アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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ネタバレ読むきっかけは、最近読んだミステリの解説の中で、ミステリ作家たちが長編小説の傑作は『象は忘れない』で意見が一致した、という文章を読んだこと。
今まで読んだポアロの中で一番情報を汲み取るのが難しかった!!
十年以上前の事件の真相について、当時関わっていた人たちに話を聞いていくのだけど、話し手は自分がそう思いたいと考えていることを事実として記憶しているので、
出てくる人の話がある事実においてはこうだけど、別の人によるとこうだ…みたいな感じで、事件についての情報がかなりとっ散らかっているように見える。
だけど最後の種明かしの場面では、「象」たちが話したことがシンプルな真相にきれいに収束していって、 -
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【マープル】
クリスティーが37歳の時に執筆して、亡くなった後に公開された作品。
マープルの最終話となっているけど、執筆したのはマープル作品初期の頃なので、こちらから読むことに決めた。
戦争中に執筆しているからなのか、仄暗くて重い雰囲気。怪奇要素も入っていて、今までのマープル作品にはない感じだった。
マープルは無理に話を聞こうとしない。
動揺して怖がっている人には、湯たんぽと濃くて熱くて甘いお茶で精神的に落ち着かせてくれる。
相手が話しやすい雰囲気づくりが上手い。
この作品では、まるで心理カウンセラーのようなマープルが印象に残った。
解説は恩田陸さん。
まさか解説でこんなに心を持っていか -
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登場人物は資産家の未亡人、その甥と姪、未亡人の寵愛を受けている娘、医師と看護婦2人。
甥と姪は将来を約束した仲だが、未亡人の世話をしている娘を見て、甥の気持ちが揺らぐ。
ほどなくして、未亡人が亡くなり、姪が遺産を相続するが、甥との仲は破綻する。そんな中、娘が殺されて、犯人として姪が逮捕される。医師は姪の無実を信じて、名探偵エルキュール・ポアロに調査の救いを求める。遺言を残さず亡くなった未亡人、若いながら遺言を残して殺された娘。姪に不利な状況が積み重なるなか、姪が本当にやったのか、それとも濡れ衣なのか、ポアロの調査が始まる。登場人物とポアロとの会話から、真実が見つけだせるのか、姪は本当に無実なの -
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【マープル】
1952年クリスティー62歳で、マープル長編12作品のうち5番目の作品。
マープルの学生時代の友人に「妹の身に良からぬことが起きる予感がする」と頼まれて、マープルは友人の屋敷に赴くと…。
最初の夫とその子ども、2番目の夫とその子ども、3番目の夫、実子と養女とその旦那もいて…もう人間関係が複雑過ぎるよー。
人数が多いのと魅力のある登場人物がいなかったので、誰にも感情移入できずに終わってしまった。
邸宅で非行少年ばかりを集めた少年更正施設をしていたり、妄想癖のある青年も出てくる。
もう色んなことがてんこ盛りなので、面白みが薄くなっている感じがした。
★2.5
マープル長編の -
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憂鬱な歯医者での治療を終えてひと息ついたポアロの許に、当の歯医者が自殺したとの電話が入った。しかし、なんの悩みもなさそうな彼に、自殺の徴候などまったくなかった。これは巧妙に仕掛けられた殺人なのか?マザー・グースの調べに乗って起こる連続殺人の果てに、灰色の脳細胞ポアロが追い詰めたものとは?
かなり登場人物が入り乱れて、しかも本人かどうか分からない死体も登場したり出てくる人物が本物なのかどうかなど混乱をきたしました。でも面白かった!ポアロが警察の先を進みながら解き明かしていくところはこれぞミステリという感じ。重婚が理由の殺人って他にも読んだ記憶があるんだけど、当時は結構問題になるレベルだったんだ -
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ネタバレクリスティーのシリア発掘調査日記。
クリスティーの再婚した相手が考古学者であり、クリスティーも夫と一緒に発掘調査に同行したことは有名だが、その様子は初めて詳しく知った。オリエントな世界に魅せられていくつかの作品を上梓したクリスティーだが、その作品の下敷きになったであろう中東への眼差しがここに現れている。
ヨーロッパと違う風土、人々。虫や小動物に悩まされたり、勝手が違うルールやマナーに呆れたり、クスリと笑える描写もある。これが当時の典型的な西洋人の中東への見方かと納得することもあり、あまりにナチュラルな上から目線は現代から考えると座りが悪い部分もある。戦時中にまとめたのだから、明らかに過去を -
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【ノンシリーズ】
「いっそ死んだのが兄でなくローラだったら…」と両親から思われているローラ。
今度こそ両親の愛情はローラに注がれると思ったら、妹シャーリーが生まれた。すると今度は妹ばかりが愛され…。
『第1章 姉ローラ目線』
読者が姉か兄だと、下の兄弟が生まれた時の姉ローラの気持ちがよくわかると思う。
『第2章 妹シャーリー目線』
私は3番目なので、まさに妹シャーリーと同じ。「うん、わかるわかる。」とシャーリーに共感しながら楽しかった。
と、ここまでは『春にして君を離れ』『娘は娘』と同様に面白かった。
第3章になったら、説明もなく新しい謎の伝道者の話に突然切り替わる。
1.2章との繋 -
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ネタバレアラビアンナイトな世界でヴィクトリアの大冒険!
