あらすじ
誰が言い出したのか、その土地は呪われた〈ジプシーが丘〉と呼ばれていた。だが、僕は魅了された。なんとしてでもここに住みたい。そしてその場所で、僕はひとりの女性と出会った。彼女と僕は恋に落ち、やがて……クリスティーが自らのベストにも選出した自信作。サスペンスとロマンスに満ちた傑作。
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題名がとても意味深で印象的。
終わりなき夜に生まれついたのは誰なのか?
誰にだってチャンスは訪れる。
それに気づけるかどうか、そしてどうするかの差はとても大きい。
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凄い凄いと聞いていたのである程度展開が裏切られることとか、色々想像しながら読んでいて、その想像が全く外れていたわけでもなかったのに、やっぱりラストというか展開には衝撃を受けた
多分もう一回初めから読めばまた露骨に伏線が見えてくるんだろう 結末含めて良かった
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最初からある人のいろんな行動とか、ちょっと常識的じゃない考え方だとか、台詞回しにほんのり違和感を感じながら、でも大枠はすごく外れてるわけじゃないしすこし、こだわりが強いだけなのかな、、とか思いながら読み進めてたらあっ、、そういうことなのね…と納得。
可憐にみえる奥様の強かな部分だったり、一人で母親に会いに行っちゃうようなある意味なにをするかわからない、肝が据わっているところもおもしろいです。
一気読みできました。
さすが名作。
Posted by ブクログ
「信頼できない語り手」のタイプの小説。読みはじめてすぐに、これは自分が好きな小説だと分かった。
クリスティの小説のおすすめとしてよくタイトルを見かけていたが、期待以上だった。
まだクリスティの小説を読んだことがないというひとはぜひ読んでみて。
ところどころで、「ん?」と違和感がでてくるのだけど、すぐにもとの話の調子にもどってしまう。なんか変だぞと怪しみながらも、なにを意味しているのかよく分からないといったバランスになっている。
読みおわったあと、全ての事実を知った状態で、もういちど最初のページから読みなおしたくなった。
作中で事件や殺人も起こるので、犯人は誰なのか考えながら読んだ。最後に事実が明らかになるまでミスリードさせられっぱなしだったな。
表紙もお気に入り。読み初めてすぐと、読み終ってからとでは印象がまったく変わってくる。
あらすじ
マイクは呪われた土地と噂されている「ジプシーが丘」に建つ物件を見にきていた。
母子家庭で育ち、土地と仕事を転々としながら生きてきたマイクには、土地を買うだけの資金はなかった。
しかし、たまたま見かけた広告に運命を感じて物件を見にきていたのだった。
マイクとは対照的に、エリーは大富豪の娘として生まれ育った。
エリーは身内に内緒でこっそりと旅行していたときに、「ジプシーが丘」でマイクと出会う。
二人は惹かれ合い、やがて結婚し「ジプシーが丘」に素晴らしい家を建て、そこで暮らすようになるのだが……
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さまざまな人間関係を先に明らかにし、事件に至るまでの過程を一緒に追えるのは、やっぱり格別。
あらゆるミステリーで被害者はだいたい過去の人間。でもそうじゃない。ついさっきまで生きていたのに。
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【ノンシリーズ】
攻略本でベスト3位、クリスティー自身が選ぶベスト10の中にも入っている作品。
これはもう読むしかない。
ポアロは出てこない「ノンシリーズ長編」
◆あらすじ
呪われた「ジプシーが丘」。
貧しい青年は大富豪の娘と結婚し、呪いの噂のある屋敷で結婚生活をはじめるが…。
なかなか事件が起きないので、何のジャンルなのかさえわからないまま進む。
もしかしてこれは『春にして君を離れ』みたいな感じかな?と思ったら急展開。
そこからはすごいミステリーだった。面白い!
まさに「クリスティの総決算」だった。
読んだ後にもう一度最初の方から確かめたくなる。今までで1番怖かった。
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面白ぃぃぃぃ!!!
最後まで楽しめました。
なんでそんなにグレタ嫌ってるの?って思ってたけど、そういうことか!!
