アガサ・クリスティーのレビュー一覧

  • なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?

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    タイトルに惹かれて購入。アガサ・クリスティ4冊目です。
    何をエヴァンズに頼まなかったのかが気になってどんどん読み進めました。
    男女2人の推理がテンポよく爽快です。
    ハラハラドキドキの展開といった感じで、今まで読んだ(3冊しか読んでないけど)アガサの小説とは違った、ミステリーを前面に出しすぎない冒険譚のような読み心地。
    面白かったです。

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    2024年06月12日
  • 死との約束

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    【ポアロ】
    「いいかい、彼女を殺してしまわなければいけないんだよ」すごいセリフからはじまる。

    三谷幸喜さんの本で「地味だけど面白い」と紹介されていて、2021年に三谷さん脚本、野村萬斎さん主演でドラマ化されている。三谷さんファンなのに知らなかった(^_^;)

    ボイントン一家はみんな何かがおかしい。 
    母親にマインドコントロールされている家族。
    『春にして君を離れ』くらいの毒親かなと思ったら大間違い。自分の家族が苦しむのを見て喜ぶ本物のサディスティックな母親。こんな母親だったら地獄。

    犯人は自分の中で2パターン予想していたけど、どっちも大ハズレだった。予想はハズレた方が嬉しい。
    予想できな

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    2024年06月12日
  • 死人の鏡

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    ネタバレ

    アガサ・クリスティの短編集は初めてだったけれど、予想以上に楽しめた。
    ポアロシリーズもので『厩舎街の殺人』『謎の盗難事件』『死人の鏡』『砂にかかれた三角形』の4作品。
    どれも短編とあって物語の展開がスピーディーでサクサク読めたし、読み応えにも満足。
    唯一の難は短編集なので登場人物表がないため人の名前が覚えられず、この人誰だっけ?と頁を後戻りして探す手間が増えたことくらい。

    短編だからといってもポアロの謎解きはいつも通り冴えているし、事件の真相もシンプルで理解しやすかった。
    今回の4編全て、真犯人や事件の真相が大外れで、最後のポアロの解説で驚き唸ってしまった。
    「自惚れというやつですよ!犯罪者

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    2024年06月09日
  • ポケットにライ麦を〔新訳版〕

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    ネタバレ

    ミス・マープルシリーズ。

    会社社長宅で起こった謎の連続殺人事件の真相に挑む物語。
    関係者である家族をはじめ家政婦、執事、メイドたち使用人もみな殺人動機がありそうで、とにかく全員が胡散臭い。
    事件の真相に関しては、想定外の人物が真犯人で驚いた。怪しい人物がたくさん登場してすっかり翻弄されてしまった。

    最後のマープル宛の手紙には切なくなった。もっと早くマープルの元へ手紙が届いていればどうにかなっただろうか。マープルの怒りと悲しみがじわじわ伝わってきた。
    そしてそんな怒り悲しみの次に起こるのは相反する感情"歓喜"。難解な事件の真相に辿り着けた喜びがマープルの体にみなぎる。それ

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    2024年06月05日
  • なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?

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    『三体』に”エヴァンズ”がでてきたので、まったく関係無いけど、秀逸なタイトルの本書を読んでみました。

    有名なポアロやマープルのような名探偵ではなく、ど素人だけど何故か微笑ましい、ボビイとフランキー嬢の幼なじみコンビ。謎やスリル、友情あり、ロマンスありと、所々ドタバタしながらの素人探偵の行動に引き込まれ、とても面白かったです。ミステリだけど、爽やかなハッピーエンドの素敵な作品でした。

    あらすじ :
    ウェールズの海辺の小さな町マーチボルトに暮らすボビイは、ある日ゴルフのラウンド中に、崖から転落して瀕死の男を発見。その男は「なぜ、エヴァンズに頼まなかったのか?」という謎めいた言葉を最後に息を引き

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    2024年05月30日
  • 検察側の証人

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    アガサの戯曲は初めてだったけど、どんどん話にのめり込んで臨場感があった。
    結末も2回3回どんでん返しで、そうきたか!って感じで面白かった。

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    2024年05月22日
  • 秘密機関

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    冒険物語で楽しかった!主人公2人が活動的に動き回るので敵に見つかるんじゃないかとドキドキした。ポアロマープルのようなミステリとしてではなく、トミーとタペンスの活躍を楽しむストーリー。2人が大好きになった!3作目の「NかMか」が名作のようなので早く辿り着きたい~!

