あらすじ
ロンドン発の列車の座席でふと目をさましたミセス・マギリカディは窓から見えた風景に、あっと驚いた。並んで走る別の列車の中で、まさに背中を見せた男が女を締め殺すところだったのだ……鉄道当局も警察も本気にしなかったが、ミス・マープルだけは別だった! シリーズ代表作。
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ミス・マープルものの傑作。以前、NHKで放映されたアニメを見た記憶はあるのだが、冒頭の殺人シーン以外はすっかり忘れてしまっていた。ミス・マープルと家政婦さんの活躍にページを捲る手が止まらない。
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ミス・マープルシリーズ長編7作目。
1957年の作品。
ミス・マープルの友人、ミス・マギリカディは、4時50分パディントン発の列車の車窓から、並走する列車の中で起きた殺人事件を偶然目撃してしまう。
マギリカディから相談を受けたミス・マープルは、遺体が発見されないことから殺人犯は遺体を車窓から投げ落としたと推理する。その地点に敷地があるクラッケンソープ氏の屋敷ラザフォード・フォールに手がかりがあるのではないかと考え、有能な家政婦であるルーシー・アイルズバロウに屋敷の家政婦となって調査するように依頼する。ミスマープルの読み通り、屋敷の納屋から女性の遺体が見つかった。
殺された女性の正体は誰なのか?クラッケンソープ一族と関係があるのか?
まず、車窓から向かいの車内でまさに行われている殺人事件を目撃してしまうという導入から面白い!
このミス・マープルのお友達の太ったおばさん、ミス・マギリカディのキャラもいいんですよねぇ。
あと、なんといっても今回はミス・マープルの代わりに動いてくれるルーシー・アイルズバロウの活躍から目が離せない!
殺された女性がどこの誰なのか全然わからないのも、手がかりが全然ないところから推理していくところも本当に面白いです。
ミス・マープルシリーズでは、今まで出てきたキャラクターも成長して出てくるのでそれも面白いですよね。おお、あの子がこんなに大きくなったのね…成長を見守る親戚のおばちゃん的な心境になります。
甥のレイモンドの息子の鉄道会社で働くディビッドだったり、牧師の嫁のグリゼルダの息子のレナードは地図が好きでミス・マープルに地図を貸してあげたりしてます。
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久々に夢中で最後まで読み切った。
隣の電車で殺人が起こっているのを違う列車から偶然、見ていた。という設定が斬新だったし、マープルはほぼ動かないけどクラドック警部やアイルズバロウが彼女の目や足となって動き回るという流れも、面白かった。
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【マープル】
列車に乗っていたマープルの友人は、並走する列車の窓から殺人の現場を見た。
もうはじめから面白い!
殺人を目撃してるのに並走中の列車なので、その場に行くことができないもどかしさ。
位置から判断して、クラッケンソープ家の広大な敷地に死体を投げたのではと、マープルは推理する。
「ウィンザー城のミニチュア版のような家」と書いてある通り、ドラマ版ではお城のような家だった。(お城好きな方はドラマ版もおすすめです!)
