りで責任感が強く、龍馬に惚れながらも自立した魂が輝く「門井版おりょう」。 現代の女性に響く物語! 解説・小日向えり(歴女) ※この電子書籍は2016年8月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 池波正太郎と七人の作家 蘇える鬼平犯科帳
    4.3
    永遠のヒーロー「鬼平」再来! 人気作家7名が、伝説の男に新たなる命を吹き込みます。 池波正太郎が長谷川平蔵を主人にした短篇小説「浅草・御厨河岸」を書いたのは、昭和42(1967)年のこと。 オール讀物12月号に掲載されたその短篇は大きな反響を呼び、「鬼平犯科帳」としての連載が始まりました。 「鬼平」誕生50周年を迎えた2017年。この記念すべき年に、7人の作家が「鬼平」へ新たな命を吹き込みます。 逢坂剛は「逢坂・平蔵シリーズ」の特別版、上田秀人は武家という官僚社会で生きる平蔵の立場を、諸田玲子は妖盗・葵小僧と鬼平の再対決、風野真知雄は人気シリーズ「耳袋秘帖」鬼平版。 門井慶喜が木村忠吾の食欲の夏を描けば、土橋章宏は平蔵と料理人の味対決、梶よう子は史実の長谷川平蔵に迫ります。これらの短篇に加え、池波正太郎が自らベスト5に選んだ鬼平作品の中から「瓶割り小僧」を特別収録。 各作品に池波正太郎のカット画を使用した、豪華な競作短編集をお楽しみください。
  • 波止場浪漫 上
    -
    清水次郎長の娘が胸に秘める、運命の恋。 次郎長の末裔である著者が描く渾身の大河ロマン! 稀代の侠客として名を馳せた清水の次郎長。 ご一新の後は旧幕臣と官軍が入り乱れる殺伐とした清水港で地元の名士となり、波止場をつくる時も先頭に立った。 次郎長の養女となった「けん」は、幼い頃に出逢った白皙明眸の西洋医の面影が忘れられず、やがて二人の関係は深まっていくが……。 近代化に突き進む明治から大正の世に清水港で船宿を営み、「波止場のおけんちゃん」と呼ばれて人々から愛された次郎長の養女を主人公に、市井に生きる人たちの愛と別れを描く大河ロマン。
  • 本日も晴天なり 鉄砲同心つつじ暦
    NEW
    -
    時は幕末。江戸城下、大久保の地。長く泰平の世が続き、代々この地を守ってきた鉄砲同心たちは、火薬の原料を転用したつつじ栽培の内職に励み、家計の足しにするようになった。礫(つぶて)家の丈一郎も三十すぎだが、つつじ栽培の内職に専念する毎日。父の徳右衛門が老いても家督を譲らぬためと、小禄の家計を助けたいからだ。ある日、父を訪ねて同役だった貫田が来る。田安家家老の俳諧の会に入りたいから仲介してくれというのだが……。銃の代わりに鋏を握る丈一郎が、礫家を巻き込む様々な事件に果敢に立ち向かう。喧嘩も笑いも絶えない丈一郎一家の、温かな〈お江戸家族小説〉。
  • 隠密鑑定秘禄三 下達
    4.0
    累計23万部突破! 大人気シリーズ、待望の第三弾! ついに、その時がきた 将軍の腹心候補は見つかるのか? 決死の秘命を受けた射貫大伍の「諸国大名調査行脚」が始まる 旅に出たくても出られない。小人目付の射貫大伍は、焦燥感に駆られていた。 「躬の腹心となる大名を探し出せ」 との秘命を将軍家斉より下されたが、松平定信の横槍に遭い出発できずにいたのだ。 しかし、ついにその時がきた。 廻国剣術修行の許可を得た大伍は、旗本に扮し武蔵国岡部に向かう。 藩主、安部信亨は有用な男なのか。決死の隠密調査が始まった。
  • 北斎まんだら
    3.3
    信州小布施の豪商、高井家の惣領息子・三九郎は、かの有名な絵師の葛飾北斎に会うために江戸へやって来た。浅草の住まいを訪ねてみると、応対してくれたのは娘のお栄。弟子入りを志願するもまともには取り合ってもらえず、当の北斎はどこかへ出かける始末。美人画で有名な絵師の渓斎英泉こと善次郎にはかまってもらえるが、火事見物につき合わされたり、枕絵のモデルをやらされたりで、弟子入りの話はうやむやのまま。そんな折、北斎の放蕩な孫・重太郎が奥州から江戸に戻ってきたことが伝わる。同じころ、北斎の枕絵や鍾馗の画の贋作が出回る事件が出来し、重太郎に疑いの目が向けられるが……。
  • アリゾナ無宿
    3.0
