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  • 文藝春秋2024年6月号
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    ◎森喜朗 元首相 「裏金問題」真相を語る 240分 「私が裏金作りを始めたと言っているのは誰だ」 聞き手・森功 ・岸田首相から電話の事情聴取で尋ねられたこと ・「全責任を取って仲間を救ってやれ」と塩谷座長を説得した ・下村元文科相が「二千万円」持参して私に土下座した理由 【緊急座談会】 ◎「カイロ大卒」小池百合子都知事の真贋 田崎史郎 奥谷禮子 澤章 【総力特集 がんの新世紀】 ◎がん先進治療ここまで来た! 森省歩 ◎患者2万人の本当の悩み 大久保淳一(「5years」代表) 【大反響 第3弾】 ◎コロナワクチン後遺症とがん「がん超過死亡率が上昇している」 福島雅典(京都大学名誉教授) ◎アンチエイジングはSFではない 河合香織 ◎認知症介護6つのヒント 奥野修司 ◎2つのディストピア 米中に呑み込まれるな 岩井克人 ◎短期集中連載5 駐中国大使、かく戦えり 垂秀夫 「台湾有事」中国の本当の狙い  ◎トランプは独裁者のカモになる ジョン・ボルトン ◎投資家必読! 円安が続かない理由 岩本さゆみ ◎中国不動産バブルのキズは深い 柯隆×高口康太 安田峰俊 ◎メジャーリーグと賭博コネクション 芝山幹郎 ◎国民的スターSMAPの明日 鈴木おさむ ◎91歳、今が一番楽しんでる 渡辺貞夫 ◎『青い壺』50万部突破 有吉佐和子のおもちゃ箱 原田ひ香 平松洋子 ◎日本の顔 辻惟雄インタビュー 「若冲と70年安保」 【連載】 ◎新連載 地図を持たない旅人2 大栗博司 ◎お笑い社長繁盛記5 太田光代 ◎ムーンサルトは寝て待て11 内館牧子 ◎記者は天国に行けない29 清武英利 ◎有働由美子対談65 草なぎ剛(俳優) ◎小説 病葉草紙 最終回 京極夏彦

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  • CF
    3.9
    1巻1,683円 (税込)
    卑俗にして至聖、極微にして極大、さらには極北。 この小説家はほんとうに恐ろしい。 花村萬月 せっかく読んでいた物語が、CFのせいでグチャグチャになる。 それは全部CFのせいなんだけど、そもそも何の為にこれを読んでいるのかとCFは思わせてくる。 そこからはもう、CFにまるごと委ねれば楽になる。 CFが全部やってくれる。CFが知っている。CFに行きたい。 尾崎世界観 クリープハイプ 罪の責任を取る必要がない”無化”を行ってくれる超巨大企業・Central Factory。 加害者のみならず被害者の苦しみも取り除いてくれる夢のような技術を持ち、世を平穏へと導いている。 が、それに疑問を持つ男がひとり。男はCFへのテロを計画していた。 人生に上手く馴染めないキャバクラ嬢、能面のような夫の表情に悩む主婦、少女へ恋する中学生、自由を持て余すホームレス、CFの布教に勤しむ老婆、CFでの労働によって犯罪の清算をする中年、社長の著作代筆作業に行き詰まるCF広報室長。 そして、CFの欺瞞を暴こうとテロを計画する男。 CFCFCF。 CFをめぐり、人々は交錯する。 罪とは何か。責任のとり方を問う群像劇。
  • ユリイカ 2015年7月臨時増刊号 総特集◎金子國義の世界
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    金子國義のめくるめく美の世界を総特集!! デビュー以降、カウンター・カルチャーからサブカルまで、 シュルレアリスムから幻想絵画、そしてポップアートと、 時代の最先端を走り抜けた稀有の画家・金子國義。 文学世界から、ファッション、歌舞伎、バレエ、料理、着物など、 すべて頂点を目指した画家の美の王国に、鎮魂・追悼とともに多角的に迫る――。
