【感想・ネタバレ】鳩のなかの猫のレビュー

あらすじ

中東の小国で起きた革命騒ぎ。そのどさくさに、莫大な財宝が消え去った……一方、英国でも有数の女子学園メドウバンク校に事件の影が忍び寄る。新任の教師が何者かに射殺されたのだ。犯人は校内に? その狙いは? 二つの事件は、どこかでつながっているのか? ポアロの推理が冴えわたる。

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Posted by ブクログ

ネタバレ

ポアロシリーズはあと6冊。革命で身の危険を感じた中東ラマット王子は家宝の宝石を友人に託したが、飛行機事故で友人とともに死亡。宝石の行方は?そして話は一変する。イギリスの名門女子高メドウバンク校で、新任教師が何者かに殺害される。さらに、中東の王女が誘拐事件、第二の殺人まで起きる。1人の女子学生が宝石を発見し、ポアロに助けを求め一時避難する。殺人と宝石、登場人物の教師たちが癖ある人物で犯人を絞れない・・・色々調査したポアロが最後にはすべて解決した。ただ、この表紙絵は何だったんだ?今回も犯人予想、完敗。⑤

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2023年04月16日

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めちゃめちゃ面白かった!
有閑倶楽部の第一話、ルビーをめぐって起こるてんやわんやを思い出した。
アダムのイメージは完全にコナンの安室さん。
いつまでたってもポアロ出てこねぇ…と何回も残りページ数確認してしまった。

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2021年11月20日

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スリリングな展開で面白い。
最後、ポアロの謎解き劇場で人が殺されてしまうのはポアロらしくない!って感じ...そこだけスッキリしない...

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2020年10月30日

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ネタバレ

半分以上読んで、やっとやっとポワロさん登場!
なかなか出てこないから、ポワロさんの本を読んでるんだよね…?って途中不安になったよ。。


宝石に目が眩む人々…怖かった。
最後は本当に相応しい人のもとへ最良と思われる形で遺贈されて、本当によかった。

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2012年12月12日

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ネタバレ

エルキュール・ポアロ・シリーズ

ラマット国で起きた革命。アリ・ユースフ王から宝石を託されたの友人ボブ・ローリンスン。姪であるジェニファーの持ち物に隠された宝石。国からの脱出中に死亡したアリ王とボブ。ジェニファーが入学した名門校メドウバンク。入学手続きの時にジュリアン・アップトンの母親が目撃した人物。アリ王の従姉妹シャイスタの入学。彼女に送られる荷物を監視するために庭師として潜入したアダム。何者かに殺害された体育教師スプリンガー。殺害現場の体育館。ジュリアとジェニファーのテニスラケットの交換。校長の秘書アンのアリバイ。校長の引退と後継者の噂。殺害されたドイツ人教師ヴァンシッタート。後見人の公爵が学校を訪れる日に何者かに誘拐されたシャイスタ。ジュリアに送られたラケットと持ち去られた古いラケット。ラケットの秘密に気がついたジェニファー。ポアロへの相談。犯人を強請ろうとし逆に殺害されたフランス人教師ブランシュ。

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2012年08月03日

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ネタバレ

最初はポアロものだとは気が付かなかった。

アガサクリスティの分身は誰だろうかと思いながら読み進んだ。
ジュリアだろうか。

女学校のあり方を問うような内容があるが、
最後は急展開で、うまくついていけなかった。

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2011年08月04日

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2010年9月にNHKでオンエアされた、デビット・スーシェ主演のポアロ物新作4本のうちのひとつ。珍しく、これはほぼ原作に忠実に映像化されていました。
ポアロ物の中では好きな作品なので、脚色の少ない映像化は嬉しかったな。

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2010年11月07日

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どちらかといえばサスペンスタッチの印象。
犯人が全く予想できないが、しっかり伏線は張られていて演出のうまさは流石。