    一八七五年、アメリカ合衆国アリゾナ。人の命が、銃弾一発より軽い世界。幼い頃に両親が虐殺され、養父に虐待されながらも生きてきた少女。射撃の名手にして賞金稼ぎを生業とする男。記憶を失い、ハコダテから流れ着いたサムライ。偶然出会った三人が賞金稼ぎのチームを組み、凶悪な“お尋ね者”を追う旅に出るはめに……。
  • 幽恋舟
    -
    舟番所で舟の出入りを監視する男の前に、闇を裂いて出現した怪しの舟。舟は狂気の血筋におびえる若い女を乗せていた。先が見えたような人生に朽ちかけていた男は、女を救おうとその両親の消息を辿りお家騒動にからんだ事件の真相を探るうちに、娘ほどに若い女に強く心惹かれていく……。黒船来航直前、時代が変わる予感をはらむ水の流れに、人の心の謎を映し出す、新感覚の時代小説。
  • 灼恋
    3.4
    徳川の中期、将軍綱吉の時代。零落した公家の娘染子は侍女として大奥に出仕する。綱吉に見初められてその寵愛を受けるが、大奥に囚われるのを拒んだ染子は、重臣柳沢吉保の側室となり、綱吉の子を生す。二人の男との三つ巴の関係のなかで激しい恋情に身を焦がす染子。絢爛な元禄の歴史を背景に、権謀術数の渦中でも、志に燃え恋に心解き放つ女と男の、強靭な恋愛を描く長編小説。
  • 恋ぐるい
    4.0
    才能に溺れて落ちていく男に、女は一途な想いを寄せ、慕い続ける…稀代の才人・平賀源内と野乃との人知れぬ恋。本草学者、戯作者で発明家としても一世を風靡しながら、取るに足らぬ男を殺めて入牢した源内は、獄中で回想と妄想に身悶えしながら、野乃との狂おしい交情を憑かれたように綴る―しくじり続きの男をひたすらに愛した女の情愛を描き尽くす時代長篇。
  • レジェンド歴史時代小説 近藤勇白書(上)
    -
    幕末の動乱期、風雲急を告げる京で幕府側に立って剣を振るった新選組。もとは寄せ集めの浪士集団だった彼らを束ねた近藤勇とは、どのような男であったのか。優れた剣の腕を持ちながら、臆病ととられるほどに温和な人柄だったという近藤の半生を、池波正太郎ならではの人間味あふれる筆致で描いた時代巨編。
  • 青嵐
    4.0
    侠客・清水次郎長一家に2人の「松吉」がいた。一の子分、「森の石松」こと三州の松吉は美男で博打も喧嘩も強い兄貴分、いっぽう並外れた巨体で「豚松」と呼ばれた三保の松吉は女も博打も苦手な愛嬌者。好対照ながら同じように親と別れ、一家に身を寄せた2人は互いに認め合う。幕末の苛酷な運命が、2人と一家を待ち受けていた──。初夏、青葉のころに吹く「青嵐」のように、東海道を駆け抜けた最後の侠客を描く、傑作時代長編!
  • 王朝小遊記
    4.0
    平安京の闇に棲む鬼共の悪行を暴く! 平安の中ごろ、後一条天皇の御世。 藤原道長のライバルのもとに参集した世のはずれ者達。 物売りのナツメ、物乞いのナマス爺さん、女房づとめをしていたシコン、 貴族の子息コオニ、大宰府がえりの勇将・ニシタカの五人が ひょんなことからある有力貴族の依頼で疑似家族として町屋で暮らし始め、 最近、都に起きた、鬼に纏わる難事件を解決しようと、密かに探索を開始する――。 正体不明の賊に命を狙われた姫を守るため、 疑似家族となった五人の活躍を描く、 時代ビルドゥングスロマンの傑作見参!
  • ともえ
    -
    源平から元禄。時空を越えたファンタジー 近江義仲寺で運命的な出会いをした松尾芭蕉と智月尼。 最晩年の芭蕉のプラトニックな関係と、巴御前との魂の交感を描く歴史時代小説。 大津にある義仲寺、その境内にある巴御前の塚に額ずく一人の尼に、 声を掛けたのは旅の途中の松尾芭蕉であった。 そして芭蕉最後の恋が始まるのだった。 その尼・智と芭蕉の淡い恋に、遥か五百年の時空を越えて 巴御前と木曾義仲の縁が美しく絡む。 近江と鎌倉を、そして過去と今を往還する純愛ファンタジー。 解説・島内景二
  • 江戸城仰天 大奥同心・村雨広の純心 新装版
    5.0
    紀州、尾張、水戸の忍者が江戸城に集結!? 痛快時代エンタメ 御三家の野望に必殺の一撃! 江戸城が血の海に――!? 月光の剣vs.謎の能面忍者! 将軍・徳川家継の命を狙い、次期将軍の座を狙うのは紀州藩・徳川吉宗だけではなかった。尾張藩の徳川吉通、水戸藩の徳川綱條ら御三家が、手下の忍びを江戸城に潜入させ城内を大混乱に陥れる。大奥年寄・絵島の怪しい動きに加え、大奥同心たちに立ちはだかるのは紀州、水戸のくノ一や能面の忍者・無阿弥。村雨が命を懸ける最後の戦いが始まった!
