【感想・ネタバレ】人斬り半次郎 幕末編のレビュー

あらすじ

「今に見ちょれ」。薩摩藩中でも「唐芋侍」と蔑まれる貧乏郷士の家に生れた中村半次郎は、だがその逆境に腐ることなく、いつの日かを期していた。秀抜な美男子で気がやさしい。示現流の剣は豪傑肌に強い。恵まれた資質のままに精力的に日を送っていた二十五歳のある日、半次郎は西郷吉之助と出遇う。時は幕末、惚れ込んだ男=西郷につき、半次郎は水を得た。京の町に〈人斬り半次郎〉の名が轟く。

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Posted by ブクログ

長編物ですが作者の筆力により、するすると読めました。素直で従順で優しく直情的で柴犬のような中村半次郎。「はアい」はどのように脳内再生すれば良いのでしょうか 笑

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2024年08月18日

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池波正太郎さんの作品を初めて読んだが、読みやすく、とても面白い。幕末編は、唐芋侍中村半次郎から薩摩に中村あり!と言われる程出世した薩摩藩士中村半次郎の物語。
人懐こいところがあり、誰とでも気安く話が出来る人だったんだなぁと思いました。剣の達人であるのは有名だか、向学心もある人というの初めて知った。西郷さんとのやりとりも面白く、後半が楽しみです。

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2017年02月04日

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中村半次郎の立身出世物語。半次郎には人斬りという言葉から連想されるような暗いイメージは全くない。貧しくて無学だったにも関わらず、持ち前の陽気な性格から西郷隆盛に見い出されて薩摩藩に出仕し、倒幕活動の傍ら剣術と勉学に励み成長していく様は読んでいて爽快である。日本初の陸軍少将まで出世した中村半次郎と、ずっと人斬りのままで最期は罪人として処刑されてしまった岡田以蔵。両者の人生には、上司である西郷隆盛と武市半平太の器量の差が映し出されているような気がしてならない。

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2012年08月22日

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面白すぎる。単なる剣豪小説に収まらず、幕末の一人の薩摩隼人の成長のドラマであり、大きな時代のうねりや新時代の胎動が半次郎の目を通して生々しく読み取れる。
尊皇攘夷、薩長、勤王とか何となくでしか分かっていなかった、当時の思想や勢力がやっと理解できた気がする。

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2012年01月18日

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薩摩の芋侍と呼ばれていた男が、少将までの人物になる話。
人斬りと呼ばれると、土佐の岡田以蔵のようなイメージになってしまったが。。。

半次郎は腕だけではなく、学問にも貪欲になり、西郷を敬愛していた。
とてもまっすぐな考えと生き方は、私を魅了した。
池波さんの文は初見であったが、とても見応えのあるもので、とても満足。

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2011年10月15日

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さすがに、池波正太郎の作品だけあって、テンポといい、筆力といい、読み始めてすぐに引き付けられました。
中村半次郎は、身分の低い郷士で、半農半士の唐芋侍とバカにされながらも、独自に鍛錬した居合い術を習得し、人斬り半次郎と異名を得るまでの剣士となりました。
京都では、メキメキと頭角をあらわし、西郷の懐刀として活躍します。
また、剛のイメージが強い半次郎ですが、大西郷と、セックスフレンドの京都の尼僧の前では甘ったれるという一面もあり、丁度往年の野球少年が、長島元監督を憧れの目で見るかのような情景です。
この、豊満な尼僧に、心も体も許した半次郎でしたが、無知無学を叱責され、習字に学問と手習いを仕込まれ、後年の桐野利秋の人物像が出来上がるのでした。
後編は、維新後、陸軍中将へと出世し、香水をたしなむなどハイカラ気取りの桐野でしたが、西郷と大久保による征韓論での対立で、西郷とともに鹿児島へ帰った所からスタートします。
鹿児島では、西郷とともに郷土の英雄となった桐野でしたが、唐芋侍と呼ばれていた若い頃、幼なじみの出戻り娘と逢引を重ねていて、京都へ出立する前に娘は姿を消したのでした。
その彼女に逢いたい一心で探し出したのですが、当時、彼の子を身籠っていたことを隠すため、身を引いたのでした。まわりは、桐野の子だとひた隠しにしていましたが、桐野は自分の実子だと直感し、彼女と祝言をあげ、子を連れだって、鹿児島郊外で自給自足の生活をして、幸せを噛みしめるのでした。
そんな生活は長く続かず、西郷が設立した私学校の生徒達が反乱を起こし、やむなく西南の役へ発展していきました。従軍した桐野は、当初は勝てる戦といきり立たって戦線を広げました。しかし、田原坂の攻防以降は敗戦につぐ敗戦。
最後は、城山に籠もった夜、西郷や生き残った兵士、生徒達と最後の別れをおしみ、翌日花と散ったのでした。
桐野は、好きだったフランス香水を付けて斬り死にしたということです。