マープルはルーシーにクラッケンソープ家に潜入捜査を依頼する。
このルーシーはオックスフォード卒の何でも完璧にできるスーパー家政婦。
美人でクールで魅力的なルーシー。
ルーシーの作る美味しいご飯に、面白いように男性達は心を掴まれていき、2人きりになるとすぐルーシーに告白する。
次第に「お前もか!」と言いたくなるほど、みんなメロメロなのが面白い。
いつもなら退屈する尋問シーンもルーシーの恋愛ストーリーも面白いので全く飽きない。
それからこの家の当主が、ドケチな偏屈じじいでこれがまた良いキャラクター。
クソジジイなんだけど、ルーシーに対する態度がすごく可愛くて憎めない。
最後になってマープル登場。登場した時にカッコ良さを感じた。マープルの犯人への追い込み方が痛快だった。
男性達と同様に私もルーシーが大好きになったので、1作で終わるのは悲しい。
ルーシーシリーズとして読みたい。
人間ドラマとラブロマンスがとても面白かった。犯人はいつも通り全くわからなかった。
★5(小説のみの評価)
Audibleにて。
◆ドラマ版メモ
・お城好きにはたまらない家。お城のような家の室内まで見れるのが幸せ。
広大な敷地なので、ゴルフ場の真ん中にお城が建っているようなイメージ。
・ロウソクが灯された素敵な雰囲気の中で、ルーシーの完璧なテーブルコーディネートの夕食が見れる。
・恋愛ストーリーは小説とドラマでは少し違っていて、ドラマ版の方がわかりやすくて好き。
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偶然電車内で目撃した殺人、個人請負の敏腕家政婦、いがいがした一族という面白エッセンスの詰まった作品。
館モノ(閉鎖的な大きなお屋敷で、アクが強く関係の悪い家族が暮らしている。主治医がやたらと出入り)のモチーフはいろんな作家が書いていて、どれもとても面白いけれど、今の時代では生活様式の変化や少子化で絶滅しているのではと思うとちょっと寂しい。これからも新しい作品が読めることを期待。
マープルの惚けた魅力も最高な一作。
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おもしろすぎる。導入の展開がピカイチ。ルーシーがかなり優秀で、マープルが頼りにするのも分かる。この後ブライアンとセドリックどっちとくっ付いたのか教えてほしい。セドリックを推したいが、アレグザンダーもいるしナヨっとしてるしブライアンかな…。
真相が分かるとなるほどシンプル。
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ミス・マープルシリーズの有名な作品のひとつ。
ルーシーがミス・マープルの目や耳や手となって事件の関係者である一族の屋敷で家事手伝いの仕事を完璧にこなしながら重要な手がかりや情報を集める本作で、私は家事手伝いという仕事がとても重要かつ需要のある仕事であると学んだ。もちろんルーシーのようにとても有能な人物であれば、フリーランスでも十分に生計を立て一財産を築くことができる。この作品でも、邪悪な殺人事件の最後にはほんの少しのハッピーエンドが仄めかされている。ミス・マープルは賢く有能なルーシーが誰を伴侶に選ぶのか分かっているようだったが、私はクラドック警部と同様にさっぱり分からない。強いてあげるならブライアンだろうか。セドリックは確かに魅力的かもしれないがこと家族としての生活を送るとなると家庭には不向きな男性だ。それに屋敷を売り払ってしまうのも惜しい。私もブライアン同様にヴィクトリア朝の屋敷や装飾や家具が大好きなのだ。それに、ブライアンにはいざという時に必要な男らしい勇気と胆力を兼ね備えている。有事の時、頼りになる男性なら普段は気弱くてもかえって可愛らしく思えるものだ。ブライアンの息子であるアレグザンダーもそれとなくルーシーに父と結婚し継母になってほしい、自分も父もルーシーの事を好きだと話していた。私も一人娘で未亡人の母にはまた再婚してほしいと常々考えているから、アレグザンダー少年の気持ちには共感できる。さらにこのブライアン父子はルーサーに気に入られている。ルーサー自身がルーシーに対してアレグザンダーが好きだと話しているのだから、これはもう伏線だと思ってしまう。ルーサーとブライアンとアレグザンダーとルーシーが仲睦まじくこの美しい屋敷で暮らす光景を、つい想像してしまうのだ。
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ミス・マープルが可愛い! しかしこんなに何でもかんでもお見通しなおばあちゃんとはあまりお近づきになりたくないなあ。印象としては、みんながあまり深刻でないのがよかったな。明るくてユーモアがあって、スラスラっと読めました。
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1年ぶりくらい久しぶりにアガクリを読んだ。
やっぱ面白いな〜。
ポアロも好きだけど、マープルも好き。
クラッケンソープ家に誰かかなと思っていたら、主治医だった。犯人は全然予想つかなかった。
妻を殺す男性はたくさんいますもの。
殺人の原因って金絡みと男女のもつれが多いんだなぁと感じた。
面白かった!!