  • 消えた将軍 大奥同心・村雨広の純心 新装版
    -
    「大奥同心・村雨広の純心 新装版」シリーズ第2弾! 大奥に忍び込む暗殺集団を撃て! 怒濤の時代エンターテインメント!! 新将軍、危機一髪! 異形の忍者が将軍を襲う―― 一途な愛で大奥を守り抜け! 自らが将軍となるため、幼い将軍・家継の暗殺を目論む紀州藩主・徳川吉宗。 配下の忍び・川村幸右衛門は御三家尾張藩の忍びの頭領・柳生幽斎たちを心理的に操り、家継を狙わせる。 異形の忍者たちが江戸城に潜入していることを察知した村雨広たち同心との対決の行方は? 一方、大奥を仕切る年寄の絵島は歌舞伎役者の生島新五郎に心奪われて…。
  • 今ひとたびの、和泉式部
    3.7
    平安朝、大江家の娘式部は、宮中で太后に仕え、美貌と歌の才を高く評価される。和泉守と結ばれ幸せな日々に、太后危篤の報が届く。急ぎ京へ戻った式部を親王が待っていた。高貴な腕に抱きすくめられ、運命は式部を翻弄していく。愛する人たちを失いながらも、歌に想いを綴っていくが…。浮かれ女と噂を立てられながらも、生涯の愛を探し続けた式部。冥き道をゆく謎多き女性を大胆に描く親鸞賞受賞作。
  • 新装版 カディスの赤い星(上)
    4.2
    1~2巻803~990円 (税込)
    フリーのPRマン・漆田亮は、得意先の日野楽器から、ある男を探してくれと頼まれる。男の名はサントス、20年前スペインの有名なギター製作家ホセ・ラモスを訪ねた日本人ギタリストだという。サントス探しに奔走する漆田は、やがて大きな事件に巻き込まれてゆく。直木賞を受賞した、著者の代表傑作長編。
  • 菊花の仇討ち
    5.0
    朝顔栽培が生きがいの同心・中根興三郎はある日、 菊作りで糊口をしのぐ御家人の中江惣三郎と知り合った。 だが帰り路、興三郎は何故か中江と間違えられ、 謎の侍たちに襲われかける。 じつは中江は金のために菊を使い悪事を重ね、恨みを買っていたのだ。 興三郎は憤りつつ、彼の行動を調べ始めるのだが……。   解説・内藤麻里子 ※この電子書籍は2019年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 旅路 上
    3.5
    池波正太郎のヒロイン、仇討の旅 彦根藩の勘定方・三浦芳之助が斬殺された。 下手人は御目付方・近 藤虎次郎らしい。 男は逃亡し、藩庁は三浦の若妻・三千代に実家へ戻るようにと沙汰した。 納得出来ぬ三千代は敵討ちのため故郷を出奔、 道中危難に見舞われるが、堀本伯道と名乗る謎めいた老人に救われる。 美しくしなやかな武家の女の数奇な運命を描く傑作長編。
  • いろあわせ 摺師安次郎人情暦
    3.7
    神田明神下に住む通いの摺師・安次郎。寡黙ながら実直で練達な職人の技に、おまんまの喰いっぱぐれの心配がないと、ついた二つの名は「おまんまの安」。そんな中、安次郎を兄と慕う兄弟弟子の直助が、様々な問題を持ち込んでくる。複雑に絡み合い薄れてしまった親子の絆、思い違いから確執を生んでしまった兄弟など……安次郎は否応なしに関わっていくことに――。五つの摺りの技法を軸に、人々が抱え込む淀んだ心の闇を、澄み切った色へと染めていく。連作短篇時代小説、待望の文庫化。(解説・北上次郎)
  • 天主信長〈表〉 我こそ天下なり
    3.1
    天下人へ駆け上る信長が、豪壮な城を築いたのは安土だった。「天主閣」の高みから信長が描いた「天下」とは? 一向宗を殲滅し、武田騎馬軍を退け、北陸、中国へ。織田の天下は目前にして、誰よりも焦っていたのは信長自身だった。軍師・竹中半兵衛、黒田官兵衛、光秀、秀吉を集め、ひそかに語った信長の「天下」。そして、本能寺を舞台にそれを引き寄せるための驚くべき計画とは。安土城、本能寺の謎を大胆に解き明かす衝撃作!
  • みちのく忠臣蔵
    4.0
    お江戸日本橋で、元盛岡藩士が切腹した。そこには長年にわたって確執のある弘前藩を弾劾する高札が掲げてあった! 直参旗本ながら無役の神木家嫡男、光一郎と、剣の達人である村越重吾は、元鳥取藩主・松平冠山の依頼で、蝦夷地に関係する事件を調べるうちに、弘前藩と盛岡藩の争いに巻き込まれてしまう。その争いの中心には、かつて光一郎と重吾と厚い親交を結んだ盛岡藩士・相馬大作の姿があった。 主君の恥辱をそそぐべく弘前藩主の命を狙う大作。主君への忠、武士としての義が生んだ結末とは。 「みちのく忠臣蔵」と呼ばれた史実をもとに、ミステリータッチで描かれた壮大なドラマ。
  • 雲霧仁左衛門 (1)
    5.0
    つとめの三カ条―― 一、盗まれて難儀する者へは手を出すまじきこと 一、つとめをするとき人を殺傷せぬこと 一、女を手ごめにせぬこと 「本格」として三つの掟を守って暗躍する怪盗・雲霧一味に狙われた者はただ立ち尽くすのみ! 他の凶賊とは一線を画する盗みの手練手管とは……!?
  • 陽眠る
    3.0
    大政奉還の後、鳥羽伏見の戦いに敗れはしたが、徳川慶喜は薩長への徹底抗戦を主張、幕軍は意気軒昂だった。オランダで建造された軍艦〈開陽丸〉の艦将・榎本釜次郎武揚も「ここからが海軍の出番」と自負していた。しかしその夜、慶喜は開陽丸で江戸へ逃げてしまう。失望した榎本は、副艦将・澤太郎左衛門、大坂城から持ち出した十八万両とともに開陽丸ごと脱走。蝦夷地を開拓し旧徳川家臣の新天地とすべく、北へと向かう──。無念の開陽丸と男たちの軌跡を描き切る、渾身の歴史小説。
  • 決戦!賤ヶ岳
    3.7
    ますます進化を続ける「決戦!」シリーズ。今回の舞台は豊臣秀吉の天下を決定づけた、もう一つの天下分け目である「賤ヶ岳の戦い」。そして、描かれるのは「賤ヶ岳の七本槍」として名高い、加藤清正、福島正則、片桐且元ら七人の武将。新進気鋭の若手歴史小説家たちが、若武者たちの戦いと、その後の人生を活写する!
  • 恋ほおずき 完全版
    3.5
    女ゆえに、女たちを苦しみの淵から救いたい―― 時は天保、江戸は浅草田原町。恋の痛みをいやしてくれる若き「女医者」がいた。自身も切ない過去を抱え、この道へ進んだ彼女だが、叶わぬ恋に落ちてしまう。あろうことか、子堕ろしを取り締まる同心と……。女たちの悲哀と恋模様を巧みに織りなした時代長篇。新たに最終章を書き下ろした完全版。
  • 男の作法
    完結
    4.5
    令和(いま)こそ知るべき、昭和の文豪の美徳! 『鬼平犯科帳』『剣客商売』等の名作小説を著した 巨匠・池波正太郎の大ヒットエッセーをコミック化! 鮨・天ぷらの食らいつき方から家内円満の秘訣、 おうちごはんにおける最高のすきやき調理法や贈答品の見定め方等々… 万事に対する心構えや常識を、昭和末期の人間模様を通して小粋に活写! 世の中は移ろいやすい、だけれど不変の価値観はきっとある!!
