アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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ネタバレクリスティー作品3冊目。
途中まで事件は起こらず、船で観光を楽しんだり会話の描写があり穏やかな旅行を感じさせる。リネット周りだけは不穏な空気が漂っていた。一度事件が起こると怒涛の展開でページを捲る手が止まらなかった。
そして、全然思ってもいない犯人だったから驚いた。
↓めちゃネタバレ
ジャッキーは悲劇のヒロインかと思っていたら頭の切れる狡猾な殺人犯だったとは…。
手荷物を調べた時ロザリーのハンドバッグから見つかったピストルがモヤモヤしてたけれど、最後に回収してくれて全てスッキリした。
ただ、リネットの死を本気で悲しむ人がいないことがすごく寂しく感じた。
『大事なのは過去ではなく未 -
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【ポアロ】
好きなクリスティー作品No.1が『ホロー荘の殺人』に入れ替わった。
やっぱりクリスティーの描く人間ドラマが面白くて好きだ〜。
ポアロが入る隙がないほど、登場人物だけで十分まわせちゃうくらいキャラが濃い人達。
脇役でも他の作品に出たら主役になれるんじゃない?と思うくらい、主役級のぶっ飛んだ人達が勢揃いしている。
あのポアロでさえ、この作品では霞んでしまうほどで出番も少ない。
攻略本によると、クリスティーは「この作品にポアロを登場させたのは失敗だった」と述べていたと書いてあった。
確かにこれはポアロシリーズじゃなくて、ノンシリーズ作品の方が合う。
『ナイル』『杉の柩』よりもっと -
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【ノンシリーズ】
ポアロが出ない「ノンシリーズ長編」
男を虜にする美女のローズマリー。
姉ほどは容姿に恵まれてない妹のアイリス。
その他の登場人物も全員魅力的なので、物語に入り込んで感情移入してしまう。
登場人物が少ないのもあるけど、登場人物表を見なくても初めて覚えられた。私でも覚えられるくらい人間ドラマが濃い。
ストーリー展開が上手いので続きが気になって朝方まで読んでしまった。次の日キツイのでダメなやつ…(+_+)反省
それぞれの回想パートで心情が語られる。
表面上ではわからなかったけど、回想パートを読むとそれぞれに秘密を抱えていて、全員に動機があることがわかる。
めちゃくちゃ好きなタ -
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文句無しに面白かったです。
俗に、ノンシリーズと言われる本作。事件の解決は、ポアロのような名探偵ではなくバトル警視。解説によると、このバトル警視の登場自体は5作目。彼は、それまで地味な扱いだったのが、本作で華開いたとのこと。
作中で、バトル警視がポアロの名前をあげて、意識的に違和感を嗅ぎ取って推理し、活路を見出すのがいいですね。ポアロの人柄や推理の仕方が出てくるので、一冊はポアロの登場する本を読んでおいた方がいいでしょう。自分は、一作目『スタイルズ荘の怪事件』を読んでいたのでイメージできました。
物語は、老弁護士が推理小説を読むときの持論を語り出し、「殺人は結果なのだ。物語はそのはるか以 -
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ネタバレミス・マープルの連作短編集。
ミス・マープルを囲んで繰り広げられる推理合戦13編。
各自が真相を知っている"迷宮入り事件"を語り、参加者一同が真相を推理し合うもの。
参加者の年齢も職業もバラバラなので、どの事件も変化に富んで面白い。私も一緒に解いてみたけれど13の事件全て惨敗だった。
特に面白かったのは『動機対機会』『二人の老嬢』『四人の容疑者』『溺死』
全ての事件の真相を次々と見事に暴くミス・マープル。自身の住むセント・メアリ・ミード村からほとんど出たこともない彼女はどうしてこんなに簡単に事件の真相を探り当てることができるのか。
「この世の中に起こることは、すべて似 -
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【戯曲】
これ以上ないくらい完璧なストーリー。
自分が1番好きなタイプのど真ん中だった。
小説ではなくて戯曲なので、余計な部分が削ぎ落とされていてたったの220ページしかない。
1幕ごとに幕が下りてセットも変わるので、読んでいても実際に演劇を観ているような感覚になる。
自分も陪審員になったような感じで、誰が嘘を付いているのかジャッジしながら読んだ。
まぁ、見事に気持ちよく騙された。
没入感が高いし、展開が完璧で上手い!!
