アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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【戯曲】
これ以上ないくらい完璧なストーリー。
自分が1番好きなタイプのど真ん中だった。
小説ではなくて戯曲なので、余計な部分が削ぎ落とされていてたったの220ページしかない。
1幕ごとに幕が下りてセットも変わるので、読んでいても実際に演劇を観ているような感覚になる。
自分も陪審員になったような感じで、誰が嘘を付いているのかジャッジしながら読んだ。
まぁ、見事に気持ちよく騙された。
没入感が高いし、展開が完璧で上手い!!
この作品はビリーワイルダーの映画『情婦』の原作になっている。
戯曲なので攻略本で★5になってなかったらチャレンジしてなかったので、攻略本は本当にありがたい。他の戯曲作品も楽しみになった。
あらすじ
純朴な青年レナードは、金持ちの未亡人を撲殺した容疑で逮捕された。レナードの妻は明らかにレナードに敵意を持っており…
★10 -
Posted by ブクログ
【ノンシリーズ】
攻略本でベスト3位、クリスティー自身が選ぶベスト10の中にも入っている作品。
これはもう読むしかない。
ポアロは出てこない「ノンシリーズ長編」
◆あらすじ
呪われた「ジプシーが丘」。
貧しい青年は大富豪の娘と結婚し、呪いの噂のある屋敷で結婚生活をはじめるが…。
なかなか事件が起きないので、何のジャンルなのかさえわからないまま進む。
もしかしてこれは『春にして君を離れ』みたいな感じかな?と思ったら急展開。
そこからはすごいミステリーだった。面白い!
まさに「クリスティの総決算」だった。
読んだ後にもう一度最初の方から確かめたくなる。今までで1番怖かった。 -
Posted by ブクログ
【ポアロ】
ポアロ最終話。もうすごかった…。
こんなに予想を超えてくるとは…。
言葉にならない。
この本を読み終わって完全にアガサ・クリスティにはまってしまった。
もう本当に読んで良かった!
これから読む人にもぜひ情報ゼロで読んで欲しい。だから何を書いてもネタバレになりそうで怖い。
読み始めから最終話の雰囲気が漂っていて、今までと全然違う。どうして小説なのにこんな不穏な雰囲気が出せるのか。Audibleのナーレターさんも良かった。
100年もの年月を超えて国も違うのに、こんな気持ちにさせてくれるなんて、やっぱりさすが世界のミステリー女王だ。
アガサ・クリスティのことをもっと知りたくなった。一体どんな人なのか、アガサ関連の本も読みたい。
まだまだ未読のポアロシリーズがたくさんあるので嬉しい。はまってしまったのでAudibleのライブラリーが全部ポアロになってしまった(^^)
次は『五匹の子豚』を読もう。楽しみ。
Audibleにて。
★10 -
Posted by ブクログ
ミステリ小説なのだから、事件の導入は惹き込まれるものか?その作品で扱われるトリックは意外なものだったか?という点は評価に直結する部分なのだろうけど、それが小説である以上は見逃せない点はその作品が魅力的であるかという点で
そして作品が魅力的になるかどうかは物語の構成の巧みさだったり、人物が活き活きとしているかという点等が左右するかと思うのだけど、本作は後者がとても高いレベルで成立していると思えたよ
勿論事件の導入は素晴らしい点は言うまでも無い
朝、起きたら自宅の書斎に見知らぬ女の死体が転がっていた。初動捜査では死体の素性に全く見当がつかず、暫く経ってから家族でも何でもない男性の通報により素性が判明するという筋書きの時点で事件に惹き込まれる
でも、本作の場合は所狭しと活力の感じられる人物が登場する点も言及せずに居られないね
登場人物一覧に掲載されている人物達だけでなく、ワンシーンしか登場しないモブキャラクターですら人柄に関し細やかに表現され、それがどのような人物か一目で判るようになっている
少ししか登場しない人物すら様々に物事を考えているのだと感じられる。そして、それらの人物が口にするのは事件に対する憶測、つまりは噂話だね
本作はマープルが探偵役。彼女とて村のお婆さんとして噂話を好む人物では有るけれど、それだけに死体が発見された家を中心としてどのような噂話が飛び交うか予想できる。それによって生じる理不尽を回避しようと尽力する
また、噂や憶測が盛んに飛び交うものだから、容疑者達の何気ない憶測が意外なヒントになったりするのも面白い
マープルはいつもの手法として自分の人生経験で見聞きした人物達との関連を事件関係者に見る事で推理を進めていくのだけど、真相解明の決定打となったものには驚愕させられたよ
何気ないけれど、人をよく知っていれば違和感を覚えずに居られないポイント。他人から与えられた情報に惑わされずそれを用いて真相を言い当てたマープルの姿からは他人の憶測などは容易に信じてはいけないのだと再認識させられたよ -
Posted by ブクログ