  • 元禄お犬姫
    4.0
    中野で犬小屋支配を勤める森橋家の娘・知世は、母の療養のため、祖父、弟ともども小石川の剣術稽古場・堀内家の離れに移り住む。彼女は、どんな犬でも手懐けてしまうことから、「お犬姫」と呼ばれている。家族や道場の人々との語らい、仇を追う浪人への恋心、盗賊一味との対決、そして赤穂浪士の討ち入り。知世の周囲で織りなされる、さまざまな人間模様、犬模様を、やわらかに、あたたかく描いた時代小説。〈解説〉安藤優一郞
  • 決戦!新選組
    3.7
    葉室麟が、門井慶喜が、土橋章宏が「新選組」を描く! 累計28万部を突破し、ますます進化を続ける「決戦!」シリーズ。 戦国時代の著名な戦場を舞台にすることが多かった「決戦!」シリーズだが、今回の舞台は初の幕末。 「新選組」の活躍と悲哀を、当代きっての人気作家が描き出す。
  • 葵の月
    3.5
    西丸書院番組頭を務める立原家の娘、志津乃には、決して忘れることのできない男がいた。かつての許婚の坂木蒼馬は、西丸書院番士であったが、徳川家治の嗣子、家基の死を切っ掛けに突如出奔したのだ。彼を忘れられずにいる志津乃に対し、蒼馬の友人だった男は、蒼馬が家基の暗殺を疑われていることを告げるのだった――。蒼馬が出奔した真相を知るため、志津乃は彼を捜す決意をする。意外な真相が胸を打つ、傑作時代小説。
  • 屋根をかける人
    4.4
    明治末期にキリスト教布教のために来日したアメリカ人建築家、メレル・ヴォーリズ。彼は日本人として生きることを選び、 終戦後、昭和天皇を守るために戦った――。彼を突き動かした「日本」への思いとは。
  • 立身いたしたく候
    3.3
    「おまえはなにを求めて武家の養子に入ったのだ」幕末前夜の江戸。瀬戸物屋の五男坊に生まれた駿平は、百五十俵の貧乏御家人「野依家」に婿養子入りした。男五人兄弟では、この先分家を立てられる保証もなく、うまくいっても商家の婿。いっそ武士になるのも面白かろうと軽い気持ちで引き受けたものの……当主になって待っていたのは、過酷な「就職活動」だった。新米武士の駿平が武家の世界を駆けずり回って「立身出世」を試みる!
  • シュンスケ!
    4.0
    伊藤俊輔、のちの伊藤博文は農民の子に生まれながらも、その持ち前のひたむきさ、明るさで周囲を魅了し、驚異的な出世を遂げる。新生日本の立役者の青年期を、さわやかに痛快に描く歴史小説。
  • ニコライ盗撮 剣豪写真師・志村悠之介
    4.3
    来日中のロシア皇太子が襲われるという事件が勃発。襲撃現場を目撃した北辰一刀流の達人にして写真師の志村悠之介は事件の真相を追うが……。明治政府を震撼させた大津事件の謎に挑む、長編時代小説。 ※本書は二〇〇一年八月、新人物往来社より刊行された単行本「ニコライ盗撮」を改題し、文庫化したものが底本です。
  • 闇の平蔵
    3.8
    1巻790円 (税込)
    悪い奴は誰も、その男の顔を知らない―― 逢坂剛が描く〈火付盗賊改・長谷川平蔵〉シリーズ、第三弾。 不届きにも、「闇の平蔵」と名乗る者が現われた。 闇の平蔵は、「火盗改が、悪党どもを成敗処罰するのと引き換えに、 捕り方の役人を同じように成敗処罰する」と公言し、 火盗改や役人に強い遺恨を抱いている悪党を集めているという。 その噂を聞きつけた長谷川平蔵組の斧八は、「闇の平蔵」の人集めへ潜り込んだ。 「闇の平蔵」は、かつて、遊蕩していた頃の長谷川平蔵に何度も煮え湯を飲まされ、 恨みを抱いているという。そこに来ていた紅一点・可久は「闇の平蔵」に、 その話を信用してほしければ頭巾を脱いで顔を見せろ、 お前は実は長谷川平蔵なのではないか、と迫る。 闇の平蔵は頭巾を脱いだが、 手下の斧八でさえ長谷川平蔵の顔をまともに見たことはなく、 彼が長谷川平蔵なのかそうでないのか判断がつかない。 だが、可久は、「この男は本物の長谷川平蔵だ」と言い、闇の平蔵もそれを認める。 慌てた斧八だったが――(「闇の平蔵」) 表題作ほか、全六篇を収録。 長谷川平蔵に対抗心を抱く火盗改・松平左金吾が登場、 新たな手下・可久も加わり、物語はますます深みを増す。 まさに江戸を舞台にした潜入捜査。 悪党どころか、手下たちも顔を知らない男・長谷川平蔵のハードボイルドな活躍を描く。 ※この電子書籍は2016年11月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 帰蝶
    3.7
    「上さまは、いつから、悪鬼に魂を売りわたされたのか――」夫・信長が、神をも畏れぬ所業に手を染めていく。歯止めをかけるべく、出身である美濃の家臣たちの期待を一身に背負った正室・帰蝶(濃姫)は、残虐さをあらわにしていく夫に怯えながらも織田家の奥を束ね、したたかに、たくましく生きていく。そんな帰蝶が心を許せるのは、美濃衆と、心の友とも言えるあの男だった……。そして起きた本能寺の変――。信長に叛旗を翻したのは、帰蝶の従兄・明智光秀。光秀に最後の決断を促したのは、一体誰なのか。織田家の要となった帰蝶の運命はいかに。大胆な発想を交え、女の目線から信長の天下布武と本能寺の変を描き切った衝撃作。解説は、作家で、同じく帰蝶を題材に小説を執筆している宮本昌孝氏。
  • とむらい屋颯太
    4.5