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2024年07月13日

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ネタバレ

これまでの作品の中で、トップクラスに犯人の目星がつかず、思考を巡らされた作品だった。
怪しいと思われる人が殺されたり、白と思われている人が実は怪しい人のうちの1人だったりと、面白い論理の展開だった。

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2024年03月11日

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物語は壮大に二つのパートにわかれている。
 一つは革命が起きた中東の地ラマット。国王であるアリは信頼出来る友人のボブと国からの脱出を目論見ながら、王家に伝わる宝石をボブに託す。ボブは人知れず宝石を国外に持ち出す算段をつけて行動する。その後、革命に巻き込まれて彼らは命を落とすが、肝心の宝石は行方知れずのまま。
 一つはロンドン郊外にある名門女子校メドウバンク校。バルストロードは一代でメドウバンク校を立ち上げたやり手の校長。学校は倍率も高く王族等も通う。特徴的な教員が在籍しており、優秀な人達が多い。
 今作はこの二つの側面が合わさって、サスペンスミステリーの様相を持つ。謎解きの中心はメドウバンク校での事件であり、ラマット国の革命はバックボーン的なイメージだが、彼の国から持ち出された宝石がとある理由からメドウバンク校に持ち込まれていると考えられる事が事件が発展する要因になる。
 警部のケルシーやスパイのアダムも魅力的ではあるが、最大に貢献したのはジュリアという女学生であり、彼女が「マギンティ夫人は死んだ」に出てくるサマーヘイズ夫人の姪っ子でポアロの噂を聞いており、学校を抜け出して彼に相談にきた事、更には今までの事件からとある事実を推測し確信に触れている部分は優秀で、彼女がポアロに相談しなければ間違い無く事件は解決しなかっただろう。
 人物として、校長であるオノリア・バロストロードはとても優秀な人物で、考え方や人の導き方、生き方がとても立派で、外国人として対面してきたポアロにも偏見などを持たずに相対している。また、元諜報部員のサットクリフ婦人も個性があり、彼女を捕まえれば事件は難なく解決だった訳だが、旅をしており終盤まで警察も協力要請出来なかった。メドウバンクはこの後とても難しい試練を進むが、バロストロード校長をはじめ困難に立ち向かう人物が魅力的に描写されていてきっと上手く立ち直るだろうと予測できる。
 事件を整理した上で犯人は学校に潜入しており、必ず誰かに化けているはずで、ポアロは捜査として先生方の親まで調べ上げ捜査をする。ポアロ自体登場は終盤になるが必要な部分を効果的に調査し事件を真相へと導く。また、犯人判明した後もとある理由で読者は驚かさるわけだが、流石はクリスティ、一筋縄ではいかない仕掛けだ。物語の結び方も好きで、そういう結末もいいなあと感じた。国王が海外に持ち出そうと策略した巨額な宝石を巡るサスペンスミステリーだ。

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2023年11月29日

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名門女子校で女性教師が殺害される。いかにもサスペンス、ミステリーに向いた設定。タイトル「鳩のなかの猫」とは言い得て妙。肝心の名探偵ポアロは中盤まで中々出てこないが、終盤の謎解きはあっぱれ。

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2023年08月25日

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アガサ・クリスティの小説の中でも異質な女学校が舞台となった作品です。さらに謀略のにおいが冒頭からしています。職員も含めて女しかいない学校、しかもそこで次々と起こる殺人事件の背後には、どうやら某中東国の財宝がからんでいるのではないか、ということで、この設定だけで十分読むのにそそられました。本書は登場人物もなかなか個性的でいいです。先生陣、生徒たち、そして母親と基本的に女性しか登場しませんが(ポワロもかなり後半での登場)、それぞれが全然違う個性を持っているので、頭の中で整理しやすかったです。あいかわらず難しい犯人探しやその動機など、アガサ・クリスティの切れ味鋭い筋書き作りは健在です。連続殺人事件が起こるにもかかわらず、かわいらしい女学生の活躍や謀略サスペンス的な要素が、本書をなんだか爽やかな物語にも仕立て上げています。凄惨で陰鬱な推理小説に飽きた方、そういうのが嫌いな方はぜひ本書を読んでみてください。

