哲学の蠅

哲学の蠅

2,200円 (税込)

11pt

4.3

人間の根源的な部分を抉り出し、現実への違和感を物語に託して世に放つ異端の小説家吉村萬壱がデビュー20年の節目に著す初の自伝的エッセイ。幼少期の鮮烈な体験と母親の存在は著者の人間形成に決定的な役割を果たすが、やがてそれに対抗する力として文学や哲学に傾倒してゆく。著者の血肉となった広義の哲学書を取り上げ、それらと創作との結び付きを考えながら、読むこと、書くこと、ひいては生きることそれ自体の意味を問う。

...続きを読む

哲学の蠅 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2022年02月23日

    哲学とは真正面からガチガチに読むことが正であると説く人もいるけれどそれが全てではない
    蠅のように自分の好きなとこから自由に吸い付いてもいいんだ

    自分を蔑みがちな自分にとって
    吉村氏の破天荒で赤裸々な視点の先には
    確かな導きと珠玉の解放を感じる。

    本当に読んでよかった
    ありがとうございます。

    0

    Posted by ブクログ 2022年02月22日

    著者の自伝的エッセイ。
    冒頭からとんでもエピソードの連発に、始終心拍数が上がりまくりだった。
    著者にも著書にも予備知識ゼロで、題名のカッコ良さだけで読み始めた自分に反省。
    でも、そのぶん倍楽しめたと思う。
    透徹な内省とその開示に、ただただ頭の下がる思い。
    生きにくさを抱えている人には救いになる。
    ...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2022年02月16日

    芥川賞作家の随筆。

    これが著者の体験に基づいているのなら、人間的にあかんやろ、という内容ばかりなのですが、なぜか引きこまれていきます。
    いい人間にならなければならないという呪縛に囚われていると、逆にこの本のようなダークな内容に人間らしさを感じるのかもしれません。

    914.6

    0

    Posted by ブクログ 2024年01月29日




    創元社 吉村萬壱 「 哲学の蠅 」

    自伝的エッセイ。前半は幼少期の虐待や性癖などの告白、後半は作家活動から到達した文学論や人間観。圧倒的な暴力や排除に対して、文学の役割は何かを導き出している


    母への複雑な感情は理解困難。母子一体性が強すぎて、母から受ける虐待すら、著者にとっては、自由と保...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2023年09月05日

    なんだか、変だけどすごいものを読んだように感じる。時たまキモい表現が出てくるから初めのうちは嫌だったのだが、最後はもうなんともなく、いやなんともなくはないけれど、それほどでもなくなっているのが…
    でも、完全にこの人の思いを理解する事はできないけれど、わからないではないこととかむしろ強く共感してしまう...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2022年06月04日

    作家によるエッセイだが、小説かと思うような場面もあった。
    考えてみると、事実とそうじゃないものの差って曖昧なんだな。

    0

    Posted by ブクログ 2021年12月24日

    自伝的エッセイ、と何処かに紹介されていた。
    本当に「自伝」なんだろうか。

    関連して、太宰治さんの「恥」を思い出した。
    だらしない生活を送っている主人公をよく書く「私小説家」を訪ねていく、ファンの女性の話である。
    訪ねてみれぼ、シュッとした作家先生が出てくるという。

    私小説。考えてみれば、他の小説...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2022年04月10日

    自身をさらけ出すことを私小説的というならば、間違いなくこのエッセイはそういうものの仲間だろう。
    文章は平易で読みやすいのだけれど、内容が大層に濃いので読み進めるのに力がいる。その分、大変に面白い。

    0

哲学の蠅 の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

無料で読める エッセイ・紀行

エッセイ・紀行 ランキング

吉村萬壱 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す