ネタバレシーリアという女性の半生が描かれている。
優しい両親や、前時代的だがよき理解者である祖母に愛され、シーリアは満ち足りた幼少期を送る。父の死で一家は傾くものの、美しく成長したシーリアには数多の男たちが言い寄ってくる。そんな中でシーリアは、のんびりして包容力のあるピーターの求婚を受ける。シーリアには慎重に結婚相手を決めてほしいピーターは、外地勤務の終わる2年後まで結婚を待つように言って旅立つが、その間にダーモットが現れる。結局シーリアは、ピーターとの婚約を破棄してダーモットを選ぶことに。
優しくて魅力的なダーモットとの間に娘も生まれ、シーリアは幸せだった。だが、幸福に思われた結婚生活にも次第に翳りが見え始める。シーリアの中に積み重なっていくダーモットへの小さな不満が、現代的な感覚から見ても非常にリアル。また、娘のジュディーとの不和も胸を締め付ける。このあたりは『春にして君を離れ』にも見られるクリスティの母娘観に通ずるものがある。
どんな時でも味方でいてくれた母ミリアムの死を契機にシーリアの人生は瞬く間に暗転し、ついに破局を迎える。
1年を「長過ぎる」と言って待つことができないダーモットが、選ばなかったピーターとの対比になっている。
選ばなかった後悔や人生の悲哀、虚しさが凝縮されており、シーリアの、繊細で優しいが故の苦しさが読者にダイレクトに伝わるところもこの作品の大きな特徴である。
愛さえあれば、という幻想を真正面から打ち砕く冷徹さ。500ページを超える長編なので、時間をかけてゆっくり読み進めることでより一層シーリアの人生を垣間見ている感覚を味わえる。ダーモットがシーリアに言った「いつまでも美しくいてほしい」という呪いの言葉にゾッとした。 -
Posted by ブクログ
【ポアロ】
「だって彼は殺されたんでしょ?」
葬儀の後に言った、この一言から一族の事件がはじまる…。
カタカナの登場人物が苦手なのに、不思議とクリスティー作品はそこまで困らないのは、クリスティーの細かい人間描写のおかげだと思う。
一人ひとりの容姿、雰囲気、性格、知能などがとても細かく描写されているので、人物の想像がしやすい。人間観察力が鋭いところが面白くてはまってしまう。
一族全員個性が強めでみんな怪しいので、今回もまんまと騙された。
読後感は『死との約束』の方が良かったけど、一族の相続争いのドロドロ感はこちらの方が面白かった。
焼き立てのスコーンにジャムを付けて、紅茶と一緒に楽しむ本場のアフタヌーンティーの様子が出てくる。
夕食前に手作りの焼き立てスコーンなんて、優雅なひとときで素敵だなぁ。
私もスコーンと紅茶を飲みながら次のクリスティー作品を読もう♪
Audibleにて。 -
Posted by ブクログ
【ポアロ】
「いいかい、彼女を殺してしまわなければいけないんだよ」すごいセリフからはじまる。
三谷幸喜さんの本で「地味だけど面白い」と紹介されていて、2021年に三谷さん脚本、野村萬斎さん主演でドラマ化されている。三谷さんファンなのに知らなかった(^_^;)
ボイントン一家はみんな何かがおかしい。
母親にマインドコントロールされている家族。
『春にして君を離れ』くらいの毒親かなと思ったら大間違い。自分の家族が苦しむのを見て喜ぶ本物のサディスティックな母親。こんな母親だったら地獄。
犯人は自分の中で2パターン予想していたけど、どっちも大ハズレだった。予想はハズレた方が嬉しい。
予想できない結末で、なおかつ読後感が最高なのは、やっぱりさすがアガサクリスティ。アガサ作品は有名所しか読んでなかったけど、そんなに知られてない作品でもやっぱり面白い。
もっとクリスティー作品を読みたくなって、『葬儀を終えて』読み始めているけど、これもすごく面白い!Audibleの時間が楽しみになった。
三谷さんの『死との約束』は今度FODで観たい。アガサとの違いも楽しみだ。
Audibleにて。 -
Posted by ブクログ
ネタバレアガサ・クリスティの短編集は初めてだったけれど、予想以上に楽しめた。
ポアロシリーズもので『厩舎街の殺人』『謎の盗難事件』『死人の鏡』『砂にかかれた三角形』の4作品。
どれも短編とあって物語の展開がスピーディーでサクサク読めたし、読み応えにも満足。
唯一の難は短編集なので登場人物表がないため人の名前が覚えられず、この人誰だっけ?と頁を後戻りして探す手間が増えたことくらい。
短編だからといってもポアロの謎解きはいつも通り冴えているし、事件の真相もシンプルで理解しやすかった。
今回の4編全て、真犯人や事件の真相が大外れで、最後のポアロの解説で驚き唸ってしまった。
「自惚れというやつですよ!犯罪者は自分の犯す犯罪は、絶対に失敗しないと思いこんでるものですからね」作中のポアロのセリフにも納得。
また他の短編集も読んでみたい。 -
Posted by ブクログ
クリスティの戯曲は中々手を出せずにいたがほとんど作品を読み尽くしてしまい、いよいよ戯曲を読むに至る。