    弔いは、亡くなった者のためにするんじゃない。 遺された者のためにするんだ! 死を蔑ろにするということは、 生を蔑ろにするということだ。 (本書解説より) 文芸評論家 北上次郎 「人の死で飯を食う。それがあっしの生業」 新鳥越町二丁目に「とむらい屋」はある。 葬儀の段取りをする颯太、死化粧を施すおちえ、渡りの坊主の道俊。 時に水死体が苦手な医者巧先生や奉行所の韮崎宗十郎の力を借りながらも、 色恋心中、幼なじみの死、赤ん坊の死と様々な別れに向き合う。 十一歳の時、弔いを生業にすると心に決めた颯太。 そのきっかけとなった出来事とは――。 江戸時代のおくりびとたちを鮮烈に描いた心打つ物語。 【とむらい屋で働く人々と仲間たち】 颯太:新鳥越町二丁目の葬儀屋の店主。十一歳で葬儀屋になると決める おちえ:母を颯太に弔ってもらって以降居座るおせっかい 勝蔵:早桶職人。初めての棺桶は妻のものだった 道俊:寺に属さない渡りの坊主 巧重三郎:水死体を見るのが苦手な医者 韮崎宗十郎:南町奉行所の定町廻り同心 【目次】 第一章 赤茶のしごき 第二章 幼なじみ 第三章 へその緒 第四章 儒者ふたり 第五章 三つの殻 第六章 火屋の華 解 説 北上次郎
  • ル・パスタン
    3.5
    池波正太郎の”大好き”がつまった一冊 ル・パスタン――フランス語で「暇つぶし」。 文豪にとり、それは食、劇、旅、幼少の思い出。 さあ「自分のパスタン」を探しましょう。
  • チャップリン暗殺指令
    4.0
    5・15事件当日、来日中のチャップリンはなぜ命を狙われたのか? 「超高速!参勤交代」で日本アカデミー賞最優秀脚本賞を受賞した著者による傑作歴史サスペンス 1932(昭和七)年、青年将校たちが中心となり、犬養首相暗殺などクーデターを計画していた。 陸軍士官候補生の青年、津島新吉は、帝国ホテルに滞在しているチャップリンの殺害を命じられるが――。 世界の喜劇王はなぜ命を狙われたのか? 5・15事件の裏で起きていたもう一つの重大事件とは。 傑作歴史サスペンス。 ※この電子書籍は2017年6月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 傀儡に非ず
    3.8
    類まれな知略と胆力を見込まれ、織田信長の膝下で勢力を拡げた荒木村重。しかし突如として謀叛を企てる。明智光秀、黒田官兵衛らが諫めるが村重は翻意せず、信長の逆鱗に触れた。一族郎党皆殺し。仕置きは苛烈なものだった。それでも村重は屈せず逃げ延びることを選ぶ。卑怯者の誹りを受けることを覚悟の上で、勝ち目のない戦に挑んだ理由とは。そこには恐るべき陰謀が隠されていた──。
  • 真田太平記(一)天魔の夏
    4.1
    天正10年(1582年)3月、織田・徳川連合軍によって戦国随一の精強さを誇った武田軍団が滅ぼされ、宿将真田昌幸は上・信二州に孤立、試練の時を迎えたところからこの長い物語は始まる。武勇と知謀に長けた昌幸は、天下の帰趨を探るべく手飼いの真田忍びたちを四方に飛ばせ、新しい時代の主・織田信長にいったんは臣従するのだが、その夏、またも驚天動地の時代が待ちうけていた。全12冊。

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  • 人斬り半次郎 幕末編
    4.1
    「今に見ちょれ」。薩摩藩中でも「唐芋侍」と蔑まれる貧乏郷士の家に生れた中村半次郎は、だがその逆境に腐ることなく、いつの日かを期していた。秀抜な美男子で気がやさしい。示現流の剣は豪傑肌に強い。恵まれた資質のままに精力的に日を送っていた二十五歳のある日、半次郎は西郷吉之助と出遇う。時は幕末、惚れ込んだ男=西郷につき、半次郎は水を得た。京の町に〈人斬り半次郎〉の名が轟く。

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  • 振り出し 旗本出世双六(一)
    3.3
    文政六年、いじめに耐えかねた西丸書院番二番組の新参・松平外記が三名の古参を城中で斬り殺す大事件、いわゆる「千代田の刃傷」が起きた。幕閣が混乱する中、二百二十五石の小旗本で無役の小普請組・北条志真佑は、番士を一新し再編成された二番組に抜擢され、妹の幸や叔父の相模八左衛門とともに喜んでいた。上泉新陰流を使い、十一代将軍徳川家斉の世子・家慶の力にならんと腕を撫す志真佑だったが……。待望の新シリーズ始動! 【目次】 第一章 騒動の後始末 第二章 役付の誉れ 第三章 城中規律 第四章 恨の根 第五章 盾の意味
  • 江戸に花咲く 時代小説アンソロジー
    4.0
    練達のベテランから気鋭の若手まで、時代小説の粋 江戸の華〈祭り〉をテーマに人気時代小説作家が競作! 宮部みゆき「三島屋変調百物語」の最新作など、読み応え十分のアンソロジー。
  • 錯乱
    3.5
    第43回直木賞受賞作「錯乱」他計5作品を収録した短編集。池波作品を人気を決定づけた「鬼平犯科帳」「剣客商売」な ど江戸の市井人を描き出し人間模様の巧みさは独壇場である。収録作品は表題作「錯乱」「碁盤の首」「刺客」「秘図」「賊将」の5作品。
  • 隠密鑑定秘禄二 恩讐
    3.3
    諸大名二百数十名の人事評価が記された「土芥寇讎記」。五代将軍綱吉の頃に編纂されたその書物の新版作成のため、小人目付、射貫大伍が調査役に抜擢された。自身の権力基盤を強化すべく、完成を急がせる将軍家斉。しかし右も左もわからぬ大伍は苦戦を強いられる。そんな中、将軍の居室である御用の間が何者かに探られるという不審事が――。下手人探索という新たな命が大伍に下された!