犯人とは別に
この物語には、犯人は誰か、とは別に、もうひとつの「謎」がある。犯人捜しより、そちらの方が興味深い。それは、登場人物の一人(ミス・マープルに依頼されて事件の舞台になる家に「潜入」して情報収集をする女性)が、物語の終了後に、誰と結ばれることになるか、ということ。途中にヒントはちりばめられているが、明確な結末は書かれないまま、話は終わっている。
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誰が犯人か分からない流れが凄く、最後にあっという間のフィナーレで締められる。今回、周りの人たちが個性豊かでそのあたりも見どころだと思う。
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ミス・マープル作品の代表作として有名な本作。
このシリーズは初読だったのだが、今回はミス・マープルの活躍というよりルーシーの活躍が非常に目立った。このルーシーがとても聡明で素敵な女性として描かれているのに加えて、当時としては画期的に自立的な女性として描かれているのが時代背景を踏まえると斬新だなぁと思う。
トリックや結末のしてやられた感もあるが、ポワロみたく淡々と事実を積み上げて詰めていくスタイルの方が好みかなぁ。
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表題に惹かれて読み始めましたが面白かった。
ミス・マープルと、有能な家政婦ルーシーで事件を解決していく過程を楽しめた。
ルーシーが素敵な女性で、事件解決のかたわら、数々の美味しそうな食事を提供してくれる。フリーランスの優秀な家政婦。推察も凄かったけれど、ルーシーが魅力的で印象に残りました。
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マープルシリーズ長編7冊目。今回はマープルの友人が列車から殺人現場を目撃するところから始まる。そもそも本当に殺人事件があったのか?というところから謎で、いつもと違う展開だった。マープルの協力者となるルーシーが変わったキャリアの女性で面白い。あと「予告殺人」で出てきた美男子クラドック警部が再登場。前回よりマープルと打ち解けているのか、二人のやり取りが微笑ましかった。ラストがちょっとあっさりだったかな~と思うけど、楽しく読んだ。
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今まで読んだマープルシリーズの中で一番すきだったかも。ジェーンが事件が気になってぐいぐい行動して、これ以上の行動は身体の負担があるかとらルーシーを配置するまでの序盤もよかったし、少年2人の事件への興味の持ち方がおもしろかった。
アレグザンダーかわいい。
最後、おわかりになりません?って気になる終わり方するのもいい。えぇ教えて終わってほしいーってなったけど多分ブライアンだろうなぁと予想。
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ある婦人が、男が女を絞め殺そうとする場面を目撃する。
しかし、その女性の死体は発見されなかった。
もしや偽装トリックか?と思っていたけど、本当に事件は起きていた。
話を聞いたミス・マープルは被害者女性を特定するべく、ルーシーに協力を依頼する。
とにかくこのルーシーが素敵すぎた。
頭脳明晰かつ有能なフリーランスの家政婦で、働き口もお勤め時期も休暇も全て自分で決めている。
こういう女性ってカッコイイ。
そんな彼女に好意を寄せる資産家三兄弟+当主。
毎度のことながら碌でもない男性陣ですが、下品にならないところが良いな。
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ミス・マープルシリーズ。
しかし今回の主役は、なんと言ってもスーパー家政婦ルーシー・アイルズバロウ。彼女の完璧なまでの仕事っぷりには感心するばかり。頭脳明晰、料理の腕、きめ細やかな洞察力、気の配り方、人当たりの良さ、そしてミス・マープルに引けを取らない好奇心。全てにおいて魅力的で、新たにルーシー・シリーズも創作してほしいと思った。
ロンドン発の列車の窓から偶然目撃した殺人事件。男が女を絞め殺す、まさにその瞬間を目撃した老婆ミセス・マギリカディは慌てて友人ミス・マープルの元に駆け込むことから物語は始まった。
けれど悲しいかなミス・マープルは体調が思わしくなく、スーパー家政婦ルーシーに事件の捜査を委ねる、というもの。けれど現場での捜査は委ねても、ミス・マープルの推理は全く衰えていない。いかに体力が衰えようとも不可解な事件に対する好奇心はなくなりはしないのだ。
