アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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マープルシリーズ第三弾。
負傷した体を癒すために田舎に越してきた、裕福な若い男性の語りで物語がスタート。
だが、読めども読めどもマープル登場せず。
ただマープルの登場を心待ちにはしてたけど、事件で田舎が揺れ動き、人々が疑心暗鬼に陥っていく様子と、その一方で成り行きが気になるロマンスの進行がいい塩梅で描かれていて面白かった!
(『あしながおじさん』のような展開もあって、そこは本当にキラキラしてるのだけど、ずっと女の子のことを犬に喩えて可愛がってるから、途中まで本当にロマンスなのか半信半疑だった。
犬に喩えるたびに「失礼www」と笑ってしまった。)
どの登場人物も怪しく思えてきて、誰が犯人でもあり得そう…と思わせられるのが、クリスティの巧みなところ。
マープルは専門的な手腕で事件を解決するわけではなく、あくまで先入観を排除した視点の鋭さで見抜くだけで、解決への糸口はすべて描かれているから読者にも材料は与えられてるのに見事に翻弄されてしまうんだよなぁ。
だからこそ面白い。
今回はキャラクターのエピソードが多くて、今までに比べて好きなキャラクターがたくさんいて、そういう面でも読むのが面白かった。
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マープルシリーズ第二弾。
前作からの登場人物がシーンはわずかだけど再登場していて、馴染みのある人物たちのその後を見れるのが面白い。
前作より噂話に花を咲かせる老婦人たちが生き生きしてる気がして、広まるごとにめっちゃ尾ひれ付くところとか、よりあるあるな感じでニヤニヤしちゃった。
何者でもない小さな村の老婦人が探偵だからか、随所にユーモア感じる描写があって、それが庶民的な感じで親しみやすい。
事件の内容は、マープルの視点の鋭さが遺憾無く発揮されてて、前作より活躍が顕著になっていて面白かった!
ドラマシリーズ(ヒクソン版)がこの話からスタートしてるのが納得。 -
Posted by ブクログ
ジョーン・ヒクソン版のドラマは観たことがあったのだけど、あまり内容を覚えてなかったので、普通に新鮮な気持ちで読み始めた。
ドラマは語り手というものがないから、小説だとけっこう印象が違ってて、マープルの出番が思ってたより少ないなと思った。
しかも、初めて言及されるシーンではあまり良い印象として語られてなくて、ドラマもキャラクターも全く知らずに読んだら、マープルの印象ってだいぶ違ってたかも。
ただ、語り手が牧師さんでわりとフラットな見方で物語が進むから、びっくりしたのは最初だけだった。
ドラマは演出によるミスリードで、より誰が犯人であってもおかしくない感じが強いけれど、小説も絞れはすれど確信は持てずで、最後まで犯人当てをじっくり楽しめた。
ドラマシリーズも見返してみようと思う。 -
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ポアロシリーズ第二作。
前作に比べると倫理観の危うさはかなり落ち着いたものの、ヘイスティングズの暴走ぶりは増してた(笑)
今回は最終的にそこに救われる展開があったから、前作より受け入れやすかった。
反してポアロはやはり常に冷静沈着、暴走するヘイスティングズにも寛容だが、救いようのない本物の悪は断固として許さないという強い正義感を示していて、カッコよかった!
ストーリーは最後の最後まで結末がわからない。
けれど最終的に大団円で終わり、という前作に引き続きスッキリした読後感でした。
だからこそポアロワールドをもっと楽しみたくて続きに手を伸ばすのを止められない〜 -
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再読。
初期ヘイスティングスこんな人だったっけ?とびっくりした。
当時あるあるだったんだろうけど、裕福な人や良家の人はまともっていう階級意識、綺麗な人は犯罪と無縁という女性観、正義よりも感情を優先させる倫理観…
だからこそ、ポアロの一貫した礼節を重んじるダンディズムと冷静さが際立って楽しかった。
シリーズどこまで読んだか忘れて初めから読み直そうと思って読んだ感想で、ヘイスティングスの印象は変わっていくこと、おそらく当時よくいた男性像を表す役割だったんだろうということは理解してる。
凸凹コンビだからこそ楽しいというのもあるし、この後のヘイスティングスはポアロを立てる愛嬌のある友人という無難な位置におさまっていくから、これはこれで面白かった。
ストーリーは言わずもがなよく出来ている。
デビュー作ということで、この後の作品に比べると洗練さは少し劣るかもしれないが、巧妙に読者を翻弄する展開や、中弛み感のないテンポの良さなど大御所作家への期待を裏切らない作品。
登場人物は多いものの、舞台が限られているのでとても整理しやすく、ミステリ初心者にも強くオススメできる。
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ネタバレクリスティのミス・マープルシリーズ第六弾。全部で十二作の長編があり、ようやく半分。
実業家のレックスが毒殺される。そのポケットにはライ麦が入っていた。家族の中に犯人がいると疑い捜査を続ける警察だったが、第二の死体が発見され。。。
解説や書評にもあるとおり、マープルの印象をガラッと変える作品。というのも、これまでの五作は安楽椅子探偵の女性代表というイメージだったが、今作では怒りを持って事件に首を突っ込んでいく姿が描かれるから。出番自体はこれまで同様そこまで多くはないが…
事件は、いわゆる見立て殺人。トリック的にはそこまで大きくないが手堅い。何よりもラストの余韻が非常に良く、今のところマープルシリーズでは随一。おすすめ。 -
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ネタバレ面白かったー。でも人が多い! 皆んなが「リー」なので毎度名前が出てくるたびに登場人物リストを見ていた。
スティーヴン・ファーの正体は薄々分かった、けどシメオンじゃなくてハリーの子供かと思っていた笑
ピラールは予想外、でも確かに最初からずっと言っていたなと思い直す。
真犯人は、いやはやそっちかー。
トリックは後書き通り奇想天外かもしれないけど、見事に全ての情報が提示された状態での結末だったので、さすがクリスティだなと唸った。
「そして誰もいなくなった」レベルに予想を裏切られた作品。結構好きかも。登場人物は多すぎるけどな!
