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Posted by ブクログ 2023年12月25日
クリスマスシーズンということで、数年ぶりの再読。
クリスマスに一家が集合して、遺産問題で揉めて、そしてある夜事件が……!クラシカルな展開だけど、登場人物もわかりやすく、最後まで飽きさせず面白い。ドラマではどう表現しているんだろう?という設定があり、視聴への期待が高まる。もうちょっとクリスマスっぽい食...続きを読むべ物とかか出てきたらもっとよかったなぁ。
(余談)
・途中でヘンリーという名前が出てきて、表紙裏の登場人物一覧を見てもわからず、「誰!?」と混乱したらハリーのことだった。
・ある文学作品に設定が似てるなぁ…と思うがそれを言ってしまうとそちらのネタバレになってしまうのでなかなか言えずちょっと歯がゆい。
Posted by ブクログ 2023年08月29日
クリスティの長編ミステリ。ポアロシリーズ。クリスティが傑作を発表し続けていたあぶらののっていた時代の作品らしく、フーダニットの傑作だ。
昔からポアロシリーズは沢山読んだが、改めてクリスティの作品を読み進めていくと様々な発見がある。
いずれも人物描写について、クリスティ程作中の人物達が生き生きと...続きを読むしているミステリは少ない。美少女や美青年の表現描写は勿論、嫌な人物までありありと目に浮かぶ。今作はリーという一族の中で発生する事件であるが、正しく人物描写力が光り、作品の面白さを何段階も上げている。
イギリスのクリスマスはおそらく日本人がとらえるよりも重要なイベントであり、今作以外にもクリスマスに事件に巻き込まれるポアロには同情するが、クリスマスに向けて強欲な大金持ちの老人が、自身の息子夫婦や孫達を集め、トラブルを仕掛けて行く。息子達もクセがあり、それぞれの関係性もあまりない中で、老人の遺言や資産の分配を巡り騒動が起こる。そんな中、老人の部屋から物が崩れて壊れるような争いの音があり、続いてこの世のものとは思えないような魂の叫びが聞こえる。ドアをこじ開け室内を確認すれば、おびただしい程の血が溢れ富豪はナイフで殺害されている。
久しぶりに正当なフーダニットを読んだつもりだが、やはりクリスティ、犯人を読者に掴ませないやり方は一流だ。あいつが犯人か、こいつが怪しいか、などというのはミステリを読みながら当然感じる思考であるが、今回は「そのパターン」を僕が忘れていたため、とても新鮮に楽しむ事が出来た。
作中で紹介されているクリスマスのおもちゃについて、昔は全くわからなかったが、大人になり十分理解できた。今の時代に置き換えは難しいが、こういった不思議な装置として現代では様々な機械などが事件の擬装として使用されているのだろう。
クリスティーの小説の好きなところはトリックどうのよりも被害者と犯行を疑われる人たちの性格やその行動理由に焦点が当たるところですね。人間同士の問題というか、ドロドロして生々しいけれど納得するリアリティーがある感じです。今回もその部分が遺憾なく発揮されていて面白かったです。
Posted by ブクログ 2022年04月10日
今回こそは絶対当ててやる!と毎回思うのだけれど空回り。大富豪のシメオン・リー。彼の子ども達や孫や知り合いが一同に会する。シメオンは子ども達を支配的に扱うがため、それぞれシメオンに対する因縁がある。そんなクリスマスにシメオンが殺害される。ポアロ、警察官が殺人犯を追う。今回は密室であり、殺害される直前、...続きを読むシメオンの断末魔の叫び声に相当量の血痕。今回も慎重に犯人を予想するが、最後に犯人が明らかになり「えっ~!」。確かに若干の伏線はあったかな。クリスマスに殺人とは残念だったが、最後には一家の蟠りが解消された。⑤
Posted by ブクログ 2021年12月02日
私は得な性質で、こういうミステリーモノはどうも何度読んでも、たいてい犯人を忘れてしまっているようだ。なんか知ってるんだけど、このシチュエーション、みたことがあるんだけど、誰だっけなー、と思いながら読み進めて純粋に楽しめた。
季節に合わせて読むと、なお面白い作品の一つ。
Posted by ブクログ 2021年06月13日
ポアロ
面白かった!いつものようにボーっと読んでいたので、犯人が明らかになった時には驚愕。それも楽しかった。
ひとつ残念だったのは、タイトルにクリスマスとあるのでイギリスのクリスマスのご馳走の描写を楽しみにしていたけど、それはほとんど楽しめなかった。
印象に残ったのはp423のメンデルの法則の話し。...続きを読む自分はエンドウマメや血液型でならったような気がするけど、イギリスとかベルギーでは瞳の色を例にして習うのかな。色々な瞳の色の人がいる国との違いを感じた。
Posted by ブクログ 2019年12月25日
クリスマスの休暇で実家であるゴーストン館を訪れていた40歳代の4兄弟たちとその妻、亡くなった娘の孫娘。旧友の息子である客人。
クリスマスイブに惨劇が。主人である富豪のシメオン・リーが殺され、部屋の中で血まみれになっていた。
そして、シメオン・リーは殺される前にサぐデン警視にダイヤモンドの盗難を相談し...続きを読むていました。
殺人犯とダイヤモンドを盗んだのは同一人物か?