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2023年04月24日

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「アガサ・クリスティ」の長篇ミステリー『鳩のなかの猫(原題:Cat Among the Pigeons)』を読みました。

「アガサ・クリスティ」作品は、10月に読んだ『愛国殺人』以来ですね。

-----story-------------
中東の王国で起きた革命騒ぎのさなか、莫大な価値をもつ宝石が消え失せた。
一方、ロンドン郊外の名門女子校、メドウバンクにも事件の影が忍び寄る。
新任の体育教師が何者かに射殺されたのだ。
ふたつの謎めいた事件の関連は?
女子学生の懇願を受けて、ついに名探偵「エルキュール・ポアロ」が事件解決に乗り出した。
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1959年に刊行された「エルキュール・ポアロ」シリーズ長編第28作目の作品、、、

タイトルの『鳩のなかの猫』は、女学生(鳩)達の園である学園に殺人者(猫)が紛れ込んでいるという意のようです。

また、中東ラマット国での革命の描写は、「アガサ・クリスティ」が夫とともに、毎年のように遺跡の発掘作業に赴いていたイラクにおいて、1958年に発生した(王政が廃止され、共和制へ移行)がモチーフになっているらしいです。


 ■プロローグ・夏季学期
 ■1. ラマット国の革命
 ■2. バルコニイの女
 ■3. ロビンスン氏登場
 ■4. 旅行者帰る
 ■5. メドウバンク校からの手紙
 ■6. 最初の頃
 ■7. 風向き
 ■8. 殺人
 ■9. 鳩の群のなかの猫
 ■10. 奇想天外な話
 ■11. 会談
 ■12. 古いランプと新しいランプとの交換
 ■13. 破局
 ■14. ミス・チャドウィック眠られぬ夜を過す
 ■15. 殺人事件は繰返す
 ■16. 室内競技場の謎
 ■17. アラディンの洞窟
 ■18. 協議
 ■19. 協議のつづき
 ■20. 雑談
 ■21. 手がかりの整理
 ■22. アナトーリアでのできごと
 ■23. 大詰め
 ■24. ポアロの説明
 ■25. 遺贈


ロンドン郊外の名門女子校メドウバンクを舞台に、室内競技場で連続して発生する女性教師の殺人事件、、、

ラマット国の国王の従妹である「シャイスタ王女」の転入、ラマット国から持ち出された莫大な価値を持つ宝石の謎、引退を考えている「バルストロード校長」の後継者に関する悩み、女生徒「ジェニファ・サットクリフ」のテニスラケットを母親から預かったと偽って新品と交換してくれた謎の女性… 等々の伏線が、利発な少女「ジュリア・アップジョン」の機転と、「エルキュール・ポアロ」の灰色の脳細胞によって解き明かされる展開。