  • 不機嫌な姫とブルックナー団
    5.0
    図書館の非正規職員をしているゆたきが出会ったのは、「ブルックナー団」を名乗るオタク3人組、ユキ・タケ・ポン。オタサーの姫のような扱いを邪険にあしらうゆたきだったが、タケが自筆する「ブルックナー伝(未完)」の意外な面白さに引き込まれていく。ブルックナーは19世紀ウィーンを代表する作曲家でありながら、元祖非モテの変人だった! ダサいオタクの生き様が、夢を諦めた中年女に勇気を与える、サクサク読めるクラシック音楽オタ小説。
  • 怪談生活 江戸から現代まで、日常に潜む暗い影(立東舎)
    3.0
    1巻1,980円 (税込)
    いつだって、怪談はあなたのそばにある。 『ゴシックハート』『不機嫌な姫とブルックナー団』の著者による、江戸時代から現代までの怪談・奇談集。 怪談は、夜の学校や墓地だけのものじゃない。夕食時や散歩道、そういう何気ない瞬間、私たちが生活している空間すべてに潜んでいる――。 見えない「何か」が近くにいる感覚。その土地に伝わる奇妙な伝承。様々な伝説が残る石。至る所にあらわれる火の玉。美少年好きの天狗。果てはろくろ首の種類別考察まで。 古今東西あらゆるところで伝わる怪談を、高原英理ならではの視点でまとめあげた、怪談随筆の新定番。
  • 貝に続く場所にて
    3.0
    芥川賞受賞の鮮烈デビュー作、待望の文庫化。 あの日行方不明となった彼が、ドイツの私の元を現れる。 忘却に抗う言語芸術の傑作にして、鮮烈なるデビュー小説。 第165回芥川賞受賞作 第64回群像新人文学賞受賞作 ドイツの学術都市ゲッティンゲンに暮らす私の元に、東日本大震災で行方不明になった彼が現れる。 陽に透けないほどの存在感を持つその訪問者に私は安堵するが、死者との邂逅はその街と人の様相を重層的な記憶を掘り起こすように変容させてゆく。 群像新人文学賞と芥川賞をダブル受賞した著者のデビュー作。 解説=松永美穂(ドイツ文学者、翻訳家)
  • 臣女(おみおんな)
    3.8
    夫の浮気を知った妻は身体が巨大化していった。絶望感と罪悪感に苛(さいな)まれながら、夫は異形のものと化していく妻を世間の目から隠して懸命に介護する。しかし、大量の食料を必要とし、大量の排泄を続ける妻の存在はいつしか隠しきれなくなり、夫はひとつの決断を迫られることに──。恋愛小説に風穴を空ける作品との評を得、満票にて第22回島清恋愛文学賞を受賞した怪作! 【解説】小池真理子
  • あたらしい名前
    3.8
    【PEN/ヘミングウェイ賞受賞】ジンバブエからアメリカへ――。グァバを盗んだり、ごっこ遊びをしたり、天真爛漫に遊ぶジンバブエでの日々を経て、少女ダーリンはアメリカに移り住む。しかし豊かで物があふれる国での暮らしは、予想外に戸惑うものだった。笑いをまじえながら生々しい現実を軽やかに描き、ジュノ・ディアスに絶賛されたデビュー作。
  • 嘘つき姫
    4.0
    1巻1,870円 (税込)
    戦争の中で嘘が姉妹を繋ぐ「嘘つき姫」、電気椅子ショーに挑む魔女と技師「ニューヨークの魔女」ほか、書き下ろし2篇を含む全9篇。小説が待ち焦がれた才能、正真正銘「待望」の初作品集。 この本は、まるで鍵束だ。一つ読むたびに何かが解き放たれ、そして迷宮への扉が開く。 ――岸本佐知子氏(翻訳家) 過去未来大小遠近あらゆる世界を鮮やかに的確に語りながら精緻な余白を残し、読者にその余白をこそ玩味させる。手練れの技だと思う。 ――小山田浩子氏(作家) この想像力が世界の有り様を拡張する。少し広くなった世界で、感情が、愛が息づく。 ――斜線堂有紀氏(作家) ◎装幀=名和田耕平デザイン事務所(名和田耕平+小原果穂) ◎装画=はむメロン
  • 虚ろまんてぃっく
    3.8
    1巻1,527円 (税込)