今作「検察側の証人」は法廷ミステリーになる訳だが、1953年から全く色褪せる事なくあまりにも面白い作品で衝撃的だ。小説よりも短いため読みやすく、戯曲でも傑作と言われる様に起承転結が丁寧で完成度が高い。更にはクリスティ得意のどんでん返しと読者(観劇者)を騙す為のトリックが見事に作用している。
若いハンサムなレナード・ボウルは中年のフレンチという女性をとある事故から救った事により親しくなる。ある日、フレンチ婦人が自宅で殺害されており、レナードに疑いがかかってしまう。レナードの潔白を証明できるのは妻であるローマインの証言のみ。一方でフレンチ婦人はレナードに多額の財産を残しており、明らかに彼の不利になる材料が出揃っている。レナードは有罪か無罪か。弁護士のロバーツ卿はどの様に立ち向かうのか。そして結末は如何様になるのか。
この作品は法廷ミステリーというよりもサスペンスミステリといった方がイメージが湧きやすい作品で、間違い無く小説でも面白い作品だったであろう。間違いなくストーリーテリングは現在でも通用するし、ここまでの強烈な結末は久しく記憶にないと言える。
単純にロバーツ卿とマイアーズ検事の法廷対決かと思いきや、別の時間軸が設定されており予想外の進行で結末まで進んでいく。
今から70年以上前の作品の為、法廷の仕組み等現代では読み取れない部分もあるが、本筋に流れる「人間関係」については全く変わる事はない。一方でレナードとローマイン夫婦の関係性を今作を通じて体験していく事となり、人を信頼したり愛したりする事の脆さや危うさ、恐ろしさには共感してしまうのではないだろうか。
最後、この様な結末かと口を開けたまま呆然としてしまった。それぞれの物語には相応しい結末が必ずあるのだが、今作は正しく納得のいく道筋でありこういう結末を描けてしまうクリスティに脱帽した一冊だ。 -
Posted by ブクログ
ポー、横溝正史ときてクリスティーです
なんかそういう時ってある
どういう時かっていうとそういう時だ
トミー&タペンスのおしどり探偵も初老と言われるお年、孫もいます
だけんども二人(特にタペンス)はまだまだ元気
家族的には困っちゃうおじいちゃんおばあちゃんよね
も〜いい加減落ち着いてよ〜って言われてそう
いや実際娘に言われてたな
そしてだいたい面と向かって言われるのはお父さんの方
しっかり見張っててよ!とか言われる
いやもう無理やん
なんで無理だってことが分かっててお父さんにばっかりそういうこと言うのか!
「旦那さんの役目でしょ!」とか言われる
だから無理だっての!
今回もタペンス暴走、トミー後始末という役割分担w
しかも今作は二人の単独行動の時間が長い
それだけに二人が合流した時の安心感といったら
そしてあいかわらず会話がいかしてる
やっぱりクリスティーは会話の妙よね〜
そしてしっかり意外な結末が用意されてていて流石!
流石のアガサ・クリスティー! -
Posted by ブクログ
アクナーテン
どんな作品でもそうだが取りかかる順番はとても大事で、相乗効果で面白さが増す事がよくある。今作、「アクナーテン」を読む前に「ファラオの密室」(2024年)という作品を読んでいた為、世界観が踏襲され、まるで続編を読んでいるかの様な感覚になった。
「ファラオの密室」では神官とこの時代に生きる市民や奴隷、神々を中心に物語が描かれ、「アクナーテン」ではこの時代のファラオ、王族達を中心に物語が進められる。
今作に登場するファラオ、アクナーテン(おそらくアクエンアテンは読み方の違い)は愛と平和に憧憬する王なのだが、歴史上は余り評価されていない。彼が憧れる世界は理想郷であり、人間の悪い部分、醜い部分が一切見れていない。
彼の母親であるアイや妻であるネフェルティティ、心から信頼しているホルエムヘブなど彼を慕う人物達も沢山いる中で、大国エジプトのファラオの強大な権力、影響力が如何に秩序をもたらしていたのかという事がとてもわかりやすく設定されている。
戯曲は読み慣れていないし、実はクリスティ作品は沢山読んでいたが戯曲と恋愛シリーズは手付かずだったのだが、上記のきっかけもあり、クリスティ作品をもっと楽しみたい思惑もあり、読み始めてみた。
また、エジプト史は学生時代に興味を持っていた分野だったので、抵抗がなく、更に「ファラオの密室」で感じた余韻を楽しみたい意図もあり決心した次第だ。
世界観について、クリスティの設定は見事で、考古学に深い理解のある彼女ならではだと思う。
アクナーテンは悪王としての印象があるが、決してエジプトを滅亡に導いた訳ではなく、彼の思想、経験が破滅への土台になっていたという設定だ。彼はエジプトの神々を抹消し、一神教を強要していくが、その中で腹心であったはずのホルエムヘブさえもが彼の元をさり、最後、唯一愛したネフェルティティのみが彼の元に残るのは印象的な結末だ。
同じ時期にエジプトに関わる偉大な作品を、しかもミステリ、戯曲という型で読む事ができ、改めてエジプト史への興味が湧いてきたと同時に、ツタンカーメンに関わる文庫がまだ家にあったため、いずれ読もうと思う。
アクナーテンだけの感想では無いが、とても楽しめた一週間だった。