アガサ・クリスティ大天才。
Posted by ブクログ
恐れ入った。最後までジャンル未分類のまま作品が進む。何を読んでいるのかよくわからない。ただし先が気になる、面白い。
私のごくごく個人的な心情として「推理小説・ミステリー・サスペンスは読まない」というのがある。何故ならそういった類のものは「物語が始まる前から人が死ぬことが知らされてるようなもん」だから。展開上人が死ぬのは良い(よくない)としても、死が織り込み済みだと面白くないと思ってしまうから。だから、今回は前情報なしにクリスティの二冊目に手を出した。『春にして君を離れ』の感覚で。
感情が揺さぶられるということは無かったが、冷静な感動があった。初めての感覚。
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終わりなき夜に生まれついてしまった青年の手記
ミステリーになるのかどうかと思っていたらきっちり、かっちり、ミステリーだった
かわいそうなエリー
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甘やかな喜びに生れつく人もいれば、終りなき夜に生れつく人もいるっていう話。
クリスティーが自分のベストにも選んだ作品。
やっぱり古典として擦り倒されてるオチや事件が起きるまでの前フリの長さは、新しい良質なミステリー作品と比べると驚きはないし古さを感じてしまう。
でも、逆に言うとミステリーというジャンルで1967年の発表作品が、今もまだ飽きずに読めて面白いと思わせてくれるのは凄い。
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探偵が出てこない方のクリスティ。
「春にして君を離れ」でクリスティの心理描写力に驚いたので、今回も知らないクリスティを見れることを期待しながら読んだ。
呪われた地<ジプシーが丘>で大富豪の女性と出会い、天才建築家の友人に家を立ててもらい、夢のような生活を送る・・・はずが。
最初から最後まで不穏な空気がずぅっと漂っている。このはっきりしない空気間のまま最後まで読ませるクリスティはやっぱりすごい。
翻訳も好きな感じだった。
Posted by ブクログ
アガサ・クリスティのノンシリーズ。
呪われていると噂が絶えない「ジプシーが丘」と呼ばれる土地に魅了された青年の物語。
本編の3分の2ぐらいは、絵に描いたような信じられない逆玉婚の描写が続く。そんなに上手いこといく??って思っていると、終盤で事件が起きて、そこから驚愕の展開に移り変わる。
クリスティが晩年に描かれた作品だけに、狂気に満ちた欲深い人間の描写には恐ろしいものを感じた。
そして、真相を知った上で読み返してみると、初読とは違った解釈ができる表現や構成が随所にあって、上手いなぁと感嘆させられる。
甘やかな喜びに生まれつく人と、終わりなき夜に生まれつく人。この対比のメッセージ性が印象深く、後悔とやるせなさを感じさせる読後感だった。
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ある一人の男の欲深く、罪深い物語。ポアロやミス・マープルのような探偵が出てこなくても、存分に魅力的な物語を描き出すことができる。クリスティーは一言では語ることのできない、ある種の天才。
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ポアロでもマープルでもないノンシリーズ。なかなか事件というものは起きず日々の描写、人々の心の描写がされていく。ただ事件が起きてからの怒涛の展開は圧巻。誰かが死んだとき、一番利益を得るのは誰かというのはミステリーを読む上で基本的な視点だと思うが、何故そこまでに至ったのか「動機」今回は特に犯人の生き方感じ方考え方が鍵。欲望に支配されて道をどんどん踏み外していく独白が見事。
Posted by ブクログ
途中まで事件が起こらず長く感じてしまったが、最後に怒涛の展開でひっくり返された。真実がわかってから考えると、それまでのエピソードが違った意味をもって見えてきて、読み返すのがおもしろかった。
「終りなき夜」と「甘やかな喜び」が対比的であり象徴的。「甘やかな喜び」である、やさしく美しいエリーの喪失がより一層「終りなき夜」を深めていく。
主人公の周りには母やサントニックスなど警句を発し引き止めようとする人たちがいた。
母が主人公に、安定した仕事と生活をするよう、あんなにうるさく言っていた理由がわかった。母が言っていたのはこのことだったのだ。
すべてを得た後は、皆が去った。
読後はやるせなさと哀しみがじんわり残った。
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クリスティにハマってしまったので2冊目。こちらもとても読みやすく、所々あるヒントを感じなら読み進めるのが楽しかったです。ラストは今回も人間の業のような、深みを感じるので良いなと思います。
Posted by ブクログ
退屈を恐れ、仕事を転々としながら風来坊のように生きるマイケル。ある日、田舎町で「ジプシーが丘」なる場所の話を聞く。土地のものたちは「呪われた場所」だと忌み嫌うその場所がマイケルの心を掴んで離さない。いつしかマイケルはその場所に理想の家を建て、理想の人と暮らしたいと思うようになる。そしてそこで、エリーという女性と運命的な出会いをする。
探り合いながら距離を縮めていく二人。二人はついに結婚し、「ジプシーが丘」での暮らしを夢想する。身分違いの二人の恋をよく思わない人々をやり過ごしながら絆を深めていく二人だが、語り手であるマイケルの口ぶりから悲劇的な結末を迎えることが示唆されているので、どことなく物悲しい空気が最初から漂い続けている。
エリーの死の背後にはいったい何があるのか。
