アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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【戯曲】
戯曲の短編集3作品。
ただでさえ短い戯曲なのに、233ページの中に3作品もある。サクッと読める。
短いのにひねりがあって、予想外の展開が楽しめる。
特に『患者』が面白かった。
舞台で観たらもっとドキドキして楽しめそう。
◆あらすじ
バルコニーから転落した後遺症で、口も聞けなくなった女性に医師がある実験をすると…
解説の柳原慧さんは、クリスティーで1番好きな作品は『ホロー荘の殺人』だと書いてあった。
私もちょうど前日に『ホロー荘〜』を読んでNo.1だとレビューしたので、タイミングが良くて驚いた。
『ホロー荘の殺人』は有名ではないし、そんなに1番に選ばれそうにない作品なのに、同じ -
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【マープル】
初ミス・マープル。
冒頭でクリスティーの孫が、ポアロとマープルの違いや魅力をわかりやすく教えてくれた。
大きな違いは、ポアロがベルギー人で、マープルはイギリス人というところかな。
イギリス田舎の小さな村が舞台。
語り手の牧師が主人公で、マープルの出番は意外と少ない。初回だからか、マープルの扱いは他の村の人とあまり変わらない。
初回のマープルのキャラクターはかなり薄味。いたって普通のおばあさんだったので、少し面食らった。
『アクロイド殺し』のお姉さんみたいな、癖強めのキャラクターなのかと思っていたら全然違った。
小さい村で起こっているせいか、ポアロシリーズと比べると地味に感 -
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【ポアロ】
語り手が看護師なのが新鮮で良い。
考古学者夫人の心身に不安があるとのことで、看護師エイミーは夫人の付き添いを依頼される。
でもみんな何かを隠していておかしい…。
それが何なのか先が気になり、人間ドラマも丁寧で面白い。
ポアロの「殺人は癖になる」という言葉が怖かった。
ツッコミどころはあったけど、ストーリーと異国情緒な雰囲気が好きだったので気にしないことにしよう(^_^;)
オリエント急行の事件は、このメソポタミアの帰り道だったとは!ポアロの灰色の脳細胞はなかなか休めない。
★3.5
Audibleにて。
これでAudibleのポアロとノンシリーズは全部聴いてしまった(TOT) -
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【ポアロ短編】
別にポアロ初登場の話ではない。
タイトルで誤解して、初めてのクリスティー作品には選んで欲しくない14の短編集。
もし自分がこの作品をクリスティー1作目で読んでいたら、合わないと感じて2冊目以降は読まなかったと思う。
短編だと心理描写が少ないので物語に入り込めないし、ストーリーやトリックも凝ったものではない。
短編ではクリスティーの魅力が全然出てないと感じた。戯曲は短くても面白いのに。
ポアロとヘイスティングズのやり取りは多いので、2人を楽しむ作品。
でも他の作品と比べて2人がなんだか軽いんだよなぁ(^_^;)
『マースドン荘の悲劇』
江戸川乱歩の『心理試験』と全く同じシチ -
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死との約束ってなんだろ、
と思いながら読み始めた。
毎回クリスティーの小説を読み始める時は「伏線1個1個ぜんぶ拾う気持ちで行くぞ!」と気合を入れる。
しかし、必ず裏切られる!
え~そっちなの??????と思わされる。
それなのに納得がいく。
遠い昔のページに書いてあった一文を思い出して、
やられた…と膝から崩れ落ちそうにはならないが、そのくらい良い意味で期待を裏返される。
アクロイド殺しの時と同じような感覚というか、
あ~そんな情報あったなと。
最高。
ただ、亡くなったボイントン夫人のサディズムについて、もう少しだけ作中で彼女の人生を濃く教えてもらえたら、更に更に大好きな作品になっただろう。
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【戯曲】
クリスティーの戯曲。230ページ。
二転三転して最後には驚く結末が待っている。
登場人物の心情は一切語られていないので、誰が本当のことを話しているのか全くわからない。やはり登場人物みんな怪しい。
犯人がわかってからもう一度読むと、その時のそれぞれの心情が想像できるので、2度楽しめる。
でも読み終わってしばらくしてから、真犯人は本当に真犯人なのか?とも思えてきた。
最後まで心情が描かれていないので、犯人が本当のことを言ってるのかどうかは読者にはわからない。
そう考えるとまた違うストーリーが自分の中で生まれてくる…。
★3.5
◆あらすじ
車が動かなくなり、男は近くの屋敷に救助を -
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【ポアロ】
クリスティの義兄からの、最近の作品が洗練されすぎてきて貧血症的になってきたとの指摘と、「もっと血にまみれた、思いきり兇暴な殺人を」という要望に応えて書かれた作品。
この指摘に「これでどうよ!」みたいな若干キレ気味なのか、いつものクリスティらしくない感じがする。
・血まみれ
・唯一の密室殺人
・トリック(全くクリスティらしくない笑)
義兄の要望に応えつつも、クリスティらしさも出しながら要望以上の作品にしてしまうクリスティはさすが!
犯人当てもかなり凝ってて、これでもかと言わんばかりのてんこ盛り。
モリモリな感じが他の作品とは何となく違う。クリスマスだし、義兄も読者も王道ミステリ -
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ネタバレ主人公のヴィクトリアは、「トミーとタペンス」のタペンスのような、クリスティ作品でよく登場するアクティブな女性。
冒険心に富み、行動力があって非常に勇敢。タイピストとして雇われていたが、雇い主のモノマネで同僚を笑わせているところを本人に見られて仕事をクビになる。これからどうしようかと路頭に迷っていたところで出会った青年に一目惚れし、彼を追ってバグダッドへと飛ぶことを決意。しかし運賃すら払うお金がないので、経歴を詐称して裕福な夫人の付人として飛行機に乗り込む。
一目惚れした青年に再び会うという目的のためだけに、諜報員として活動したり学者のふりをして発掘現場に潜り込んだりととにかく行動力に溢れてい -
Posted by ブクログ
聖夜に惨劇が!一族が再会した富豪の屋敷で、偏屈な老当主リーの死体が発見される。 部屋のドアは中から施錠され、窓も閉じているのに、犯人はどうやって侵入したのか?休暇返上で捜査にあたるポアロは被害者の性格に事件の鍵が隠されていると考えるが・・・クリスマス的趣向に満ちた注目作。
新訳版が出たので買いなおしていましたが、すっきりとして読みやすい。真逆の季節ですが、富豪の家族は皆それぞれに事情や恨みがありそうで、みんな怪しく見える。序盤の列車二人組の描写は特にミスリードを誘います。やっぱり上手いなぁ。最後の謎解きまで、細やかな伏線には全然気が付かなかった。家庭内でおこった殺人と何度も強調されてたしね。