登場人物が多く、序盤はちょっともどかしい展開でしたが、それぞれの人物像や事件の背景を理解するためには必要な内容なんでしょうね、、、

後半の329ページになって、ようやく「エルキュール・ポアロ」が登場… その後は、小気味よい展開で一気に事件が解決に向かいます。


女性教師が三人殺されるのですが… 同一犯が同一の目的・動機で行った犯行と思い込んでしまうところが、真相をミスリードしてしまう展開になっていましたね。


そして、校長秘書「アン・シャプランド」の正体を知っていた「ジュリア・アップジョン」の母親、、、

「バルストロード校長」が序盤の「アップジョン夫人」の言葉を聴き逃していなければ… という伏線の配置の仕方も、巧いなぁ と感じました。



以下、主な登場人物です。

「オノリア・バルストロード」
 メドウバンク校の校長

「エリナー・ヴァンシッタート」
 ドイツ語・歴史の教師

「チャドウィック(チャディ)」
 数学教師

「アイリーン・リッチ」
 英語と地理の教師

「アンジェール・ブランシュ」
 仏語教師

「グレイス・スプリンガー」
 体操教師

「エルスペス・ジョンスン」
 舎監

「アン・シャプランド」
 校長秘書

「アダム・グッドマン」
 園丁

「ジェニファ・サットクリフ」
 メドウバンク校生徒

「シャイスタ」
 メドウバンク校生徒。王女

「ジュリア・アップジョン」
 メドウバンク校生徒

「ジョアン・サットクリフ」
 ジェニファの母親

「ボッブ・ローリンスン」
 ジョウンの弟。ラマット国王のパイロット

「アリー・ユースフ」
 ラマット国の国王

「ロビンスン」
 謎の人物

「パイクアウェイ」
 陸軍大佐。特捜部主任。

「ケルシー」
 ハースト・セント・サイプリアン署捜査課警部

「エルキュール・ポアロ」
 私立探偵

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2022年07月22日

Posted by ブクログ

名門女子校で起こった教師3人の殺人事件と生徒の誘拐事件。
中東の国王の自家用機墜落事故に伴って紛失した宝石の行方を動機に絡めて、面白い展開を見せ、ミステリーの物語としての膨らませ方はすばらしい。特に面白いと感じたのは、アラジンの「古いランプと新しいランプの交換」になぞらえたラケットの交換。ジュリアの母親が学期はじめに見かけた意外な人物「鳩のなかの猫」の正体を、母親がトルコにバス旅行に行っていることにして、不明のままストーリーを進めていくところも巧い。
一方、真相はやや拍子抜け。誘拐事件の真相にひねりがあるものの、殺人事件の真相には意外性に欠け、禁じ手ではないが、それに近いもの。現実的には起こりえることだし、それによって犯人が隠蔽されてはいるが、物足りなさを感じた。

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2019年04月25日

Posted by ブクログ

中東で殺害された皇子と専属パイロット、行方不明になった皇子の宝石。
イギリスのとある女学校で起こった3つの殺人事件。
女学校を抜け出してきた少女に事件の解決を依頼され、エルキュール・ポアロが動き出す。

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中々ポアロが出て来なかったけど、面白かった。
宝石の在り処は途中で直ぐに分かったけど、犯人はちょっと意外だったかな。
途中まで違う人が犯人だと思ってた笑
ビックリとか凄くて興奮、と言うほどでもないけど、面白い作品だと思う。

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2015年05月20日

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ポワロ作品

【ストーリー】
あるアラブ国家でクーデターが発生した。その事態を予期していた若き領主は、代々受け継がれた宝石を友人に託し、やがて秘密の手段で国外へと持ち出される。
それから6週間後。上流階級の子女を多く集め、領主の友人の妹も通う女学院で、新任の体育教師が射殺体で発見される。

【解説】
国家の動乱と女学院での殺人。犯人像や動機は序盤から暗示され、該当者も徐々に絞られてくるが、終盤意外な流れになり、飽きさせない展開だった。

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2013年08月12日

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アガサ・クリスティー

この表紙から、女子高の少女が首吊り自殺をしたのかと思いましたが、
そういうお話ではなく。

中東のラマット王国末裔の残した宝石と、イギリスの名門女子高での事件。
教師達、様々な思惑。
ドキドキ感はないもののなかなかおもしろいのです。

ポワロの登場が少ない分、
読者も犯人探しを出来るように様々な複線が潜んでいます。
例えば、第一人称が実は犯人だったりするような
そういう手法を使っているクリスティの他作品とは
また違う楽しみ方が出来ます。

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2010年01月08日

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ネタバレ

宝石を巡るサスペンスの舞台は名門女子校!

