アガサ・クリスティーのレビュー一覧

  • パディントン発4時50分

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    ネタバレ

    クリスティのミス・マープルシリーズ七作目。この作品から折り返しの後半戦。

    マギリカディは、並走する列車の窓から殺人を目撃する。警察に言っても信用されず、また死体も見つからない。友人のマープルに相談すると、ある一族の土地が浮かび上がり…

    勝手にトラベルミステリだと思っていたら、まさかの館ものだった。更にアリバイものだと思っていたら、死体消失ものだった笑。認識誤りに気づき驚いたが、ストーリー展開も非常に良かった。

    死体消失の謎と、殺した方はもちろん、殺された方は誰だったのか、この謎の設定が魅力的。
    ラストが少々強引なので、そこだけは気になったが良作。あと、関係者に次々と言い寄られるスーパーメ

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    2026年07月12日
  • ナイルに死す〔新訳版〕

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    ネタバレ

    【再読】
    エジプトのナイル川をめぐる旅に出かけたポアロ。そこには個性あふれる乗客たちが乗り合わせていた。その中でも特に、リネットとサイモンのドイル夫妻とジャクリーヌが不穏な空気を醸していた。リネットとジャクリーヌは親友同士で、元々サイモンはジャクリーヌの恋人だった。だがサイモンはリネットと恋に落ち、ジャクリーヌを捨てて彼女と結婚したのだった。それ以来ジャクリーヌは二人に付き纏い嫌がらせをするように。
    その旅の最中、アブシンベル神殿に立ち寄った際、危うくリネットが落石に巻き込まれそうになる。さらにその夜にはジャクリーヌがサイモンを銃撃する事件も発生する。サイモンの命に別状はなかったものの、そこで

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    2026年07月12日
  • そして誰もいなくなった〔改訳新版〕

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    ネタバレ

    旧訳版で2回、ジュニア版(HJM)に続いて、今回で四読目。先日のNHKのドラマ版も視聴済み。犯人も展開もよく分かっている状態なので、今回は文章自体にフォーカスして読めた気がして、満足感が非常に高い。ストーリー展開が完璧すぎるだけでなく、絶妙な死体発見の状況やその描写もじつにフェア。あとから読み返せば、犯人はその人物しかありえないと分かるのに、初読時にはなかなか気が付かないよね。描写が本当にうまい。あと、『十角館の殺人』を読んだときにはすっかり忘れていたけれど、告白文を瓶に詰める展開を見て、『十角館』はこれのオマージュだったのだなと改めて腑に落ちた。直前にHJM版で読んだばかりだったので、同じ訳

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    2026年07月11日
  • そして誰もいなくなった〔改訳新版〕

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    アガサ・クリスティの名作ミステリー
    1939年に刊行されたとは思えないほど、今読んでも古さを感じさせない まさに名作
    童謡になぞらえて次々と殺人が起こる様子は、緊張感に満ちていて、とても面白かったです
    最後まで犯人が全く予想できなくて、ページをめくる手が止まらず、あっという間に読んでしまいました

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    2026年07月10日
  • ポケットにライ麦を〔新訳版〕

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    新訳をAudibleにて。買って持っているのは旧訳だが名作との噂を聞いてもったいなくてまだ読んでいなかった。好きなマープルとポアロをできるだけ後回しにしてマイナーそうな他作品から読み途中で挫折した20数年前の過ちを繰り返してはならない。
    日本の震災の話が出てきた辺りとその後の下りで、やり方はともかく犯人は分かった。鉄壁のアリバイは逆に怪しいよね。凝った見立ての理由が合理的なのが嬉しい。ここがよくわからんとなんでそれやったの?となってしまうので。キャラクターもそれぞれ魅力的で面白い。
    そして何よりラストが素晴らしい。
    いやークリスティー読んで泣くと思わなかった。最後がとても切なくてよい。ミス・マ

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    2026年07月10日
  • そして誰もいなくなった〔改訳新版〕

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    章が短く、さくさく読める。名作で古典で海外文学でミステリーなので警戒してる人も多いとは思うが、訳が柔らかいので小難しい表現は出てこない。新訳改訳があるのが海外古典文学の強み……!!
    読みやすさに加えて、テンポよく話が進み、次々に事件が起きるために、読んでても飽きない。勿論、飽きさせないことを考えてのことなら、私は著者の手のひらの上だが……。
    ミステリーとしては、誰なら可能か、を考えていくとちゃんと犯人がわかる。過激でも嫌味でもなく、すっきりした読後感。これだよこれ……これがミステリーだよな……と思ってしまう。
    でも動機は最後までわからなかった……! 犯人側の目線が最後に明かされるので、不思議な

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    2026年07月08日
  • そして誰もいなくなった〔改訳新版〕