  • 決戦!忠臣蔵
    4.5
    三百有余年、日本人が愛し涙を流し続けた続けた歴史物語『忠臣蔵』。多くの文学賞を受賞している歴史小説界の至宝とも言うべき作家たちが、日本最大の歴史サーガに挑む。傑作アンソロジーが待望の文庫化。
  • ひと夜の恋 元禄お犬小屋異聞
    -
    第五代将軍・徳川綱吉が貞享二年(1685)に発した「生類憐みの令」から10年。巷に犬があふれ、ついに幕府は野良犬を収容する「御囲」を作った。中野村の「御囲」で数万頭の犬の世話をする娘・お吉は、「犬吉」と呼ばれ、犬たちから慕われていた。赤穂浪士が討ち入りを果たしたあくる日、一人の侍・依田との出会いが彼女の運命を大きく揺さぶる。討入りの興奮冷めやらぬ御囲で起こった狂気の事件と、犬吉の人生を動かすひと夜の恋を描く時代長篇。 『犬吉』を改題。
  • 隠密鑑定秘禄一 退き口
    3.3
    十一代将軍家斉は、御用の間の書棚で不審な書物を発見する。「土芥寇讎記」――諸大名二百数十名の辛辣な評価が記された人事考課表だ。編纂を命じた五代綱吉公は、これをもとに腹心を抜擢したのでは。そう推測した家斉は盤石の政治体制を築くため、綱吉に倣うことを決意する。白羽の矢を立てられたのは小人目付として諸国探索経験のある射貫大伍。命を懸けた至難の隠密調査が始まった!
  • 想い人 あくじゃれ瓢六捕物帖
    -
    恋女房のお袖が江戸の大火で行方不明になって八年が経った。 いまだお袖の生存を信じる色男の瓢六の許に、今日もまた厄介事が持ち込まれる。 居候先のお殿様の心中事件に、姿をくらました琉球王家のお姫様捜し、仇討ちの仲裁と忙 しい。 そんな折、お袖に似た女を見たという話がとび込む。どうする瓢六。 元悪党にして稀代の色男瓢六の人生の決断とは! 人気捕り物シリーズ第六弾。 ※この電子書籍は2018年9月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • 新選組の料理人
    3.3
    戦に焼けた京の町で炊き出しをすることになった新選組、料理ができる者がいない。滅法まずいその粥に文句をつけた菅沼鉢四郎は、原田左之助の命により剣を握らぬ「賄方」として新選組に入隊することに。菅沼は数々の難題に直面しながら、隊士の暮らしや愛憎、組織の矛盾を間近で目にしていく。食べ、生き、戦い、やがて歴史の波間に消える新選組を新視点から描く。
  • 破斬 決定版~勘定吟味役異聞(一)~
    -
    1~8巻770円 (税込)
    兄の急逝で家督を継いだ旗本・水城聡四郎は、将軍家宣側近の儒者・新井白石によって、勘定吟味役に取り立てられる。勘定に疎い聡四郎だったが、巨額の金が動いた普請に目をつけたことから、見えざる敵が蠢きだす。はたして幕府に巣食い、蜜を吸っていた者とは――。聡四郎が襲い来る刺客に一放流で立ち向かう! 聡四郎シリーズの「原点」が決定版として登場。
  • 葛飾北斎殺人事件 歴史探偵・月村弘平の事件簿
    3.8
    ご先祖は八丁堀同心――若き歴史探偵が謎に迫る! 東京スカイツリーにほど近い葛飾北斎ゆかりの寺の前で世界的デザイナーの近田流星が遺体で見つかる。歴史研究家・月村弘平の恋人で警視庁刑事・上田夕湖が捜査するが有力な手掛かりは見つからない。一方、北斎の傑作〈富嶽三十六景〉をテーマにしたツアーに参加した月村も富士山で死体と遭遇し――北斎と事件の謎に迫る、書き下ろし歴史トラベルミステリー!
  • 新選組颯爽録
    3.7
    池田屋に踏み込むも、なぜか敵を斬ろうとしない新選組隊長・近藤勇。その胸中にあった切実な願望とは――。(「戦いを避ける」) 新選組について語られる史実の隙間を覗けば、隊士らの心理や葛藤がにじみ出る。近藤・土方らの意外な一面や、馬術師範・安富才助、密偵・村山謙吉、文吏・尾形俊太郎らにも光を当て、歴史小説の名手が、鮮烈にして新しい新選組像を描き出す。
  • 池波正太郎の映画日記
    -
    スクリーンに男と女がめぐり合い、時が流れる。あふれる生活感と隙のない脚本、心打つ見事な演出。さまざまな感懐を胸に、銀座に酒飯して帰る……。どのような映画でも、楽しむ術を知っていた池波正太郎が、息づまる執筆の間に堪能した映画と、面白い身近の出来事をつづった、興趣尽きない好読物。全1巻。
  • きままな絵筆
    3.0
    カラフルで楽しい、絵入り身辺エッセイ集。 パリの小さな広場に出ている花売りのマダムが、あまりにきれいだったので、広場の端からスケッチをした。マダムはそれと気づいたが、少しも嫌な顔をせず、婉然たる微笑を送ってよこした──。幼いときから絵を描くことが好きだった池波正太郎が、「うまく描けたかしらん」と、はにかみながら発表した、絵と小文。
  • 軍師の挑戦 上田秀人初期作品集
    4.1
    桶狭間、忠臣蔵、桜田門……歴史を変えた事件にひそむ謎を大胆に解き明かしていく。推理する歴史探偵もまた、後世の歴史上の人物がつとめる。興趣あふれる厳選八編。
  • ことり屋おけい探鳥双紙
    -
    姿を消した夫の帰りを待ちながら鳥を商うおけい。美しい娘が鳥に興味がないのに紅雀、相思鳥と次々と買い求める理由とは?店に持ち込まれる様々な事件を解決しながら、しなやかにたくましく生きるおけいと市井の人々を活写した、清々しい時代小説。
  • 牙をむく都会(上)
    4.0
    行きつけのバーで出会った女は、業界最大手の広告会社の社員だった。彼女の依頼で、現代調査研究所所長・岡坂神策は、映画祭プロジェクトのPRを手がけることに。一方、新聞社が主催するスペイン内戦シンポジウムのコーディネーターも引き受ける。二つの依頼の背後から、戦後史の重大な疑惑が浮上する。
  • 『妻は、くノ一』謎解き散歩
    -
    紙書籍で累計130万部超の大人気時代小説シリーズ『妻は、くノ一』を愉しむための著者公式読本。2014年5月下旬にはドラマ第二弾をBSで放送! 風野氏書下ろしの番外編収録のほか、本シリーズのプロトタイプ短編を再録!