そしてリー氏が倒れていた部屋には誰もおらず、内側から鍵が掛けられていた。血染めの室内に凶器はなく自殺ではないと断定される。
クリスマスイブの血の惨劇。
子供たちから疎まれていた老人の周りは遺産目当ての怪しい人物ばかり。
果たして、エルキュール・ポアロの推理はいかに。
フォロワーさんのレビューを拝見して、確かこの本はうちの本棚にあったはずと、季節柄手に取りました。最初の数ページを読んだら、再読なのがすぐわかりましたが、犯人が誰か全く覚えていなかったので、ミステリーを2回読むことって、なかなかないと思い、先に後半の犯人当ての部分を読んで思い出してから、もう一度最初から読みました。そうすると「犯人が、ここでこんな見えすいた嘘を言っている!」とかの詭弁がまるわかりで、邪道な読み方かもしれませんが、2度目も違った意味で楽しめました。
旧いミステリーは久々に読みましたが、全然古臭くなくて面白かったです。
Posted by ブクログ 2023年12月23日
「こんなクリスマスはもうこりごりですよ、まったくのところ」
ほんと、そう。せっかくの年に一度の楽しいクリスマスに、血みどろなとんでもない殺人事件が起こるなんて。しかも容疑者が家族全員だなんて、酷すぎる。
そんなせっかくのクリスマスに、休暇返上で密室殺人事件の謎解きに挑むポアロ。相変わらず飄々としなが...続きを読むらも冷静に、そして確実に真犯人を追い詰める。
誰が真犯人なのか、色々想定しながら読み進めていたけれど、見事に大ハズレ。またもやポアロに一本取られた感じ。まさかあの人が…。
そんなこんなで最後は全てが丸く収まり、みんなの日常もなんとか良い方向へ収まって一安心。
一足早いけれどメリー・クリスマスなミステリを堪能できた。
Posted by ブクログ 2023年09月27日
気づきそうなのに気づけなかったまさかの結末…!伏線は沢山あったのに気付けなかったのが悔しい。アガサクリスティーらしさが感じられて好きになった一冊。
最初は怪しいと思っていた婦人達が皆かなりまともで各々自分なりに夫を支えて、苦労しながら生きてきたんだなと思うと立派だなと感じた。
最後に家族の中で和解で...続きを読むはないけど、お互いを受け入れ合うシーンがクリスマスらしくて良いなと思った。
Posted by ブクログ 2023年08月14日
こういう趣向は結構好き。
一つか二つの違和なら気づけるけど、まだあるんですか!というくらい『実は…』が多い作品だった。
ヒントの描写をいくつ見逃したことか。
でも驚かされるのはやっぱり楽しい。
“殺人が貧血性的になってきた”という読者の不満を取り入れ、血みどろの死体を登場させたクリスティにはとても好...続きを読む感が持てる。
Posted by ブクログ 2022年12月27日
クリスマスに読むのに相応しい題名。一族が集まった大富豪の屋敷で当主が惨殺される。疑わしい子供ら夫婦と孫娘。それぞれが当主に対して遺恨を抱いていて、、、でポアロの脳細胞が活躍する。犯人は脳細胞が死滅した私には全く予想出来なかった。
Posted by ブクログ 2022年12月07日
クリスマスに、家族が集まっている時に、屋敷の主人のシメオンが殺害されます。横暴で支配的な主人と、それに逆らえない人々という構図は、"死との約束"に通じるものがありました。
富豪の死・遺産相続が絡む、クリスティでこのパターンは、動機のはっきりしている、直感で怪しいと思わせる人物が犯...続きを読む人だろうと予想していましたが、大外れでした…。
サグデン警視は、これからレギュラー化して欲しいくらい好きな人物だったので、ショッキングでした。しかし、読み返してみれば、やたらハンサムであることや、隙のない性格について描写していました。シメオンの血を色濃く受け継いでいるという情報を、読者にきちんと与えていたと気づきました。(それでも、気づけませんでしたが…)
タイムリーな時に読み終えられて嬉しいです。まだまだポアロシリーズを楽しみます!