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    幼少期からたくさんの本を読んできていた自負のある人間なのですが、お恥ずかしながらこの名作を読むのは初めてのことでした。
    改訳新版が出てるのを知り、読んでみました。
    読み始めたら、ページを捲る手を止められませんでした。とはいえ、外国人名を覚えるのが苦手なので、ちらちらと表紙の見返し部分に書いてある人物一覧を見ながらでしたが…。
    クローズドサークルものとして、この作品が燦然と輝きを放つのもわかりますし、この作品に刺激されて数々の作品が作られていったのは納得だなぁ…と思いました。
    他にもアガサ・クリスティー作品を読んでみたいなぁ…と思いました。

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    2026年07月07日
  • ナイルに死す

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    audibleにて再読。読むのが20年ぶりでもさすがにこのトリックは忘れられない。クセのある登場人物が多くて、誰も彼も怪しい行動をして捜査を引っかき回してくる。楽しい。乗船客の犯罪者率高め。そして後半ぽんぽん人が死ぬ。いくらなんでももうちょい防げなかったのか。今まで読み返している範囲だと、クリスティーの3冊か4冊に1つは、意外な共犯によって不可能が可能になる話なのではないかという気がしてくる。どっちの犯人も早業が過ぎる。
    頭空っぽ直情型みたいに言われているサイモンが意外と賢くかつ咄嗟の判断ができるのですごいなと思う一方、そんなに必死に取り合うような男なの?とはどうしても思ってしまう。明暗分かれ

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    2026年07月07日
  • ひらいたトランプ

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    『ABC殺人事件』で言及されていたポアロの理想的な事件。若い女性がやたら怖い、ってのと二転三転する真犯人までの流れが面白かったというおぼろげな記憶だけあった。
    ブリッジを知っていたらさらに楽しめるかなと読み始める前にgeminiにルールを聞き、ゲームアプリでなんとなく遊び方が分かったところでスタート。思ったよりルールを知らなくても関係ないな?とはなったが、ロリマー夫人の記憶力が恐るべきものであることだけは分かった。なかなか出たカードも覚えられないし一回一回のカードを取れるかどうかだけに必死になってしまうんだけど、ゲームの振り返りを聞くにむしろ冒頭のオークション部分がゲームの鍵というか、流れを物

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    2026年07月07日
  • 愛国殺人

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    まさかのエルキュール・ポアロが歯医者に行くシーンから物語は始まります
    歯医者に行くポアロ…これがいつになく人間くさい
    そしてポアロが歯医者に行ったまさにその日に件の歯医者が死亡したことからポアロが捜査に乗り出します

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    2026年07月07日
  • オリエント急行の殺人

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    定石がないことで知られるクリスティによる、まさに「定石崩し」としての手腕が光る一冊。

    ポアロという探偵が、単なる論理の塊ではなく、法や正義の先にある「人としての情」を深く理解しているからこそ成り立つ物語の結末は、衝撃的でありながら非常に説得力があった。

    特にラストシーンでは、個々のキャラクターの心情をすべて言葉にするのではなく、ひとりの切実な語りにすべてを託して幕を下ろすことで、洗練された深い余韻を残している。

    あれこれと語りすぎないからこそ、ポアロたちが下した決断の意味を、自分の中でじっくりと反芻することができるのだと感じた。



    こうしたミステリの枠組みさえ自在に操る大胆さの一方で

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    2026年07月05日
  • 春にして君を離れ

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    ネタバレ

    1930年代48歳のイギリス人女性、
    娘の病気見舞いの帰りの沙漠で足止めになり、滞在した宿で自分自身とこれまでの人生を見つめ直す
    自身の過去を回想し、人生に疑問をもち始める

    良い夫、良い子どもたち、よい生活に満足していると思い込んでた主婦が、旅先で知り合った学生時代の友人との会話が切っ掛けとなり、足止めされた沙漠で自身の過去を回想していく

    自身の内面や家族との本当の関係、愛の形に直面していく心理サスペンス

    主人公ジョーンは自分の内面を都合よく解釈して正しい行いをしていると信じ込んでる
    自分本位に、相手にとって何がよいことであるかを勝手に決め続けてた

    これまで誰についても真相を知らずに過

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    2026年07月05日
  • ブラック・コーヒー〔小説版〕

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    今年(2026年)日本で舞台が上演されたので
    個人的には小説の方が物語の世界に入り込めた
    戯曲版と違い冒頭はポアロのシーン
    私が観た舞台は片岡鶴太郎さんがポアロ役なんですが、
    舞台は舞台で面白かったのですが、
    私個人的にそもそもエルキュール・ポアロを日本人が演じるのは無理があると思っているので、
    小説の方が頭の中で好きなキャスティングで読めるので良かった。

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    2026年07月04日
  • 雲をつかむ死〔新訳版〕

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    面白かった。
    ポアロのシリーズ。トリックや犯人はかなりわかりやすいと思うが、それ以上に良かったのはラストの綺麗さ。ミステリーって登場人物にとって暗いものだから最後にこうやって穏やかにしてくれるとすごく読後感が良い。

    藤沢周平の『秘太刀 馬の骨』なんかもそうなのだが、登場人物はその作品の中にのみ存在しているわけではないから、事件解決と個人の話は別問題なわけで、だからこそ最後に個人の話に立ち入って光明が見えるととても穏やかな気持ちで終われる。すごくハッピーエンドでなくて良い。光明が見えれば。