  • 小説あります
    3.6
    N市立文学館は財政難のため廃館が決定した。文学館に勤めていた老松郁太は、その延命のため、展示の中心的作家・徳丸敬生の晩年の謎を解こうと考える。30年前、作家は置き手紙を残して行方不明となっていたのだ……。謎解きの過程で郁太は、文学館の存続を懸けて「人はなぜ小説を読むのか」という大きな命題に挑むことに。はたして、主人公がたどり着いた結論とは!?
  • 人斬り半次郎 幕末編
    3.3
    「今に見ちょれ。俺はこの腕一本できっと……」。半次郎の口ぐせだった。姓は中村、鹿児島城下の藩士に〈唐芋〉とさげすまれる貧乏郷士の出ながら剣は示現流の名手、精気溢れる美丈夫で、性剛直である。時は幕末、ふとした機縁で西郷吉之助に見込まれ、国事に奔走するが、卓抜の剣技は血なまぐさい暗殺を重ね、〈人斬り〉の異名は、次第に高まってゆく。激動する時代の中に一快男児熱血の半生を描く、傑作小説の前編。
  • 迷子石
    3.4
    本業は医師(見習い)、副業はおまけ絵描き。そんな男がお家騒動を解決? 薬売りに託した絵が藩の命運をにぎる!見習い医師・孝之助は、趣味で版画絵を描いている。「富山の薬売り」が売る薬に付けるおまけ絵だ。絵で小遣いを稼ぐ、宙ぶらりんのおまけ者のつもりが、偶然、富山藩の存亡に関わるお家騒動に巻き込まれる。江戸家老の大陰謀を国許に知らせなければ、お国が乗っ取られる!?(講談社文庫)
  • 日輪にあらず 軍師黒田官兵衛
    3.8
    いずれ劣らぬ勇将が覇を競う戦国の世。播磨で名を馳せし小寺家に仕える黒田官兵衛は当主政職(まさとも)の蒙昧に失望し、見切りをつける。織田家屈指の智恵者・羽柴秀吉に取り入り、天下統一の宿願を織田信長に託した。だが本能寺の変が勃発。茫然自失の秀吉に官兵衛は、囁きかける。ご運の開け給うときでござるーー。秀吉を覇に導き、秀吉から最も怖れられた智将。その野心と悲哀を描く迫真の戦国絵巻。
  • われ、謙信なりせば――上杉景勝と直江兼続
    4.3
    「あの二人が欲しい」慶長三年、天下盗りに王手をかけた徳川家康が呟いた。二人とは、故上杉謙信の跡を継ぐ上杉景勝と軍師直江兼続…家康が最も恐れた男たちである。が、家康が老獪に足場を固めつつあるとき、真っ向から対立してきたのがこの二人だった!“義”を重んずる謙信たらんとする景勝と兼続の超然たる生きざまを描く!

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  • 初秋の剣 大江戸定年組1
    3.8
    三人の男は職を退いた。町方同心の藤村慎三郎、三千五百石の旗本夏木忠継、町人の七福仁左衛門。旧友の三人はまだまだ気力体力ともに充分で、さてこれからどう生きるかと思案。三人の願いは、いい景色の中で暮らすこと。手頃な隠れ家〈初秋亭〉を根城に、江戸市中の厄介事解決に乗り出した。手前の女房がさらわれまして──初めての事件は、豪商からの突飛な話で始まった。 時代小説の実力派が挑む市井小説の傑作!
