アガサ・クリスティーのレビュー一覧

  • 海浜の午後

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    【戯曲】
    戯曲の短編集3作品。
    ただでさえ短い戯曲なのに、233ページの中に3作品もある。サクッと読める。

    短いのにひねりがあって、予想外の展開が楽しめる。

    特に『患者』が面白かった。
    舞台で観たらもっとドキドキして楽しめそう。

    ◆あらすじ
    バルコニーから転落した後遺症で、口も聞けなくなった女性に医師がある実験をすると…

    解説の柳原慧さんは、クリスティーで1番好きな作品は『ホロー荘の殺人』だと書いてあった。
    私もちょうど前日に『ホロー荘〜』を読んでNo.1だとレビューしたので、タイミングが良くて驚いた。
    『ホロー荘の殺人』は有名ではないし、そんなに1番に選ばれそうにない作品なのに、同じ

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    2024年07月17日
  • 牧師館の殺人

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    【マープル】
    初ミス・マープル。
    冒頭でクリスティーの孫が、ポアロとマープルの違いや魅力をわかりやすく教えてくれた。

    大きな違いは、ポアロがベルギー人で、マープルはイギリス人というところかな。

    イギリス田舎の小さな村が舞台。
    語り手の牧師が主人公で、マープルの出番は意外と少ない。初回だからか、マープルの扱いは他の村の人とあまり変わらない。

    初回のマープルのキャラクターはかなり薄味。いたって普通のおばあさんだったので、少し面食らった。
    『アクロイド殺し』のお姉さんみたいな、癖強めのキャラクターなのかと思っていたら全然違った。

    小さい村で起こっているせいか、ポアロシリーズと比べると地味に感

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    2024年07月17日
  • メソポタミヤの殺人〔新訳版〕

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    【ポアロ】
    語り手が看護師なのが新鮮で良い。
    考古学者夫人の心身に不安があるとのことで、看護師エイミーは夫人の付き添いを依頼される。
    でもみんな何かを隠していておかしい…。
    それが何なのか先が気になり、人間ドラマも丁寧で面白い。
    ポアロの「殺人は癖になる」という言葉が怖かった。

    ツッコミどころはあったけど、ストーリーと異国情緒な雰囲気が好きだったので気にしないことにしよう(^_^;)

    オリエント急行の事件は、このメソポタミアの帰り道だったとは!ポアロの灰色の脳細胞はなかなか休めない。
    ★3.5
    Audibleにて。

    これでAudibleのポアロとノンシリーズは全部聴いてしまった(TOT)

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    2024年07月17日
  • 火曜クラブ

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    ミス・マープルは普通の田舎の老婦人で、探偵でも警察でもない。だが、自分の経験したことを頭の中でつなぎあわせて、その場に居合わせたわけでもないのに、話を聞いただけで真実を見抜いてしまうのだ。このような短編集においてはピッタリの役だと思う。

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    2024年07月12日
  • ポアロ登場

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    【ポアロ短編】
    別にポアロ初登場の話ではない。
    タイトルで誤解して、初めてのクリスティー作品には選んで欲しくない14の短編集。

    もし自分がこの作品をクリスティー1作目で読んでいたら、合わないと感じて2冊目以降は読まなかったと思う。
    短編だと心理描写が少ないので物語に入り込めないし、ストーリーやトリックも凝ったものではない。
    短編ではクリスティーの魅力が全然出てないと感じた。戯曲は短くても面白いのに。

    ポアロとヘイスティングズのやり取りは多いので、2人を楽しむ作品。
    でも他の作品と比べて2人がなんだか軽いんだよなぁ(^_^;)

    『マースドン荘の悲劇』
    江戸川乱歩の『心理試験』と全く同じシチ

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    2024年07月17日
  • 死との約束

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    死との約束ってなんだろ、
    と思いながら読み始めた。
    毎回クリスティーの小説を読み始める時は「伏線1個1個ぜんぶ拾う気持ちで行くぞ!」と気合を入れる。
    しかし、必ず裏切られる!
    え~そっちなの??????と思わされる。
    それなのに納得がいく。
    遠い昔のページに書いてあった一文を思い出して、
    やられた…と膝から崩れ落ちそうにはならないが、そのくらい良い意味で期待を裏返される。
    アクロイド殺しの時と同じような感覚というか、
    あ~そんな情報あったなと。
    最高。
    ただ、亡くなったボイントン夫人のサディズムについて、もう少しだけ作中で彼女の人生を濃く教えてもらえたら、更に更に大好きな作品になっただろう。