    「日本社会の現状に対する鋭い洞察と、異議申し立て」(佐藤優氏)「近年の日本文学におけるもっとも高次な、また豊饒な果実の1つ」(若松英輔氏)と絶賛された傑作「ボラード病」で新境地を切り拓いた吉村萬壱氏。あれから一年、吉村氏の2005年以降の10の短篇・中篇を一挙収録した作品集。シュールな近未来ものあり、不条理な家族小説あり、不気味で、不穏で、グロテスク、吹き荒れる嵐のように暴走する想像力が、読者を真実の深淵へといざなう。鬼才の筆が炸裂する、圧倒的作品集。
  • 影裏
    3.6
    第157回芥川賞受賞作。 大きな崩壊を前に、目に映るものは何か。 北緯39度。会社の出向で移り住んだ岩手の地で、 ただひとり心を許したのが、同僚の日浅だった。 ともに釣りをした日々に募る追憶と寂しさ。 いつしか疎遠になった男のもう一つの顔に、 「あの日」以後、触れることになるのだが……。 樹々と川の彩りの中に、崩壊の予兆と人知れぬ思いを繊細に描き出す。 芥川賞受賞作に、単行本未収録の「廃屋の眺め」(「文學界」2017年9月号・受賞後第一作)、「陶片」(「文學界」2019年1月号)を併録。 綾野剛・松田龍平主演で映画化(大友啓史監督)、2020年初頭に公開予定。 ※この電子書籍は2017月7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
  • エイリア綺譚集
    -
    1巻2,851円 (税込)
    鬼才高原英理三十年の軌跡。これを知らずに幻想文学を語ってはならない。 鉱物、結晶、月、星、夢、夜、夏、少年少女、世界改変、書物、詩。いくつものモティーフを重ねつつ、ときに重厚、ときに軽妙、それぞれが全く異なる現代日本幻想文学の至高点。幾多の具眼の士から絶賛された珠玉の既発表作10篇に遊び心あふれる書き下ろし中篇『ガール・ミーツ・シブサワ』を加える。

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  • ユリイカ 2015年8月号 特集=江戸川乱歩
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    没後50年、江戸川乱歩の魅力に迫る。 「乱歩奇譚 Game of Laplace」7月に放映開始!
  • 回遊人
    3.8
    妻か、妻の友人か。 よりよい人生をつかみ取るため、 過去へ跳び、人生を選べ。 何度も。 鬼才が描く永遠なる10年―― 平凡な暮らしとはいえ、幸せな家庭を築いた男。 しかし、妻子とのやり取りに行き詰まりを感じて出奔してしまう。 たどり着いたドヤ街で小さな白い錠剤を見つけた男は、遺書を書き、それを飲む。 ネタになるならよし。よしんば死んでも構わないと考えて。 目覚めるとそこは10年前、結婚前の世界だった。 人生を選べる幸せを、男は噛み締めていたのだが……。 芥川賞、島清恋愛文学賞作家が描く大人の偏愛。 (自作解説収録)
  • 鏡のなかのアジア
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    【第69回芸術選奨 文部科学大臣新人賞(文学部門)受賞作】チベット、台湾、クアラルンプール、京都……。言葉の魔力がいざなう、アジアへの旅路。はるかな歴史を持つ僧院で少年僧が経典の歴史に触れる「……そしてまた文字を記していると」、雨降る村でかつて起こった不思議な出来事を描く「Jiufenの村は九つぶん」、時空を超え、熱帯雨林にそびえる巨樹であった過去を持つ男の物語「天蓋歩行」など、アジアの土地をモチーフに、翻訳家でもある気鋭の著者が描く、全五編の幻想短編集。
  • 歌人紫宮透の短くはるかな生涯
    3.7
    1巻1,980円 (税込)