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2009年10月04日

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言い知れない南国の男の情の深さと、人間味が大変素晴らしく表現されていると思います。
歴史的な事件の概要は分かりやすく、
どちらかといえば、登場人物を通して見た歴史の動きなんかが、
思いのほか面白かったです。

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2012年12月04日

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ちょこっと池波さんを読んでみたいけれど、シリーズは・・って人にはいいかも。でも、これを読んだら最後、ほかのも読みたくなります。ハイ。

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2009年10月04日

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幕末はどうしても新選組など幕府側の話が楽しいが、日本を変えようとする志士の考えや流れが、半次郎を中心によくわかる話だった。上巻は特に面白い。下巻は時代をなぞる感じになってしまい、勉強にはなったが小説としての楽しさは幕末編に尽きる

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2025年10月05日

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唐芋侍と呼ばれていた中村半次郎が、幕末の乱世に躍り出る。
半次郎をはじめ西郷吉之助の魅力も語られ、また、薩摩、長州、幕府を中心に時代の動きもわかりやすく描かれていて、とても面白かったです。

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2025年06月29日

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「池波正太郎」の長篇時代小説『人斬り半次郎 幕末編』を読みました。
『英傑:西郷隆盛アンソロジー』に続き時代小説です。

-----story-------------
貧乏で無学な田舎侍が、男振りと剣の腕前を認められ、「西郷隆盛」の片腕に――。
幕末を駆け抜けたヒーロー、「桐野利秋」の若き日々。

「今に見ちょれ」。
薩摩藩中でも「唐芋侍」と蔑まれる貧乏郷士の家に生れた「中村半次郎」は、だがその逆境に腐ることなく、いつの日かを期していた。
秀抜な美男子で気がやさしい。
示現流の剣は豪傑肌に強い。
恵まれた資質のままに精力的に日を送っていた二十五歳のある日、「半次郎」は「西郷吉之助」と出遇う。
時は幕末、惚れ込んだ男=「西郷」につき、「半次郎」は水を得た。
京の町に〈人斬り半次郎〉の名が轟く
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幕末の四大人斬りのひとりで「人斬り半次郎」と呼ばれ、後の初代陸軍少将「中村半次郎(桐野利秋)」の若き日を描いた作品です、、、

『英傑:西郷隆盛アンソロジー』に収録されていた、「池波正太郎」の短篇『賊将』を読んで「半次郎」に興味を持ったんですよね… 「半次郎」の前半生の苦難や立身出世がユーモラスに、しかも丁寧に描かれていて、読み終える頃にはすっかり「半次郎」のことが好きになっていましたね。


鹿児島城下の藩士に「唐芋」と蔑まれる貧乏郷士の出ながら剣は示現流の名手、精気溢れる美丈夫で、性剛直な「中村半次郎(桐野利秋)」は、ある日「佐土原英助」と決闘をすることに… しかし、「半次郎」の突拍子もない行動から二人は無二の親友になる、、、

「佐土原英助」は、「半次郎」にこれからは身分の上下に関わらず薩摩藩士が我が国の危急存亡の時にあたり働かなければならないとと教え、「半次郎」はその言葉に大きな衝撃を受ける… 「半次郎」は、ある時、「西郷吉之助(隆盛)」と出会い剣の腕を見込まれ、「島津久光」の上洛の列に加わることになる。

京都に上り洛中で働く「半次郎」は、ある日、六角堂で数人の男に襲われている「おたみ」を助け、それが縁で尼の「法秀尼」と出会い二人の関係は深まっていく、、、

この頃、薩摩藩は青蓮院の「中川宮」の警護の役目を受け持ち、「半次郎」も警護の任につく… そして、ある夜、「半次郎」は賊と遭遇するが、持ち前の剣技で任務を果たし「中川宮」から深く信頼される。

文久3年(1863年)8月18日… 京都政界を牛耳っていた長州藩を薩摩藩と会津藩が協力して追い落とすクーデターが起こり、この時も「半次郎」は手柄を立て、洛中に「人斬り半次郎」の名が広まる、、、

男も惚れる、男ぶりのよさ… 優しく、偉ぶらない、そして、強い、それが「半次郎」の魅力ですね。

600ページを超えるボリュームでしたが、さくさくと読めました… 中途半端な感じで終わったなぁ、と思ったら、本作品は『人斬り半次郎 賊将編』という続篇があるようです、、、

面白かったので、続篇も読んでみたいですね。

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2023年03月27日

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人斬り半次郎として恐れられた、中村半次郎。
西郷吉之助との出会いが、半次郎の人生を変えることになる。
剣客としての半次郎は、知っていた。
だが、本書を通じて、人となりなど初めて知ることの方が多かった。
ここまでは、前半生。
後半生で、どのように成長していくのか楽しみだ。

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2020年06月24日

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中村半次郎、幕末編。下級の武士の子として生まれ、出世を夢見る日々。西郷隆盛、大久保利通との出会いを経て一発逆転のチャンスを得て京都へ。薩長、幕府、朝廷との立場や考えが手に取るように分かりやすく解説してくれるオマケ付き。後半も楽しみ。