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    2024年07月10日
  • ヘラクレスの冒険

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    1947年発表、エルキュール・ポワロものの短編集。本作でポワロは、ギリシャ神話の"ヘラクレスの十二の難業"にちなんだ十二の事件を解決する。題材も、誘拐、盗難、殺人とバラエティに富んでいるが、題材だけでなく状況設定/プロットにも工夫が凝らされている。何より面白いのは、今まで待ちの(受け身の)探偵だったエルキュール・ポワロが、その持ち前の自尊心の高さを刺激され、自ら事件を欲し、首を突っ込んでいく構成にある。だからこそ、今まで超一級の大犯罪だけでなく、日常の謎が輝きだす。ポワロであることに意味がある名作短編集。

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    2024年07月09日
  • 忘られぬ死

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    1945年発表。明確なシリーズものではないが、準レギュラーキャラクターが登場する。冗長気味のメロドラマから始まるので、いささか退屈か?と思ったが、中盤に入るとサスペンス色が増して一気に物語に引き込まれる。細やかな人間描写と、意図的に描かれていない部分の曖昧さが抜群にうまく、ミスディレクションも完璧。クリスティベスト常連も納得の傑作。

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    2024年07月08日
  • 満潮に乗って

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    1948年発表。ポワロシリーズ第23作。突然潮目が変わり、大海原に投げ出されたクロード一族の面々を中心に、波乱に飛んだストーリー展開が面白い。事件自体のご都合主義っぽい特性もトリックに一役買っており、クリスティの巧者ぶりが遺憾なく発揮されている。終戦後の作品でもあり、世界規模の人殺しを経て、平和を取り戻した人々の悲劇が描かれている。生き残った人々もまた戦争の被害者だとでも言いたいのだろうか?

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    2024年07月08日
  • マギンティ夫人は死んだ

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    1952年発表。エルキュール・ポワロシリーズ第24作。ポワロは、死刑宣告までされた犯人を救うべく、すでに解決したと思われる事件を掘り返す。殺人事件とは縁遠い町にポワロが顔を出すと、たちまち不思議な化学反応が起きるのが面白い。ポワロ自身が自分の知名度や尊大な性格を敢えて武器として用いることで、登場人物たちが隠す秘密を炙り出す過程が見どころ。ミスディレクションは大雑把だが、それを上回るサプライズがある。

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    2024年07月08日
  • 雲をつかむ死

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    これは誰が犯人か覚えてた。確かこの後のどこかの話でこの事件の犯人書かれてるんだよね笑 さらっと書いてあるから気に留めなければ忘れる程度だけど、順番に読むとそういう楽しさもあるね。

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    2024年07月08日
  • もの言えぬ証人

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    久しぶりに少しだけ長い読書となった。
    おばあさんが急に死ぬところから始まるが、おばあさんが死んだことに特になんの違和感もなく読み始まるので本当に殺人なの?と思わされるのになぜか自然に感じる、相反するスタートでおもしろい!

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    2024年07月08日
  • 海浜の午後

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    海辺の午後
    患者
    ねずみたち の3編からなる戯曲集。
    中でも面白かったのは『患者』
    予想とは違ったラストにビックリ。人物の紹介の仕方も上手いなと思いました。
    わがままを言うならば、戯曲集ではなくて、小説として読んでみたかったです。

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    2024年07月07日
  • 招かれざる客

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    【戯曲】
    クリスティーの戯曲。230ページ。

    二転三転して最後には驚く結末が待っている。
    登場人物の心情は一切語られていないので、誰が本当のことを話しているのか全くわからない。やはり登場人物みんな怪しい。

    犯人がわかってからもう一度読むと、その時のそれぞれの心情が想像できるので、2度楽しめる。

    でも読み終わってしばらくしてから、真犯人は本当に真犯人なのか?とも思えてきた。
    最後まで心情が描かれていないので、犯人が本当のことを言ってるのかどうかは読者にはわからない。
    そう考えるとまた違うストーリーが自分の中で生まれてくる…。
    ★3.5

