アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレめちゃくちゃおもしろかった!!!
いわゆる叙述トリック物で、そもそも「アクロイド殺し」自体が犯人の書いた小説、という体になっている。
善良でポアロの相棒的立ち位置だと思っていたジェームズが最後の最後に悪人の顔になる瞬間がとても気持ちよかった。気のせいか、文体も少し悪そうに感じた。これは私がジェームズを悪人だと認識したからかもしれないけれど。
真相を知ったあともう一度読み返したいなと思った。
真相を知らないヘイスティングス視点で語られていた前作までとは違い、語り手が犯人を完全にわかっている状態で進むので、ヘイスティングスの様にポアロの言動1つで容疑者がコロコロ変わるという事がなかったなと読み終 -
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Posted by ブクログ
ポアロシリーズ。
今回の舞台は、ナイル川を遡上する豪華客船。クリスティー作品ではお馴染み(?)の裕福な美女を巡るロマンスを軸に、登場人物たちの不穏な思惑が複雑に絡み合う。
ミステリー作品なんだけど、中盤までなかなか事件は起きない。それでも著者の卓越した描写力で、普通に人間ドラマの読み物としても面白い。
本作は何と言っても、ポアロの魅力がふんだんに詰まった作品だと思った。謎を解き明かす観察眼と推理力は言うに及ばずで、一癖も二癖もある登場人物たちとの関わり方、言葉の選び方、思いやりや慈悲深さなど、ポアロの人としての魅力が印象深かった。
エジプトのナイル川での旅情や、事件発生後の犯人探しは最後 -
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Posted by ブクログ
章毎に視点が変わり、それぞれの登場人物目線でストーリーが進んでいくのが面白くて良かったです。
あるひとつの場面や事件に対して、それぞれの思惑や心情が明かされていく様子にわくわくするし、それでいて誰が真犯人であるのかが良い具合にぼかされて話が進行していく描写の緻密さには思わず感服しまいました。
またそれぞれの目線で見る"名探偵ポアロ"の、不気味なまでの底の知れなさが、読者目線にもより鮮烈に描かれているのが印象的でした。
ポアロ視点が無いのでよりそう感じたのかも知れない。
これまでのポアロシリーズの中でも特に男女の愛憎や恋に焦点が当たっているのも印象的。ミステリーのドキドキは