Posted by ブクログ 2022年08月11日
「アガサ・クリスティ」の長篇ミステリー『ポアロのクリスマス(原題:Hercule Poirot's Christmas{アメリカ:Murder for christmas})』を読みました。
『終りなき夜に生れつく』、『なぜ、エヴァンスに頼まなかったのか?』、『NかMか』に続き「アガサ・...続きを読むクリスティ」作品です。
-----story-------------
聖夜に惨劇は起きた!
一族が再会した富豪の屋敷で、偏屈な老当主「リー」の血みどろの死体が発見される。
部屋のドアは中から施錠され、窓も閉ざされているのに、犯人はどうやって侵入したのか?
休暇返上で捜査にあたる「ポアロ」は被害者の性格に事件の鍵が隠されていると考えるが…クリスマス的趣向に満ちた注目作。
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1939年に発表された「エルキュール・ポアロ」シリーズの長篇24作目となる作品です。
■第一部 十二月二十二日
■第二部 十二月二十三日
■第三部 十二月二十四日
■第四部 十二月二十五日
■第五部 十二月二十六日
■第六部 十二月二十七日
■第七部 十二月二十八日
■解説 霞流一
大富豪だが偏屈者の老人「シメオン・リー」がクリスマスに離れ離れの息子家族を、彼の住む「ゴーストン館」に呼び寄せるところから物語は始まります、、、
元々、ほとんど交流がなく、信頼関係のない四人の息子とその妻たち(三人)、そして初めて「ゴーストン館」を訪れた孫娘(亡くなった娘の子ども)と南アフリカから訪ねてきた「シメオン」の旧友の息子を自室に集め、「シメオン」は遺言状の変更を考えていることを仄めかし、息子たちへ挑発的な言葉を吐き掛け、一族が反目し合うように仕掛けます… その夜、「シメオン」が部屋の金庫に隠していたダイヤの原石が盗まれ、地元警察の「サグデン警視」が調査にやって来たクリスマスイヴの夜、「シメオン」は密室状態の自室で血まみれの惨殺死体で発見されます。
その殺人は密室にする必然性がないうえに、必要以上の出血があり、身体の弱った老人を殺害したにも関わらず激しい乱闘の形跡が残っており、謎のゴム片と木釘が残されているという、不合理な謎が残されていた、、、
息子やその妻、孫娘、旧友の息子、従僕等には、それぞれ動機や機会があるように思えた… 「ポアロ」は地元警察の警視「サグデン」や警察部長「ジョンスン」とともに真相を探ります。
誰が犯人でもおかしくない展開の中、孫娘「ピラール・エストラバドス」や旧友の息子「スティーブン・ファー」が偽者であることが判明し、疑いは二人に集中しますが、、、
これまた、まさかまさかの展開で、犯人とは思えない人物が真犯人でしたねぇ… 容貌がわかれば、ある程度、推理しやすかったかも。
もう一人、家族(「シメオン」の息子)が存在していたとは… しかも、その人物が捜査側にいたとは… 「アガサ・クリスティ」は、家族の愛憎を描くのが巧いですね。
