アガサ・クリスティーのレビュー一覧

  • 鏡は横にひび割れて

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    学生時代に読み漁ったアガサ・クリスティ
    探偵ポアロもミスマーブルも、どちらのシリーズも好きで、読み尽くしたと思っていた。
    他の作家の作品の中で、このタイトルが引用されていたので気になって読んでみた。
    100年経っても色褪せず、読者を惹きつけるのは圧巻!
    ミスマーブルの観察眼と行動力は、年を重ねても健在だった。
    またシリーズ全編、読み返したい。

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    2024年09月10日
  • ねじれた家

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    積読アガサ3/4冊目
    富豪に群がる複雑な親族
    遺産目当てか?それとも…
    一見容疑者不在のように思えるが、話が進むごとに全員が犯人かもと思えてくる
    特別なトリックがない会話劇のような展開なのに、ちゃんとミステリーになっている
    残るはあと「ナイルに…」だけなのでまた仕入れないと

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    2024年09月09日
  • ブラック・コーヒー

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    【戯曲】
    『ブラック・コーヒー』『評決』2つの戯曲。
    『評決』は隠れた名作だった。

    『ブラック・コーヒー』★★
    戯曲ならではの演出なので、読むだけだと楽しむのは難しい。特に驚きもなく、ポアロファンは喜びそう。これは違う作品にも使われていたなというシーンが出てくる。

    『評決』★★★★★★★★8
    めちゃくちゃ好きなタイプの作品で、今だに興奮している(⁠☆⁠▽⁠☆⁠)
    私の中では『検証側の証人』以来の大ヒット!!
    こんなに面白いのにこんな所に隠れてるなんてもったいない。攻略本でも全く触れてないのが謎。
    戯曲ではなく「ノンシリーズ長編」として書かれていたらすごい名作になったんではないかと思ってしま

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    2024年09月01日
  • オリエント急行の殺人

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    映画化されるほど有名な本作を、ネタバレなしに読めたのは正に幸運。『アクロイド殺し』のように、普通では考えられないような結末に驚きました。とても面白かったです。

    あらすじ:
    イスタンブール発カレー行きの豪華列車オリエント急行が、雪のためユーゴスラビアで緊急停車して立ち往生。その間、何者かに乗客の一人が殺される事件が発生。偶然乗り合わせたポアロが捜査に乗り出しますが、乗客には完璧なアリバイがありました。そんな中、過去にアメリカで起きた”幼児誘拐殺人事件”が手がかりとして浮上してきます……。

    『青列車の秘密』同様に、列車内での密室殺人事件。違いは、『青列車の秘密』のような登場人物それぞれの深掘り

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    2024年08月25日
  • ナイルに死す〔新訳版〕

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    アガサクリスティーは恋愛メインのミステリが本当に面白い!今回は他作品より分厚くて登場人物も多かったけど、夢中になって読めた。謎も入り組んでいて誰が犯人か分からないし、みんな怪しく見えた…真相にびっくり!そして、若者たちに寄り添い導こうとするポアロが優しかった。

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    2024年08月22日
  • ねずみとり

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    【戯曲】
    「吹雪の山荘もの」で大好きなクローズド・サークル!

    タイトルからは全くクローズド・サークルだと想像できなくて、攻略本でも★3だったのでノーマークだった。
    正真正銘のこれぞ王道クローズド・サークルという作品だった。

    魅力的なキャラクター、ストーリー、戯曲っぽいラストと全てのバランスが良い。
    特にラスト好きだー。

    1952年から世界で最長連続上映をしている理由は、このバランスの良さのような気がする。

    以前に★10を付けた戯曲『検察側の証人』の方が意外性や面白さからすると断然優れていると思う。
    でも子どもでも、ミステリー好きじゃなくても、誰でも楽しめるわかりやすさは『ねずみとり』だ

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    2024年08月19日
  • なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?

