アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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ネタバレアガサ・クリスティー『邪悪の家』は、休暇中のポアロが「何度も命を狙われた」という女性ニック・バックレイと出会うところから始まる。狙撃、事故、毒入りチョコレートと危険が重なり、彼女を取り巻く友人や親族が次々に疑われていく。
最大の魅力は、被害者だと信じていたニックこそが犯人だったという反転。従姉妹マギーとの身代わりや、自作自演の襲撃、遺産を狙った動機が一つにつながる展開には驚かされた。「命を狙われている人」の証言を自然に信じ込んでしまう読者の心理を、鮮やかに利用した作品。派手な仕掛けよりも、人物の思い込みと動機で見せるポアロ作品だった。 -
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【ネタバレあり】『春にして君を離れ』レビュー
読んだきっかけ
文芸評論家の三宅香帆さんがおすすめの一冊として挙げていたのがきっかけです。「平凡な主婦の話で、誰も死なない」という紹介に興味を惹かれました。アガサ・クリスティー作品は『そして誰もいなくなった』『オリエント急行の殺人』を読んだことがあり、もう一冊探していたタイミングだったため、別名義(メアリ・ウエストマコット)で書かれた本作を手に取りました。
あらすじと物語の背景
3人の子供に恵まれ、一見すると非常に幸せな家庭を築いてきた主人公のジョーン(名前はマザーグースの「ジャンプのジョーン」に由来)。彼女は娘の住む中東を訪ねた帰り道、砂漠のレ -
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ネタバレ『ゴルフ場殺人事件』は、死体の服装、狂った時計、偽の証言、遺産をめぐる思惑が幾重にも重なる、かなり複雑で読み応えのある一作だった。
ルノール氏殺害事件は、途中で「これで解決した」と思わせる真相が何度も提示される。しかしそのたびに、無実の人物が罪を被っていたことが判明し、事件の輪郭がさらに反転していく。ルノール氏は息子の服を着ていたという仕掛けから、ルノール夫妻の再出発の計画、ベラによる刺殺、そしてマルト嬢こそがルノール氏を殺害した真犯人だったという結末まで、最後まで油断できない。
特に面白いのは、物的証拠を重視するジロー刑事と、「小さな違和感」から人の心理と計画を読むポアロの対決。ジローも -
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シリーズの順番を考えずに読んでいるが、特に問題なし。文章は固くなく、やり取りもちょこちょこ微笑ましい場面があり、とても読みやすい。次々に事件が起こるので飽きが来ないし、章も短い。なんといっても、後味がとてもスッキリして爽やか!
あと、全部読んでみて思うのは、とてもちゃんとした推理小説だということ。手がかりは初めから順に差し出され、私たちは星座を探すように、点と点を繋いでいけばいい。分からなくてもポアロがいるから大丈夫。
トリッキーでも、バカスカホームランを打つ派手なタイプでもなく、計算も練習量も見え、犠打も盗塁も守備も「ああ、上手いな」と思わせるような、少し小柄で多才な選手を想像させる小説。 -
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ポアロのもとに老婦人から依頼状が届くが、すでに彼女は2ヶ月前に亡くなっていて…という奇妙な出来事から始まります。
ポアロシリーズの中でも、愛犬家にはたまらない一冊。作中にはクリスティー自身も犬を可愛がっていたんだろうなと思える表現が多く、献辞からも愛犬への深い愛情を感じました。
作中に登場する犬・ボブの気持ちを代弁する場面にはほっこりしつつ、事件の推理はなかなか真相に気付けない!全員が怪しい!すっかりクリスティーの術中にハマっていました。途中、登場人物一覧を見返す人が多いはず。
そしてタイトルの"もの言えぬ証人"とは誰のことなのか、読み終えてから「そういうこと!?」と衝 -
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読み終わって、恐ってなった!
アガサ・クリスティー作品ではあるが、
殺人事件とか何も起きて無いんだけどಠ_ಠ
家族の歪さをこれでもかと見せつけられた。
家族を、夫を心から愛していると信じるジョーン・スカダモアの有りようが哀しいし、虚しい。
本人は良き夫、良き子供たちに恵まれて理想的な家庭を手に入れたと自負しているのに、「知らぬは当人ばかりなり」といった具合に事実は全くの逆。それを段々に鋭く描き出しているから凄まじい!
流石のクリスティーだな、と感嘆しました。
砂漠の只中で一人、自身の内面を省みることしかやる事が無くなっていく描写が寒々とこわかった…
汽車がやっと着いて、徐々に現実の生活に戻 -
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ネタバレ【再読】
ヘンリーとルーシーのアンカテル夫妻のホロー荘に招かれた面々。平凡な妻と平凡な暮らしに倦むジョン、ジョンに従順で生きづらさを抱えたガーダ、芸術家として理想の美を求め続けるヘンリエッタ、ヘンリエッタを想う地味なエドワード、他人を見下すデイヴィッド、掴みどころのない妖精のようなルーシー、遠い昔を懐かしみながら日々の労働に神経を擦り減らせるミッジ。
ジョンは、この度の訪問を通してヘンリエッタへの抑えていた思いに気がつく。そんな中で、ジョンの昔の恋人ヴェロニカが現れるなど、波乱の予感が。そしてついに事件が起こる。ジョンが何者かにプールで射殺されたのだ。現場にはリボルバーを手にした妻ガーダの姿が -
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ネタバレ以下、個人的な推理。
ぐへぇえええ! やられた。明らかに怪しいのに。こういうパターンがいちばん悔しい。
推理としては、まず血と音が偽装であることは想像できる。そうだとするとどういうことか、というと被害者シメオン・リーこそが仕掛け人だったということ。
家族に対して何らかの動揺を誘うことが目的であったと考えられる。
しかしシメオンはリウマチ患っている老人なのであそこまでの破壊工作はできなかったんではという気がするので、おそらく協力者がいた。あらかじめその協力者に頼んで部屋をいいかんじに(静かに)壊してもらって、事件時には叫んで簡単に壊して血を撒き散らして死んだふり。
で発見されたあとは最後に残