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2014年10月13日

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貧乏で無学な唐芋侍の中村半次郎が剣の腕前を認められ、西郷隆盛と出会い薩摩の中で成長して行く。後の桐野利秋の若き日々。

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2014年09月05日

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面白いけど長いw
薩摩の田舎侍であった中村半次郎というお侍さんの話。坂本龍馬目線でも新撰組目線でもない幕末。西郷隆盛目線に近い。

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2011年05月31日

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全2巻。
人斬り半次郎こと中村半次郎。
後の桐野利秋。
というか桐野利秋って人斬り半次郎だったんだ。


西郷さんにくっついて回る陰湿な犬。
ってイメージだった。
半次郎。
がらり。

この半次郎は真逆。
からっとしてストレートでまさに薩摩隼人。
しかもモテモテ。
しかもイケメン。
そしてオシャレ。
へー。

年とって調子のってしまったり、
勢いだけで動いて失敗したり、
後年は割とやっかいだけど、
それがすごく人間臭い。

文章的には自分が初めて出会った池波先生
真田太平記を思い出した。
本人語る型。
後半になればなるほど。
前半半次郎生き生き。
後半池波先生談な感じ。

まあ。
この時代はどうしても情勢は説明せんといかんものとは思う。
ただ、あんなに嫌ってた手法だったのに、
他作品でなじんだせいか今回あまり気にならず。

というかやっぱり
征韓論、西南戦争について
自分の理解がぼんやりしてる。
今回もあんまり分からんかった。
詳しく書いてるの無いかしら。
そこらへん。

あと西郷さんなんでこんな人気なのってのも
やっぱり疑問に残る。
まあ。
人を好きになる理由なんて
書けるもんじゃないかもだけど。

最後は泣ける。
尼さんがニクイ。

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2010年06月04日

Posted by ブクログ

とある舞台で西郷隆盛の話を観て、西郷の側近の桐野利秋がかっこよくて、興味を持ちました。最初は薩摩言葉に戸惑ったけど、すぐに慣れました。普通に『ごわす』とか『いってきもす』とか言いそう(笑)
薩摩藩に生まれ、『唐芋侍』と言われながらも剣の腕を磨いていた半次郎が、西郷吉之助と出会い、活躍していく。強くて凛々しい薩摩男の半次郎。いつも努力を忘れず、男らしいけど、すぐ調子に乗っちゃったりして、憎めない男。自分の助けた娘おたみにほのかな恋心を抱きながら、法秀尼という尼さんと関係を持ったり、そうかと思えば故郷の幸江のことも忘れてなかったり。結局誰にするのよ!?と突っ込みたくなる。挙句の果てに、おたみに法秀尼といる所見られて、おたみは半次郎の仲間の妻となり、法秀尼は半次郎の元を去り、幸江は半次郎の子を産んだ後どこかへ嫁いでしまい。1人になってしまった半次郎は『恋なんてしてる場合じゃない!』なんて頑張りだしたりしちゃってかわいい(笑)。
久々に歴史小説を読んだけどハマりそうです。

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2009年10月04日

Posted by ブクログ

中村半次郎、後の桐野利秋の話である。

西郷を道連れにして西南戦争を起こした張本人のように言われるが、半分はそうで、半分は違うのかもしれない。本気で西郷を担いで、東京の新政府に物申しに行こうとしたのだと思う。ただ、あまりにも行動が直線的で呆気なくやぶれてしまった。だか、そこが半次郎の愛された所以なのだとかんじる。

全2巻

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2019年05月15日

Posted by ブクログ

時代小説というものを、初めて読んだ。
どんなものなのかと不安もあったが、
誰かに昔話をしてもらっているみたいで
なんだか「ほっこり」する気分で読めた。

この「中村半次郎」という男はとても魅力的だ。
素直で努力家で腕がいい。
こんな男性なら、女性はやっぱり惚れちゃいますな(笑)

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2012年07月01日

Posted by ブクログ

これを読んで人斬り半次郎に対するイメージがガラリと変わった。

西郷に出会わなかったら、彼はどんな人生を送っただろう。ふとそんなことを考えた。

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2011年12月16日

Posted by ブクログ

人斬りとして有名な薩摩藩士、中村半次郎(のち桐野利秋)の生涯のうち戊辰戦争直前までを描いたもの。剣の腕を見込まれて西郷隆盛らと共に京都に上りその地で栄達していく一方、幸絵・おたみ・法秀尼という3人の愛する女性を同時に失う辺りが、彼の悲壮な最期を何となく連想させる。続編(賊将編)が楽しみです。

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2010年05月14日

Posted by ブクログ

この本はフリーマーケットで10円で買った本。
内容は青春ものですね、いやー、主人公の中村半次郎のキャラがよすぎますね。
純粋さといいますか、真っ直ぐさがとても心地よいです。
西郷隆盛への忠義もいかしてます。

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2009年11月17日

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