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    ポアロでもミスマープルでもない、シリーズではない長編ミステリー。今回の探偵役は、牧師の息子で海兵隊上がりの素朴な青年ボビーと、貴族だけど気取らなくてスリル大好きな女子フランキーです。
    とにかく主人公のボビーと、フランキーが魅力的。専業探偵ではないので、推理を間違えたり、危なっかしかったりしてハラハラしながら、若くて元気で行動力のある2人がパワフルで、読んでる側も若返ってくる気がします笑

    ストーリーについては、アガサクリスティーの作品はいつも犯人もトリックも最後の最後まで分からず、どんでん返しが体感3つはあったように思います。複雑にいる組んでいた事件が解きほぐされて華麗に伏線回収されていくのは

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    2024年08月15日
  • バートラム・ホテルにて

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    【マープル】
    冒頭のシーンが魅力的。
    舞台は都会ロンドン、古き良きエドワード王朝時代そのままの佇まいを保つバートラム・ホテル。

    高級で優雅でゆったりとした時間が流れるホテルに完璧なサービス。
    ピカピカの銀製ティーポットで飲む最高級のインド茶葉の紅茶の味は最高だろうなぁ。
    その描写がまるで映像のように鮮明に浮かぶ。

    「ほんもののシード・ケーキでしょうね?」
    出た出たー!!この名セリフ!料理の本で気になってたやつだ。
    「だって彼は殺されたんでしょ?」
    「いいかい、彼女を殺してしまわなきゃいけないんだよ」
    など、クリスティー作品はセリフも魅力的で、1度目にすると忘れられない。

    由緒正しいイギリ

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    2024年08月15日
  • 動く指

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    【マープル】
    1943年マープル3作目。クリスティー53歳。
    前回読んだ『カリブ海』よりも20歳近く若い頃の作品。
    クリスティー自身が選ぶベスト10に入っている。

    事件は地味なんだけどめちゃくちゃ面白い。
    キャラクター、ミスリード、人間ドラマ、演出全てが好きで一気読みだった。

    驚くことにマープルは最後の一瞬しか出てこない。でもその一瞬で警察を含め全員が必死に考えてもわからなかったことが、マープルはすぐにわかってしまう。マープルが言った言葉で、全てが一気に解決に進む。
    始めからマープルが出ていたらこのカッコよさと気持ち良さはないので、クリスティーは演出も本当に上手い。

    ・馬のような顔で、犬

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    2024年08月05日
  • なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?

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    「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」って…いや~最高のタイトル!!
    冒険物なのでハラハラ楽しく読めた。なんといっても、エヴァンズとは誰なのか?何を頼まなかったのか?の謎が深まるほどワクワクするし、謎が解けるとすべて繋がるのがとても気持ち良い!ボビイとフランキーのコンビもいいね!犯人、こんなに不運が続くことある?と思って笑えた。ドンマイ!

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    2024年08月04日
  • なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?

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    私にとってアガサ・クリスティの作品5つめ!ポアロやマープルシリーズではない数少ない作品なのだとか。

    個人的には、シリーズものは安心感があってそれはそれで良いけれど、シリーズものじゃない作品の方がハラハラドキドキして好き!向こう見ずなフランキーにヒヤヒヤした〜!最後にタイトルの謎(Why Didn't They Ask Evans?)もばっちり回収していて、めっちゃ面白かったです!途中で気付いたんですけど…Theyなんですよね。

    個人的に、名探偵がスマートに事件を解決する話より、主人公がドタバタと四苦八苦して何とか事件の真相に辿り着く話が好きなので、今のところ、アガサ・クリスティ作

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    2024年07月29日
  • 鏡は横にひび割れて

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    【マープル】
    マープル2作目『書斎の殺人』から20年経って、クリスティー72歳の時の作品。

    『書斎の殺人』の現場となった屋敷が、売りに出されたり、放牧場だった所が新興住宅地になっている。
    美しい田園風景が時を経て近代化へと変わりゆく姿に寂しさを感じた。

    この作品はポアロではなく絶対にマープルだ。クリスティーがマープルの年齢になってきて2人が重なる。
    自分はポアロから読み始めたので、最初はマープルのことが好きになれなかった。
    でも今ではマープルならば間違いないという安心感、同性だからこそわかる繊細な気持ちと、美しい田園風景のセントメアリミードが大大大好きだ。

    この作品は今までと同じような作

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    2024年07月29日
  • 杉の柩

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    恋愛要素が強めのミステリー小説。
    恋愛のドキドキ感とその中で巻き起こる事件のドキドキ、両方のドキドキが味わえる一冊でした。

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    2024年07月27日
  • 葬儀を終えて〔新訳版〕

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    真山仁氏の「疑う力」で勧められていたので手に取った。いやぁ、さすがはアガサクリスティ。
    今の時代に読んでもとても面白い。