    穂村弘推薦! 1980年代に彗星の如く現れ、突如姿を消した天才ゴス歌人。 その謎に満ちた生涯を、彼の作品と関係者の証言で追う、異色の伝記小説。 1990年に亡くなった紫宮透(しぐう・とおる)という歌人がいて、友人だったんだけど----。 歌人が遺した31首の短歌から紐解かれていく彼の生涯。 虚構と現実が入り乱れた作品世界で、「私」が見つけた真実とは。 1980年代の日本を舞台に繰り広げられる、当時の若者文化と短歌が混ざり合った「ザ・文化系」の青春グラフティ。 『ゴシックハート』『不機嫌な姫とブルックナー団』の著者、待望の書き下ろし長編小説! ●穂村弘・推薦文 極度に文系な魂のための青春のバイブル、ただし80年代限定版。 著者プロフィール 高原 英理(たかはら えいり) 1959年、三重県生まれ。小説家、文芸評論家。立教大学文学部卒業。東京工業大学大学院博士課程修了(価値システム専攻)。1985年、小説「少女のための鏖殺作法」で幻想文学新人賞受賞(選考委員は澁澤龍彦・中井英夫)。1996年、三島由紀夫と江戸川乱歩を論じた評論「語りの事故現場」で群像新人賞評論部門優秀作を受賞。著書に『怪談生活』『ゴシックハート』(立東舎)、『不機嫌な姫とブルックナー団』(講談社)、『うさと私』(書肆侃侃房)、『ゴシックスピリット』(朝日新聞社)、『抒情的恐怖群』(毎日新聞社)、編著に『リテラリーゴシック・イン・ジャパン----文学的ゴシック作品選』(ちくま文庫) など。
  • クチュクチュバーン
    3.7
    ある日突然、世界のすべてが変わる。 蜘蛛女、巨女、シマウマ男に犬人間……地球規模で新たな「進化」が始まる。 小説界を震撼させた、芥川賞作家の驚異のデビュー作。 解説・椹木野衣
  • 幻日/木山の話
    4.0
    1巻1,980円 (税込)
    コロナ禍を含め、4年の歳月をかけ書き継がれた、オーガニックな魅力の連作小説「木山」の話。自然のまま、言葉の流れるまま、音楽に身を任せるように、耽溺し没入する小説体験。自然への、生命への、名もなき人への「眼差し」。人と動植物、水と土と空気、社会が影響し合って成り立つこの世界を生き、過ぎ行く時間をそのままに描き出す。 「早春」「入船」「遡」「ブラスト」「日なた」「朝霧の」「カタリナ」「ながれも」計八本収録。
  • ことばと vol.1
    -
    1~7巻1,540~1,870円 (税込)
    文学ムック 『ことばと』vol.1 創刊号 編集長/佐々木敦 ロゴマーク/石黒正数 表紙・本文デザイン/戸塚泰雄 装画・挿絵/近藤恵介 巻頭表現 福田尚代「文房具たち」 創作 阿部和重 小笠原鳥類 片島麦子 小林エリカ 佐川恭一 千葉雅也 保坂和志 マーサ・ナカムラ 山本浩貴 本がなければ生きていけない 伊藤亜紗 堤雄一 など ※電子版には≪【座談会】柴田聡子×又吉直樹×佐々木敦「「言葉と何か」についての120分」≫≪翻訳 ウティット・ヘーマムーン 心焦がすサイゴン 福冨渉訳≫は含まれません。 【目次】 巻頭表現 福田尚代 文房具たち 創作 千葉雅也 マジックミラー マーサ・ナカムラ 帝都の墓/阿弥家の墓参り 阿部和重 Hunters And Collectors 小笠原鳥類 エルガーを聞きながら書いた小説 小林エリカ 緋色の習作 A Study in Scarlet 佐川恭一 舞踏会 保坂和志 胸さわぎ 片島麦子 レースの村 山本浩貴 pot hole(楽器のような音) 本がなければ生きていけない 堤雄一 二つの本棚 本がなければ生きていけない 伊藤亜紗 とともに考える 執筆者プロフィール ことばと新人賞創設のお知らせ・公募一次選考通過作品 編集後記 【著者】 書肆侃侃房編集部 書肆侃侃房編集部
  • コロナ禍日記
    3.8
    二〇二〇年春、新型コロナウイルスの流行により激変した私たちの日常。感染者・死亡者は日に日に増加し、経済活動は停滞、コミュニケーションも制限された。この未知なる状況の中で、人々はどんな生活を送り、何を思ったのか? 作家、漫画家、ミュージシャン、店舗経営者......日本および世界各地で暮らす十七人が、コロナ禍数ヶ月の日々を記録した日記アンソロジー。