「真の淑女たるものは衝撃を受けたり驚いたりしない」母や祖母から叩き込まれた教訓通り、常に冷静で何事にも動じず、必要とあらば平然と嘘もつく。
「老婦人を決してあなどるな。老婦人というのはしばしば、こうだったかもしれないこと、こうだったに違いないこと、それに実際こうだったということまで教えてくれるものだ」
今回も様々な経験から事件の真相を暴いたミス・マープル。今回も真犯人を当てられなかった私はまだまだ経験値が足りないらしい。
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窓越しに偶然殺人現場を見てしまうという導入からもう心つかまれる!ラザフォード・ホールへ舞台が移ってからは、なかなか話が進まなくて途中から事件よりも人間模様に夢中になってた。今回も犯人は当てられなかったけど、あっけないというか、細かい疑問が残る真相だった。
マープルの代わりに活躍するルーシー・アイルズバロウが有能で素敵!犯人よりもルーシーが誰を選ぶかの方が気になって仕方なかった~。私だったらあの人だけど、流れ的にこの人かなぁ。あとルーシーの作る食事がどれも美味しそうだった。
Posted by ブクログ
ミセス・マギリカディは、ロンドン発の列車の窓から、並走する列車の客席で男が女を絞殺する現場を目撃する。
友人のミス・マープルに相談し警察に相談するも、翌日になっても死体すら見つからない。
そこでミス・マープルは、有能で知られる家政婦のルーシーを雇い、件の列車の沿線にある邸宅に潜入させ、死体を捜索する。
ほんの僅かの間並走する列車の中で行われた殺人、見つからない死体、沿線の邸宅に目をつけるミス・マープルの推理力、マープルの手足となって活躍する自立した女性ルーシー、被害者の足跡を辿るためフランスに乗り込むスコットランドヤードのクラドック、そして個性豊かなクラッケンソープの一族。
「老いを感じる」と言いながらも、序盤からかなり能動的にミス・マープルが活躍する。死んだ女性の正体にも捻りがあって最後まで真相がわからないところも巧妙。
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アガサクリスティー五作目。初めてのミスマープルシリーズ。オーディブルで視聴。驚くようなどんでん返しや巧妙なトリックというわけではないのに、とても引き込まれて続きが気になって一気に読んでしまった。おそらくその背景には、人間ドラマが詳細で、その感情の動きの理屈を納得させられるからだと思う。
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ミス・マープルの友人マギリカディが列車に乗っている時、すれ違う列車の中でまさにその瞬間殺人を目撃する。日常から一気に非日常へと引きづりこむ、クリスティの名作。ミス・マープルももちろん、スーパー家政婦ルーシ・アイルズバロウの活躍がすごかった!
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クリスティの本はこれで2冊目です。ポアロ以外に名探偵マープルという方もいるんですね。お上品なおばあ様が繰り広げる推理が心地よかったです。マープルシリーズも色々と読みたくなりました。クリスティの本は色んなところに伏線があり、登場人物のキャラクターも様々なので、また読み直しても面白いと思いました。
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ミセス・マギリカディは列車の中から、並んで走る別の列車の中で起こっている殺人事件を目撃するが、鉄道当局も警察も本気にしてくれず、列車内でも線路のまわりでも遺体が発見されない。マギリカディをよく知るミス・マープルだけが話を信じ、遺体があるかもしれない場所を推測し、土地の所有者のところへ優秀なフリーランスの家政婦ルーシー・アイルズバロウを送りこむ。
このルーシーが頭もきれて手際が良く、料理も上手で、どこの家でもずっといてほしいと思われるような人物。そして家に溶け込み、その家に住む人や家族のことなどをよく観察する。
列車のシーンは最初の目撃の場面だけで、ほぼルーシーの働くクラッケンソープ家での話になる。ミス・マープルはこの家が事件に関わっていることを確信しているのだが、真相が明らかになるのは本当に最後の方。人間、欲が出過ぎるとどんなことだってするというのが悲しい。
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犯人を予想しながら読んだが結局当たらず。名物っぽいが、アガサさんの話は登場人物が多い。イメージを分けることがは難しく、読み進めるのに時間がかかる。面白い点は海外の情景が頭に浮かぶこと。