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    2024年07月22日
  • 満潮に乗って

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    親族全員を庇護していた大富豪ゴードン・クロードが若い娘と結婚した直後、遺言状を更新しないまま死亡した。残された遺族たちは、ゴードンの援助なしには生活できなくなり……。
    ポワロシリーズ23作目→

    戦時中という環境下、頼り甲斐がある独身貴族の突然の結婚、そして死。残された若き未亡人には厚かましい兄がついていて……とまぁ、揉めそうな要素盛り沢山な設定。それをキャラごとに上手く盛り上げるクリスティの手腕たるや。上手い……ほんとにこの女王は人間ドラマを描くのが上手い。→

    そして、しっかりとトリックもある。上手い……二重三重と驚きがあり、ドラマが盛り上がり、きちんと締める。ポアロが今回もチャーミング。

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    2024年07月22日
  • ねじれた家

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    【ノンシリーズ】
    またもやすごい作品と出会ってしまった…。
    この作品を忘れることはないと思う。
    重い余韻が残り、読み終わった後にもずっと考えてしまう。
    クリスティー自身のベスト10に入っているのも納得。

    ねじれた家に住むねじれた一族。
    全員がねじれていて、それぞれが絡まって強い1本になっている。
    どんな一族なのかを書くとこの本の面白さが半減するので書かないけど、今までの作品に出てきた一族とは違うタイプの一族だった。
    最後の方は犯人が誰か早く知りたくて、目が勝手にどんどん先に進んでしまった。

    読み終わってから気になる所を2度読みすると、堂々と伏線が張られていることに驚く。
    ここまで書いてるの

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    2024年07月22日
  • 鏡は横にひび割れて

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    ネタバレ

    マープルシリーズ8作目。今回もハズレ。第二次大戦後、時代は変わり、セントメアリミードにも新興住宅地の嵐が!マープルは70歳を超え、身体も衰えてきた。ゴシントンホールに大女優マリーナ・グレッグ夫妻が引っ越してきた。そこで行われたパーティーでヘザー・バドコックが飲んだお酒で急死した。自殺の可能性はほぼない。事件直前のマリーナの不審な視線とヘザーのドレスにわざと飲み物をぶちまけたのは誰だ?マリーナの結婚と出産、ヘザーの性格、マリーナの夫、秘書、執事、怪しい者ばかり。犯人動機は自分が授業で教えていることだった!⑤

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    2024年07月21日
  • エッジウェア卿の死

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    ネタバレ

    アガサクリスティー作品によくありがちだけれど、今回はポアロにいつも以上に真相に辿り着くのを焦らされた感じがあった。モヤモヤしながらも続きが気になって読み進めて、最後の最後で全て片付いて一気にスッキリした感じ。ここで一気にアガサクリスティー作品の中でもとりわけ印象に残る一作となった。

    最後の犯人による独白で語られていた、「罰しないといけない」という言葉が記憶に残った。こういった独善的な処罰感情(そもそも「罰する」という言葉そのものが独善的な気がする)で犯人が凶行を重ねていくのは、『誰もいなくなった』に通ずるものがあると思う。

    今回の犯人はまさしく現代で言うところのサイコパス犯人。「チープでな

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    2024年07月20日
  • 検察側の証人

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    ネタバレ

     すごいストーリーを見てしまった。面白い。
     どんでん返しをどんでん返しされて驚きの連続だった。最後の菅野さんのコメント「一転、二転、三転の逆転劇」まさしく、読み終わった時のドキドキが凄い。幕引きの台詞まで綺麗で、それでこのタイトルなのかと納得した。

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    2024年07月20日
  • パディントン発4時50分

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    【マープル】
    列車に乗っていたマープルの友人は、並走する列車の窓から殺人の現場を見た。

    もうはじめから面白い!
    殺人を目撃してるのに並走中の列車なので、その場に行くことができないもどかしさ。

    位置から判断して、クラッケンソープ家の広大な敷地に死体を投げたのではと、マープルは推理する。
    「ウィンザー城のミニチュア版のような家」と書いてある通り、ドラマ版ではお城のような家だった。(お城好きな方はドラマ版もおすすめです!)

    マープルはルーシーにクラッケンソープ家に潜入捜査を依頼する。
    このルーシーはオックスフォード卒の何でも完璧にできるスーパー家政婦。

    美人でクールで魅力的なルーシー。
    ルー

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    2024年07月20日