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  • コロナ禍をどう読むか――16の知性による8つの対話
    -
    ウイルスは「敵」なのか? それとも――? 人類学、哲学、批評、アート、小説、精神分析、ビッグヒストリー、妖怪、科学史……。 ジャンルを異にする俊英たちが、コロナ禍が露わにした二元論の陥穽をすり抜け、「あいだ」に息づく世界の実相を探る。刺激的な八つの対話集。 刻々と迫りくる感染症と、その対策に奔走する我々。 緊急事態宣言下の日本で行われた八つの対談は、未曾有の事態を普遍的な観点から見つめ直す、二つのまなざしが直交する対話の記録である。 【目次】 ■ TALK 01 奥野克巳 × 近藤祉秋 ウイルスは人と動物の「あいだ」に生成する ■ TALK 02 逆卷しとね × 尾崎日菜子 接触と隔離の「あいだ」を考える ■ TALK 03 吉村萬壱 × 上妻世海 私と国の「あいだ」を/で問い直す ■ TALK 04 清水高志 × 甲田烈 既知と未知の「あいだ」の政治 ■ TALK 05 松本卓也 × 東畑開人 心と身体の「あいだ」を考える ■ TALK 06 山川冬樹 × 村山悟郎 隔離され、画像化された二つの「顔」、その「あいだ」で ■ TALK 07 辻村伸雄 × 石倉敏明 歴史と神話の「あいだ」の実践 ■ TALK 08 塚原東吾 × 平田周 グローバルとローカルの来たるべき「あいだ」へ
  • ゴシックハート
    4.2
    「ゴシック」とは何か? それは生き方である。自己の必然に基づいた命懸けの好みである。そして永遠のレジスタンスである。強者が富み続け、優位者が一方的に決めた規範に支配される現実の不条理を憎み抵抗するとき、その扉は開く。小説、漫画、映画、アニメ、絵画、人形、信仰、哲学、歴史―現代日本的ゴシック文化論を切り拓いた一冊に、新章&書き下ろしあとがきを加えた増補新版。
  • 死者にこそふさわしいその場所
    3.4
    1巻1,700円 (税込)
    怖いものほど見たくなる、駄目なものほど癖になる。 日常の輪郭がゆがんでとろける、奇「快」な物語たち! 折口山町に暮らすのは、どうしようもない人達ばかり。 ・セックスの回数を記録する愛人 ・徘徊癖のある妻を介護する老人 ・アパートのドアが開きっぱなしの裸男 ・朝どうしても起きられなくなってしまった女 ・困った人の面倒を見たがる聖職者 町はずれの植物園に、彼らは、吸い寄せられるようにやってくる。 芥川賞作家が織りなす、平凡なようで非凡な六篇の物語。 ●担当編集者より 住みたいかと聞かれたら答えに窮する、しかし覗き見したいかと言われたら確実に「YES」なのが、折口山町だと思います。 登場人物たちの特徴を挙げてみるだけで、もうこの町の不思議な空気が漂ってきた気がします。 ちなみに、なんとも魅力的なタイトルは、ポール・ヴァレリーの『テスト氏』の一節から。
  • 少年愛文学選
    4.0
    当時僕は昼となく夜となく、ただもう彼のことばかり思いつめていた――乱歩、川端、中井英夫ら男性作家による少年が少年を愛する物語
  • 水都眩光 幻想短篇アンソロジー
    5.0
    彼方は遠く、記憶になかったことばかり思われる 仰げば彼方は鏡のようにある。記憶になかったことばかり思われる。――「ラサンドーハ手稿」 蜃気楼のように現れる塔。ざぶんざぶんと波の音。へそから出てくるうなぎたち。母がクリーニング店に預けたもの。画家が描く瓜二つの妹たち。ある日、人類に備わった特殊能力…… 九人の実力派作家が紡ぐ幻想アンソロジー。 【目次】 ラサンドーハ手稿 高原英理 串 マーサ・ナカムラ うなぎ 大木芙沙子 マルギット・Kの鏡像 石沢麻依 茶会 沼田真佑 いぬ 坂崎かおる 開花 大濱普美子 ニトロシンドローム 吉村萬壱 天の岩戸ごっこ 谷崎由依
  • 世界の8大文学賞 受賞作から読み解く現代小説の今