登場人物が多く、序盤は少し入り込み難い面がありましたが、一人ひとりの特徴や性格が把握できた中盤以降は抵抗感なく読めました。
仲違いしていた息子たちや、偽者だった二人も幸せな未来が築けそうな明るいエンディングも良かったですね。
なかなか面白かったです。
以下、主な登場人物です。
「シメオン・リー」
ゴーストン館の当主
「アルフレッド・リー」
シメオンの長男
「リディア・リー」
アルフレッドの妻
「ジョージ・リー」
アルフレッドの弟、国会議員
「マグダーリン・リー」
ジョージの妻
「デヴィッド・リー」
アルフレッドの弟、画家
「ヒルダ・リー」
デヴィッドの妻
「ハリー・リー」
アルフレッドの弟
「ピラール・エストラバドス」
シメオンの孫娘、ジェニファーの娘
「スティーブン・ファー」
シメオンの旧友の息子
「エドワード・トレッシリアン 」
ゴーストン館の執事
「シドニー・ホーベリー」
シメオンの従僕
「サグデン」
アドルスフィールド警察署警視
「ジョンスン」
ミドルシャー州の警察部長
「エルキュール・ポアロ」
探偵
謎解きされたときの私の感想は、「ですよね」
ということで、さっぱり気づきませんでした。
それにしてもクリスティの小説の登場人物は、
リアリティがありすぎて恐ろしいような気がする。
人間心理の普遍性が、今でも読み次がれている理由なのでしょう。
Posted by ブクログ 2021年12月26日
クリスマスに読もう!と決めてた本
犯人当てようと意気込んで怪しい箇所ハイライト入れながら読んで、犯人の正体はなんとなくわかってたけど(落ちてた物のこと言わなかったときから怪しいと思ってた!)、結局トリックは全然わからなかったので犯人当ては出来ず
割と雑なトリックだったけど面白かった
クリスティ作...続きを読む品の女性の登場人物は魅力的だなと思う
Posted by ブクログ 2021年12月26日
ポアロもの。
この作品は、クリスティーの義兄から「もっと血にまみれた思いきり凶暴な殺人を」というリクエストに応えた、クリスティーからのクリスマスプレゼント(?)です。
クリスマスの夜。親族が一堂に会した富豪の屋敷で、当主のシメオン・リー老人の血みどろの死体が発見されます。室内は家具等が倒壊しすさ...続きを読むまじい状態ですが、部屋のドアは中から施錠されていて・・。
この密室殺人の捜査に乗り出すポアロ。犯人は家族の中にいるのでしょうか・・。
謎解きと併せて、クリスティーならではの人物描写が冴えわたり、一族間の人間模様も楽しめます。
そして、本作品中通して“血”が絡んでいるな。という印象を受けました。“血液(血まみれ)”“血縁(家族)”“血筋(血は争えない)”等々・・。
ポアロの真相解説部分も二転三転の展開を見せて、もう食い入るように読みました。
真犯人は、明かされた直後は予想の斜め上を行く感じでしたが、前半から読み返してみると、“あー、確かに!”と納得です。いやぁ、今回もポアロ、お見事でした。
では、事件も解決したところで、メリークリスマス!!