この二人の哀しい愛の物語は最後に逆転する。「ぼく」の一人称視点で語られるからこその狂気。マイケルの心情を知った上で読み直したくなる。
クリスティ本人がマイベストに推していることもあり、終始引き込まれる文章。
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「名作」と名高いが、こういう話だとは思わなかった。ノンシリーズなのでいつもの探偵は出てこないし、事件も全然起きない。でも時折「ん?」と引っかかる違和感が散りばめられている。そして本当の恐ろしさは読後にやってくる。「あの台詞の意味って!」「あそこでもうわかってたのか⁉︎」と読み返さずにいられない。
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前半がひたすら長く、怪しい人満載。しかし結末は。クリスティの他の作品に似てるな、と思った矢先、こんな展開とは。どうしようもない性質を生まれ持った悲しさ、そうしてストーリーがまた始まる。終わりなき夜、という題が沁みます。
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終わりなき夜とは何か?と考えながら読んでいたが、決して満たされない欲の渇きのことを言ってんだなあと終盤に分かった。主人公とエリーは正反対だからこそ、うまく行く道だってあったはずなのになあと思う。成功してしまった「ナイルに死す」みたいな話だった。主人公のことはどうにも嫌いになれない。
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これは迂闊に感想を書けない。
アガサ・クリスティーの「ノンシリーズ」。有名なのは『そして誰もいなくなった』だが、コレもなかなかのモノでした。
読み出しは文芸物かと思っていたけど、やっぱりミステリー、しかもとびきりの……。
素直に「良かった」です。
Posted by ブクログ
最初から最後までマイクがクズで苦笑。
エリーと結婚しようと話を進めているところでは、でかい夢だけ語ってフラフラしてる男はやめときなさいエリー!って思ってたけど、予想以上にやばい男だった。グレタと何か接点ありそうだなとは勘付いた。
最後グレタよりエリーのことを思い返してたのは、グレタに対しては性愛だったけどエリーには本物の愛情を抱いていたからかなぁ。
なんにせよ、マイクは道を間違えたね。切ないね。
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タイトルがとても美しい。
原題のEndless Nightを直訳するのではなく
元の、詩“Some are born to sweet delight,Some are born to Endless night.”から取った意味を
尊重して訳されているのが素敵だと思う。
違和感がずっとあって、普通こんなケチがついたら
どんなに気に入ってもその場所に住みたくないだろうに
固執してしまうところまで含めて『呪い』なのかな
と思いながら読んでいたが
怖いのはそこではなかった。
オチが想像できたというレビューも見かけた。
現代でこそ珍しくないカラクリかもしれないが
これを1967年に執筆したというのは凄いのでは。
丘などの場所設定も妖しく美しく破滅的だった。
Posted by ブクログ
映画『タイタニック』のようなベタなロマンスの中に、『レベッカ』とか『ずっとお城で暮らしてる』みたいな危うさがずっと同居していた。あの存在はずっと異質なものとして描かれていたので、悪い予感はしていた。終盤まで読むとああやっぱり…アレとアレじゃん。
アレとは方向性は完全に違うし、もはや謎解きなどの領域を超えた純文学のような読み心地で、○欲に支配された者が甘やかな喜びを捨て去り、終りなき夜へと向かうラストは確かに強い余韻を残しました。いいタイトルですね。
Posted by ブクログ
主人公が一人称ですべてを語るとき、
読者は感情移入がしやすく、
自然と主人公側に立って物語を俯瞰し、
一緒に物語の旅をすることになる。
でも、それがクリスティーの手にかかると、
この一人称も読者を欺く手段となる。
普通に考えれば、あり得ない。
転職を重ね、これと言った取り柄もない貧乏人の青年マイクと、
アメリカの大富豪の娘エリー。
このあまりにも育ちが違う二人が一緒になり、
ロマンスとして描かれる。
まるで「ローマの休日」のように。
途中、暴力や殺人、それにつながる憎しみ等の描写は描かれないが、
ラストになって押し寄せる欲望、殺人はこれまでのロマンスとして
描かれたものを一気に破壊し、マイクの人格も破壊していく。
終わりなき夜に生まれついた人間の悲劇。
Posted by ブクログ
面白かった。
なかなか事件が起きず、これってミステリじゃなくてブロマンスなのか?と思ったが、最後にひっくり返された。
ぞっとした犯人の正体。
人の悪意と好奇心の恐ろしさを感じ、自分は終わりなき夜に生まれつかなくて良かったと安堵した。
前半の冗長さは感じるが、読み終わった後哲学的な考えに耽ることができる作品だった。
Posted by ブクログ
途中までは、ラブロマンスと遺産系を争う感じかと思いきや、
途中からはゴリゴリのミステリーと人間の欲を描き切る描写。
切り替えが唐突だったので、ん?となったが、後半からの展開は怒涛であっという間に読み切れました。
Posted by ブクログ
マイクとエリー、突然出会ってトントン拍子に話はすすむ。お互い何が惹かれ合ったのかも読者にはわからないまま。でも、だんだんと、二人は周りがなんと言おうと幸せそうだ、というのが分かる。
富豪であるエリーを取り囲む人は誰もが怪しく信用できないように感じるが、こんな結末とは。終わりなき夜、というタイトルにふさわしい虚無感、切なさを感じるミステリだった。