とある中東の小国で革命が起こり、宝石が消えた。一方、ロンドンにある名門女子校では新しい先生と新しい生徒たちを迎える。新設の室内競技場で新任の体育教師が殺された。殺人事件が続き、外国の王女の誘拐まで起きた。ポアロは学校の危機を救えるか——。

面白い。ポアロはラストに少しだけ出てくるに過ぎないが、そのきっかけになる少女ジュリアの賢さと勇気が快い。しかもあのモーリーン夫人の関係者である。『マギンティ夫人は死んだ』を読んでいれば、ポアロがその宿でどれだけうんざりする目に遭ったか思い出せるし、しかもオムレツは美味しかった、とくるのである。ファン向けの描写だ。

登場人物たちの好ましい面が印象的なので、読後も気持ちいい。実務的で柔軟性もある校長、教職に対する強い想いを持つ先生、残念ながら道を外れてしまったベテランにも悩み苦しむ場面を与えて同情を誘う。生徒たちのいきいきとした会話や保護者の言動も、現代につながるところもあって面白い。ラストの宝石の行方もロマンティックで幸福な終わりだ。

ミステリ的には小粒かもしれないが、楽しい読書としては満足。

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2025年08月24日

Posted by ブクログ

冒頭こそとある女学校の入学模様を描きつつも、それに続くは中東のある国で起こった革命に拠る余波。また、革命を逃れた宝石の行方を公安やら殺人鬼が追うというのはスリリング有る展開
けれど、メドウバンク校で生じる事件の発展はじっくりと行われるね
王国で起きた革命はお偉いさんを走らせるものでは有るけれど、イギリスの女学校では遠い話。遠縁とされるシャイスタが入学してきたとしても扱いに困るような事はない。むしろ、ちょっとやそっとじゃ揺らがない軸を持っている学校だと判る
そんな女学校で教師が何人も殺される。しかもそのうち二人が殺された現場は室内競技場という殺人の動機を見出すのが難しい場所
読者には動機が何となく見えはする。けれど、何故現場に室内競技場が選ばれたのか?何故体育教師は殺されたのか?そして宝石はどこに隠されているのか?
錯綜する幾つもの謎が本作をワクワクとしたミステリにしてくれるね

ポアロの登場は終盤になってからであり、それまではスパイのアダムやケルシー警部が推理や捜査を担当するだけあって、真相究明は一向に進展しない
けれど、そうした遅々とした展開が逆にサスペンス風な本作の内容を活かしているね。アダムやケルシーの懸命に関わらず事件は起きるし犯人の尻尾すら掴めない。平穏に包まれていた筈の女学校が混沌と化していく様子には緊迫感が有る

そうした緊張を強いる要素すら有る展開だからこそ、とある少女が見せた勇気によってポアロが舞台に登場し、事態が打開されていく展開は爽快感が有りましたよ


事件とは別方面の要素だけれど、本作に登場するバルストロード校長は傑物だね
たった一代でメドウバンクを英国では名の知れた学校に育て上げた。また、校内で殺人事件が続く中でも全く取り乱さないどころか、事件が終わった後に学校を復調させる道筋まで思い描いている。また、作中で彼女が掲げる教育理念も素晴らしいもの

事件が終わった後に彼女がどうなったかは流石に本筋から外れるから描かれないけれど、彼女ならば、そして彼女が新たに得た共同経営者とならば、メドウバンクを再び偉大な学校に出来ると容易く想像できる程の人物に思えたよ

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2025年04月07日

Posted by ブクログ

【ポアロ】
1959年クリスティー69歳の作品。
あれ?これポアロシリーズだよね?と読んでる途中に何度も確認してしまうくらい全然ポアロが出てこない。

同じくポアロの出番が少なくて覚えているのは『ホロー荘の殺人』だけど、あれは全員のキャラが濃すぎてポアロの出る幕がなかった。

この作品は真面目な教師と生徒ばかりで地味な展開なので「早くポアロ出てきて!」とポアロの登場を今か今かと待ち望んだけど、結局ポアロが登場したのは最後の方。

ポアロにうんざりしていたのに出版社からの圧力でポアロシリーズを書いていたクリスティーの抵抗だったのかはわからないけど、ポアロ自身はもっと早く出たかったと思う^_^;