この作品はビリーワイルダーの映画『情婦』の原作になっている。
戯曲なので攻略本で★5になってなかったらチャレンジしてなかったので、攻略本は本当にありがたい。他の戯曲作 -
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【ノンシリーズ】
攻略本でベスト3位、クリスティー自身が選ぶベスト10の中にも入っている作品。
これはもう読むしかない。
ポアロは出てこない「ノンシリーズ長編」
◆あらすじ
呪われた「ジプシーが丘」。
貧しい青年は大富豪の娘と結婚し、呪いの噂のある屋敷で結婚生活をはじめるが…。
なかなか事件が起きないので、何のジャンルなのかさえわからないまま進む。
もしかしてこれは『春にして君を離れ』みたいな感じかな?と思ったら急展開。
そこからはすごいミステリーだった。面白い!
まさに「クリスティの総決算」だった。
読んだ後にもう一度最初の方から確かめたくなる。今までで1番怖かった。 -
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【ポアロ】
ポアロ最終話。もうすごかった…。
こんなに予想を超えてくるとは…。
言葉にならない。
この本を読み終わって完全にアガサ・クリスティにはまってしまった。
もう本当に読んで良かった!
これから読む人にもぜひ情報ゼロで読んで欲しい。だから何を書いてもネタバレになりそうで怖い。
読み始めから最終話の雰囲気が漂っていて、今までと全然違う。どうして小説なのにこんな不穏な雰囲気が出せるのか。Audibleのナーレターさんも良かった。
100年もの年月を超えて国も違うのに、こんな気持ちにさせてくれるなんて、やっぱりさすが世界のミステリー女王だ。
アガサ・クリスティのことをもっと知りたくなった。 -
Posted by ブクログ
ミステリ小説なのだから、事件の導入は惹き込まれるものか?その作品で扱われるトリックは意外なものだったか?という点は評価に直結する部分なのだろうけど、それが小説である以上は見逃せない点はその作品が魅力的であるかという点で
そして作品が魅力的になるかどうかは物語の構成の巧みさだったり、人物が活き活きとしているかという点等が左右するかと思うのだけど、本作は後者がとても高いレベルで成立していると思えたよ
勿論事件の導入は素晴らしい点は言うまでも無い
朝、起きたら自宅の書斎に見知らぬ女の死体が転がっていた。初動捜査では死体の素性に全く見当がつかず、暫く経ってから家族でも何でもない男性の通報により素性が -
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ネタバレシーリアという女性の半生が描かれている。
優しい両親や、前時代的だがよき理解者である祖母に愛され、シーリアは満ち足りた幼少期を送る。父の死で一家は傾くものの、美しく成長したシーリアには数多の男たちが言い寄ってくる。そんな中でシーリアは、のんびりして包容力のあるピーターの求婚を受ける。シーリアには慎重に結婚相手を決めてほしいピーターは、外地勤務の終わる2年後まで結婚を待つように言って旅立つが、その間にダーモットが現れる。結局シーリアは、ピーターとの婚約を破棄してダーモットを選ぶことに。
優しくて魅力的なダーモットとの間に娘も生まれ、シーリアは幸せだった。だが、幸福に思われた結婚生活にも次第に翳り -
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【ポアロ】
「だって彼は殺されたんでしょ?」
葬儀の後に言った、この一言から一族の事件がはじまる…。
カタカナの登場人物が苦手なのに、不思議とクリスティー作品はそこまで困らないのは、クリスティーの細かい人間描写のおかげだと思う。
一人ひとりの容姿、雰囲気、性格、知能などがとても細かく描写されているので、人物の想像がしやすい。人間観察力が鋭いところが面白くてはまってしまう。
一族全員個性が強めでみんな怪しいので、今回もまんまと騙された。
読後感は『死との約束』の方が良かったけど、一族の相続争いのドロドロ感はこちらの方が面白かった。
焼き立てのスコーンにジャムを付けて、紅茶と一緒に楽しむ本場