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この本の前に読んだクリスティのミステリが、事件発生まで大分時間があったのに対して、今回は初っぱなで事件が起きているので『おーっ』とか思った。
トリックが解き明かされるのは割と淡々としている印象で、人間関係をそれなりにねちこく展開している感じでした。犯人はコイツかなーと思ったら、案の定ちがっていて私は本当に探偵に向かないとか思ってしまうし、作家にとっては良い読者だよね。などと思った。
ミスマープルのシリーズは意外と読んでなくて、この本を読んでも半分いってない。ミス・マープルは、若い頃に読んだ時は『実際いたらやなばーさんだろうな』と思っていた。今もそう思っているけれど、なんだか憎めないというか、こういうばーさんになれたら楽しいだろうなと感じている。少しずつ、他の作品も読んでみたい。
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鉄道を舞台とするミステリーはたくさんありますが、並走する汽車の窓から殺人が見えるという導入が斬新です。
ミス・マーブルはほとんど動かず、代わりにルーシーが捜査を進めます。まさに安楽椅子探偵といったところです。
そして、このルーシーがとても魅力的な人物で潜入先の人たちの心をつかんでいき、核心に近づいていきます。
ミステリー好きなら読んで損はないです。
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ミス・マープル・シリーズの代表作。併走する電車の中で一瞬の殺人を目撃した老女は、鉄道会社や警察に殺人を訴えるが相手にされない。しかし、マープルは彼女の言葉を信じ、家政婦ルーシー・アイルズバロウに指示して巧みな推理で死体を発見してみせる。他の探偵諸氏と比較して圧倒的に控え目なマープルだが、それだけに作品の面白さを支えるのは個性的な登場人物たちで、クラッケンソープ家の人々、天才家政婦ルーシー、誰を取っても魅力的だ。
Posted by ブクログ
犯人が他者に知られてはいけない事は数あれど、殺人の瞬間なんて目撃された日にはその時点でミステリはお終いとなる筈
けど、犯人は目撃されたと知らないし、目撃者の言葉を信じる者はかのミス・マープルだけ
本作はそのような導入を持つ作品だね
そもそも列車に乗っていたら別の列車で行われた殺人の瞬間を目撃してしまうなんてかなりドラマティック
これで被害者の死体がすぐに発見されれば、非日常に一歩だけ迷い込んでしまった身震いする逸話で終わるのだろうけど、生憎と死体は発見されず
だから目撃者のミセス・マギリカディは義憤に駆られるし、マープルも死体探しに本気になる
ただ、マープルは行動力が有るわけではないから実働の役割は他の人物に明け渡されて、その人物こそが本作を面白くしているね
ルーシー・アイルズバロウはクリスティー作品において特異な存在だね。強い女性は数多く登場しても、ここまで有能となると珍しい
有名大を卒業し学者になると思われていたのに家事労働の世界へ。けど、それが失策とならずに大成功を納めた点には彼女の有能さが現れているね
つまり彼女はとても魅力的な人間と言えて、彼女が入り込んだクラッケンソープ家の住民が彼女に首ったけになるのはある意味当然の成り行きだったわけだ
けど、これはクリスティーのミステリだから、彼女目当てで殺人が起きるわけではなく変わらず動機は遺産。けど、遺産の要であるルーサー・クラッケンソープではない人間が死ぬのだから、殺人の目的が見えてこないし、そもそも死体が誰だっかも見えてこないという珍しい傾向の作品
魅力的な登場人物、読者を翻弄する事件の推移
トリックや推理の過程は幾らか雑な部分はあるものの、最終的にマープルが示した事件の真実は納得できるもの。だからこそ、マープルが敢えて推理を披露しなかった最後の謎に興味を抱かずに居られないのだろうね
Posted by ブクログ
あ、鉄道そんなに絡まないんだ。
パディントン発4時50分の列車に乗ったら
並走する車両で女性が絞殺されるのを見ちゃった!
という知人のために
マープルさんが安楽椅子探偵する話。
車内には死体がなかったことから
カーブを曲がる地点で遺棄した可能性に思い当たり
そこの土地にある屋敷へ
家事代行のルーシーを潜り込ませる。
おお〜、なんかどっちも
現代の推理小説でも使ってそうなネタだ。
このルーシーがまたかっこいい。
スーパー家政婦です。
屋敷に遊びに来ていた殺人事件に興味津々の
少年たちとのやりとりがナイス。
怪しいと思った人物が
順に殺されてしまう王道?展開で
最後までルーシーが毒牙にかかんないか
ハラハラしましたわ。