  • キッドナッパーズ
    3.3
    オール讀物推理小説新人賞を受賞した幻のデビュー作「キッドナッパーズ」と書籍未収録作品で編んだオリジナル短篇集! 「大声をだすな」 宅配便を装って侵入してきた男は、健次郎の腹にナイフを突きつけてきた。 平凡な日常に突如押し入ってきた犯罪者は声が甲高く、背が低く、野球帽をかぶった……小学生と見まがわんばかりの中学生!? 少年は「これは誘拐だ」と断じた。だが被害者は健次郎ではなく犯人であるはずの少年自身だという。 摩訶不思議な誘拐事件は二転三転し、ラストで意外な結末が待っていた! オール讀物推理小説新人賞受賞の表題作ほかを6篇収録。 解説・宇田川拓也 【オール讀物推理小説新人賞「選評」から】 「これこそ逆転に次ぐ逆転の連続で、着地がどうなるのかまったく予想できなかった。」(高橋克彦委員) 「何とか読者を面白がらせ、驚かせようとする創意工夫が、今回の作品に結実した」(宮部みゆき委員) 【収録作品】 キッドナッパーズ 目刺し 架空の風景 十字架ジュース ごとんがたん べつばら おなじ本でも
  • 耳袋秘帖 人形町夕暮殺人事件
    4.5
    人形屋の清兵衛が胸に杭を打ちこまれて死んでいた。現場に残されていたのは、首に赤い紐が巻かれた五寸の「ひとがた」。神社の境内で亡くなった若い娘からも奇妙な「人形」が発見されて……。殺人を暗示する人形と3つの死という、シリーズ最難関の謎に根岸肥前が挑む! しめ婆さんが活躍する書き下ろし余話「気に入らない幽霊」を新収録した、殺人事件シリーズ第9弾。
  • おれの足音 大石内蔵助(上)
    4.0
    「人というものはな、食べてねむって、ほどよき女を抱いて暮らすことが、万事なごやかにはこべばそれでよいのだ」。子供の頃から居眠りばかり、けれども女好きなることこの上なく、国家老になってからも「昼行燈」という、あだ名をもらっていた男。柚子味噌をなめながら晩酌をし、妻女と仲よく暮らし、たまさかには出張にことよせて、あまり上等ではない遊女たちと、たわむれて遊ぶことに無上の喜びを感じていた男。大石内蔵助の愛すべき人柄とその生涯を活々と描く傑作。
  • 墨の香
    4.3
    1巻763円 (税込)
    突然、理由もなく嫁ぎ先から離縁された女流書家の岡島雪江は心機一転、筆法指南所(書道教室)を始める。しかし大酒飲みの師匠・巻菱湖や、かまびすしい弟子の武家娘たち、奥右筆の弟・新之丞に振り回される日々。そんなある日、元夫の章一郎が「ある事件」に巻き込まれたことを知り――。江戸時代に生きる「書家」とその師弟愛を描いた、感動作。
  • 新・若さま同心 徳川竜之助 : 1 象印の夜〈新装版〉
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    田安徳川家の御曹司の身分を隠し、持ち前の機転と練達した剣の腕によって江戸の町を守る見習い同心、その名は徳川竜之助。頻発する辻斬りを捕らえなければならないはずが、同心たちがフグの毒にあたって壊滅状態の南町奉行所で、ひとり無事な竜之助は一手に調べを引き受けることに。しかし、そんな時に限って、象に踏まれたそば屋の死体が見つかったという奇妙な報せが舞い込んできた。果たして竜之助は、続発する奇妙な事件をたったひとりで解決することができるのか? 傑作時代小説シリーズ続編、新装版で堂々登場!
  • 仕掛暮らし
    完結
    4.0
    「へうげ」の世=桃山時代から約二百年。「江戸」は居よいか住みよいか。複雑怪奇な人間模様、闇で「仕掛」ける裏稼業。元締・音羽屋半右衛門、嫌な渡世だ。「仕掛人・梅安」シリーズの原点『殺しの掟』(講談社文庫)より三篇を厳選。山田芳裕が池波正太郎に捧ぐ極乙のオマージュにて候
  • 卜伝飄々
    4.0
    晩年の塚原卜伝の心境を描く新感覚剣豪小説 戦国時代に生きた伝説の剣豪、塚原卜伝。 十三代将軍・足利義輝など、名だたる剣豪を弟子に持ち、諸国を放浪したとされる卜伝だが、老境へと差し掛かり、男の煩悩と生への執着に囚われた人間が、いかにして人生を過ごしていくのか、その術を得る過程を、彼と関わった人物を通して描くペーソスとユーモアにあふれた時代小説。 剣豪は、やがて剣を使わぬ境地へとたどり着いた…。無敗の男・卜伝の伝説はいかに作られたのか。「耳袋秘帖」の著者が描く剣豪小説。
  • 歌川国芳猫づくし
    4.0
    天才絵師と猫。江戸の怪事件を解く! 今なお人気の歌川国芳が風刺画、春画、滑稽画を引っ提げて江戸の怪事件に出くわす! 猫を愛した天才が活躍。『耳袋秘帖』の著者が描く、ユーモア溢れる短編集。 美人画、春画、幽霊画、ご政道批判の風刺画まで。 黒船来航の時代に八面六臂の活躍を見せた天才絵師・歌川国芳。 個性派揃いの弟子たちと、八匹の猫に囲まれながら遭遇するのは、金魚偏愛者や贋国芳、葛飾北斎の娘や歌川広重も登場する怪事件ばかり。 謎と老いらくの恋が絡み合う――人気時代作家待望の短編集。 解説・金子信久
  • 破落戸 あくじゃれ瓢六捕物帖
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    円熟の江戸活劇、いよいよクライマックスのシリーズ第5弾! 文化人を弾圧し悪名高い「天保の改革」。瓢六は弥左衛門やお奈緒らと陰に陽に立ち向かうが、やがて圧政者たちも決して一枚岩ではないことに気付く。 「妖怪」こと鳥居耀蔵の裏切り、それによる水野越前守の失脚と復活。一方瓢六は勝家の若き当主・麟太郎と親交を深める。 時代はうねり、活劇シリーズいよいよ佳境へ。 解説・大矢博子
  • 再会 あくじゃれ瓢六捕物帖
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    新ヒロイン登場! 絶世の色男が活躍する幕末活劇シリーズ第4作 今度の敵は“妖怪”だ!  瓢六が仲間たちと立ち上がる 天保の大火でお袖を失い自堕落な生活をおくる色男・瓢六。 しかし老中・水野忠邦と“妖怪”鳥居耀蔵の陰謀に苦しむ人々を見ていられず、また謎の武家女性・お奈緒の魅力に導かれるように、相棒の堅物同心・篠崎弥左衛門と幕政の理不尽に立ち向かう。 大切な人を喪った者のみが知る優しさが漂うシリーズ第4弾。 解説・細谷正充

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