    ◆あらすじ
    車が動かなくなり、男は近くの屋敷に救助を

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    2024年07月07日
  • NかMか

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    SL 2024.7.2-2024.7.6
    今回は第二次世界大戦の最中。
    スパイものだけど、やっぱりミステリ。
    終盤で次々明かされる真相や伏線回収に唸らさられる。

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    2024年07月06日
  • ポアロのクリスマス

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    【ポアロ】
    クリスティの義兄からの、最近の作品が洗練されすぎてきて貧血症的になってきたとの指摘と、「もっと血にまみれた、思いきり兇暴な殺人を」という要望に応えて書かれた作品。

    この指摘に「これでどうよ!」みたいな若干キレ気味なのか、いつものクリスティらしくない感じがする。
    ・血まみれ
    ・唯一の密室殺人
    ・トリック(全くクリスティらしくない笑)

    義兄の要望に応えつつも、クリスティらしさも出しながら要望以上の作品にしてしまうクリスティはさすが!

    犯人当てもかなり凝ってて、これでもかと言わんばかりのてんこ盛り。
    モリモリな感じが他の作品とは何となく違う。クリスマスだし、義兄も読者も王道ミステリ

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    2024年07月02日
  • 終りなき夜に生れつく

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    ネタバレ

    面白かった。
    なかなか事件が起きず、これってミステリじゃなくてブロマンスなのか?と思ったが、最後にひっくり返された。
    ぞっとした犯人の正体。
    人の悪意と好奇心の恐ろしさを感じ、自分は終わりなき夜に生まれつかなくて良かったと安堵した。
    前半の冗長さは感じるが、読み終わった後哲学的な考えに耽ることができる作品だった。

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    2024年07月01日
  • バグダッドの秘密

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    ネタバレ

    主人公のヴィクトリアは、「トミーとタペンス」のタペンスのような、クリスティ作品でよく登場するアクティブな女性。
     冒険心に富み、行動力があって非常に勇敢。タイピストとして雇われていたが、雇い主のモノマネで同僚を笑わせているところを本人に見られて仕事をクビになる。これからどうしようかと路頭に迷っていたところで出会った青年に一目惚れし、彼を追ってバグダッドへと飛ぶことを決意。しかし運賃すら払うお金がないので、経歴を詐称して裕福な夫人の付人として飛行機に乗り込む。
    一目惚れした青年に再び会うという目的のためだけに、諜報員として活動したり学者のふりをして発掘現場に潜り込んだりととにかく行動力に溢れてい

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    2024年07月01日
  • もの言えぬ証人

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    【ポアロ】
    犬のボブが登場する。
    ヘイスティングズがボブの気持ちを勝手に考えて代弁するのが面白かった。
    ボブはいつも元気いっぱい。犬のボール遊びはエンドレスだったなと、自分が飼ってた犬を思い出した。ボブが活躍するのかと期待したけど、思ったほどボブは出てこない。

    ポアロとヘイスティングズは関係者に話を聴きに行く。同じような話が続くので長いー。
    ひたすら聞き込みで退屈になる。
    『ABC殺人事件』同様に、ポアロが外で動きまわる作品がなぜか苦手みたいだ。

    最後は名探偵だからこその終わり方で心に残った。

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    2024年07月01日
  • ポアロのクリスマス〔新訳版〕

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    聖夜に惨劇が!一族が再会した富豪の屋敷で、偏屈な老当主リーの死体が発見される。 部屋のドアは中から施錠され、窓も閉じているのに、犯人はどうやって侵入したのか?休暇返上で捜査にあたるポアロは被害者の性格に事件の鍵が隠されていると考えるが・・・クリスマス的趣向に満ちた注目作。

    新訳版が出たので買いなおしていましたが、すっきりとして読みやすい。真逆の季節ですが、富豪の家族は皆それぞれに事情や恨みがありそうで、みんな怪しく見える。序盤の列車二人組の描写は特にミスリードを誘います。やっぱり上手いなぁ。最後の謎解きまで、細やかな伏線には全然気が付かなかった。家庭内でおこった殺人と何度も強調されてたしね。

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    2024年06月30日