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Posted by ブクログ
さすがに、池波正太郎の作品だけあって、テンポといい、筆力といい、読み始めてすぐに引き付けられました。
中村半次郎は、身分の低い郷士で、半農半士の唐芋侍とバカにされながらも、独自に鍛錬した居合い術を習得し、人斬り半次郎と異名を得るまでの剣士となりました。
京都では、メキメキと頭角をあらわし、西郷の懐刀として活躍します。
また、剛のイメージが強い半次郎ですが、大西郷と、セックスフレンドの京都の尼僧の前では甘ったれるという一面もあり、丁度往年の野球少年が、長島元監督を憧れの目で見るかのような情景です。
この、豊満な尼僧に、心も体も許した半次郎でしたが、無知無学を叱責され、習字に学問と手習いを仕込まれ、後年の桐野利秋の人物像が出来上がるのでした。
後編は、維新後、陸軍中将へと出世し、香水をたしなむなどハイカラ気取りの桐野でしたが、西郷と大久保による征韓論での対立で、西郷とともに鹿児島へ帰った所からスタートします。
鹿児島では、西郷とともに郷土の英雄となった桐野でしたが、唐芋侍と呼ばれていた若い頃、幼なじみの出戻り娘と逢引を重ねていて、京都へ出立する前に娘は姿を消したのでした。
その彼女に逢いたい一心で探し出したのですが、当時、彼の子を身籠っていたことを隠すため、身を引いたのでした。まわりは、桐野の子だとひた隠しにしていましたが、桐野は自分の実子だと直感し、彼女と祝言をあげ、子を連れだって、鹿児島郊外で自給自足の生活をして、幸せを噛みしめるのでした。
そんな生活は長く続かず、西郷が設立した私学校の生徒達が反乱を起こし、やむなく西南の役へ発展していきました。従軍した桐野は、当初は勝てる戦といきり立たって戦線を広げました。しかし、田原坂の攻防以降は敗戦につぐ敗戦。
最後は、城山に籠もった夜、西郷や生き残った兵士、生徒達と最後の別れをおしみ、翌日花と散ったのでした。
桐野は、好きだったフランス香水を付けて斬り死にしたということです。
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