アガサ・クリスティーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
旅行カバンと女性の座っている姿が素敵な表紙です。読んだ後に考えさせられる、素晴らしい内容でした。
春にして君を離れ
absent in the spring
英語の題名も、日本語訳の題名も秀逸です。「君」は誰なのか、「absent」の意味も考えさせられます。
「君」はジョーン側から見るとロドニー、逆から見るとジョーン。物理的に旅行したから「離れた」って意味合いもあるけど、「心が離れている」意味もある。
本の流れとして、ジョーンは自分の意見が間違っていない、周りを良い方向に直してあげていると思っているが、周りからは融通のきかない、わがままなお母さんと捉えられている。しかし、別の面から見た -
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Posted by ブクログ
ネタバレクリスマス当日に読みました。なんて素敵な短編集。いつもよりほんの少し慈悲深くなれそうな、かつお説教臭くなく読書の楽しみも与えてくれる、クリスマス期間中に読むのにぴったりの作品でした。クリスティ作品は結構読んだけど、これは恥ずかしながら知らなかった。タイトルを『クリスマスの奇跡』的な感じにして、カバーデザインももっと華やかに、かつハードカバーにしたらクリスマスプレゼントとして随分売れるだろうにと思うんですが、どうでしょうね早川さん?
そんなそろばん勘定はともかく、構成も素晴らしい本作品。はじまりのお話は、イエス様を出産されたばかりの若き母・マリア様。そしてマリア様の最期を描いたお話で締める。本 -
Posted by ブクログ
人間の心理を描いたとてつもない作品。
毒親、ともよべる、自己中心的な母親ジョーン。
家族のことを思っているようで、実は自分の思い通りにすること、それが彼らにとってよいことだという一方的な決めつけを押し付けることしかせず、そのことに自覚もない。
皆にうとましがられていることにも気づかず、自分1人の幻想の中で孤独に生きている。
その真実に、一番気づきなくないのは、本人自身だ。
一人きりで時間がたっぷりあるとき、
ジョーンはようやく、自分自身の真の姿に出会うことになる。
それは、気持ちいいことではない。
不安で、不穏で、懺悔がまちうけているような、天変地異のような。
そのシーンの描写は圧倒的だ。 -
購入済み
面白かった
フィクションであり、
現代日本の価値観とは異なる部分も小さくないが
それでも、登場人物全員が、
長所も短所も持ち合わせていて
こういう人いそうだなと思わせる
生々しさを感じた。
真相も、好みに合うかどうかは別として
たしかにそうだなと、納得の結末です。
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Posted by ブクログ
ある村に越してきた名探偵ポワロが、その村の名士の殺人事件に挑むという、いわば典型的探偵小説。
この作品の肝とも言える構成については、ポーの前例があったものの、それを長編として完全構築したクリスティーの中でも有名な作品。
果たしてこの作品はフェアかアンフェアか、当時は物議を醸したらしいが、それだけ沸騰するのもこの作品の衝撃度のせいではないだろうか。
僕も中学生の時、海外の人の名前が覚えられないから紙に書き出したのを見ながら読み終えた時、してやられてしまった。
フェアかアンフェアか。
正直、そんなことどうでもいいくらい面白い。
あれから幾年もたった今読み直してみると、当時の衝撃は当然ない -