    3.7
    芥川賞、直木賞からノーベル文学賞まで。8つの賞から、文学の最先端が見えてくる! 世界中の文学賞は、こうやってできていた! 史上初の世界の文学賞ガイドが登場。『オスカー・ワオの短く凄まじい人生』の翻訳で知られる都甲幸治を中心に、芥川賞作家や翻訳家、書評家たちが集まって、世界の文学賞とその受賞作品について熱く語る1冊。芥川賞、直木賞、ノーベル文学賞といったメジャーなものから、各国の代表的なものまで。歴史あるものや最近設立されたもの、賞金が1億円を超えるものや1500円くらいのもの。世界に数多く存在する文学賞のなかから、とびきりの8つを選びました。受賞作品の解説にとどまらず、受賞作品の傾向分析や、あっと驚く選考の裏話までもが飛び出し、あなたの知的好奇心を大いに刺激します。これ1冊で、文学賞の発表シーズンが何倍も楽しくなる!カバーイラストは『刀剣乱舞』のキャラデザでおなじみの、しきみが担当。
  • 前世は兎
    3.9
    「狂っているのはどっちだ」と兎が突き付けてくる。我々の取り繕った世界を、皮を、作者は次々と引っ剥がす。人間の暗部を見せてくれる。――こだまさん(作家)絶賛!!(『夫のちんぽが入らない』『ここは、おしまいの地』)/▼七年余り雌兎だった記憶を持ち、雄との交尾に開け暮れた一生を送った女。現世でも常に交尾を欲し、数々の奇行に走る。そして前世でつがいだった男と再会するが、その先で遭遇した恐ろしい出来事とは――(前世は兎)。▼36歳、教員で休職中の独身女が日々「ヌッセン総合カタログ」を詳細に書き写す訳は、「スティレス」を解消する為だった。同僚が次々と部屋を訪れ、職場復帰を促すのだが――(宗教)。▼破滅を迎えた世界で、国のマラソン競技に選抜された姉。労働力として認められないものへの唯一の栄誉だが、自殺や逃亡は許されない。選手村への出発を翌日に向かえた夜、姉がとった行動とは……(ランナー)。ほか、全七話。現実感覚を揺さぶる怪作集!
  • 高原英理恐怖譚集成
    4.5
    1巻3,168円 (税込)
    幻想文学新人賞(選者=澁澤龍彦・中井英夫)と群像新人文学賞の鬼才、高原英理の怪奇恐怖小説を集大成。都市幻想を描く「町の底」、ゾンビの愛の物語「グレー・グレー」など、伝説的なホラー小説集『抒情的恐怖群』の全7編に、「 闇の司」「 水漬く屍、草生す屍」「かごめ魍魎」など5編を増補。「ホラーの古典的素材を昇華させ、巧緻な語りの技術で幻惑的な幻想小説に仕上げた」と絶賛された中短編小説。 京極夏彦氏推薦!「幻想を言葉にするのではない、言葉が幻想なのだ。戦慄を飼いならした小説ではない、小説が戦慄せしめるのである。高原英理の紡ぐ殺ぎ落とされた幻想と幻想の行間に、我々は己の儚さを知り、ただ戦慄するのである。」 【目次】 I 町の底 呪い田 帰省録 緋の間 II 樹下譚 グレー・グレー 影女抄 III 闇の司 IV 水漬く屍、草生す屍 かごめ魍魎 よくない道 日の暮れ語り 後 記

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  • 地下鉄道
    4.0
    過酷な境遇を逃れ、自由が待つ北部をめざす奴隷少女コーラ。しかしそのあとを悪名高い奴隷狩り人が追っていた。傑作ついに文庫化 解説/円城塔
  • 月の三相
    5.0
    1巻1,771円 (税込)
    デビュー作にして芥川賞受賞作『貝に続く場所にて』に続く、最注目の受賞第一作! 「フローラが失踪した」。旧東ドイツの小さな街に広がる噂が、歴史に引き裂かれた少年と少女の物語を呼び醒ます。分断の時代を越えて、不在の肖像をたどる旅。 「不在の者が失踪した後、静寂の表層と化した過去に踊り込もうとする言語がここにある。」 ーー多和田葉子 「傷だらけの歴史、その交差点に花開く魂の仮面劇。生命のリアルはどこに宿るのか。新次元の世界文学が誕生した。」 ――亀山郁夫 旧東ドイツに位置するその街では、誰もが自分の「肖像面」を持っていた。面に惹かれて移り住んだ三人の女たち――望、グエット、ディアナは、失われた「顔」を探して、見えない境界を越えていく。いくつもの時間が重層する街で、歴史と現在、記憶と幻想が交差して描き出す、世界の肖像画。