失業した日に偶然出会ったエドワードを追ってバグダッドに来たヴィクトリア。どうやらエドワードが働く組織には怪しいところがあるらしいのだが。息をするように自然に嘘をつけるヴィクトリアは、その特技を活かしてスパイ活動に協力するが、危険は彼女にも迫って——。
異国情緒がワクワクをグレードアップさせているスパイ小説。難しく考えずにヴィクトリアの一挙一動にドキドキしていればあっという間に読んでしまう。砂埃や発掘調査などの中東の雰囲気が雑多でエネルギッシュな舞台を盛り上げている。
エドワードが実は黒幕。何も知らずに親切心と正義感で飛び込んできたリチャード -
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【マープル短編】
ポアロの短編より面白かった。
「前置き→事件の話披露→マープルの推理」の展開で13話まである。
推理が好きな人は短くてたくさん推理ができるので楽しめると思う。
短編だとやっぱり人間ドラマが感じられないので、私は楽しむのが難しかった。
中でも『二人の老嬢』が1番面白かった。
Audibleにて。
★2.5
悲しいことに、これでAudibleにあるクリスティー作品は全部聴き終わってしまった…(;O;)
今まではAudibleと紙の本を2冊同時進行で読んでいたので、家でも移動中でもいつでもクリスティー作品を楽しむことができた。
紙の本ではまだまだクリスティーを読むけど、Aud -
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ネタバレ犬のボブがかわいい。ボブにアテレコするヘイスティングズがかわいい。ヘイスティングズと軽口を言い合うポワロさんがかわいい!
ということで、話の展開としては”いつものクリスティー作品”なのですが、”ボブ”というアクセントが加わることでほっこりした印象が強かったです。
それに、犯人に対する裁きもちょっとビックリというか……。まあ、ポワロさんはコ◯ン君と違って犯人であっても必ず生かす主義ではありませんからね。
にしても、”お金のためならなんだってする放蕩息子”、”この世は自分のためにあると信じて疑わない美人な妹”が毎回出てくるのに、その度疑ってしまう自分をなんとかしたいものです。笑 -
Posted by ブクログ
【ポアロ】
パリからロンドンに向かう飛行機の中で事件は起きた。人が密集している狭い飛行機の中でどうやって殺人をしたのか?
見つかった凶器も謎だらけの、まさに「雲をつかむ」ような事件。
大好きなクローズドサークルで起きた事件に恋愛要素も入ってきて楽しめた。
解説はなんと大好きな阿津川辰海さん!
久しぶりの阿津川さんにめちゃくちゃテンション上がってしまった。
ファンだから言うのではなく、本当に過去イチわかりやすい解説だった。
まず、阿津川さんも同じクリスティー攻略本を読まれていることに驚いた。
そして、それぞれの主要メンバーの心理描写が描かれている所を親切にページ数まで教えてくれる。読者はその -
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Posted by ブクログ
【マープル】
マープルの女性ならではの鋭い視点は、私も女性なので共感できる部分が多かった。
ポアロにはなかった面白い視点だった。
ポアロはプロの職業探偵なのに対して、マープルは素人のおばあさん。
「私の知っている○○さんはこうだったのよ」という、年の功的な推理の仕方が個人的には説得力に欠けるなぁと思ってしまう。
やっぱりポアロの灰色の脳細胞の推理が好きだなぁ。
キャラクターでは、ポアロは自分で「偉大な名探偵です!」と言いきる可愛らしさが好きだった。
マープルはあまり自分を主張しないので、キャラクターがまだ捉えづらい。
自分的にはもう少しアクの強さというか、パンチを求めてしまう。
そして、