結末として、みんなそれなりに幸せになったみたいで良かったとも思える。
そして、ポアロよ。
私もきっと、セントラルヒーティング派。たぶん。 -
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読み終わった後の感慨がすごくて戸惑っている。
何箇所か読み直したりしている。
原題は GIANT’S BREAD (巨人の糧)、邦題は 愛の旋律。読んだ感想としては、巨人の糧のほうがしっくりくる。愛の旋律が想像させる、優しい愛の物語ではない。
主人公ヴァーノンにまつわる2人の女性が出てくるが、私はジェーンというキャクターが本当に好きになってしまっている!しっかり自分の人生を生きてきた、1人でも生きていける強い女性。依存的ではないし、愛を与えて、尽きない。
もう一方のネルは、美人さんな上にネルなりに頑張っていて素敵。でもジェーンとは質が違う。ヴァーノンが救うのは最後にはネルで。でもそのためにジェーンを失うことになり、自分が心から愛していた人はジェーンと気づく。男性の心理として美しくてか弱い人は本能的に助けたいのだろうなぁ。死にゆくジェーンの気持ちになったりして、感情に浸ってしまう。読み終わるのが残念なくらいどっぷり浸かりました。
春にして君を離れ に続いて2作目のメアリ・ウェストマコット名義の作品。引き続き読んでいきます! -
Posted by ブクログ
友人ミス・マープルに会うためにパディントン駅発4時50分の列車に乗ったマギリカディ夫人は、並走する後発列車の個室で男が女を絞め殺す場面を目撃する。
ミス・マープルとマギリカディ夫人は警察に経緯を話すが、女性の死体はどこにも見つからなかったと言われる。
ミス・マープルはマギリカディ夫人の話を信じて自ら調べることにした。おそらく死体は列車から投げ落としてあとから片付けたのだろう。そしてその条件に合う地点をクラッケンソープ家が所有するラザフォード・ホールと推測する。
まずは死体を発見しなければ。だが年寄りのミス・マープルには自ら捜査することはできない。そこで旧知の敏腕家政婦のルーシー・アイルズバロウに協力を求める。
ルーシーはクラッケンソープ家に家政婦として入り込む。
…おお!推理小説お約束、素人の潜入捜査!!笑・笑
そして納屋の石棺の中から女性の死体を発見したのだ!
…そして大成功!!笑・笑
ではここで関係者を。
●当主ルーサー:頑固でケチな老人
●第四子、長女エマ:第四子、長女。ラザフォード・ホールで父の面倒を見ている。困り物の父と勝手な兄たちに囲まれながらもなかなかのしっかり者。
●長男エドマンド:第二次世界大戦中で戦死。死の直前にフランス人のマルティーヌという女性と結婚して息子もいるらしい??死体はマルティーヌなのか??
●次男セドリック:風来坊画家
●三男ハロルド:銀行家。アリスという妻がいる。
●四男アルフレッド:なんか裏社会と繋がってるらしく…
●ブライアン・イーストリー:死亡したクラッケンソープ家の次女イーディスの夫
●アレグザンダー・イーストリー:イーディスとブライアンの息子で休暇をクラッケンソープ家で過ごす。
●ジェイムズ・ストッダード=ウエスト:アレクサンダーの友人で、休暇をお互いの家で過ごす。
●ストッダード=ウエスト夫人:ジェームズの母。
●一家の主治医クインパー医師:密かにエマと両思い…かな?
殺人事件なのにそんなに暗くないのは、二少年のアレクサンダーとジェイムズが「納屋で死体が見つかった!」ということで大はしゃぎ!!証拠を見つけるぞ!と敷地中を探りまわるからかな 笑
そして超有能ルーシーの働き方も気持ちいい!
犯人も動機は、全く分かりませんでした。
私はアガサ・クリスティは「このような状況になったら、この立場の人が犯人」という基準があったのですが、今回それが見事に外れました(^_^;)
犯人も動機も被害者も分からず、最後の最後で一気に謎解き!解決!だったのでちょっと混乱、え、そんなに悪い人だったのか…。
そしてあることについて「どのような選択をしたのか」がはっきり書かれません。これがはっきりわからない段階でミス・マープルには及びませんね笑
しかし私としては「どっちも選択しない」でいいじゃんって気分。小説内で書かれるその人の姿がかっこよかったので、どちらかを選択したら変わっちゃうかなーって。