あらすじ
維新は成った。中村半次郎改め桐野利秋は、西郷の腹心として存分に働き、日本初代の陸軍少将となる。ザンギリ頭にフランス香水をつけ、得意絶頂の桐野だった。が、西郷は新政府のやり口に苦りきっていた。そしてついに、進退をかけての征韓論争に敗れ、西郷は帰郷。桐野ら薩摩隼人の心酔者たちは放っておくことができない――城山での壮烈な最期まで、激動の時代を駆けた一快男児の半生。
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明治になってからの桐野利秋の半生そして壮絶な最期。慢心が見え隠れする頻度が多くなり、それが引き金となってしまったのだろうか。いずれにせよ、西郷隆盛の凄さが伝わってくる一作でした。
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今回の賊将編の方が、面白い。西郷さんや大久保さんや木戸さんとのやりとりもたくさんあり、なかなが良かった。ただ、孝明天皇崩御のくだりは、正直ゾクッとしました。また、西南戦争時の熊本城焼失のお話なども面白い。
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維新後、半次郎が桐野利秋と名を変え、陸軍少将になった絶頂の時代から、西南戦争で戦死するまでの物語。西郷隆盛が幕末編よりもクローズアップされている。下手をすれば西郷隆盛が主人公といってもおかしくないくらいに。桐野利秋の存在感が少し薄くなっているような気がする。しかし、この本で西郷隆盛に興味をもつことができたので良し。
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明治維新の熱とその速度を改めて知った。半次郎は将としては失格だと思うが人間的にはまっすぐでおもしろいね。扱いにくそうであるけど。
しかし、この維新を成し遂げたのが30代の人物が中心という事を改めて知って驚嘆した。200年以上続いた体制を変えるだけでなく、新しい国を創る礎を造るって想像もつかない苦労と困難があったはずであろう。
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西南戦争は日本人同士が戦う最後の戦となった。
西郷はそうなることを見通していたんだろうな。
その後日本は清国、ロシアと戦争をし悲惨な軍国主義の道を歩むことになる。
西郷はそこまでも、どうだったのだろうか。
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1人の人としては、魅力は感じないけど、こういう人が歴史を動かす一因にもなるんだろうなとは思った。変に西南戦争の戦いをくどくど描かなかったのも良かった。
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薩摩の極貧武士の幕末、維新の活躍と凋落を通して、この激動の時代の流れを感じ、雰囲気を垣間見れる、とても面白い作品。
今の大河ドラマでやってる西郷どんと被る所があるので、より一層面白く感じます。
西郷隆盛はその人望の厚さが納得できるくらい、度量の大きい人なんだなと思いました。
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維新成った後の半次郎改め桐野利秋の激動の時代の後半生が描かれる。利秋が惚れ、従った西郷隆盛も時代の混乱と維新後の国づくりの中で薩摩隼人としての描かれ方がイイ。
作品の最後で佐土原英助が言う一言がまたイイ。「桐野どん。おはんな、この世に遅く生まれすぎた人でごわすなあ・・・おはんな、豪傑ごわす。もしも秀吉や信長の世に生まれちょったら、賊将の汚名も着ずにすんだろうに・・・・・」
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幕末編に比べてしまえば
明るさや素直さがなくなり、
また、死へと知らず知らずに突き進んでいく様は
悲しかったが、陰鬱な様子はなく
淡々と物語が進む
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時代は変わり、中村半次郎は桐野利秋と名前を改め、陸軍少将となった。しかし高い理想を抱く西郷は、新政府のやり方に納得できない。ついに征韓論争に敗れ、桐野たちを連れて帰郷。桐野たちは必ず戻ってくると信じて帰郷し、やがて西郷とともに乱を起こして、ついには城山に追い詰められる。
桐野の過信などから城山で最期を迎えることになった西郷。桐野は西郷のことを慕い、考えているのに、西郷の考えを理解できていなくて、ああいう結果になってしまって切ない。そんな西郷と桐野の最期の会話がなんだかよかった。桐野は追い詰められてもやっぱり桐野。最期まで自分らしく生きている桐野はやっぱり格好良かった。
恋愛のほうは、おたみは何だったの?って言うくらいあっさりしていて。尼を辞めて太った法秀尼改めお秀と再会。しばらくまた求め合ったけど会わなくなって。女中を抱いちゃったりもして、帰郷の時その子がついてきたいと言うのを必死で説得したりして。帰郷したら幸江が出戻ってて一緒に住むようになって。最後、城山に立て篭もってた時は幸江のもとに法秀尼が現れたりして。ホント、困った男だ。なんだかんだいって、そんな桐野が好きなんだけどね。
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中村半次郎改め、桐野利秋の後半生。
明治維新で、西郷隆盛と共に活躍。
だが、維新後は凋落していってしまう。
西郷隆盛と似たもの同士の性格が、西郷との結び付きを強めたのか。
最後まで、西郷隆盛を慕い、守り抜いた桐野利秋。
漢の中の漢である。
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静の西郷に動の桐野。対照的な師弟を軸に描かれます。
「西郷をあやまらせたのはおはんたち」、この通りの桐野です。
女に酒、西郷への盲目的な服従。
桐野独自の意見が無く思慮も浅いので主人公としては物足りない。
けれど、岩倉や大久保など権謀術数に長けた魑魅魍魎の中で格好良くもあります。
豪傑桐野の一代記でした。
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人斬りとして名を馳せ、のちに陸軍少将となった薩摩藩の中村半次郎の生涯を描いた小説。
幕末の人斬りとしては岡田以蔵、田中新兵衛なども有名だが明治維新を迎えられたのは中村半次郎だけではないか?西郷隆盛の右腕として働き、低い身分から剣の腕前で立身出世した彼には惹かれるものが多い。
司馬遼太郎の翔ぶが如くで彼に興味を持ち、この作品を読んだが彼のことを良く知ることができた。
強いて言えば、西南戦争時の描写は西郷隆盛に焦点を当てられており、桐野利秋こと中村半次郎についての記述が少なかったことが個人的には物足りなかった。