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    2024年05月19日
  • 検察側の証人

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    ネタバレ

    クリスティの戯曲は初めて。
    事件自体は本当にシンプル。最後の最後まで、アイデンティティの偽装に気づかなかった。

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    2024年05月18日
  • パディントン発4時50分

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    偶然電車内で目撃した殺人、個人請負の敏腕家政婦、いがいがした一族という面白エッセンスの詰まった作品。

    館モノ(閉鎖的な大きなお屋敷で、アクが強く関係の悪い家族が暮らしている。主治医がやたらと出入り)のモチーフはいろんな作家が書いていて、どれもとても面白いけれど、今の時代では生活様式の変化や少子化で絶滅しているのではと思うとちょっと寂しい。これからも新しい作品が読めることを期待。

    マープルの惚けた魅力も最高な一作。

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    2024年05月12日
  • 検察側の証人

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     クリスティの戯曲は中々手を出せずにいたがほとんど作品を読み尽くしてしまい、いよいよ戯曲を読むに至る。
     今作「検察側の証人」は法廷ミステリーになる訳だが、1953年から全く色褪せる事なくあまりにも面白い作品で衝撃的だ。小説よりも短いため読みやすく、戯曲でも傑作と言われる様に起承転結が丁寧で完成度が高い。更にはクリスティ得意のどんでん返しと読者(観劇者)を騙す為のトリックが見事に作用している。

     若いハンサムなレナード・ボウルは中年のフレンチという女性をとある事故から救った事により親しくなる。ある日、フレンチ婦人が自宅で殺害されており、レナードに疑いがかかってしまう。レナードの潔白を証明でき

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    2024年05月10日
  • 五匹の子豚

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    期待以上に面白いミステリー作品でした。
    過去に起こった殺人事件を捜査することになったポアロ。容疑者は5人。
    其々の供述から、パズルのようにバラバラになった真実への道を探究する道筋が面白い。
    タイトルの、容疑者を豚に喩えているのが、よくわかりませんでしたが、英国的な感覚なのでしょうか。
    ポアロシリーズでも上位に上げたくなる名作ではないでしょうか。

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    2024年05月08日
  • ねずみとり

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     僕は舞台の事は詳しくないが、イギリスでもっともロングランしていた作品がこの作品の様だ。
     過去に小説版を読んでいるが、戯曲についても楽しむ事が出来た。戯曲の方が少し抒情的に感じるのは小説版から時間が経っているせいか。戯曲構成の為か。いずれにせよ、クリスティ作品の中でも完成度は抜群で余計なものが無い、研ぎ澄まされた様な作品だ。
     クリスティの傑作、名作は数十作に上るが、今作では「これぞクリスティ!!」と舌を巻く、王道の「雪の密室」と「フーダニット」そして「メロドラマ」の組み合わせだ。最後のオチまでしっかりと描かれており、舞台は観ずともミステリーとして面白い。
     舞台用なので登場人物が小説よりも

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    2024年05月05日
  • 終りなき夜に生れつく

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    恐れ入った。最後までジャンル未分類のまま作品が進む。何を読んでいるのかよくわからない。ただし先が気になる、面白い。

    私のごくごく個人的な心情として「推理小説・ミステリー・サスペンスは読まない」というのがある。何故ならそういった類のものは「物語が始まる前から人が死ぬことが知らされてるようなもん」だから。展開上人が死ぬのは良い(よくない)としても、死が織り込み済みだと面白くないと思ってしまうから。だから、今回は前情報なしにクリスティの二冊目に手を出した。『春にして君を離れ』の感覚で。

    感情が揺さぶられるということは無かったが、冷静な感動があった。初めての感覚。

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    2024年05月17日
  • カリブ海の秘密

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    西インド諸島という場所がもたらすリゾート感、様々な個性ある登場人物というアガサ・クリスティらしい舞台設定にて、テンポよく物語が展開していく。年老いて更にズル賢く?なったミス・マープルもなかなかチャーミングで上手く物語が進行していく。