待ちに待ったポアロの観察眼鋭い「ある1言」がすごかった。さすがポアロ。さすがクリスティー。

何だかこの表紙に見覚えがあると思ったら、土瓶さんの本棚で見たトマス・H.クックの『夜の記憶』の表紙と似てる!
背景は違うけど構図はほぼ同じで、少女の足が浮いていて首吊りを連想するもの。
だけどこの作品にはそんなシーンは全く出てこなかった。何でこの表紙なのか謎( -᷄ω-᷅ )…??

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2025年03月04日

Posted by ブクログ

ポアロもの。

中東のラマット王国で革命が勃発。
国王のアリは、お抱えパイロットのボブに莫大な価値を持つ宝石を託します。
ボブはその宝石を“とある場所”に隠し、その後アリと共に国外脱出を図るも後日彼らの死亡が確認されてしまいます。
一方、ボブの姪にあたるジェニファーが通う名門女子校・メドウバンクで新任の体育教師が射殺されるという事件が発生して・・。

宝石の行方と女子校で起こった殺人事件という二つの謎を巡る、サスペンス&ミステリ仕立ての内容です。
さらに、学校が舞台ということで生徒達や教職員の人物描写が冴えわたり、例えばメドウバンク校長であるバルストロード先生の、今後の学校経営(方針)を踏まえての後継者をどうするかという葛藤等、登場人物達の心情が丁寧に描かれているのが、さすがクリスティーですね。

本書は、ポアロものとしては異色と言っていいほどポアロが全然出てこなくて、ポアロものだということを忘れた頃にようやく登場します。
因みに、今回ポアロに事件解決を依頼する少女・ジュリアの知人・サマーヘイズ夫人って『マギンティ夫人は死んだ 』での“ポアロの残念な滞在先”のご婦人ですよね?(違っていたらスミマセン)
で、ポアロが登場するともう急展開で、サッサと情報収集して、ちゃっちゃと解決しちゃうという・・・うん、これぞポアロ!って感じでございます~。
犯人については、“第二の殺人”が意外な真相でして、それが解ったと同時に思わぬ悲劇が起こってしまったことに、しばし唖然となりました。

そして、肝心の宝石の最終的な所有についてですが、個人的にはなかなか粋なオチだったのでは?と思っております。

ところで、今回何気にご活躍のジュリアでしたが、彼女の母親・アップジョン夫人も、犯人特定のキーパーソンということで、太川陽介&蛭子能収ばりに“トルコ・アナトリア地方、ローカルバスの旅”を満喫していたところを強制帰還させられていましたので、この度ジュリアが“ご褒美”を貰えたこともあり、今度は母娘一緒に豪華な旅でも楽しめたら良いかも・・と勝手に思った次第です~。

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2024年10月23日

Posted by ブクログ

ポアロシリーズだということを忘れてしまうくらいポアロが出てこない。
名門女子校で起こる殺人事件と中東の王国での革命騒ぎ。
この2つの出来事が徐々に繋がっていき、全容が見えてくるという構成が面白い。
個人的に、物語の舞台が屋敷とか豪邸ではなく“学校”であることに新鮮さを感じた。
メインキャラのほとんどが女であり、彼女達の思惑が交錯するストーリーも良かった。

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2024年02月04日

Posted by ブクログ

イギリスの名門校で教師が殺害される。その少し前に起こった中東での革命で、莫大な価値を持つ宝石が消え失せた。この二つの事件の関連は?
ここに誘拐事件なんかも絡んできて、事件だらけ。ポアロも中々出てこない!!