Posted by ブクログ 2021年11月29日
アガサクリスティー。ポワロにしては珍しく密室トリックが使われていると聞いていたが、メインはやはりクリスティー得意のミスリードとポワロの灰色の脳細胞を活かした容疑者の証言と心理を組み合わせた推理。
舞台はクリスティーでよくある金持ちの主人とその家族たち。何度も読んだ設定はマンネリか安心感か、推理よりも...続きを読むクリスティーを読み慣れていると犯人はすぐに分かると思います。
Posted by ブクログ 2021年07月25日
クリスマスに慈悲を。
クリスマスに親類一同が集まった家で、老いた当主が血だらけになって発見された。手を下したのは家族なのか。ポアロはこの血みどろの事件をどう読むのか。
解説にもあるが、クリスマスを思わせるアイテムをちりばめた話である。密室に誰かが外からやってくるというのはサンタクロースだし、真っ...続きを読む赤といえばサンタクロースの服である——赤い服を着たサンタクロースはアメリカの産物だけど。クリスマスに家族が集合すれば、善意よりも苦痛や憎しみの爆発が起こるだろうとポアロは語る。そうなればクリスマスは殺人事件にもってこいの季節だ。
いかにも殺人トリックな作品なので、読み終わったときの満足感は十分。指し示された犯人もなるほどと思う。アリバイトリックはそこまでする必要があったのかなと思うが、まあ、もっと血を! という声に応えて書いた作品だと最初にあるので、そのしばりがあったからだと思えば。より洗練された作品を書いてきたクリスティーがあえてこういういかにもな殺人事件を書いたと楽しめる。血に飢えた方はぜひどうぞ。
Posted by ブクログ 2020年10月02日
ポアロシリーズ17作目。タイトルにクリスマスが入っているので、箸休め的な軽い話かな〜と読み始めて……
めちゃくちゃ血みどろやった(笑)
かなり最後まで犯人が分からず一気読み。てか犯人が予想からかけ離れていてびっくり。
まさかねー。そうくるかー。
でも、追加の二人は冒頭から読み直したらめちゃく...続きを読むちゃそうやーん!ってなるぐらいきっちり描かれてたわ。さすがクリスティ。
血みどろの死体にも意味があるとかもう……やられた(笑)
Posted by ブクログ 2019年01月18日
クリスマスシーズンに合わせて読みました!
言わずと知れた名探偵エルキュール・ポアロが活躍する、
とある大富豪一家のクリスマスのお話。
クリスマスらしいほのぼのとした雰囲気は全くないので、
クリスマスを舞台にした意味がよくわからなかったのですが、
巻末の解説を読んで納得!
さすがアガサ・クリステ...続きを読むィ!と感じる作品です。
◇おすすめポイント
・大富豪一家がそれぞれに抱える秘密
・情報が多く、推理を楽しめる
・読みやすい翻訳・装丁
◇こんな方におすすめ!
・本格ミステリ長編を読んでみたい
・クリスマスが好き
・ポアロが好き
Posted by ブクログ 2018年05月10日
犯人またわからなかったー
でも、一応はハッピーエンドなのかな? 死との約束と同じような読後感。
クリスマスって言うから、名探偵もほっと一息かと思ったら、とんでもない! 家族全員容疑者という密室殺人。さすがポアロさん。
Posted by ブクログ 2023年12月18日
ポアロシリーズ17巻目。1939年の作品。
少し順番が飛びますが季節的にこちらにしてみました。
(このシリーズは再読も多いので、なるべく新訳で読もうと思っているのですが、2023年11月に川副智子による新訳版が出ていることにあとから気がつきました。)
章のタイトルが「第一部 十二月二十二日」、「...続きを読む第二部 十二月二十三日」となっている時点でもうワクワク。
クリスマスに一族が集まることでそれまでは隠されていた感情が表面化し、引き起こされる人間模様というクリスティーお得意のストーリー展開。
今回は若くて美しい娘さんより、美人ではないけれど上品で賢くて根性のある奥様方が素敵でした。
そして紳士たちは食堂でポートワイン、婦人たちは客間に移ってコーヒー、というのがいいよね。このわざわざ部屋を移動するという感じ。
残念ながらクリスマスは殺人が起こるのでクリスマスディナーは出てきません。
「あたしが本で読んだイギリスのクリスマスはとても陽気で楽しげなんですもの。焼いた干しブドウを食べたり、すばらしいプラム・プティングをつくったり、それからユール・ロックなんてものもあって……」
今回も犯人はまったくわかりませんでしたが(そもそもわかるように書かれていない)、登場人物たちがそれぞれの葛藤を胸に秘めながら交わす会話というのがもうおもしろくて一気読みしてしまいました。
『クリスマス・プティングの冒険』も読みたいなあ。
以下、引用。
あの年寄りが、あんなにたくさんの血をもっていたと、誰が考えただろう?