    ミス・マープルを中心に会話主体で本当にテンポが良く一気に読み進める。そしてラストも…これが74才の作品とはびっくり。キャリアとしては晩年だと思うが、自身の過去の名作にも引けを取らない作品を生み出すとは流石です。

    リゾート地で女性は美女揃いのようなので映像化にはぴったりですね。映画の方も観てみようかな。

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    2024年04月30日
  • 親指のうずき

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    ポー、横溝正史ときてクリスティーです
    なんかそういう時ってある
    どういう時かっていうとそういう時だ

    トミー&タペンスのおしどり探偵も初老と言われるお年、孫もいます
    だけんども二人(特にタペンス)はまだまだ元気
    家族的には困っちゃうおじいちゃんおばあちゃんよね
    も〜いい加減落ち着いてよ〜って言われてそう
    いや実際娘に言われてたな
    そしてだいたい面と向かって言われるのはお父さんの方
    しっかり見張っててよ!とか言われる
    いやもう無理やん
    なんで無理だってことが分かっててお父さんにばっかりそういうこと言うのか!
    「旦那さんの役目でしょ!」とか言われる
    だから無理だっての!

    今回もタペンス暴走、トミ

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    2024年04月27日
  • 茶色の服の男

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     クリスティの冒険ミステリー。主人公アンの冒険譚。当時の女性の生き方や考え方、社会的な通念をベースにしながら、主人公アンが生き生きと躍動する作品。イギリスから南アフリカへの船旅や謎の殺人事件の真相を巡る旅。

    クリスティの初期に当たる作品の様だが、沢山の作品を読んだ後でも遜色無く楽しめる作品で、正しく「冒険活劇」に相応しい作品だ。
     主人公がとても魅力的で、感情移入しやすく、スリリングなアンの行動を楽しむ事が出来る。物語は主人公であるアンの目線と、登場人物であるユースタス・ペドラーの手記という形で進行される。アンが発表する冒険譚にペドラーが手記を提供した形になる。各々、全く別の目線から今回の冒

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    2024年04月14日
  • メソポタミヤの殺人〔新訳版〕

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    ネタバレ

    時折垣間見える中東の景色や発掘現場の様子などの描写は活き活きとして、目に浮かび上がってくるようでした。
    ただ、中東の描写や発掘現場の描写が盛りだくさんというわけではないのでご注意を。
    事件が起きた場所が、発掘チームだったという程度で思っていた方が楽しめそうです。
    今作、ルイーズという美人がかき乱す人間模様が描かれた作品。
    ルイーズの人となりの把握から始まり、周りの人物がルイーズにどんな感情を持っているのか?から犯人と動機をあぶりだしていきます。
    登場人物それぞれのルイーズに対する捉え方、抱いている感情の書き分けが素晴らしくゾッとする。
    アガサ・クリスティー作品の中でライトに読めて、うまみを感じ

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    2024年04月07日
  • 満潮に乗って

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    ネタバレ

    戦後の不穏な雰囲気が濃厚な作品。
    クリスティは戦争のことを書きたくないのかなと思い込んでいたけれど、こんな作品もあったなんて知らなかった。
    各々の生活、思想だけでなく、物語を動かす三角関係さえも戦争の影響下にあるように思える。
    トリックは当時の電話交換など少しピンとこなかったので、再読したい。

    戦禍ではもてはやされ、通常の社会では受け入れられないディビットの、暗い魅力が余韻で残る。

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    2024年04月05日
  • ホロー荘の殺人

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    「ヘンリエッタ」死の間際のこの一言が、どんな意味をもつのか。
    ヘンリエッタ、ルーシー、ガータ、ジョン、、とキャラクターが鮮烈。

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    2024年04月02日
  • ナイルに死す

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    ネタバレ

    ミステリー初心者の私、まんまと騙された...笑
    そして相変わらずのポワロの解決ぶりにまたもや虜になりました。これを機にポワロシリーズ読破したいなー!

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    2024年03月19日