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2023年09月19日

Posted by ブクログ

ネタバレ

国外に持ち出された宝石と、メドウバンク校の殺人事件。
どの事象が宝石に関係するのか?
誰がどう絡んでるのか?
ポアロはいつ来るのか?
と言う部分を気にしながら読んでました。

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2023年01月04日

Posted by ブクログ

どのようにポワロと関わりがあるのかな、と思いながら読んでいたが、ポワロの出番は後半からだった。
こんな結末かぁ、、

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2018年02月25日

Posted by ブクログ

作中の、「人生では自分で間違いをおかしてみるしかないわね」って言葉がすき。
人が撃たれてるのに淡々と推理を披露するポアロはどうかと思ったしそもそも危険すぎるし、もっと他に手段はなかったのか?と思うし、必ずしも彼女がああいった行動にでるとも限らないのに考えが足りないのではないか、とポアロさんに対して思ってしまう。結果的に自分の策でああいう結果になったわけだけどそのことに対してなんも思ってなさそうなところがなんか腑に落ちない…
宝石の在処だとかそれをめぐる殺人だとかは読んでてハラハラした。

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2015年07月02日

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ネタバレ

ポアロってなってるけど、ポアロはゲスト出演て感じ。
殺人事件と国家機密が合わさっていて面白かった。

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2011年05月01日

Posted by ブクログ

ミステリーというより、サスペンスに近い?

あっ、でもミステリーとサスペンスの違いってよく分からないけど(汗)イメージです、イメージ。

最初は題名に騙されて、猫が活躍するのかと思ってたけど、全然違ってました(外国の方が書かれた小説には、そういう本が多いですものね)。鳩の中の猫っていうのは、外国のことわざのような言葉らしく、日本風に言えば飛んで火にいる夏の虫・・いや~違うか。なんだろ~。羊の中のオオカミ・・そんなことわざ無いか。

まあ~ようするに、同じ仲間同士の中に、敵が紛れ込んでいるって思ってください。そして、その敵をいろんな人が推理していく物語です。最後の犯人はけっこう意外でした。でも、そっか~、注意深く読んでいれば想定できたかもしれない人物でした。

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2011年02月14日

Posted by ブクログ

ネタバレ

これはポアロ作品に入れていいの?ほんとに最後しかでてこないし、冴えてる名推理!てほどでもない。いろいろな著名人の秘書を渡り歩いてるシャプラント、あたしはなっからこいつだと思ったもの。都合よすぎる経歴でしょ。閉鎖的な寄宿生の名門女子校、という場所設定はあまり時代のずれを感じなかった。西洋より東洋の少女のほうが年よりませてみえる、というのは?だったし、女性の年齢は膝で判断しろというくだりではおもわず自分の膝をみたわ……。全体としては、面白かった、クーデターに倒れた某国の正義の王子、彼が残した莫大な資産はちゃんと納得いく使われ方におさまったし。魅力あるキャラの女性が多くでてくるのでこのメンバーのまま続編が欲しいくらい。でも、宝石ってそんな、女の人を狂わす魔力があるかなー。私もきらいではないが、そんなに目の色変わるほど欲しくもないがな。鳩のなかの猫というタイトルはちょっとしっくりこない。閉鎖的な女子校のなかは鳩が象徴するような平和的な娘や女教師ばかりじゃないもの。どっちかっていうと、「猫のなかの豹」のほうがしっくり。若干、登場人物が多すぎて、女教師だけでもイラスト入りで顔と経歴紹介とかあればすっきり読めるかも。それとロビンソンの素性が結局曖昧だったから、★は3で。

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2010年12月10日

Posted by ブクログ

女学校ものですよ。
女子学生の中に突入するポアロ大先生。
十代の女の子ばっかり… ということを逆手にとったトリック。
さすがクリスティー。

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2010年07月11日

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