アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
「アクロイド殺し」を除きこれまでポアロ長編作品はアーサー・ヘイスティングス大尉の視点で描かれてきたが今作ははじめて三人称で描写されている
アガサは今作ではヘイスティングス大尉を再びクビにしたらしくポアロのセリフで一二度名前が出たきりである
重要なのは今作の登場人物の一人キャサリン・グレーである
彼女はちょっとした遺産を相続したことで舞台となる列車ブルー・トレインに乗りこの列車で殺人事件が起きる
個人的に注目する理由は彼女がセント・メアリ・ミード村の住人ということだ
セント・メアリ・ミード村である。
大事なことなので2回書いた
セント・メアリ・ミード村といえばミス・マープルが住んでいる村だ。
残 -
Posted by ブクログ
今作はクリスティ作品の中では評価が低い
要因は幾つか考えられるが、
個人的には「アクロイド殺し」の次の長編なので期待値が高すぎたのでは?と考える
前作「アクロイド殺し」出版後から今作が出版された1927年までにアガサ・クリスティにとって心労が重なる出来事があったのも要因の一つだろう
最初の夫アーチボルト・クリスティ大佐の不倫と離婚問題、その後の失踪からしても今作を書いた当時アガサは一種のスランプ状態だったのではないか?
そんな彼女に義兄キャンベル・クリスティが「短編をまとめて出版してみれば?」というアドバイスをして今作は書かれた。
後年アガサが述べているが、ポアロは短編よりも長編向きた。
そし -
Posted by ブクログ
アガサ・クリスティの作品の中でも傑作と名高い一作
あまりに有名なのでストーリーやトリックはネタバレした状態で読んだ
1920年に「スタイルズ荘の怪事件」でデビューした作者は
1926年に出版された今作で英国ミステリ作家としての地位を確たるものにした
2026年は今作が出版されてから100年の節目に当たる
100年経っても全く色褪せない
当時から肯定派と否定派をはじめ大論争を巻き起こしているのも当然である
我らが愛するアーサー・ヘイスティングズ大尉は今作では登場しない
代わりにジェイムズ・シェパード医師が登場し彼の書いた手記という体裁で今作は進む
そして作中でもそれは明記されポアロも作中で読ん -
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ネタバレ10年近く前に「バーナード嬢曰く」で取り上げられていて、その時に気になってすぐに購入して、10年近く積読になっていた本をようやく読み始めて一気に読んだ
うわ、この不遜さは自分かもしれない・・・痛々しい気持ちで読み進める
自分はみんなに嫌われているかもしれないと思ってるとむしろ自分を正当化したくなるんだろうなぁ
バクダットからテル・アブ・ハミド(テルアビブのことか?)→アレッポへとタクシーと汽車で移動 その後にヨーロッパに入って・・・そっか、第二次対戦前はイスラエルやシリアはイギリス領だった? あれ?バグダッド→イスタンブール→ベルリンを鉄道で結ぶ3B政策はドイツの政策だっけ? 待っていた汽 -
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ネタバレとにかく怖い。自分の中にもジョーン・スカダモアがいるのではないか。すでに誰かにとってのジョーンなのではないか。夫であるロドニーの評価は分かれるところだと思うが、個人的には嫌な奴と切り捨てきれない部分があった。「結婚は連帯の意図の表明であり、不測の事態が起こった時も、相手を見捨てない契約」という覚悟を貫いているようにも思えたが、結局のところ、ロドニーもジョーンと同じように、自己満足に陥っているだけなんだろうな。ありのままの現実と向き合うレスリーの姿が、ロドニーの弱さを浮き彫りにしていると感じた。現実を直視し分かち合う勇気を持てないことを、優しさなどという美辞麗句で飾って済ませてはいけない、と突き
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ネタバレやはりミス・マープルはクリスティに愛されていたよう。
同時期に書かれたポワロの最終作同様、作品全体は不穏で落ち着かない雰囲気が貫かれているけれど、こちらはまだまだ元気に活躍してくれるのではという想像の余地を残してくれている。
謎を追う主人公に危害が及ばないように自主的に庭で張り込み(おせっかいから庭の手入れをするおばあさんに擬態)をしているのもさりげなくキュート。
最終作の位置付けの割に主役では無く登場も少なめなのがやや物足りないけれど、若い主人公に言葉を額面通りに受け取ることの危険を指摘し、指南役としてきらりと光る存在感を残している。
真実に向かって誘導していくマープルから読み手も一緒に -
Posted by ブクログ
ネタバレ噂に違わぬど傑作。
ミステリ作品の技法として、当時の読者からすると、かなり先進的、なんなら反則スレスレぐらいに感じたんだろうなと思う。しかし、そのグレーなラインこそが当時の読者を魅了し、よりクリスティー作品に引き込んでいったんだと考えられる。
そんな擦られまくった技法の作品を今読んでも面白いと感じれるのは、やはり、「ポアロの魅力」と「圧倒的構成力」だと感じた。
過去に数作『ポアロ』シリーズを読んだが、最初の頃は「理屈っぽいウザいオジサン」的な印象が強かったが、このシリーズを読めば読むほどポアロの理屈っぽさが論理的な推理を生み出し、その度に脳に強い刺激を受けていることに気付いた。今作も終盤の推理 -
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Posted by ブクログ
実ある心の婚姻に、許すまじ、邪魔だては。
世は移り、人は変われど、まことの恋は
摘まれて朽つる花のごとく
はかなきものにあらざれば。
そはさながら天の一角に
嵐を下に見て、巌としてゆるがざる、
かの不動の星、荒波に揉まるる小舟の
変わりなき道しるべ、
いと高く輝きて、限りなきものを内に秘む。
まことの恋、そは時の道化にあらず
よし、あえかな唇、ばらのかんばせは、
時の利鎌の一振りにうつろうとも
恋はかりそめならずして
世のきわみまで恋うるなり。
変わらぬ恋は世になしと証しさるれば
わがすべての詩はむなしく
およそ人のすべての愛もまたむなし。
──ウィリアム・シェイクスピア「ソネット116」 -