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Posted by ブクログ
ジョーン・ヒクソン版のドラマは観たことがあったのだけど、あまり内容を覚えてなかったので、普通に新鮮な気持ちで読み始めた。
ドラマは語り手というものがないから、小説だとけっこう印象が違ってて、マープルの出番が思ってたより少ないなと思った。
しかも、初めて言及されるシーンではあまり良い印象として語られてなくて、ドラマもキャラクターも全く知らずに読んだら、マープルの印象ってだいぶ違ってたかも。
ただ、語り手が牧師さんでわりとフラットな見方で物語が進むから、びっくりしたのは最初だけだった。
ドラマは演出によるミスリードで、より誰が犯人であってもおかしくない感じが強いけれど、小説も絞れはすれど確信は持てずで、最後まで犯人当てをじっくり楽しめた。
ドラマシリーズも見返してみようと思う。
Posted by ブクログ
愛すべきミス・マープルシリーズの長編一作目に当たる訳だが、マープルのお披露目には最適な作品である。
マープルシリーズは短編からスタートしており、後々「火曜クラブ」が発売されるが、本当の意味でマープルの驚異的な推理力を知らしめられるのは「火曜クラブ」であり、長編としての面白さ、彼女がどの様な人物であるかを読み解くのであれば、今作「牧師館の殺人」が最適である。
田舎の村、セント・メアリー・ミードで起きた殺人事件。長閑な場所で、十五年以上殺人等が起きていないこの土地で、一人の老紳士が牧師の家の書斎で頭を撃ち抜かれて殺害されている。若い画家が殺害を自供し、事件は解決されたかと思いきや、様々なトラブルが発生していきセント・メアリー・ミードは大騒ぎだ(まさしく文字通り大騒ぎだ。設定はありきたりなのだが、時代背景の違いが強く、警察が横柄だったり(なんてひどい捜査だ!!)婦人たちが煩わしかったり(なんて恐ろしい土地か!!)とにかく田舎の長閑さと比較して人間の内面、人間的な部分が存分に表現されている作品だ(田舎の人間であれば今作の様な人間的な煩わしさを現代でも経験した事があるだろう)
「ミス・マープルは常に正しい。」ある意味で住人達の中に彼女の全てを見透かしている様な態度について恐ろしさを感じているのは驚きだった。優しいオールドミス(オールドミスには皮肉もある様で優しい訳がないのだが(笑))のイメージがあったのだが、数作品読み進めると彼女の内面の強さや正義感優しさ等のバランスがわかる様になる。
今作では犯人はとても意外であり、僕自身は再読のため、とある人物が犯人だったなぁと読んでいたら記憶が間違っており。ある意味で新鮮に衝撃を受けた訳だが、同じ様な構造の作品はクリスティの他作でも見受けられ、しかし良い意味で繰り返されており、クリスティがそれぞれの探偵やノンシリーズで上手に構成を当てはめてパズルの様にマネジメントしている事を尊敬している。それでいてストーリーは面白いし、トリックは新鮮、ドンデン返しもある為満足のいく作品だ。
ある意味で読みやすく王道のミステリーといっても良いだろう。まず何を読むかを相談されればおすすめの一冊に今作が該当するだろう。
セント・メアリー・ミードはこれ程恐ろしいむらだったのかと。衝撃的だったが、この様な環境かにおいて幼少からきたえられたマープルは必然的に人間性を観察するやり方を学んたのだろう。
Posted by ブクログ
マープルは、13の短篇からなる『火曜クラブ』で安楽椅子探偵として描かれていましたが、本作は長篇での初作品。そのためか図が3頁もあり、セント・メアリ・ミード村の様子がよくわかり、読みやすかったです。
あらすじ:
場所は、閑静なセント・メアリ・ミード村。語り手で聖職者であるクレメント牧師に「誰かがプロザロー大佐を殺してくれたら、社会にあまねく貢献することになるのに」と言わしめるほど、誰からも疎まれていた治安判事が殺されます。殺害現場は、牧師館の書斎。事件当時、クレメント牧師はイタズラ電話の呼び出しで外出して戻ってくるところ、門前で青ざめた画家のローレンスとすれ違う。書斎に入ったクレメント牧師は、撃ち殺されたプロザロー大佐を発見。翌日、ローレンスが自首しますが、やがてプロザロー夫人も事件への関与を自白し、詮索好きな村人たちを巻き込んで混迷を深めて行きます……。
と、牧師が死ねばいいのにと言うくらいなので、殺された人には同情はしませんが、村人たち皆に嫌われている設定なので、誰が容疑者としても考えられる状況は、著者にけむに巻かれているようでした。途中、あーこいつら絶対グルだなと思いながら読み進めつつも、のんびりした展開が進む中、読み進めるほど怪しい人が増えていき、犯人はなかなかシッポを見せない。マープルもほとんど登場せず、語り手のクレメント牧師が興味本意で奔走する様子は、まさか『アクロイド殺し』のようなことはないよねと思ったり。
終わってみれば、マープルの見事な推理やそのとき語られなかった残された謎もスッキリする、読後感の良い話しでした(特にラストの一行がいいですね)。意外だったのが『火曜クラブ』での椅子に座りっぱなしのイメージと異なり、終盤でのアクティブな一面が見られたこと。まだマープルの作品の入口なので、他の作品も楽しみです。
ところで、所々でクリスティーのコミカルなユーモアのセンスに笑えました。例えばP172のクレメント牧師によるスラック警部の印象、P262-263のクレメント牧師が画家のローレンス・レディングに、ニュースに飢えたセント・メアリ・ミード村の住人の特徴を語る場面、P283の牧師の甥デニスによるプロザロー大佐の娘を評する場面でのクレメント牧師が「実に魅力的な癖だな」と言う場面などが面白かったです。
正誤(7刷)
P190の11行目
ローレンス・レディグ
↓
ローレンス・レディング
P253の6行目
どこなく感じが似ている青年
↓
どことなく感じが似ている青年
P349の5行目
母親ははちゃんとした人間です。
↓
母親はちゃんとした人間です。
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