  • 哲学の蠅
    4.3
    人間の根源的な部分を抉り出し、現実への違和感を物語に託して世に放つ異端の小説家吉村萬壱がデビュー20年の節目に著す初の自伝的エッセイ。幼少期の鮮烈な体験と母親の存在は著者の人間形成に決定的な役割を果たすが、やがてそれに対抗する力として文学や哲学に傾倒してゆく。著者の血肉となった広義の哲学書を取り上げ、それらと創作との結び付きを考えながら、読むこと、書くこと、ひいては生きることそれ自体の意味を問う。
  • 出来事
    -
    1巻1,870円 (税込)
    仮想と現実、脳内と世界を巡回する圧倒的な言葉の力(富岡幸一郎) きれいごとを吹き飛ばす圧倒的描写力によって日常世界がめくれあがる。見慣れたはずの外界が何かおかしい。人間の嘘がべろりと浮かび上がる。人間とは何ものか。一見そうは思えないが本書は脳と文明の虚妄(でっちあげ)をあばく恐るべき哲学小説である。 【目次】 偽物 汚涜 化け物 おみやげろ 宇宙温泉 チク 文脈 感染 異変 ホンモノの波 レナの記憶 紙世界 了解と再適応 【著者】 吉村萬壱 吉村萬壱(よしむら・まんいち) 1961年、愛媛県松山市生まれ、大阪で育つ。 京都教育大学卒業後、東京、大阪の高校、支援学校教諭を務める。 2001年「クチュクチュバーン」で第92回文學界新人賞を受賞しデビュー。 2003年「ハリガネムシ」で第129回芥川賞受賞。 近著に『流卵』『CF』など。著書多数。
  • 遠の眠りの
    3.6
    大正末期、貧しい農家に生まれた少女・絵子は、農作業の合間に本を読むのが生きがいだったが、女学校に進むことは到底叶わず、家を追い出されて女工として働いていた。ある日、市内に初めて開業した百貨店「えびす屋」に足を踏み入れ、ひょんなことから支配人と出会う。えびす屋では付属の劇場のため「少女歌劇団」の団員を募集していて、絵子は「お話係」として雇ってもらうことになった。ひときわ輝くキヨという娘役と仲良くなるが、実は、彼女は男の子であることを隠していて――。福井市にかつて実在した百貨店の「少女歌劇部」に着想を得て、一途に生きる少女の自我の目覚めと、戦争に傾く時代を描く長編小説。
  • 囚われの島
    3.8
    1巻1,540円 (税込)
    新聞記者の由良が出会った、盲目の調律師・徳田。いつしか二人の記憶は、時代を超えてある村の記憶へと接続する。雑誌掲載時より話題!「救い」と「犠牲」を現代に問う傑作!
  • 流しの下のうーちゃん
    完結
    3.4
    全1巻1,018円 (税込)
    芥川賞作家が漫画家になった! 27年間続けた教員を辞めた。 これで小説を書く時間はたっぷりできたはずなのに、 惰眠を貪るばかりで、執筆は一向に進まない。 書けない日常から、思考はいつしか逃避をはじめ、 気づけば異界の入口へと招かれていた。 うさぎのうーちゃん、巨女、仕事ぶりを見張る謎の男。 締切と逃走。労働と国家。 作家の日常と足取りをたどるうち、 深遠なる世界に足を踏み入れる、つげ義春的漫画作品。
  • ハリガネムシ
    3.6
    私は風呂無しアパートに住む、高校の倫理教師。サチコが、突然アパートに押しかけてきた日から、私は堕ちはじめた。入浴料二千五百円、サービス料一万二千円の店で働く痩せたソープ嬢。手首には無数のためらい傷。2人の奇妙な共同生活の中で、セックスと暴力だけが加速していく。その果てにあるのは? 人間存在の深奥を見据えて深い感動をよぶ傑作小説。「笑い、怒り、おぞましさ……これほど感情を翻弄された小説は久しぶりです」と山田詠美氏激賞の、戦慄の芥川賞受賞作!