──マクベス
52
「もしわたしたちが過去を生かしておこうとすると、その結果はどうしてもそれをゆがめることになると思いますわ。なぜって、わたしたちは誇張した言葉で──まちがった遠近法でそれを見るからですわ」
「あなたは、大人の節度ある眼でそれを回想するかわりに、子供の判断でそれを見ようとなさるからですわ」
90
「ピラール──おぼえているんだよ──献身ほど退屈なものはないってことを」
136
ミドルシャー州の警察本部長のジョンスン大佐は、薪の火を打ち負かすものはないとの意見らしかったが、エルキュール・ポアロはセントラルヒーティングこそそれを打ち負かすものだと、信じていた。
200
エルキュール・ポアロの眼は(彼女の見るところによると)ずっと鑑賞的であったが、それは彼女の美しさに対してだけでなく、その美しさを彼女が効果的に利用していることに対する鑑賞でもあった。
233
「いいえ、くれなかったわ。でも、たぶんいつかはくれるだろう、と思いましたわ──もしあたしが親切にして、たびたびそばにいてあげれば。なぜって、年とった紳士は若い娘が大好きですもの」
343
「失礼しました、奥さん。身だしなみ(ラ・トワレフト)を心得ているイギリス婦人は、じつに少ないですよ。」
345
ポアロはため息をついた。
「あなたはそんな月並みの返事を、わたしになさらなければならないのですか?」
リディアは言った。
「わたくし、月並みな女でございますもの」
393
「世の中は女にはとても無情なものよ。だから、女は──若いうちに自分のためにできることをやっておかなければならないわ。女が年とって醜くなったら、誰も面倒をみてくれるものなんか、ありませんもの」
395
「あたしが本で読んだイギリスのクリスマスはとても陽気で楽しげなんですもの。焼いた干しブドウを食べたり、すばらしいプラム・プティングをつくったり、それからユール・ロックなんてものもあって……」
Posted by ブクログ 2023年12月07日
せっかくのクリスマスだというのに
ポアロのマンションはヒーターが故障中。
大金持ちの老人から呼び出しを受けたのを幸いに
その屋敷でクリスマス・シーズンを過ごすことにする。
老人は南アフリカのダイヤモンド鉱脈で財をなしたものの
その遺産をめぐって命を狙われているというのだが…。
長年顔も合わせていな...続きを読むかった息子たちが揃い
外国に嫁いだ娘の忘れ形見まであらわれたその夜
ついに老人を悲劇がおそう。
うひゃー。
最後までいってから読み直すと
ここにも!あそこにも!
たくさん伏線が張ってあるじゃないのさ…。
心理的なトリックと物理的なトリックが相まって
いい感じにだまされたかな〜。
Posted by ブクログ 2023年06月27日
去年のクリスマスに読みました。
クリスティの作品は若い頃、ほとんど読んでると思いますが、内容忘れてるので、また新たに楽しめます。
あとクリスティは駄作がないですよね。推理小説の原点。
Posted by ブクログ 2022年07月07日
クリスマスっぽさがあまり感じられない気がするのだが。。
短編のクリスマスプディングの方がクリスマスっぽくって好き。子供たちがわちゃわちゃしてるし。
リディア、いい人
Posted by ブクログ 2022年04月23日
クリスマスの日に起こった殺人事件。
凄まじい物音と叫び声に家族が駆けつけた時には、
老人は鍵の掛かった部屋で喉を切り裂かれて死んでいた。
犯人は使用人か、それとも家族の中にいるのか…
兄弟がミンナ割と仲悪い。
Posted by ブクログ 2020年12月25日
久々のポアロ!残念ながら翻訳はイマイチだけれど、訳のまずさが大して話を読み進める障害にならないのは、原作の構成がシッカリしているせいだろうか。時々多すぎる代名詞が一体どこを指しているのかと行きつ戻りつはしたが、最後までワクワク楽しめた。…途中で犯人の目星はついちゃったけど。巧妙に仕組まれてはいるもの...続きを読むのそれ以上の仕掛けはなく、華やかに展開されはするもののそれ以上の大胆さもなく、気楽に楽しめるエンターテインメントといったところ。頭休めにちょうど良い一冊。
Posted by ブクログ 2019年08月16日
冒頭の言葉からもっと殺人が起るのかと思いきやそれほどでも…な展開。密室トリックではあるけどクリスティ作品の場合、基本は文章自体がトリックであり本作もそういう流れ。
ただ見ただけで確信できる遺伝にポワロしか気付かないとか現場の血の跡とかちょっと強引では?と思ってしまう部分も多々。犯人が意外!って事で...続きを読むなんか最後許してしまいがちだが、あまり好みではなかったかな…