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    2026年07月04日
  • 五匹の子豚

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    ネタバレ

    最高傑作に挙げる人が多いのも頷ける物語の完成度となんとも言えない読後感。

    静かに罪状を受け入れる無実の淑女…というようなイメージは『杉の柩』と被るものがあり、書かれた時期も近い。この時期のクリスティさんのブームだったのかな。
    とは言え内容は対象的と言ってもよく、エリノアの濃厚な心理描写が物語の核だった『杉の柩』と比べ、こちらはキャロライン以外の人物の心理が丁寧に描かれる。
    多種多様な人物描写こそクリスティの魅力と思っている自分にはこちらの方が断然好みだった。

    特にフィリップとメレディスという全然違うタイプの男ふたりの心理描写は、毎度のことながら「なんで女性なのにこういうこじらせおじさんの心

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    2026年07月03日
  • 春にして君を離れ

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    ネタバレ

    この本を読んで、学びがありました。

    ✅人や物事の本質を捉えること
    ✅自分にとって都合の良い想像(解釈)をしないこと
    ✅大切な人に本心を伝えること

    ジョーンは、あまりにも主観的な思い込みに囚われ、大切な家族の人生に歪みを与えました。
    「相手が何を思い、どう考えているか」は二の次で、常に自分の都合を優先して物事を考える。
    その結果、大切な人達から距離を置かれてしまいます。

    しかし1番の悲劇は、ジョーンが長い年月その事実に全く気付けなかったこと。そして旅先でようやく真実に気付き、ロドニーに打ち明けようとしたにもかかわらず、結局は何も言えず、元の「何も知らない幸福な妻」に戻ってしまったことだと私

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    2026年07月02日
  • そして誰もいなくなった〔改訳新版〕

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    私の人生において「この歳まで読まないでいたことが心から恥ずかしくなる本」にあたる。諸兄姉は10代のうちに、なるべくなら中学卒業までに読まれたし。

    私は年長者が年少者(特に実子)に本を薦めることに警戒的だがこの本は稀な例外だ。いかに日本の(というか世界中の)ありとあらゆる創作界隈がこの作品を擦り尽くしてきたか(そして絶対にこれからも延々と擦り続けるか)をまざまざと味わえるだろう。例えばイカゲームのようなドラマ作品なども「要するに『そして誰もいなくなった』だろ?」と言われたら反論は不可能なはずだ。そして、別に反論する必要もない。それがいかに凄まじいことであるかをも、この本を読むことで呆気なく

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    2026年07月03日
  • オリエント急行の殺人

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    つい『オリエント急行殺人事件』と呼んでしまうが、この全集では『オリエント急行の殺人』。audibleにて。たぶんポアロのシリーズでは一番好きな作品なので、10回くらいは読んでいるし映画やドラマもたぶんだいたい観ている。最近はaudibleで聴くことがおおいのだけど、ポアロのシリーズのなかで今のところこの作品だけが、たぶんあえての女性による朗読だった。納得のクライマックスの語りの素晴らしさ。紙の本で読んだ時より感動したかもしれない。

    原作にないものをあれこれ補足する二次創作って普段あまり好きじゃないんだけど、三谷幸喜のオリエント急行第二夜、犯人の舞台裏の話はたまにもう一度見たくなる。キャラクタ

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    2026年06月29日
  • アクロイド殺し

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    audibleにて。たぶん5回目くらいの再読?こちらも『もの言えぬ証人』でさらっとネタばらしされていたので。そんなあっさりネタバレしていい作品じゃないだろう。4人挙げられていた犯人のうちスタイルズ荘とこの本の犯人以外の名前は忘れた。このままシリーズを読み進めたいと思う。
    叙述トリックといえばこれ、な名作。当然犯人は一度読んだら忘れられないので、そのつもりで読んで騙されポイントでにやにやするのが楽しい。アンフェアと言われたことも多かったと聞くが、わざと疑うことができるようにスレスレの記述を入れているのがいい。しばらく前に読んだ『ハサミ男』しかり、こういう作品は読み直して2度おいしいものがよい。ポ

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    2026年06月29日
  • オリエント急行の殺人

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    名作ミステリーには苦手意識があり、試しに電子で……と思ったが、なんて読みやすく、なんて面白い! 映画を見てオチを知っているにも関わらず、手が止まることも、支えることもなかった。これなら紙で買えばよかったな……。
    ラストは不思議と優しい気持ちになった。犯人が無関係の乗客に配慮していたり、ポアロが激しく責め立てたりしないからだろう。
    そういえば、よく、横文字の名前が覚えられないと言う話を聞くが、よく考えると私も名前は覚えられていない。そもそも実際に接している日本人の名前すら覚えていない(笑) 私は個人を性格や考え方や見た目で覚えて、最後に名前で括って覚えているので、そのせいかな。おかげで、会社なん

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    2026年06月27日