  • ひび割れた日常――人類学・文学・美学から考える
    3.6
    未曾有の危機を前にして、私たちは「何を考えればよいのか」を見失ってしまった——。 「人間の想像力の果て」からやってきたウイルスによって、我々の日常に無数のひびが走った。 消せない不安と変化を余儀なくされた日々の営みを前に、思考の足場をどこに築けば良いのか。 生命、自然、生と死、共生と敵対。 いま浮上する課題をめぐって、三人の異才がアイディアを持ち寄り、変奏し、問いを深めていくリレーエッセイ。 【目次】 Ⅰ ・はじめに——禍の街から、生命と自然のゆくえを見つめる ・ウイルスは我々に何を伝えに来たのか ・植物の時間 ・足し算的時間と合理のひび割れ ・元の日常という脅威 ・人間の体と植物の体 ・〈凝固した日常〉を突き刺すもの ・被造物の底 ・体を失う日 ・「いる」の喪失とは何か? ・死の無力さと分身の持つ力 ・コロナさん ・ようこそコロナちゃん ・聖なるもの ・垂直の家族、水平の家族 ・コロナとはうまくやっていけるかもしれないが、人間同士ではそうではないのかもしれない ・ヒトと人 ・グラブとアンパン ・アニミズム思考のほうへ ・二つの小説 ・意味の非人間性 ・覚知される世界、コロナの迷い ・堆肥男 ・胎盤とバースデーケーキ Ⅱ リレーエッセイを終えて ・生の全体性を取り戻す ・帯状疱疹ウイルスと私 ・想像力の果てからやってきた使者 ひび割れた日常を生きるためのブックガイド
  • ブルックナー譚
    NEW
    -
    泥臭い野心と権威への追従――。残念に生きたその人は、いかにして巨大かつ精緻な交響曲を生んだのか? 21世紀の今、多くの聴衆に支持され、時代と響き合うに至った作曲家の実像。その生涯から場面(エピソード)を小説化、事実記録(伝記)と組み合わせたハイブリッド評伝。【ブルックナー生誕200年記念企画】 *目次より 序 第一章 出生から教師時代まで(1824-1855) 第二章 リンツでの修業時代(1856-1868) 第三章 ヴィーンでの苦難の日々(1868-1878) 第四章 遅れに遅れた名声(1879-1889) 第五章 晩年(1890-1896) エピローグ 死後の名声 後記
  • ボラード病
    3.5
    日本中を震撼させた傑作がついに文庫化! B県海塚市は、過去の厄災から蘇りつつある復興の町。 皆が心を一つに強く結び合って「海塚讃歌」を歌い、新鮮な地元の魚や野菜を食べ、 港の清掃活動に励み、同級生が次々と死んでいく――。 集団心理の歪み、蔓延る同調圧力の不穏さを、少女の回想でつづり、 読む者を震撼させたディストピア小説の傑作。 (解説・いとうせいこう) 「誰も触れたがらないきわどいポイントを錐で揉みこむように突いてみせた、とびきりスキャンダラスな作品」(松浦寿輝) 「この作品に描かれた社会が、近未来の日本に現れないことを願っている」(佐藤優) 「世界をありのままに感じることがいかに困難であるかを描きだした魂の小説」(若松英輔)
  • みんなのお墓
    3.0
    1巻2,090円 (税込)
    私たち視界には、いつもお墓があった。裸になる快感を追い求める主婦。「真理」がわからないと言う小学四年生四人。夜コンビニに出ることだけが日課の引きこもり男性。「真・神塾」という塾への合宿参加を決めた女性。そして父が眠る内藤家之墓へ参る中年。年齢、性別、生活リズムの違うそれぞれは、なぜか「内藤家之墓」に引き寄せられてしまう。最後に入る世界・お墓は私のためか誰かのためか。芥川賞作家が描く悲喜交々の群像劇。
  • ヤイトスエッド
    3.8
    近所に憧れの老作家・坂下宙(ちゅ)ぅ吉(きち)が引っ越してきた。私は宙ぅ吉のデビュー作「三つ編み腋毛(わきげ)」を再読する。そして少しでも彼に近付きたいという思いを強くして──「イナセ一戸建」を含む六篇のほか、文庫版特別書下しとして、作中登場する坂下宙ぅ吉のデビュー作「三つ編み腋毛(抄)」を収録した全七篇。淫靡な芳香を放つ狂気を描く、幻の短篇集が待望の文庫化。
  • 藁の王
    3.5
    1巻1,980円 (税込)
    小説家としてデビューしたが著書は一冊だけ、しかも絶版。そんな私が巨大私立大学で創作を教えることになった。だが自身の執筆は行き詰まり、教え子たちも苦悩し隘路へとはまり込んでいく。なぜ私たちは小説を志すのか――自身の経験を元に、文学の迷宮、小説の樹海を彷徨う人々を描いた表題作を初めとした渾身の作品集。

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