アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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ネタバレ招かれざる客
クリスティの戯曲を小説化した作品。クリスティ作品ふ戯曲も面白いのだが、戯曲だと読み難い為、全作品小説化して欲しいと願う。
クリスティの作品から派生していく作品(ソフィ・ハナのポアロシリーズ等)は、クリスティの余韻を感じる事が出来るし、キャラクターの世界観を壊さなければとても楽しむ事が出来るが、戯曲を小説にするこによって、まるでクリスティが蘇った気持ちになるし、女史の未読作品が殆ど無くなってしまった今となっては単純に個人的に楽しんでいる。
現代だと突飛押しもないスタートから始まる今作だが、余りにも変わった導入は唯一だしクリスティらしいスタート。スタークウェッダーという若者が霧の中 -
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1937年の作品。
ポアロ・シリーズ長編15作目。
あらすじ
美貌の資産家の娘、リネット・リッジウェイは世の中で手に入らないものはないと思われるほど恵まれた境遇だった。美貌、金、聡明さ…全てを兼ね備えていた彼女だったが、貧しい親友のジャクリーンの恋人、サイモン・ドイルのことが好きになり、彼女から奪い結婚してしまう。ジャクリーンは自分を裏切った2人を恨み、新婚旅行のエジプトまで追いかけてくる。
たまたま休暇中だったエルキュールポアロは、このエジプトのツアーでリネット夫妻とジャクリーンと一緒になる。一行はナイル川沿いを巡るカルナック号のツアーに参加するが、そのツアーの最中にリネットが何者かに撃た -
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現代の日本の作家のミステリーももちろん面白いが、やはりクイーンやポワロの活躍する探偵小説はいつでも面白い。比較的長い作品にも関わらず、事件の真相が明らかになるとその長さの中に無駄がなく伏線が詰まっていたのだと分かって衝撃だった。
(あらすじ)
2人の男女が愛し合っていたが、男は裕福な女性リネットと結婚してしまった。2人はそのままエジプトへとハネムーンに出かけるが、そこに男のかつての婚約者が現れた。女の出現に怯えるリネットだったが、撒くために乗り込んだ船にも女が現れ、リネットはその後死体となって発見される。果たしてこれは復讐のための殺人か!?エルキュール・ポワロが明かす意外な事件の真相とは!
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冒頭で、殺人事件を考えることについて、つまりこの小説の書き方について語られる。
「殺人事件のニュースや小説を読む時、殺人事件の調査をする時、人々は殺人が起きたところから考え始める。しかし殺人は結果なのだ。因果関係はその以前から始まっている。あの目撃者がそこにいたのはなぜ?あの証人が嘘をついたのはどんな感情で?殺人事件に至るまでには、計画があり、多くの偶然により思いもかけない形が作られ、関係者となった人たち性質が影響して、殺人という”ゼロ時間”に集束するのだ。」
物語の前半は、ある年の月に海辺の町ガルズポイントに集まることになった人々の事情、それまでにした経験が語られる。
スコットランド -
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クリスティ自身が自作ベストテンに入れたことが肯ける作品。
普通の推理小説は“事件”から始まるが、この小説は“事件”に向かって話が進んでいく。
それを思いつくクリスティの発想の豊かさもさることながら、伏線の回収の仕方など、その見事さに唸るばかりで、読み終わったときは「お見事!」と思わず快哉を叫びそうになりました。
・・・ところで、メインキャラクターであるオードリー・ストレンジについて、目が離れていることが描かれているのだけど、これは何か意味があるのかしら?当時(1944年以前)の人相学などの影響か、単におっとりした印象を与える顔だと書きたかったのか? そこだけ不思議に思いました。 -
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1944年の作品。
バトル警視が活躍するサイコスリラーサスペンス。
あらすじ
有名なテニスプレーヤーのネビル・ストレンジは、再婚したばかりの美しい妻、ケイ・ストレンジと夏の休暇を養母のトレシリアン夫人の屋敷、ガルズポイントで過ごすことにした。だが、ネビルは別れた妻のオードリーストレンジも同じ時期に招待し、元妻と現妻に仲良くなってほしいと提案する。
さらにケイ・ストレンジに想いを寄せるテッド・ラティマー、オードリーストレンジの幼なじみで、オードリーに結婚の申し込みをしようと決意しているトマス・ロイドも屋敷にはやってきて、ガルズポイントには居心地の悪い不穏な空気が流れていた。
そんな中、トレシリ -
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ネタバレ蜘蛛の巣[小説版]
クリスティの戯曲、蜘蛛の巣の小説版。クライム・コメディ。小説になっているが構成は演劇風。
クリスティの戯曲は面白いものが多く、小説化される事は嬉しい限り。戯曲は読み物としては読みにくいので、全てシリーズを小説化して欲しい。
いつも冗談ばかり言って周りの人達を振り回すクラリッサ。かなりの嘘を重ねているが、夫や知人からは呆れられながらも愛されている。
夫の連れ子のビッパも継母であるクラリッサに懐いており、とても幸せな家庭状態に見える。
ある日、知人達と別れた後、夫の元妻、ミランダの現在の夫であるコステロがクラリッサの屋敷を訪れ、その後帰ったはずの彼がクラリッサの屋敷で死 -
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ネタバレこ、これはまたすごいものを読んでしまった……!クリスティーの引き出し、どこまであるんだ。。
ポワロシリーズも残り10冊ちょっととなり、何を読もうかと迷って手に取った本書。なんと解説があのはやみねかおる先生!すっかり懐かしくなって、「夢水清志郎シリーズ」ぽちってしまいました〜(^^♪
さて。
いつもレビューを読んでくださる皆様はおわかりの通り、私は普段ミステリーしか読みません。ヒューマンストーリーや恋愛ものは、なんだか冷めてしまって飽きてしまうのです。
そんな私ですが、500ページ近くを費やして描かれる濃密な人間関係に、すっかり引き込まれてしまいました……!
被害者であるジョンはモラハ -
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ネタバレ昔読んだことがあり、その後もテレビドラマや映画でも散々見たので、ネタは知っていた。それでも改めて読み返すと面白い。トリックや推理、犯人が追い詰められるまでの緊迫感といった、ミステリーとしての面白さというよりも、この全体が醸し出す雰囲気が、魅力だと思う。
真冬に欧州を横断する豪華列車オリエント急行の中は、日本に暮らす自分には、想像もできない空間である。
まず、公爵夫人や外交官の伯爵、大金持ちの紳士と、そのメイドや秘書たちに、貴婦人とセールスマン。こういった人たちは、国籍も違えば、使っている言葉も違う。そして、初対面にもかかわらず、車内で顔を合わせるうちに親しくなり話をするようになる。こんな豪華 -
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鮮やかな名作
100年経った現代でも読み継がれる不朽の古典と呼ぶに相応しい本作では『アクロイド殺し』とは違った形で裏切られた。
ポアロの持つ探偵の格好良さはホームズにも繋がる所はあるのだが、彼ほど超人的ではない一方で、
読者がギリギリ気付くかどうかスレスレのライン(で、素人の私には全く気付かない一線)を際どく攻めている。加えて、それらのパーツを最後組み合わせて劇的なフィナーレに持ち込むのは最早芸術である。
クリスティの超有名作はザッと読んだと思うのだが、100冊近くあるのでまだまだ楽しみたい。
ハヤカワクリスティ文庫に感謝しながら課金する…
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Posted by ブクログ
1937年の作品。
長編ポアロシリーズ14巻目。
ある日エルキュールポアロは、裕福な独身の老婦人、エミリーアランデルから調査の依頼の手紙を受け取る。しかしその手紙は2ヶ月前に書かれたものであり、手紙を出した彼女はすでに故人となっていた。彼女の死は病死で、少しも疑わしいところはなかった。が、彼女が死ぬ前に遺言状を書きかえたこと、階段から落ちて怪我をする事故があったことなどからポアロは彼女の死が殺人によるものではないかと疑い始める。
容疑者は、エミリーアランデルの甥のチャールズアランデル、姪のテリーザアランデル、同じく姪のベラ・タニオスとその夫でギリシャ人のドクタータニオス。彼女の死によって莫